JPS6237711B2 - - Google Patents
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- JPS6237711B2 JPS6237711B2 JP57158755A JP15875582A JPS6237711B2 JP S6237711 B2 JPS6237711 B2 JP S6237711B2 JP 57158755 A JP57158755 A JP 57158755A JP 15875582 A JP15875582 A JP 15875582A JP S6237711 B2 JPS6237711 B2 JP S6237711B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
本発明は耐熱性および耐摩耗性に優れた焼結合
金製シール材の製造方法に関するものであり、さ
らに詳しく述べるならばターボチヤージヤー排気
マニホールド側用シールリング、内燃機関用ピス
トンリング等に用いられるシール材の製造方法に
関するものである。 一般に内燃機関のシール材としては、FC及び
FCD系の鋳鉄あるいは樹脂等が多用されている
が、耐摩耗性はかなりの程度であるとしても、耐
熱性は不足する場合がある。一方、焼結合金はピ
ストンリング等に使用される傾向にあるが、これ
は焼結合金には10〜20%の空孔が内在し、油だま
りとなつて潤滑油を保持し、耐摩耗性及び耐焼付
性を向上させる性質を利用することを意図したも
のである。しかし焼結合金に内在する空孔は焼結
シール材の有効断面積を減少させる結果、該シー
ル材の実作用応力が高くなり、耐熱性は劣化す
る。この欠点を補い焼結合金の耐熱性を向上させ
るには、空孔体積率の減少が有効であるが、焼結
鍛造、ホツトプレス等の特殊な技術を用いければ
ならず焼結品のコスト上昇を招き経済的に不利で
ある。焼結シール材の耐熱性を向上させる他の技
術には耐熱性向上元素として一般的なCr,Ni,
Co,Mo,W等の粉末を鉄粉末中に予め混合させ
ておく方法があるが、焼結は固相拡散反応を利用
するのが一般的であるから、Ni,Coを除いた
Cr,Mo,W等を焼結合金のFeマトリツクス中へ
均一に拡散固溶されるのは極めて困難である。し
たがつて、上述のような耐熱性向上元素の粉末と
鉄粉末を混合させる方法では顕著な耐熱性向上を
期し得ない。本発明は以上のような問題点を解決
しうる焼結合金製シールの製造を提供するもので
ある。 以下、ターボチヤージヤー排気マニホールド側
用シールリングに例をとつてシール材の要求性能
及び従来法の問題点を具体的に説明する。 近年自動車の低燃費化や高出力化の手段として
ターボチヤージヤーを装着する内燃機関採用が増
加している。ターボチヤージヤー排気マニホール
ド側用シールリング(以下シールリングと称す
る)は高温の排気ガスの影響により高温にさらさ
れ且つ高温下で潤滑油のシール性を保たなければ
ならない。よつて張力の保持がシールリングとし
ての重要な特性の1つであるのでシール材として
は高い耐熱性が要求性能となる。さらにターボチ
ヤージヤーのタービンの回転数は最大十数万rpm
の高速回転となるのでシール材として耐摩耗性
(相手材を摩耗させない性質も含む)および耐焼
付性についても高い性能があわせて要求される。 一般にシール材として使用されているFC及び
FCDの鋳鉄や樹脂等はシールリングとしては耐
熱性が明らかに不足するので、現在シールリング
には高速度鋼、オーステナイト鋳鋼、高Cr鋳
鋼、ステンレス鋼等の溶製材料が一般に用いられ
ている。これらの溶製材料は耐熱性に優れている
がシールリングは小径であるため多大の加工工数
を必要としまた材料歩留が極めて悪いという欠点
を有する。更にこれらの溶製材料は耐焼付性及び
耐摩耗性には問題を有している。これに対して、
焼結合金は材料組成の自由度が高いこと、空孔が
内在することなどによつて、耐熱性、耐摩耗性等
の改善を容易に実施可能である。しかも焼結合金
は極めて高い寸法精度で製造できるので加工工数
の大巾な低減が可能であり、材料歩留も極めて良
好である。 しかしながら、焼結合金は上述のように材料組
成の調節によつて耐熱性を付与する場合、単純に
耐熱性元素の粉末を鉄粉末に混合し、その後焼結
する技術では、顕著な耐熱性向上を期しえない。 以上のような従来技術の問題点を解消し、焼結
合金のシール材として耐熱性及び耐摩耗性を飛躍
的に改善するためには本発明者は次の条件が満た
されていることが重要であるとの知見を得た。 予め合金化された鉄合金粉末を用いそして高
温下での焼結を行ない合金元素の拡散を十分に
行なうこと。このためには焼結合金のマトリツ
クスの耐熱性を向上させるために、Crを高濃
度に固溶したフエライト系ステンレス鋼を主原
料として用い、さらにコバルト粉末を添加し、
コバルトをマトリツクスに焼結中に拡散固溶さ
せる。かくして単独粉末によるよりも耐熱性が
一層向上する。 焼結合金の耐摩耗性は前記内在空孔の保油効
果により一般に良好であるが、硬質粒子の添加
により一層改善されること。即ち焼結合金のマ
トリツクスに比べ相対的に硬い硬質粒子が1次
しゆう動面を形成し、一方相対的に軟いマトリ
ツクスは初期摩耗によつて前記内在空孔と同様
に潤滑油の油だまりとなり前記空孔の保油効果
のみによるよりも一層耐摩耗性の他に耐焼付性
も向上する。 さらに、黒鉛粉末を添加することによつて、
黒鉛とフエライト組織のマトリツクスとが焼結
中に反応し、微細なソルバイト組織又は微細な
マルテンサイト組織からなるマトリツクスが得
られる結果、耐摩耗性及び耐焼付性は一層向上
すること。 以上の条件,及びを満足する本発明はビ
ツカース硬さHv500〜1500を有する粒径150μm
以下の硬質粒子粉末を体積比で1〜20%と、黒鉛
粉末を0.2〜1.5重量%、コバルト粉末2〜10重量
%とを含有し、残部がフエライト系ステンレス鋼
粉末からなる混合粉末を圧粉成形しそして焼結す
ることにより、相対密度80〜95%を有する耐熱,
耐摩耗焼結合金製シール材を製造する方法を提供
するものである。 以下本発明の限定理由を述べさらに説明を行な
う。 硬質粒子の硬さがHv500未満であると耐摩耗性
および耐焼付性向上の効果がなく、一方Hv1500
を超える硬い粒子では相手材の摩耗が多くなるの
で、硬質粒子の硬さはHv500〜1500が適切であ
る。このような硬質粒子としては、Co,Cr等の
高合金、フエロアロイ及び金属間化合物の少なく
とも1種を用いることができる。 また硬質粒子の粒径が150μmを超える粗粉末
では、原料粉末混合時の不均一や成形時の成形性
の低下等の問題が生じるので、硬質粒子の粒径は
150μm以下が必要である。また硬質粒子粉末の
全混合粉末に対する体積比が、1%未満では耐摩
耗性及び耐焼付性が不足し20%を超えると圧粉成
形性が低下するので硬質粒子の割合は体積比で1
〜20%が適切である。硬質粒子の好ましい割合は
3〜10体積%である。 上記硬質粒子粉末のみをフエライト系ステンレ
ス鋼粉末に添加しただけでは、マトリツクスの耐
摩耗性および耐焼付性が不足するので0.2〜1.5重
量%の黒鉛粉末を添加する。黒鉛粉末は焼結時上
記ステンレス鋼のクロムと反応し、マトリツクス
のクロム含有量、炭素含有量、焼結後の冷却速度
等によつてマトリツクスを微細なソルバイト組織
又は微細なマルテンサイト組織になる。黒鉛粉末
が0.2重量%未満では耐焼付性及び耐摩耗性が不
足し、一方黒鉛粉末が1.5重量%を超えると焼結
品が脆化するので好ましくない。黒鉛粉末の添加
量が0.4〜1.0重量%であるとさらに好ましい性質
が得られる。 また、さらにコバルト粉末を添加することによ
つて焼結時コバルトはマトリツクスに拡散固溶し
その耐熱性を一層向上させる。その量は2重量%
未満では耐熱性向上の効果がなく10重量%を超え
ると圧粉成形性が低下するので、コバルト粉末の
添加量は2〜10重量%が好ましい。さらに好まし
くはコバルト粉末の添加量は3〜8重量%とす
る。 残部をフエライト系ステンレス鋼粉末としたの
はCrを多量に固溶しており、高い耐熱性を有す
ることの他に、上述のように黒鉛及びコバルトの
反応又は拡散マトリツクスを提供して優れた効果
を奏するからである。 また焼結合金の耐熱性は内在する空孔の量によ
つても影響を受ける。即ち内在する空孔の割合が
多くなると、焼結材の有効断面積が減少して実作
用応力は増加し耐熱性が低下するので焼結材の相
対密度は高い程好ましい。しかしながら焼結合金
の製造に一般的に用いられる冷間成形、焼結とい
う方法では空孔を5%以下にすることは困難であ
る。以上のことから焼結材の相対密度は80〜95%
と限定する。 本発明における焼結条件としては、混合粉末を
5〜10トン/cm2で圧粉成形した後に、1150〜1250
℃に真空、水素、分解アンモニアガス雰囲気中で
40〜90分加熱する条件を採用することが望まし
い。 以下実施例を述べ更に詳細な説明を加える。 実施例 1 第1表に示した各種粉末を所定量秤量し、V型
ミキサーで30分間混合し、次に成形圧力7トン/
cm2で圧粉成形し、最後に分解アンモニアガス雰囲
気中において1200℃で1Hr焼結した。但し硬質粒
子粉末およびステンレス鋼粉末は−100メツシユ
(149μm)とした。また黒鉛粉末およびコバルト
粉末は−325メツシユ(44μm)とした。 焼結後、機械加工により呼び径20mm、幅1.6
mm,厚さ1.1mmのシールリングを作製し、張力減
退のテストを行なつた。張力減退のテストはシー
ルリング呼び径と同一寸法の鋳鉄製シリンダーに
シールリングを装填し、350℃、400℃、450℃で
各々10Hr Arガス中で加熱し実施した。テスト前
後の自由合い口すき間の変化量を求め張力減退率
とした。 焼結後の各特性値および張力減退率も合わせて
第1表に示した。表中、硬質粒子粉末の添加量は
各粉末の密度を測定し体積比で算出した。また焼
結体の相対密度は顕微鏡で空孔率を求め(1−空
孔率)で算出した。
金製シール材の製造方法に関するものであり、さ
らに詳しく述べるならばターボチヤージヤー排気
マニホールド側用シールリング、内燃機関用ピス
トンリング等に用いられるシール材の製造方法に
関するものである。 一般に内燃機関のシール材としては、FC及び
FCD系の鋳鉄あるいは樹脂等が多用されている
が、耐摩耗性はかなりの程度であるとしても、耐
熱性は不足する場合がある。一方、焼結合金はピ
ストンリング等に使用される傾向にあるが、これ
は焼結合金には10〜20%の空孔が内在し、油だま
りとなつて潤滑油を保持し、耐摩耗性及び耐焼付
性を向上させる性質を利用することを意図したも
のである。しかし焼結合金に内在する空孔は焼結
シール材の有効断面積を減少させる結果、該シー
ル材の実作用応力が高くなり、耐熱性は劣化す
る。この欠点を補い焼結合金の耐熱性を向上させ
るには、空孔体積率の減少が有効であるが、焼結
鍛造、ホツトプレス等の特殊な技術を用いければ
ならず焼結品のコスト上昇を招き経済的に不利で
ある。焼結シール材の耐熱性を向上させる他の技
術には耐熱性向上元素として一般的なCr,Ni,
Co,Mo,W等の粉末を鉄粉末中に予め混合させ
ておく方法があるが、焼結は固相拡散反応を利用
するのが一般的であるから、Ni,Coを除いた
Cr,Mo,W等を焼結合金のFeマトリツクス中へ
均一に拡散固溶されるのは極めて困難である。し
たがつて、上述のような耐熱性向上元素の粉末と
鉄粉末を混合させる方法では顕著な耐熱性向上を
期し得ない。本発明は以上のような問題点を解決
しうる焼結合金製シールの製造を提供するもので
ある。 以下、ターボチヤージヤー排気マニホールド側
用シールリングに例をとつてシール材の要求性能
及び従来法の問題点を具体的に説明する。 近年自動車の低燃費化や高出力化の手段として
ターボチヤージヤーを装着する内燃機関採用が増
加している。ターボチヤージヤー排気マニホール
ド側用シールリング(以下シールリングと称す
る)は高温の排気ガスの影響により高温にさらさ
れ且つ高温下で潤滑油のシール性を保たなければ
ならない。よつて張力の保持がシールリングとし
ての重要な特性の1つであるのでシール材として
は高い耐熱性が要求性能となる。さらにターボチ
ヤージヤーのタービンの回転数は最大十数万rpm
の高速回転となるのでシール材として耐摩耗性
(相手材を摩耗させない性質も含む)および耐焼
付性についても高い性能があわせて要求される。 一般にシール材として使用されているFC及び
FCDの鋳鉄や樹脂等はシールリングとしては耐
熱性が明らかに不足するので、現在シールリング
には高速度鋼、オーステナイト鋳鋼、高Cr鋳
鋼、ステンレス鋼等の溶製材料が一般に用いられ
ている。これらの溶製材料は耐熱性に優れている
がシールリングは小径であるため多大の加工工数
を必要としまた材料歩留が極めて悪いという欠点
を有する。更にこれらの溶製材料は耐焼付性及び
耐摩耗性には問題を有している。これに対して、
焼結合金は材料組成の自由度が高いこと、空孔が
内在することなどによつて、耐熱性、耐摩耗性等
の改善を容易に実施可能である。しかも焼結合金
は極めて高い寸法精度で製造できるので加工工数
の大巾な低減が可能であり、材料歩留も極めて良
好である。 しかしながら、焼結合金は上述のように材料組
成の調節によつて耐熱性を付与する場合、単純に
耐熱性元素の粉末を鉄粉末に混合し、その後焼結
する技術では、顕著な耐熱性向上を期しえない。 以上のような従来技術の問題点を解消し、焼結
合金のシール材として耐熱性及び耐摩耗性を飛躍
的に改善するためには本発明者は次の条件が満た
されていることが重要であるとの知見を得た。 予め合金化された鉄合金粉末を用いそして高
温下での焼結を行ない合金元素の拡散を十分に
行なうこと。このためには焼結合金のマトリツ
クスの耐熱性を向上させるために、Crを高濃
度に固溶したフエライト系ステンレス鋼を主原
料として用い、さらにコバルト粉末を添加し、
コバルトをマトリツクスに焼結中に拡散固溶さ
せる。かくして単独粉末によるよりも耐熱性が
一層向上する。 焼結合金の耐摩耗性は前記内在空孔の保油効
果により一般に良好であるが、硬質粒子の添加
により一層改善されること。即ち焼結合金のマ
トリツクスに比べ相対的に硬い硬質粒子が1次
しゆう動面を形成し、一方相対的に軟いマトリ
ツクスは初期摩耗によつて前記内在空孔と同様
に潤滑油の油だまりとなり前記空孔の保油効果
のみによるよりも一層耐摩耗性の他に耐焼付性
も向上する。 さらに、黒鉛粉末を添加することによつて、
黒鉛とフエライト組織のマトリツクスとが焼結
中に反応し、微細なソルバイト組織又は微細な
マルテンサイト組織からなるマトリツクスが得
られる結果、耐摩耗性及び耐焼付性は一層向上
すること。 以上の条件,及びを満足する本発明はビ
ツカース硬さHv500〜1500を有する粒径150μm
以下の硬質粒子粉末を体積比で1〜20%と、黒鉛
粉末を0.2〜1.5重量%、コバルト粉末2〜10重量
%とを含有し、残部がフエライト系ステンレス鋼
粉末からなる混合粉末を圧粉成形しそして焼結す
ることにより、相対密度80〜95%を有する耐熱,
耐摩耗焼結合金製シール材を製造する方法を提供
するものである。 以下本発明の限定理由を述べさらに説明を行な
う。 硬質粒子の硬さがHv500未満であると耐摩耗性
および耐焼付性向上の効果がなく、一方Hv1500
を超える硬い粒子では相手材の摩耗が多くなるの
で、硬質粒子の硬さはHv500〜1500が適切であ
る。このような硬質粒子としては、Co,Cr等の
高合金、フエロアロイ及び金属間化合物の少なく
とも1種を用いることができる。 また硬質粒子の粒径が150μmを超える粗粉末
では、原料粉末混合時の不均一や成形時の成形性
の低下等の問題が生じるので、硬質粒子の粒径は
150μm以下が必要である。また硬質粒子粉末の
全混合粉末に対する体積比が、1%未満では耐摩
耗性及び耐焼付性が不足し20%を超えると圧粉成
形性が低下するので硬質粒子の割合は体積比で1
〜20%が適切である。硬質粒子の好ましい割合は
3〜10体積%である。 上記硬質粒子粉末のみをフエライト系ステンレ
ス鋼粉末に添加しただけでは、マトリツクスの耐
摩耗性および耐焼付性が不足するので0.2〜1.5重
量%の黒鉛粉末を添加する。黒鉛粉末は焼結時上
記ステンレス鋼のクロムと反応し、マトリツクス
のクロム含有量、炭素含有量、焼結後の冷却速度
等によつてマトリツクスを微細なソルバイト組織
又は微細なマルテンサイト組織になる。黒鉛粉末
が0.2重量%未満では耐焼付性及び耐摩耗性が不
足し、一方黒鉛粉末が1.5重量%を超えると焼結
品が脆化するので好ましくない。黒鉛粉末の添加
量が0.4〜1.0重量%であるとさらに好ましい性質
が得られる。 また、さらにコバルト粉末を添加することによ
つて焼結時コバルトはマトリツクスに拡散固溶し
その耐熱性を一層向上させる。その量は2重量%
未満では耐熱性向上の効果がなく10重量%を超え
ると圧粉成形性が低下するので、コバルト粉末の
添加量は2〜10重量%が好ましい。さらに好まし
くはコバルト粉末の添加量は3〜8重量%とす
る。 残部をフエライト系ステンレス鋼粉末としたの
はCrを多量に固溶しており、高い耐熱性を有す
ることの他に、上述のように黒鉛及びコバルトの
反応又は拡散マトリツクスを提供して優れた効果
を奏するからである。 また焼結合金の耐熱性は内在する空孔の量によ
つても影響を受ける。即ち内在する空孔の割合が
多くなると、焼結材の有効断面積が減少して実作
用応力は増加し耐熱性が低下するので焼結材の相
対密度は高い程好ましい。しかしながら焼結合金
の製造に一般的に用いられる冷間成形、焼結とい
う方法では空孔を5%以下にすることは困難であ
る。以上のことから焼結材の相対密度は80〜95%
と限定する。 本発明における焼結条件としては、混合粉末を
5〜10トン/cm2で圧粉成形した後に、1150〜1250
℃に真空、水素、分解アンモニアガス雰囲気中で
40〜90分加熱する条件を採用することが望まし
い。 以下実施例を述べ更に詳細な説明を加える。 実施例 1 第1表に示した各種粉末を所定量秤量し、V型
ミキサーで30分間混合し、次に成形圧力7トン/
cm2で圧粉成形し、最後に分解アンモニアガス雰囲
気中において1200℃で1Hr焼結した。但し硬質粒
子粉末およびステンレス鋼粉末は−100メツシユ
(149μm)とした。また黒鉛粉末およびコバルト
粉末は−325メツシユ(44μm)とした。 焼結後、機械加工により呼び径20mm、幅1.6
mm,厚さ1.1mmのシールリングを作製し、張力減
退のテストを行なつた。張力減退のテストはシー
ルリング呼び径と同一寸法の鋳鉄製シリンダーに
シールリングを装填し、350℃、400℃、450℃で
各々10Hr Arガス中で加熱し実施した。テスト前
後の自由合い口すき間の変化量を求め張力減退率
とした。 焼結後の各特性値および張力減退率も合わせて
第1表に示した。表中、硬質粒子粉末の添加量は
各粉末の密度を測定し体積比で算出した。また焼
結体の相対密度は顕微鏡で空孔率を求め(1−空
孔率)で算出した。
【表】
【表】
第1表の結果から本発明材料は優れた耐熱性を
有することが明らかである。 第1図及び第2図に第1表の本発明材料Aの金
属組織(倍率はそれぞれ100倍及び500倍)を示
す。第2図のaは硬質粒子、bはソルバイトマト
リツクス、cは空孔である。本発明法によりこれ
らの構成相a,b及びcを適宜微細分散させるこ
とにより優れた諸性能が発揮されていることが理
解されよう。 実施例 2 第2表に示した各種粉末を所定量秤量し、V型
ミキサーで30分間混合し、そして実施例1と同一
の成形条件及び焼結条件でピン(摩耗試験片)を
作製した。 摩耗試験は第3図に示したローターピン式摩耗
試験機を用いて行なつた。相手材としてのロータ
ーBの材質はJIS SUM43を焼入焼もどしにより
HRC35とした。このローターB、及びピンAは
共に研摩加工により約1〜2μRZの仕上あらさ
としたものであつた。 SAE#30のエンジンオイルを滴下し潤滑しな
がら、矢印方向に荷重を加えて摩耗試験を行な
い、ピンの摩耗量は摩耗痕の長径で測定し、ロー
ター摩耗量はあらさ計でその凹み量を荷重2Kg、
摩擦速度150m/min、摩擦距離5000mの条件で
測定した。 さらに摩擦速度を200m/minとし荷重を上
げ、焼付の発生した荷重を求め焼付限界荷重とし
た結果を合わせて第2表に示した。 本発明材料は比較例に比べ自身の耐摩耗及び相
手材の摩耗が少なくまた耐焼付性が高いことが明
らかである。
有することが明らかである。 第1図及び第2図に第1表の本発明材料Aの金
属組織(倍率はそれぞれ100倍及び500倍)を示
す。第2図のaは硬質粒子、bはソルバイトマト
リツクス、cは空孔である。本発明法によりこれ
らの構成相a,b及びcを適宜微細分散させるこ
とにより優れた諸性能が発揮されていることが理
解されよう。 実施例 2 第2表に示した各種粉末を所定量秤量し、V型
ミキサーで30分間混合し、そして実施例1と同一
の成形条件及び焼結条件でピン(摩耗試験片)を
作製した。 摩耗試験は第3図に示したローターピン式摩耗
試験機を用いて行なつた。相手材としてのロータ
ーBの材質はJIS SUM43を焼入焼もどしにより
HRC35とした。このローターB、及びピンAは
共に研摩加工により約1〜2μRZの仕上あらさ
としたものであつた。 SAE#30のエンジンオイルを滴下し潤滑しな
がら、矢印方向に荷重を加えて摩耗試験を行な
い、ピンの摩耗量は摩耗痕の長径で測定し、ロー
ター摩耗量はあらさ計でその凹み量を荷重2Kg、
摩擦速度150m/min、摩擦距離5000mの条件で
測定した。 さらに摩擦速度を200m/minとし荷重を上
げ、焼付の発生した荷重を求め焼付限界荷重とし
た結果を合わせて第2表に示した。 本発明材料は比較例に比べ自身の耐摩耗及び相
手材の摩耗が少なくまた耐焼付性が高いことが明
らかである。
【表】
【表】
実施例 3
実施例1の第1表に示した本発明材料A及びB
について実機テストを行なつた。供試したターボ
チヤージヤーはタービン翼径φ56mmコンプレツサ
ー翼径φ54mmであり排気マニホールド側用シール
リングは呼び径φ17.5mm、幅1.6mm、厚さ0.9mmに
機械加工し実機テストに供した。なお比較例とし
て現在使用されているオーステナイト鋳鋼(20%
Cr―20%Ni―10%Co―5%W―2%Mo―1.4%Si
―1.6%C―残部Fe)も実機テストに供した。テ
スト条件はターボチヤージヤーを4気筒2.3の
デイーゼルエンジンに装置し4200rpm全負荷で
200Hrの耐久運転を行なつた。テスト前後の自由
合い口すき間の変化を張力減退率とし、またシー
ルリングの幅方向の摩耗量は両面の各々の摩耗量
の和として求めた。その結果を第3表に示した。
について実機テストを行なつた。供試したターボ
チヤージヤーはタービン翼径φ56mmコンプレツサ
ー翼径φ54mmであり排気マニホールド側用シール
リングは呼び径φ17.5mm、幅1.6mm、厚さ0.9mmに
機械加工し実機テストに供した。なお比較例とし
て現在使用されているオーステナイト鋳鋼(20%
Cr―20%Ni―10%Co―5%W―2%Mo―1.4%Si
―1.6%C―残部Fe)も実機テストに供した。テ
スト条件はターボチヤージヤーを4気筒2.3の
デイーゼルエンジンに装置し4200rpm全負荷で
200Hrの耐久運転を行なつた。テスト前後の自由
合い口すき間の変化を張力減退率とし、またシー
ルリングの幅方向の摩耗量は両面の各々の摩耗量
の和として求めた。その結果を第3表に示した。
【表】
以上の結果から本発明は優れた耐熱性、耐摩耗
性および耐焼付性を有する焼結合金製シールとし
てターボチヤージヤー用シールリングのみに限ら
ず、ピストンリング、バルブシート等として内燃
機関のシール部材として使用できる材料の製法を
提供することが明らかである。
性および耐焼付性を有する焼結合金製シールとし
てターボチヤージヤー用シールリングのみに限ら
ず、ピストンリング、バルブシート等として内燃
機関のシール部材として使用できる材料の製法を
提供することが明らかである。
第1図及び第2図は実施例1の第1表に示した
本発明材料Aのそれぞれ100倍及び500倍の金属顕
微鏡組織写真である。第3図は実施例2にて行な
つた摩耗試験法の略図である。 A……ピン、B……ロータ、a……硬質粒子、
b……ソルバイトマトリツクス、c……空孔。
本発明材料Aのそれぞれ100倍及び500倍の金属顕
微鏡組織写真である。第3図は実施例2にて行な
つた摩耗試験法の略図である。 A……ピン、B……ロータ、a……硬質粒子、
b……ソルバイトマトリツクス、c……空孔。
Claims (1)
- 1 ビツカース硬さHv500〜1500を有する粒径
150μm以下の硬質粒子粉末を体積比で1〜20%
と、黒鉛粉末0.2〜1.5重量%と、コバルト粉末2
〜10重量%とを含有し、残部が、フエライト系ス
テンレス鋼粉末からなる混合粉末を圧粉成形し、
そして焼結することにより、相対密度80〜95%を
有する耐熱、耐摩耗性焼結合金製シール材を製造
する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57158755A JPS5950153A (ja) | 1982-09-14 | 1982-09-14 | 耐熱,耐摩耗焼結合金製シ−ル材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57158755A JPS5950153A (ja) | 1982-09-14 | 1982-09-14 | 耐熱,耐摩耗焼結合金製シ−ル材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5950153A JPS5950153A (ja) | 1984-03-23 |
JPS6237711B2 true JPS6237711B2 (ja) | 1987-08-13 |
Family
ID=15678626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57158755A Granted JPS5950153A (ja) | 1982-09-14 | 1982-09-14 | 耐熱,耐摩耗焼結合金製シ−ル材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5950153A (ja) |
-
1982
- 1982-09-14 JP JP57158755A patent/JPS5950153A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5950153A (ja) | 1984-03-23 |
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