JPS6238460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は組付構造を簡易にし且つ前照灯、方向
指示灯の前方灯器を近接一体的にして外観性を向
上させるようにした前方灯器取付構造に関する。

スクータ形式の自動二輪車の如き車両では、前
輪の操舵を行うハンドル部分に前照灯や方向指示
灯の前方灯器を集中的に配設するのが一般的であ
り、通常の取付構造としては、バー状のハンドル
を囲繞してハンドル部の外観を形成するハンドル
カバーを装備し、このハンドルカバーの前部に開
口部を形成し、この開口部より車両前方に臨む如
く前照灯及びその両側左右に方向指示灯を配設し
て成るものである。ところが、従来の取付構造に
よれば例えば第５図、第６図に示される通り、前
照灯５０と、方向指示灯５１，５１とが一定の間
隔を開けて配設され、これは方向指示灯５１，５
１の動作が前照灯５０との動作と無関係であるこ
とからこのような構造が採用されるわけである
が、この構造に従えば前照灯５０と方向指示灯５
１，５１との間に仕切壁５２，５２が設けられた
り、又は上部分５３ａと下部分５３ｂから成るハ
ンドルカバー５３の連結壁５３ａ−１，５３ｂ−
１が設けられたりしていた。従つて概してハンド
ルカバー５３，５４の構造が複雑となり且つ前照
灯５０等の取付構造が複雑になることにより組付
作業の効率が低下すると共に、また前面外観上、
前照灯５０と方向指示灯５１，５１との間をつな
ぐ外観接続部材を別途に用意する必要があるとい
う不具合を有していた。

本考案者は上述の如く前方灯器の取付構造にお
ける問題に鑑みこれを有効に解決すべく本考案を
成したものであり、本考案の目的とする処は、前
輪操舵用バー状ハンドルを囲繞する、上部分と下
部分とから成るハンドルカバーにて形成されるハ
ンドル部において、該ハンドルカバーの前面に開
口部を形成し、この開口部に前照灯とその両側に
位置する方向指示灯とを隣接配置してハンドルカ
バー内に収納するよう前記上部分と下部分とを組
み付け、且つ前記開口部の上部分のハンドルカバ
ーに前照灯との嵌合部を設け、該嵌合部に前照灯
上部を嵌合させて、以つて構造の簡易化、部品点
数の削減、外観の向上、組付作業の効率向上等を
企図するようにした前方灯器取付構造を提供する
ことにある。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は本考案が適用された自動二輪車の側面
図を示す。本実施例では自動二輪車に限定して説
明するが、同様なハンドル部を有する自動三輪車
等の類似の車両に適用することができる。

第１図において、車体１の前側下部にはフロン
トフオーク２で前輪３が懸架支持され、フロント
フオーク２はその上部を車体の不図示のヘツドパ
イプに回動自在に支持され、フロントフオーク２
の上端にはトツプブリツジ上にハンドル部の外観
形状を形成するハンドルカバー４によつて囲繞さ
れたバー状のハンドル５が配設されると共に、ハ
ンドルカバー４の前面には前方に臨む前照灯６及
びその左右両側に位置する方向指示灯７が配設さ
れている。また車体１の前面は足載せ用ステツプ
フロアより起立されたレツグシールド９によつて
被われている。一方、車体１の後側には、上記床
部８より起設されたシートポスト１０が形成さ
れ、これが車体ボデイを成し、シートポスト１０
の上部にシート１１が配設される。シートポスト
１０の内部スペースであつて車体の略中央部には
原動機たるパワーユニツト１２がスイングアーム
式にて設けられ、このパワーユニツト１２とリヤ
クツシヨンとで懸架支持された後輪１３が該パワ
ーユニツト１２より動力を付与されるが如き構造
を成して設けられている。

上記自動二輪車において、本考案の要部はハン
ドル部にあり、特にハンドルカバー４の前照灯６
方向指示灯７から成る前方灯器に係る取付構造に
ある。以下に当該構造を詳述する。

第２図は上記ハンドルカバー４の部分の分解斜
視図を示し、本図において、ハンドルカバー４は
上カバー１４と下カバー１５とから成り、この上
カバー１４と下カバー１５をバー状の折曲された
パイプハンドル５の上下の側よりパイプハンドル
５に装着せしめる。なおパイプハンドル５は前記
トツプブリツジ上にホルダ（図示せず）により固
設されており、この構造は既に知られたものであ
る。

上カバー１４は下方に解放され、下カバー１５
は上方に解放され、上カバー１４、下カバー１５
の中央部には前側に前照灯６の収納部１４ａ，１
５ａが、また後側にスピードメータの如き計器配
設部１４ｂ，１５ｂが形成されると共に、該中央
部の左右両側には前側に方向指示灯７の収納部１
４ｃ，１５ｃが、また後側にハンドル被覆部１４
ｄ，１５ｄが形成される。上カバー１４と下カバ
ー１５の組付状態においてハンドルカバー４の前
面には収納部１４ａと１５ａ，１４ｃと１５ｃの
前端で開口部が形成され、この開口部を通して前
照灯６及び方向指示灯７，７は前方へ臨むことに
なる。そして上カバー１４には収納部１４ａの両
側にて下方へ垂設されたブラケツト１４ｅ，１４
ｅが、また下カバー１５には収納部１５ａの両側
にて上方へ起設されブラケツト１５ｅ，１５ｅが
夫々設けられ、ブラケツト１４ｅ，１５ｅに穿設
された小孔１４ｅ−１，１５ｅ−１を利用してボ
ルト１６とナツト１７でハンドル５に折曲起設さ
れたステー５ａ，５ａに上下のカバー１４，１５
が固設され、以つてハンドルカバー４が形成され
る。この他に上カバー１４と下カバー１５との間
には、別途にその両側にて、下カバー１５に起設
された支持筒１５ｆを挿通せしめるビス１８を上
カバー１４に設けられた雌ネジ部１４ｆに螺締す
ることにより、その結合一体化を強固のものと
し、ハンドルカバー４の両端の浮上がり等を防止
している。

上記の如き構造を有するハンドルカバー４に対
し、その前側にて前照灯６と方向指示灯７，７が
取り付けられる。これらの取付け固定は前記上カ
バー１４と下カバー１５を組み付けるとき略々同
時に行われる。

先ず前照灯６はその正面形状が略六角形の形状
を成し、その中央部の周辺に縦方向若しくは横方
向に起立するフランジ６ａを形成し、特にフラン
ジ６ａの上辺部分の中央部に更に起立した突起６
ａ−１を設けると共に、その下面の略中央部に小
孔６ｂ−１を有したブラケツト６ｂを突設してい
る。斯かる外形形状を有する前照灯６に対して上
カバー１４の前記収納部１４ａの壁部には上方へ
膨出して内面に凹部を有する膨出部分１４ａ−１
を形成すると共に、下カバー１５の収納部１５ａ
には前方に解放された凹所１５ａ−１が形成され
ている。

上記構成によれば前照灯６の上部の突起６ａ−
１を膨出部分１４ａ−１の内面凹部に係合し且つ
ブラケツト６ｂを凹所１５ａ−１に配置せしめ、
ハンドル５の中央部にて下方へ折曲して垂設した
ステー５ｂの雌ネジ孔５ｂ−１とブラケツト６ｂ
の小孔６ｂ−１を位置合せし、この状態にてワツ
シヤ１９とコイルスプリング２０を介してネジ部
材２１を螺着することにより前照灯６をハンドル
カバー４に固設する。このとことにより前照灯６
はハンドル５に固定され、且つ前照灯６と上カバ
ー１４とは一体的に結合して、前照灯６は上カバ
ー１４にその上部が支持されると共に、上カバー
１４は前照灯６との結合によりその剛性が増加す
ることとなる。尚上カバー１４と下カバー１５と
は連結されているため上カバー１４の剛性がアツ
プすれば上、下カバー１４，１５全体の剛性がア
ツプすることとなる。

また、方向指示灯７，７は前照灯６の左右両側
の位置にて前照灯６に隣接して配設せしめられ、
その内側端部７ａは前照灯６の側端面６ｃ，６ｃ
に当接する如く設けられ、上面及び後部下端には
突起７ｂ，７ｃが夫々形成されると共に、その下
壁にはネジ孔７ｄが穿設されている。上記の如き
方向指示灯７に対して、上カバー１４には係止部
１４ｇが、また下カバー１５には係止部１５ｇと
孔を有する台座１５ｈとが形成されている。

上記構成によれば、方向指示灯７の上面の突起
７ｂを上カバー１４の係止部１４ｇに係止せし
め、また後部下端の突起７ｃを下カバー１５の係
止部１５ｇに係止せしめて方向指示灯７をハンド
ルカバー４に配置し、下方よりワツシヤ２２を介
してビス２３をネジ孔７ｄに螺締することにより
方向指示７を固定する。

上記の如くして組み付けられたハンドルカバー
４及びハンドル部を第３図、第４図に示し、第３
図は正面図であり、第４図は平面図である。これ
らの図によつて前述した上カバー１４と下カバー
１５の係合部分及び前照灯６とハンドルカバー４
との係合部、結合部、方向指示灯７とハンドルカ
バー４との係合部等が明確にされている。またこ
れらの図で明らかなように、前照灯６とその左右
両側に位置する方向指示灯７，７とは隙間なく隣
接状態にて配設され、このため、夫々の間には隔
壁等は設けられておらず、前照灯６及び方向指示
灯７，７はコンビネーシヨンライトの如く一体感
を呈して配設されることになる。

なお図中方向指示灯７は外端には被覆部分７ｅ
が設けられ、これによつてハンドル部の端部に取
り付けられるブレーキレバー２４の基部の煩雑な
部分を隠くすようにしている。また前記において
ネジ部材２１の螺締具合を調節することによつて
コイルスプリング２０の弾性作用で前照灯６の照
射角度を調節することが可能である。

以上の説明で明らかなように本考案によれば、
前照灯と方向指示灯とを隙間なく一体的になる如
く配設することにより外観を新規且つ良好なもの
とし、構造を簡易とし且つ部品点数を削減して組
付作業の効率を向上せしめ、コストを低減し、更
には一般使用者におけるメンテナンスを向上せし
めることを可能にした。またハンドルカバーに前
照灯との嵌合部を設け、該嵌合部に前照灯上部を
嵌合させてハンドルカバーと前照灯とを一体的に
結合させたため、ハンドルカバーはこの前照灯上
部との結合によりその剛性が増加し、ハンドルカ
バーの開口部の大型化に起因するハンドルカバー
の剛性の低下を補つている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案が適用された自動二輪車の側面図、第２図はハ
ンドル部分の分解斜視図、第３図はハンドル部の
組立状態における正面図、第４図はハンドル部の
組立状態における平面図、第５図、第６図は従来
の前照灯、方向指示灯の取付構造の例を示す。 なお図面中、４はハンドルカバー、５はハンド
ル、６は前照灯、７，７は方向指示灯、１４は上
カバー、１５は下カバーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前輪操舵用のバー状ハンドルを、上部分と下部
   分から成るハンドルカバーで囲繞して成る自動二
   輪車等のハンドル部において、上記ハンドルカバ
   ーの前面に開口部が形成される如く上記上部分と
   下部分を形成し、該開口部に前照灯とこの両側の
   方向指示灯とを隣接配置するよう上部分と下部分
   を組み付けると共に、前記開口部の上部分のハン
   ドルカバーに前照灯との嵌合部を設け、該嵌合部
   に前照灯上部を嵌合させたことを特徴とする前方
   灯器取付構造。