JPS6238637Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はベースの気化室に適宜、水を滴下して
スチームを噴出させることが可能のスチームアイ
ロンに関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

この種のアイロンは水タンクを備え、この水タ
ンクの底部にノズルが設けられている。そして水
タンク内に収容された水がノズルを通してベース
の気化室に滴下され、この水がベースの熱で気化
してスチームとなり、このスチームがベースの下
面から順次噴出するようになつている。

ところがこのようなスチームアイロンを長時間
使用していると、熱の影響等により水タンクやノ
ズルの内周部に微細な気泡が発生してくる。そし
てこのような気泡がノズルの細孔に付着すると、
その細孔が詰まり、水が円滑に滴下しなくなり、
スチームの噴出が断続的となつたり停止してしま
う。水タンク内に充分な量の水が収容されている
状態のもとでは、その水圧により気泡が発生しに
くいし、また一旦発生してもその水圧により容易
に破砕されてしまい、したがつて上述のような現
象は水タンク内の水量が減少してくると発生す
る。

〔考案の目的〕

本考案はこのような点に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、水タンク内の水量
が減少しても常に円滑に水タンク内の水を滴下さ
せることができるようにしたスチームアイロンを
提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

水タンク内にその底部のノズルと連通する起立
室を形成するとともに、この起立室内に水タンク
内の底部の水を汲み上げて供給するポンプ機構を
設けたことを特徴とするスチームアイロン。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例について第１図および
第２図を参照して説明する。図中１はベース、２
は遮熱板で、遮熱板２の上面にハンドル３が取付
けられている。そしてハンドル３の前端部にカセ
ツト式の水タンク４が着脱自在に装着されてい
る。ベース１にはヒータ５が鋳込まれているとと
もに、上面に気化室６が形成され、この気化室６
が噴出孔７を介してベース１の下面側に連通して
いる。水タンク４は例えば合成樹脂で成形されて
いて、底部にはノズル８が取付けられ、このノズ
ル８が気化室６に臨んでいる。水タンク４の内部
には一対の仕切壁９，９が離間対向して設けら
れ、これら仕切壁９，９の相互間で縦に長い起立
室１０が構成されている。この起立室１０は上面
が開放するとともに、下面が上記ノズル８と対向
し、そのノズル８の細孔１１を通して水タンク４
の下方側に連通している。さらに水タンク４には
ポンプ機構１２が組込まれており、このポンプ機
構１２について説明すると、まず水タンク４の後
端部に圧力室１３が形成されている。そしてこの
圧力室１３の一側面に弾性材で形成された作動膜
１４が取付けられ、この作動膜１４は水タンク４
の後方側に向つて彎曲状に突出している。圧力室
１３の他方の側面には、水タンク４の底部側に位
置して吸込口１５が、また、この吸込口１５の上
部側に位置して吐出口１６がそれぞれ形成され、
吸込口１５の内側および吐出口１６の外側にそれ
ぞれ逆止弁１７，１８が設けられている。さらに
圧力室１３の側面からは、吐出口１６を介してそ
の圧力室１３内と連通する送水パイプ１９が導出
し、この送水パイプ１９の先端が上記起立室１０
の上端開放部２０に臨んでいる。作動膜１４の後
方側にはソレノイド２１が配設され、そのブラン
ジヤ２２の先端に押圧板２３が取付けられ、この
押圧板２３が作動膜１４と対向している。水タン
ク４の前面上部には注水口２４が形成され、この
注水口２４を通して水タンク４内に水を注入す
る。またその注水口２４には開閉蓋２５が取付け
られている。

なお、ノズル８の細孔１１は、外部操作で上下
動する図示しない開閉針により適宜開閉されるも
のである。

次に動作について説明する。いま、ソレノイド
２１を制御してブランジヤ２２を往復動させる
と、押圧板２３を介して作動膜１４が操作され、
この作動膜１４が弾性的に変形してその彎曲突出
方向を圧力室１３の内外に向つて交互に変換させ
るように振動する。この振動により水タンク４内
の底部の水が吸込口１５を通して圧力室１３内に
順次吸込まれるとともに、それが吐出口１６から
送水パイプ１９を通して起立室１０内に順次送り
込まれ、起立室１０内に水が満たされる。起立室
１０内の水は細孔１１の開放に応じてその細孔１
１から気化室６内に滴下し、この水がベース１の
熱で気化してスチームとなり、このスチームが噴
出孔７を通して順次ベース１の下面側に噴出す
る。

このようにして水タンク４内の水は順次消費さ
れるが、起立室１０内には水が満たされて常時大
きな水頭Ｈが確保され、そしてその水頭Ｈによる
水圧がノズル８の細孔１１に加わる。したがつて
水タンク４内の水量が減少しても、ノズル８の内
周部に気泡が発生しにくく、たとえ発生してもそ
の気泡は上記水圧によつて破砕され、このため従
来のように細孔１１に気泡が付着し、その気泡に
よつて細孔１１が詰まるというようなことがな
く、常に細孔１１からは円滑に水が滴下する。

なお、ポンプ機構１２は常時運転を継続させる
必要はなく、例えば水タンク４の側面を透明材料
で構成して起立室１０内の水位を外部から目視可
能にし、その水位が低下した際にポンプ機構１２
を運転させたり、或いは起立室１０内に水位検知
器を組込んでおき、この検知器で起立室１０内の
水位の低下を検知し、この検知時に自動的にポン
プ機構１２を一定時間運転させるようにしてもよ
い。またポンプ機構１２を運転させる駆動源とし
ては、上記実施例のようにソレノイド２１を用い
る場合のほか、モータを利用し、その回転軸の回
転運動をクランク機構やカム機構で往復運動に変
換し、その往復運動で作動膜１４を動かすように
してもよい、さらに水タンク４としては、カセツ
ト式に限らず固定式のものであつても何ら差し支
えない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、ノズルの
細孔に気泡が付着するのを防止して常にその細孔
から円滑に水を滴下させることができるという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体の側面
図、第２図はその要部の断面図である。 １……ベース、６……気化室、８……ノズル、
１０……起立室、１２……ポンプ機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水タンク内に収容した水をその底部のノズルを
   通してベースの気化室に滴下するものにおいて、
   上記水タンク内に上記ノズルと連通する起立室を
   形成するとともに、その起立室内に水タンク内の
   底部の水を汲み上げて供給するポンプ機構を設け
   たことを特徴とするスチームアイロン。