JPS6238598Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、床面掃除具に関するものである。

従来の床面掃除具には、第１図に示すように、
横長の基台１に塵埃を掃き上げる螺旋状のブラシ
２が植設されるとともに絨毯の毛足に詰まつた細
塵をたたき出すビータ３を螺旋状に一体形成した
回転ブラシ４と、図示しないが、硬質床を掃く固
定ブラシとを設けたものがある。しかし、このよ
うなものは回転ブラシ４を回転させる絨毯の掃除
中に固定ブラシが走行の妨げにならないようにす
るため固定ブラシを床面から浮かせる出没機構を
設けていることにより、固定ブラシを含めて構造
が複雑化する欠点がある。また、回転ブラシ４は
ビータ３を形成するため金型が複雑化する欠点が
ある。

この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、螺旋状ブラシを備えた回転ブラシにより絨毯
等を掃除をすることができる床面掃除具におい
て、固定ブラシを設けなくても硬質床の掃除を固
定ブラシを有するものと同様に行なうことができ
る床面掃除具を得ることを目的とする。

この考案は、床面に向けて横長に開口する吸込
開口を有して前記床面を走行するケーシングを設
け、円筒状の基台の外周面に螺旋状ブラシを螺旋
状に植毛して配列するとともに直線状ブラシを前
記基台の軸方向に沿わせて直線状に植毛して配設
した回転ブラシを設け、この回転ブラシを前記吸
込開口に沿わせて前記ケーシングの内部に駆動部
と係脱自在に連結して回転自在に収納し、前記直
線状ブラシが前記床面に対向する状態で前記回転
ブラシをロツクするロツク機構を前記ケーシング
内に設けたものである。したがつて、絨毯等の床
面に対しては、回転ブラシを回転させることによ
り螺旋状ブラシが塵埃を集め、直線状ブラシがビ
ータの作用をして塵埃を叩き出し、また、硬質床
の掃除を行なう時には、ロツク機構より回転ブラ
シをロツクして直線状ブラシを床面に対向させ、
この直線状ブラシを固定ブラシとして硬質床を掃
くことができるようにし、これより、部品点数が
少なくてもビータを備えた回転ブラシと固定ブラ
シとを設けた従来の床用掃除具と同様な機能を得
ることができるように構成したものである。

この考案の一実施例を第２図ないし第６図に基
づいて説明する。まず、ケーシングである吸込口
体１０が設けられている。この吸込口体１０には
横長の吸込開口１１が形成されたブラシ室１２と
このブラシ室１２に連通する吸込風路１３とが形
成されている。前記ブラシ室１２には回転ブラシ
１４が収納されている。この回転ブラシ１４の回
転軸１５は軸受部１６に回転自在に保持され、こ
の回転軸１５の外周にはフランジ１７を有するプ
ーリー１８と横長で円筒状の基台１９とが取付け
られている。この基台１９には螺旋状に植毛する
ことにより螺旋状ブラシ２０が設けられるととも
に、基台１９の軸方向にそつて直線状に植毛する
ことにより直線状ブラシ２１が設けられている。
この直線状ブラシ２１は硬質で、しかも、被掃除
面に対向させたときに先端が被掃除面に当接する
長さを有する。

そして、前記吸込口体１０には本体２２が回動
自在に取付けられている。この本体２２には前記
吸込風路１３に連通する吸込風路２３と、この吸
込風路２３に連通する集塵室２４と、この集塵室
２４に連通する電動室２５とが形成されている。
この電動室２５には駆動部である電動送風機２６
が収納されている。この電動送風機２６の駆動軸
２７には電磁クラツチ２８が取付けられている。
この電磁クラツチ２８の従動側にはシヤフト２９
が取付けられ、このシヤフト２９と前記プーリー
１８とにはベルト３０が懸架されている。

ついで、前記ブラシ室１２には前記回転ブラシ
１４をロツクするロツク機構３１が設けられてい
る。すなわち、前記ブラシ室１２にはソレノイド
３２と磁性体による板ばね３３とが収納されてい
る。この板ばね３３には前記ソレノイド３２への
通電が遮断された時に前記フランジ１７に形成さ
れた溝３４に嵌合する突部３５が形成されてい
る。この突部３５は鉛直線上に延び、前記溝３４
は前記回転軸１５の軸心を中心にして前記直線状
ブラシ２１と対極する位置に形成されている。

また、前記本体２２には前記電磁クラツチ２８
及び前記ソレノイド３２をON，OFFする切換ス
イツチ３６と取付口３７とが設けられている。こ
の取付口３７には前記吸込風路２３と前記集塵室
２４との連通を維持するハンドル３８と、吸込風
路２３と前記集塵室２４との連通を遮断する吸込
ホース（図示せず）とが択一的に接続される。

このような構成において、絨毯の掃除をするに
は、本体２２を起こして電動送風機２６を駆動す
る。すると、電磁クラツチ２８が作動して電動送
風機２６の駆動軸２７とシヤフト２９とが連結さ
れ、ソレノイド３２が励磁されて第６図に示すよ
うに回転ブラシ１４をロツクする板ばね３３を回
転ブラシ１４から離間させることにより、駆動軸
２７の回転力は回転ブラシ１４に伝達されて回転
ブラシ１４は回転する。この回転ブラシ１４の基
台１９には螺旋状ブラシ２０が設けられているこ
とにより塵埃を掃き上げ、また、硬質で基台１９
の軸方向にそう直線状ブラシ２１が設けられてい
ることにより、絨毯をたたいて絨毯の毛足に詰ま
つた細塵をたたき出しながら掃き上げる。そし
て、これらの塵埃は吸込開口１１より吸い込ま
れ、吸込風路１３，２３を経て集塵室２４に収納
された集塵袋（図示せず）にためられる。

このように、直線状ブラシ２１により絨毯を良
好に掃除しうることにより、基台１９にビータを
設ける必要がなく、基台１９の形状は簡素化され
て基台１９の金型は簡単になる。

ついで、畳等の硬質床を掃除するには、先程の
状態で切換スイツチ３６をOFFにする。する
と、電磁クラツチ２８は作動を停止して駆動軸２
７とシヤフト２９との連結状態は解除されるとと
もに、ソレノイド３２が非励磁状態となり板ばね
３３は自らの弾性により第５図に示すように元の
状態に復帰し、この板ばね３３に形成された突部
３５が溝３４に嵌合して回転ブラシ１４はロツク
される。このロツク位置では基台１９の直線状ブ
ラシ２１が硬質床に接触する。したがつて、吸込
口体１０を走行させると、直線状ブラシ２１は硬
質床を掃いて固定ブラシの作用をし、この掃き出
された塵埃は集塵袋にためられる。これにより、
従来のように回転ブラシ１４の他に固定ブラシを
設ける必要がなく、これに伴ない固定ブラシの出
没機構も省略し、構造を簡単にしうる。

以上はアツプライトとしての使用形態である
が、本体２２を倒した状態で切換スイツチ３６を
OFFにし、取付口３７に吸込ホースを接続すれ
ばキヤニスタータイプとしての使用形態が得られ
る。

なお、この実施例では吸込口体１０をケーシン
グとしたが、ブラシ室と電動室と集塵室とが設け
られる床面掃除機において、その本体がケーシン
グになる。

この考案は、上述のように構成したので、絨毯
等の床面に対しては、回転ブラシを回転させるこ
とにより螺旋状ブラシが塵埃を集め、直線状ブラ
シがビータの作用をして塵埃を叩き出し、また、
硬質床の掃除を行なう時には、ロツク機構より回
転ブラシをロツクして直線状ブラシを床面に対向
させ、この直線状ブラシを固定ブラシとして硬質
床を掃くことができるようにし、これにより、部
品点数が少なくてもビータを備えた回転ブラシと
固定ブラシとを設けた従来の床用掃除具と同様な
機能を得ることができると云う効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転ブラシを示す斜視図、第２
図はこの考案の一実施例に係わるもので一部を切
欠して示す平面図、第３図はその一部を切欠して
示す側面図、第４図はその回転ブラシの斜視図、
第５図はそのソレノイドの非励磁状態を拡大して
示す縦断側面図、第６図はそのソレノイドの励磁
状態を拡大して示す縦断側面図である。 １０……吸込口体（ケーシング）、１１……吸
込開口、１４……回転ブラシ、１９……基台、２
０……螺旋状ブラシ、２１……直線状ブラシ、２
６……電動送風機（駆動部）、３１……ロツク機
構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床面に向けて横長に開口する吸込開口を有して
   前記床面を走行するケーシングを設け、円筒状の
   基台の外周面に螺旋状ブラシを螺旋状に植毛して
   配列するとともに直線状ブラシを前記基台の軸方
   向に沿わせて直線状に植毛して配設した回転ブラ
   シを設け、この回転ブラシを前記吸込開口に沿わ
   せて前記ケーシングの内部に駆動部と係脱自在に
   連結して回転自在に収納し、前記直線状ブラシが
   前記床面に対向する状態で前記回転ブラシをロツ
   クするロツク機構を前記ケーシング内に設けたこ
   とを特徴とする床面掃除具。