JPS6237646Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電動ドライバー等のように先端に着脱
自在な工具を有する電動締付機の工具装着機構に
関するものである。

従来の電動締付機における工具装着機構は、工
具の脱落防止のため、ボール、板バネ等を用いて
工具とソケツトを固定させているため、工具の軸
方向への可動が不可能であつた。このため、締付
部材（例えば十字穴付ネジ）を締付ける場合、締
付部材に対し締付機本体を十分に押付けない状態
で工具を回転させた場合や、工具先端部と締付部
材の頭部の十字穴部との嵌合が不完全な場合は、
十字穴上を工具が施回し工具の先端部により締付
部材の頭部の十字穴部をいためるという欠点があ
つた。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、電動締付機の操作性を向上させることであ
る。

本考案は、圧縮ばねの弾性を利用して工具に軸
方向の力が常時付勢されるように、工具、ソケツ
ト、弾性体の関係を工夫したものである。

本考案の実施例を図を用いて説明する。第１
図、第２図は本考案を示すものである。

電動機１からのトルクは遊星歯車機構２、クラ
ツチ機構３を介してシヤフト４に伝達される。ソ
ケツト５はピン６を介してシヤフト４と一体回転
し、トルクをソケツト５内に接続支承された工具
７に伝達させる。ソケツト５は先端部に、工具７
の凹部７ａに突出し、該工具７の抜け止めをつか
さどるボール８を収納する穴溝５ａを備え、また
ソケツト５外周には、取り付けられたボール８の
脱落防止をするスリーブ９が装着されている。更
にスリーブ９の後方に設けられたバネ１０により
前方へ押し出させないためのリング１１を収納す
る溝５ｂが形成されている。シヤフト４は先端部
に凸部４ａを有し、この凸部４ａ外周に巻回され
てソケツト５内部に位置するよう圧縮バネ１２が
配設されている。この圧縮バネ１２は、ソケツト
５の六角穴５ｃと丸穴５ｄとの段差により脱落防
止がなされている。

工具７をソケツト５内に装着し、この工具７を
締付部材（図示せず。例えばネジ）に押し付ける
と圧縮バネ１２は工具７がシヤフト４の凸部４ａ
に当接するまで圧縮され、適宜、工具と締付部材
との嵌合状態により微少伸長し適正嵌合を実現す
る。工具７に作用する押付力が除かれると、工具
７は圧縮バネ１２の復元力により再びソケツト５
の前方へ押し出された状態を維持する。

以上のように本考案によれば、工具に常時ソケ
ツト前方への力が付勢されるように、ソケツト内
に圧縮バネを設けたので、締付部材（例えば十字
穴付ネジ）を締付ける場合、工具先端部が締付部
材頭部の十字穴に十分に嵌合していなくとも、締
付機本体を押し付けて工具を回転させることによ
り、締付部材頭部の十字穴と工具先端の形状が一
致するところまで工具先端が回転すれば、圧縮バ
ネの復元力により工具が前方へ押し出され、締付
部材頭部の十字穴と工具先端部が適切な嵌合状態
となり、締付部材頭部の十字穴をいためることな
く締付作業が行なえるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す縦断側面図、第
２図はソケツトに工具を装着した状態を示すソケ
ツト部の縦断側面図である。 図において、１は電動機、５はソケツト、７は
工具、８はボール、９はスリーブ、１０はバネ、
１１はリング、１２は圧縮バネ（弾性体）であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電動機と工具を接続支承し、前記電動機と一体
   回転するソケツトと、該ソケツト内に工具脱落防
   止のためのボールを備えた電動締付機において、
   前記ソケツト内に前記工具を前記ソケツト前方へ
   付勢する弾性体を配設して成る工具装着機構。