JPS6237632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、多気筒エンジン用のクランクシヤフ
トの複数のピン部を同時にバニシング加工し得る
ようにしたマルチバニシング加工装置に関する。

本願出願人は、単気筒エンジン用クランクシヤ
フトのピン部のバニシング加工を行うバニシング
加工装置として、先に実願昭57−151455号によ
り、ワークセツト位置の上方にワークの軸線と平
行な支軸を備え、該支軸に、ワークをバニシング
ローラを介して挾圧する１対のクランプアームを
備えた加工ヘツドを回動自在に且つ弾機を介して
上下動自在に支持し、ワークたるクランクシヤフ
トのピン部を該クランプアームで挾持した状態で
該クランクシヤフトを回転させるとき、該加工ヘ
ツドが該ピン部の公転運動につれ回りして動くよ
うにし、更に該支軸の上方に、該加工ヘツドの該
弾機による上方への弾発力を受けて該加工ヘツド
の回動を規制する略Ｖ字状の凹溝を有する受具を
設け、ワークセツト時に該加工ヘツドが動揺する
のを防止して、該クランプアーム間にピン部を確
実に挿入セツト出来るようにしたものを提案し
た。

かかる装置を利用して、多気筒エンジン用クラ
ンクシヤフトの複数のピン部を同時にバニシング
加工し得るよう、支軸に加工ヘツドの複数個を支
持させると共に、受具を各加工ヘツドに各対応す
る複数個に設けてマルチバニシング加工装置を構
成することも考えられるが、この場合クランクシ
ヤフトの各ピン部の位置に合わせてワークセツト
時の各加工ヘツドの向きを自在に変更し得るよう
にすることが必要となる。

本考案は、かかる課題を解決した装置を提供す
ることをその目的とするもので、上記した先の提
案のものにおいて、支軸に加工ヘツドの複数個を
支持させると共に、受具を該各加工ヘツドに各対
応する複数個に設け、該各受具をその上側の各ホ
ルダに進退自在に支持させ、該各ホルダを該支軸
を中心とする回動軌跡上に調節移動自在としたこ
とを特徴とする。

次いで本考案を図示の実施例に付説明する。

第１図を参照して、１は機台を示し、該機台１
上にワークたる多気筒エンジン例えば４気筒エン
ジン用のクランクシヤフトＷを所定のセツト位置
に保持するセンタ部材２とチヤツク部材３とから
なるワークセツト部材２１を設け、該チヤツク部
材３に連る図示しない駆動モータでクランクシヤ
フトＷを回転させるようにし、更に該機台１上の
支柱４に該セツト位置の上方に位置してクランク
シヤフトＷの軸線と平行に支軸５を架設し、該支
軸５に、加工ヘツド６の複数個例えば４個を夫々
回動自在に且つ弾機７を介して上下動自在に支持
させた。

これを更に詳述するに、該各加工ヘツド６は、
第２図に示す如く、その上側部の該支軸５を挿通
する上下方向の長孔８ａを有するブラケツト部８
において、該支軸５上の回動自在の各ガイド枠９
に上下動自在に挿通されて、該各ガイド枠９にコ
イルスプリングから成る各弾機７を介して弾力的
に吊持されるもので、更に該各加工ヘツド６に
は、その下端部両側に開閉自在の１対のクランプ
アーム１０，１０を設けて、該両クランプアーム
１０，１０を該各加工ヘツド６に備えるシリンダ
１１によりトグル機構１２を介して開閉動作させ
るようにし、その閉じ動作によれば該両クランプ
アーム１０，１０と該各加工ヘツド６の下端部中
央とに配置したバニシングローラ１３によりクラ
ンクシヤフトＷの各ピン部Waがその周囲３方向
から挾圧されるようにし、この状態でクランクシ
ヤフトＷを回転させれば、該各加工ヘツド６が該
支軸５に対する回動と上下動とにより各ピン部
Waの公転運動につれ回りして動き、これらバニ
シングローラ１３による各ピン部Waのバニシン
グ加工が施されるようにした。

図面で１４は支軸５の上方に各加工ヘツド６に
各対応して設けた受具を示し、該各加工ヘツド６
の上端の転子１５を弾機７による上方への弾発力
で該各受具１４に形成する略Ｖ字状の凹溝１４ａ
内に挿入して該弾発力を該各受具１４に受けさせ
ることにより、ワークの挾圧を解いた状態での該
各加工ヘツド６の回動を規制して、該各加工ヘツ
ド６を該受具１４と該支軸５とを結ぶ線上に保持
し得るようにし、ここで本考案によれば、該各受
具１４をその上側の各ホルダ１６に進退自在に支
持せしめて、該各ホルダ１６を該支軸５を中心と
する回動軌跡上に調節移動自在とした。

これを更に詳述するに、該各受具１４は該各ホ
ルダ１６にシリンダ１７を介して進退自在に支持
されるものとし、該各ホルダ１６を前記支柱４の
上端に架設した支持枠１８の下面の該支軸５を中
心とした前記回動軌跡に沿う円弧状の受座１９に
その上端面において当接させ、該受座１９上の任
意の位置に該各ホルダ１６の上端に設けた首振り
自在のボルト２０により締着自在とした。

次いでその作動を説明するに、先ず加工前に予
め各ホルダ１６の位置をこれに支持する各受具１
４と支軸５とを結ぶ線がクランクシヤフトＷをワ
ークセツト位置にセツトしたときの各ピン部Wa
と支軸５とを結ぶ線に合致するように調節してお
くもので、その調節後クランクシヤフトＷをセツ
トし、次いで各加工ヘツド６の両クランプアーム
１０，１０を開いた状態で各受具１４を進出させ
る。

かくするときは、各加工ヘツド６が各ピン部
Waと支軸５とを結ぶ線上を弾機７の弾発力に抗
して下方に進出し、各加工ヘツド６のクランプア
ーム１０，１０間に各ピン部Waが正確に挿入さ
れ、次いでクランプアーム１０，１０を閉じれば
第２図示の如く各ピン部Waはバニシングローラ
１３で挾圧される。

次いで各受具１４を退去させ、クランクシヤフ
トＷを回転させるが、これによれば各加工ヘツド
６は各ピン部Waの公転運動につれ回りして動
き、バニシングローラ１３による各ピン部Waの
バニシング加工が行われる。

加工が完了するとクランクシヤフトＷは定位置
に停止され、この状態で各受具１４を進出させて
各加工ヘツド６に当接させ、クランプアーム１
０，１０を開いた後各受具１４を退去させて各加
工ヘツド６を上方に退去させ、クランクシヤフト
Ｗを搬出する。

この様に本考案によるときは、各受具を進退自
在に支支持する各ホルダを支軸を中心とする回動
軌跡上に調節移動自在とするもので、各加工ヘツ
ドを夫々クランクシヤフトの各ピン部の位置に合
わせて各ピン部と支軸とを結ぶ線上に進退すべく
その向きを自在に変更出来、ピン部の位相やスト
ロークの異るクランクシヤフトの加工も各ホルダ
の位置を調節することで容易に対処出来、生産性
が向上される効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の１例の側面図、第２図は第
１図の−線截断正面図である。 ５……支軸、６……加工ヘツド、７……弾機、
１０……クランプアーム、１３……バニシングロ
ーラ、１４……受具、１４ａ……凹溝、１６……
ホルダ、１９……受座、２１……ワークセツト部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを水平にセツトするワークセツト部材
   と、該セツト部材の上方にワークの軸線と平行に
   設けられる支軸と、該支軸に回動自在に且つ上下
   動自在に支持されて弾機を介して上方に牽引され
   ると共に、バニシングローラを介して前記ワーク
   を挟圧する１対のクランプアームを備える加工ヘ
   ツドと、該加工ヘツドの前記弾機による上方への
   移動を規制する略Ｖ字状の凹窪を有する受け具と
   からなるバニシング加工装置において前記加工ヘ
   ツドを前記支軸に複数個配列させると共に、前記
   受具を各加工ヘツドに対応して複数個に列設さ
   せ、該複数の受具を支承する複数のホルダを、前
   記支軸を中心とする回動軌跡を有する受座に調整
   自在に当接させたことを特徴とするマルチバニシ
   ング加工装置。