JPS623868Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、錠のロータとスイツチの切替回転子
とを連動させ、錠の合鍵所有者以外の者によるス
イツチの開閉操作を許さないようにしたキースイ
ツチ装置に関するものである。

従来の一般的なキースイツチ装置では、錠は前
記のように専らスイツチの操作規制のために用い
られており、例えばキースイツチ装置を装着した
扉を機器本体に錠止するには、それ専用の錠を別
個扉に装着する必要があつた。

従つて本考案の目的は１個の錠を扉の施錠とス
イツチの操作規制の双方に兼用できるラツチ付き
キースイツチ装置を提供することである。

以下、図面に基いて説明すると本考案のキース
イツチ装置は、ハウジングを錠部ハウジング１ａ
とスイツチ部ハウジング１ｂに分割して構成し、
ロータ２の後端軸部２ａにラツチ３とクラツチ筒
４を順次に嵌着して、後端軸部２ａにねじ込んだ
締付ボルト５によつてロータ２に固定し、前記ク
ラツチ筒４をスイツチ部ハウジング１ｂの前端部
に回転可能に嵌め入れて、クラツチ筒４と切替回
転子６の一方に設けた連動突子７を他方に設けた
連動溝８に嵌め入れ、前記締付ボルト５の後端に
設けた抜止め盤９を前記切替回転子６の中央軸孔
１０に圧入して軸孔内壁に食い付かせ、錠部ハウ
ジング１ａとスイツチ部ハウジング１ｂの一方に
設けた回り止め突子１１を他方に設けた受溝１２
に嵌め入れるようにしたものである。

図示の実施例では、錠のロータ２の後端軸部２
ａは両側部を平担に削除した断面小判形のもので
あり、ラツチ３の基端部の取付孔１３と、クラツ
チ筒４の前底壁部中央の取付孔１４も同一形状に
形成されている。そのため、これら取付孔１３，
１４にて後端軸部２ａに嵌めたとき、ラツチ３と
クラツチ筒４はロータ２に対して回転不能であ
る。錠部ハウジング１ａの後端部周壁は、ラツチ
３の90度回転を許すよう切欠けられ、この切欠部
１５の深さはラツチ３の板厚より若干長くなつて
いる。そのため、錠部ハウジング１ａとスイツチ
部ハウジング１ｂを突き合わせて連結したとき、
ラツチ３はスイツチ部ハウジング１ｂに押される
ことがなく、円滑に回転できる。

後端軸部２ａの中央ねじ孔１６にねじ込まれる
締付ボルト５は、座金１７を介してクラツチ筒４
とラツチ３をロータ２に締着固定する。その後部
丸軸部５ａにかしめ固定された抜止め盤９は、６
個の舌部片９ａを等間隔に突設した金属円板であ
る。各舌片９ａは前方へ屈曲され、全体として傘
状に形成されているため、抜止め盤９は切替回転
子６の中央軸孔１０に容易に圧入でき、かつ、そ
の抜脱は的確に阻止される。錠部ハウジング１ａ
に内蔵される錠機構は、本例ではデイスクタンブ
ラー錠機構となつているが、これはピンタンブラ
ー機構等に代えてもよい。

前記連動溝８はクラツチ筒４の周壁に形成さ
れ、連動突子７は切替回転子６の前端面に形成さ
れている。切替回転子の前端面には連動突子７に
連続して、前記中央軸孔１０を囲む案内筒部１８
を突出形成してある。そして、クラツチ筒４の主
体部分がこの案内筒部１８と筒状スイツチ部ハウ
ジング１ｂ間の環状空間１９に嵌込まれるため、
スイツチ部ハウジング１ｂは錠部ハウジング１ａ
と軸線を合致させて装着され、切替回転子６への
回転力の伝達は無理なくなされる。前記受溝１２
は錠部ハウジング１ａに設けられ、前記回り止め
突子１１はスイツチ部ハウジング１ｂの前端部周
壁の小孔２０に打込み固定した棒で構成されてい
る。

スイツチ部ハウジング１ｂ内蔵されるスイツチ
機構としては、ロータリースイツチ、マイクロス
イツチ等公知の機構を採用できるが、本例では、
マイクロスイツチ機構が組込まれている。即ち、
スイツチ本体２１に固着された支持座２２は、そ
の中央屈曲部にて可動接片２３を反転自在に支持
し、切替回転子６の後端面に植設した偏心ピン２
４と可動接片２３の中間部間に装着された引張コ
イルバネ２５は、可動接片２３を回転付勢してい
る。スイツチ本体２１に固着された一対の固定接
片２６，２７はそれぞれ常開端子、常閉端子を構
成し、前記支持座は共通端子を構成している。ス
イツチ部ハウジング１ｂの内壁面には90度間隔に
４個のデテント用溝３１を設け、これには切替回
転子外周面の一対のデテント突子３２が係脱す
る。

かくして、ロータ２に合鍵２８を挿入して錠部
ハウジング１ａに対するロータ２の錠止を解き、
合鍵２８によつてロータ２を90度回転させると、
クラツチ筒４がロータ２と一体に回転し、クラツ
チ筒４に連動して切替回転子６が90度回転するた
め、前記偏心ピン２４が可動接片２３の延長線上
を越えたとき、可動接点２３は前記バネ２５の付
勢によつて反転動作し、常閉端子たる固定接片２
７より離れて常開端子たる固定接片２６に接触す
ることになる。このスイツチの切替操作と同時に
前記ラツチ３がロータ２と一体に回転し、固定枠
体側の受金２９より離脱し、扉３０の錠止を解
く。

以上のように本考案のキースイツチ装置は、ハ
ウジングを錠部ハウジング１ａとスイツチ部ハウ
ジング１ｂとに分割して構成し、ロータ２の後端
軸部２ａに順次に嵌着したラツチ３とクラツチ筒
４を、後端軸部２ａにねじ込んだ締付ボルト５で
ロータ２に固定し、前記クラツチ筒４をスイツチ
部ハウジング１ｂの前端部に回転可能に嵌め入れ
て、スイツチの切替回転子６と前記クラツチ筒４
を連動可能に嵌合させると共に、錠部ハウジング
１ａとスイツチ部ハウジング１ｂの一方に形成し
た受溝１２に他方に設けた回り止め突子１１を嵌
め入れ、前記締付ボルト５の後端の抜止め盤９を
切替回転子６の中央軸孔１０に圧入固着したもの
であるから、ロータ２を回転させると、切替回転
子６によるスイツチの開閉操作とラツチ３による
扉３０の解施錠操作が同時に行われることにな
る。即ち、本考案では１個の錠が扉の施錠とスイ
ツチの操作規制の双方に兼用されているので、従
来のように扉錠止用の錠を別個装着する必要がな
く、扉表面を他の機器、部品の装着に有効利用で
き、また、全体の設備コストの低減を図れるので
ある。

更に、スイツチ部を連結しない状態では、この
キースイツチ装置はラツチを備えた通常の扉錠止
用の錠装置となるから、このキースイツチ装置を
一つ製作すれば、需要に応じて扉錠止用錠装置と
スイツチ機能のあるキースイツチ装置という二つ
の装置を直ちに提供することができ、二つの装置
を各別に製作、保管する場合と比べて、単一種大
量生産によるコスト低減と製品の在庫管理の簡略
化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図と第２図
はスイツチ部を連結したキースイツチ装置の正面
図と背面図、第３図は第１図のＡ−A′線断面
図、第４図は第３図のＢ−B′線断面図、第５図は
第３図のＣ−C′線断面図、第６図は第３図のＤ
−D′線断面図、第７図は錠部の背面図、第８図
はスイツチ部の正面図である。第９図、第１０
図、第１１図はそれぞれ錠部ハウジングの正面
図、背面図、縦断面図、第１２図と第１３図はそ
れぞれロータの左側面図と背面図、第１４図、第
１５図、第１６図はそれぞれクラツチ筒の正面
図、背面図、縦断面図である。第１７図と第１８
図はそれぞれ締付ボルトの左側面図と背面図、第
１９図と第２０図はそれぞれ抜止め盤の背面図と
縦断面図である。第２１図、第２２図、第２３図
はそれぞれ切替回転子の正面図、背面図、縦断面
図、第２４図と第２５図それぞれスイツチ部ハウ
ジングの正面図と縦断面図、第２６図は第２５図
のＥ−E′線断面図、第２７図、第２８図、第２
９図はそれぞれスイツチ本体の正面図、背面図、
縦断面図である。 １ａ……錠部ハウジング、１ｂ……スイツチ部
ハウジング、２……ロータ、２ａ……後端軸部、
３……ラツチ、４……クラツチ筒、５……締付ボ
ルト、６……切替回転子、７……連動突子、８…
…連動溝、９……抜止め盤、１０……中央軸孔、
１１……回止め突子、１２……受溝、１５……切
欠部、１６……中央ねじ孔、１７……座金、１８
……案内筒部、２１……スイツチ本体、２２……
支持座、２３……可動接片、２４……偏心ピン、
２５……付勢バネ、２６，２７……固定接片、２
８……合鍵、２９……受金、３０……扉、３１…
…デテント用溝、３２……デテント用突子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングを錠部ハウジングとスイツチ部ハウ
   ジングに分割して構成し、ロータの後端軸部に嵌
   着したラツチとクラツチ筒を後端軸部にねじ込ん
   だ締付ボルトによつてロータに固定し、前記クラ
   ツチ筒をスイツチ部ハウジングの前端部に回転可
   能に嵌め入れて、クラツチ筒とスイツチの切替回
   転子の一方に設けた連動突子を他方に設けた連動
   溝に嵌め入れ、前記締付ボルトの後端に設けた抜
   止め盤を前記切替回転子の中央軸孔に圧入して軸
   孔内壁に食い付かせ、錠部ハウジングとスイツチ
   部ハウジングの一方に設けた回り止め突子を他方
   に設けた受溝に嵌め入れるようにしたラツチ付き
   キースイツチ装置。