JPS6237609B2 - - Google Patents

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JPS6237609B2
JPS6237609B2 JP56090265A JP9026581A JPS6237609B2 JP S6237609 B2 JPS6237609 B2 JP S6237609B2 JP 56090265 A JP56090265 A JP 56090265A JP 9026581 A JP9026581 A JP 9026581A JP S6237609 B2 JPS6237609 B2 JP S6237609B2
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mycelium
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liver
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JP56090265A
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JPS57206618A (en
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Nobuhiko Sugano
Chokichi Iizuka
Hiroaki Maeda
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NODA SHOKUKIN KOGYO KK
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NODA SHOKUKIN KOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明は担子菌に属する食用茸の菌糸体を禾
本科植物の繊維質成分を主材とする培地により培
養し、その菌糸体培養物から抗腫瘍性物質を抽出
するようにした抗腫瘍性物質の製造方法に関する
ものである。 本発明者等は長年に亘り、椎茸など担子菌に属
する食用茸の菌糸体について種々研究を重ねた結
果、その菌糸体中に含有されている薬効成分の抽
出方法について多くの発明を完成する一方、この
菌糸体抽出液中にサイトカイニン系の活性物質の
含有されていること及びこの菌糸体抽出液が植物
ウイルスに対して有効であることを既に知見して
いる(特公昭55−34769号)。 また、担子菌類に属する子実体、菌糸体、バガ
ス、あるいは竹等に抗腫瘍性物質の存在すること
及びその物質が細胞壁の構成々分であるグルカン
またはペプチドグルカンとされていることも既に
知られている。 しかして、従来における上記の如き抗腫瘍性物
質の抽出手段は子実体、菌糸体、竹あるいはバガ
ス等それら単体から抽出するものであるため、抗
腫瘍性の主たる作用機作は免疫力の増強即ちアデ
ユバンドの域を出てなく、また、合成化学物質か
らなる抗腫瘍剤も勿論開発されているが、これに
よつては腫瘍細胞と共に正常細胞も破壊して強い
副作用を招くなどの問題があつた。 この発明はこのような問題点に鑑みてなされた
もので、禾本科植物の繊維質成分を主材とする固
体培地又は液体培地により担子菌に属する食用茸
菌糸体を培養し、その菌糸体培養物から抗腫瘍性
に富む物質を抽出することを特徴とするものであ
る。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明は培地成分として上記の如く、禾本科植
物に属する繊維質成分に富む素材を培地主材とす
ることに最も大きな特徴を有するものであるが、
その理由は次の通りである。 すなわち、担子菌類の最大の特徴は木質(リグ
ニン)を資化することであり、また担子菌の抗腫
瘍効果を最大限に発揮させるためには、低分子の
多糖でなく、ある程度高分子の多糖が必要である
ことが本発明者等の長年に亘る研究、実験によつ
て知見された。 しかして、前記の如き禾本科植物に属する草木
は実験の結果、比較的低分子の水溶性リグニンを
多く含有しており、かつ、担子菌類に資化され易
く、それによつて特殊な高分子多糖の得られるこ
とが知見され、更に禾本科植物の茎葉を用いるの
が収量的にも活性的にも優れていることが明かと
なつた。 本発明方法によつて得られた物質は菌糸体成
分、菌糸体の代謝産物及び木質の部分分解物を含
有するものであり、この物質をセフアロース6B
によるカラムクロマトにより分析した結果、該物
質中には高分子の含窒素多糖蛋白、及びやゝ低分
子のポリフエノールを主とする区分の存在するこ
とが明かとなつた。 本発明に於て使用される担子菌類としては椎茸
ヒラタケ、エノキタケ、なめこ、しめじ等が挙げ
られるが、椎茸菌糸体培養物から抽出するのが最
も活性が優れていた。 また、本発明に於て用いられる禾本科植物とし
てはバガス(砂糖きびの搾り粕)、とうもろこ
し、稲わら、麦わら、竹等が挙げられるが、その
うち、バガスは従来それの決定的な用途はなく、
主に焼却処分しているのが現状であるため、その
入手は簡単かつ安価である。 使用される培地としては固体培地又は液体培地
のいずれでもよい。菌糸体の培養手段は従来と特
に変るところはない(特公昭53−23392号、特公
昭53−20590号)。 本発明方法により得られた物質は特に「制癌」
効果に於て優れ、これの特徴は化学発癌物質によ
る発癌作用の低下、即ち発癌予防効果および自家
発癌の担癌状態の延命効果に優れた効果を有して
いると共に、癌細胞に対してのみ作用し、正常細
胞に対しては何等影響を与えず、副作用の全くな
いことが判明した。 以下実施例を説明する。 〔実施例 1〕 粉砕したバガス90%、米糠5%、フスマ等の栄
養5%を配合した固体培地を常法により殺菌し、
これに椎茸の固体種菌を接種する。接種の完了し
たる培地は室温18℃〜20℃、湿度60%に空調した
培養室内に移して菌糸体の培養を行なう。 上記培養の完了したる培地は栽培室に移して放
置する。すると培地表面から椎茸子実体の発生が
始まるが、この時点において培地を栽培室から取
り出し、これを粉砕機により拇指大に粉砕する。
この紛砕した培地(菌糸体と培地との混合した状
態のもので、以下これを菌糸体培養物という)は
これをタンク中に充填すると共に、菌糸体培養物
600gに対し5の清水を加え、60℃〜130℃の下
に4〜5時間混合、撹拌する。この撹拌によつて
菌糸体成分、菌糸体の代謝産物及び培地成分中の
木質分解物、つまりリグニンが水に溶脱される。 かくして得られた懸濁液はこれをネル布地の
過袋に充填し、これを加圧、過してその液を
メンプランフイルターで過、除菌し、菌糸体成
分、菌糸体の代謝産物及びリグニンを抽出する。 次に前記の如くして得られた水溶物に80%のエ
タノールを加え、生じる沈澱(LAP)を遠心分
離し、これを凍結乾燥等により乾燥せしめて、こ
れを次のような実験に供した。 即ち、前記の如くして得られた凍結乾燥粉末剤
を少量の水に溶解し、セフアロース6Bのカラム
クロマトにより分画し、Lowry法、Anthrone−
H2SO4法により糖、蛋白の反応を測定した。その
結果は第1図に示す通りであり、この図から明ら
かな如くLAP,LAPの2つの画分が確認さ
れた。 以上の結果から本物質の有効物質は含窒素多
糖、蛋白であることが確認され、かつ両画分によ
りかつ色の着色物質が存在していることによりこ
れがポリフエノールであることが示唆された。 次に前記の如くして得られた抽出液の凍結乾燥
粉末剤を用いて、次のような実験を行なつた。 (実験例 1) 1 実験名 椎茸菌糸体培養物抽出液の凍結乾燥
粉末剤のラツト肝癌形成における延命効果につ
いて 1 実施者 富山医科薬科大学薬学部生物学教室
教授 菅野延彦 1 試験方法 (1) 供試動物 Wister系〓ラツト4週齢5日間
通常飼育 安定後試験に供した。 (2) 供試発ガン物質 3′−methyl−4−dimethyl amino
azobenzene (3′−Me−DAB) 3′.Me−DABはラツト肝臓に親和性を持ち、
特異的、強力な発ガン性を有することが知られ
ており、その発ガン過程は3′−Me−DABの肝
臓細胞質蛋白への結合により肝ガン形成への引
き金を引くという報告がなされている。 (3) 試験群 control群 標準飼料 L群 標準飼料+L L+DAB群 3′−Me−DAB0.06%含有飼料
+L DAB群 3′−Me−DAB0.06%含有飼料 注 L: シイタケ菌糸体培養物抽出液の凍結
乾燥粉末 DAB:3′−Me−DAB (4) シイタケ菌糸体培養物抽出液凍結乾燥粉末投
与量及び投与方法
【表】 シイタケ菌糸体培養物抽出液の凍結乾燥粉末
を生理食塩水にて溶解し、腹腔内に注射、対照
群には同様に同量の生理食塩水を注射。 (5) 経過ならびに結果 (イ) 肉眼的調査 5週目前後からDAB群の一部に腹部の脱
毛現象が現われ、日数と共に増加し、程度も
進行した。 15週目勢後から、頚部、体側部に脱毛現象
をおこす個体がみられた。LDAB群には、脱
毛現象はみられなかつた。 (ロ) 解剖所見 14週、18週後の解剖においてDAB群で肝
全域にわたり、細かい黄白色のガン組織と思
われる粒子状のものが形成された。LDAB群
の肝臓は外見上異常は認められなかつた。な
お、解剖において肝に異常が認められたもの
はすべて脱毛現象のみられたラツトであつ
た。 (ハ) 肝組織の検鏡所見 肝組織をヘマトキシン−エオシン染色し、
ワツクス埋没法により8μ厚の組織切片を作
成し検鏡した。 DAB群黄白色粒子発生の肝組織は細胞配
列の乱れが著しく、肝ガン特有の腺房構造
(Adeno Carcinoma)を呈し、核小体がエオ
シンで鮮明に染色され、核小体の巨大化がみ
られ、明らかにガン細胞と判定された。一
方、LDAB群の肝組織は、細胞配列にやや乱
れがあるものの、Adeno Carcinomaは見ら
れず、核小体の変化もみられず、正常細胞と
判定された。 (ニ) 41週時の腫瘍形成率 DAB群100%LDAB群25%であつた。 以上より、シイタケ菌糸体培養物抽出液の凍結
乾燥粉末は、ラツトに対する3′−Me−DABの発
ガン作用を明らかに阻害しており、制ガン作用を
有することが認められた。尚、control群、L群
には当然ながら発ガンはなかつた。 (実験例 2) 実験例1と同様手段によりWister系ラツトを
3′−Me−DAB配合飼料にて飼育し、経時的に椎
茸菌糸体培養物抽出液の凍結乾燥粉末を腹腔内投
与した。 1 投与量 投与開始日より5日間毎に50mg/ body宛投与した。 2 試験群 control群標準飼料 DAB群 L10群 シイタケ菌糸体培養抽出物を DAB飼育開始10週目より投与 L20群 シイタケ菌糸体培養抽出物を DAB飼育開始20週目より投与 3 結 果 投与後生存率が50%に至るまでの日数を計数
し、それによつて本願発明に係る抽出液の延命効
果を実験した。 その結果は下記の通りである。
【表】 上表から明らかな如く、DAB群は209日、L20
群は260日、L10群は300日以上であつた。 以上のような実験結果から、椎茸菌糸体培養物
の抽出液は初期発癌に対し著効を示し、また、発
癌中期においても明らかに延命効果のあることが
確認された。 本発明者等は更に前記の如くして得られた抗腫
瘍性物質の安全試験を次のような手段により行な
つた。 (実験例 3) 1 実験名 椎茸菌糸体培養物抽出液の凍結乾燥
粉末剤(以下Lという)をマウスならびにラツ
トを用いた毒性試験について 2 実施者 株式会社野村総合研究所 3−1 マウスを用いた急性毒性試験 ICR系マウスを用いて経口、皮下ならびに腹腔
内投与による急性毒性を検討した。その結果、
LD50値(95%信頼限界)は経口投与において雄
19.6g/Kg(18.0〜21.3)、雌17.7g/Kg(16.4〜
19.1)、皮下投与において雄9.3g/Kg(8.4〜
10.3)、雌7.9g/Kg(7.2〜8.7)、腹腔内投与にお
いて雄5.50g/Kg(5.07〜5・96)、雌4.92g/Kg
(4.63〜5.24)であつた。 LD50値は雄の方が若干高い値を示したが、一
般症状と死亡状況、体重変化、飼料摂取量、解剖
所見とも雌雄間に顕著な差は見られなかつた。死
亡状況において、経口、皮下、腹腔内の順に死亡
期限は遅延し、経口投与は1日目以内に対し、腹
腔内投与では3日目以内に死亡例がみられた。解
剖所見から経口投与では消化管に腸爛 出血が、
皮下投与では投与部位を中心とした皮膚ならびに
筋肉組織での壊死、腹腔内投与では肝と胃の癒着
がみられている。これらのことからLが接触した
組織に強い炎症を起こし、この急激な変化に抗し
切れず死亡したものと推定される。 3−2 ラツトを用いた急性毒性試験 SD系ラツトを用いた経口、皮下ならびに腹腔
内投与による急性毒性を検討した。その結果、
LD50値(95%信頼限界)は経口投与において雄
16.4g〕Kg(15.9〜17.1)、雌15.6g/Kg(14.9〜
16.2)、皮下投与において雄3.74g/Kg(3.32〜
4.23)、雌4.15g/Kg(3.62〜4.76)、腹腔内投与
において雄2.49g/Kg(2.31〜2.69)、雌2.27g/
Kg(2.11〜2.45)であつた。 LD50値の他に、一般症状、体重変化、飼料摂
取量、解剖所見とも雌雄間に顕著な差はみられな
かつた。死亡状況において経口ならびに皮下投与
で雌雄ともそれぞれ1日と2日以内であつたのに
対して、腹腔内投与では雄2日以内、雌3日以内
と雌雄に差がみられた。マウスと同様、大量のL
投与により、各投与部位でそれぞれ強い炎症反応
を示し、死亡例の剖検所見から明らかなように、
経口投与は消化管に出血、皮下は大腿部に壊死、
腹腔内投与は肝と横隔膜の癒着がみられた。これ
らの急激な変化に対応しきれず、体力が衰弱し死
亡したものと推定される。 3−3 マウスを用いた3ケ月亜急性毒性試験 ICR系マウスを用いて3ケ月間の飼料混入によ
る亜急性毒性を検討した。群構成は10%、5%、
2.5%ならびに1.25%投与群の4群と対照群の計
5群であつた。その結果、一般症状において投与
後80日以降、雌雄の10%投与群で、いずれも軽度
の自発運動の抑制、立毛ならびに軟便症状がみら
れた。その他は体重変化、飼料摂取量、摂水量、
尿検査、血液学的ならびに血清生化学的検査、臓
器の重量ならびに病理組織学的検査において、用
量相関性のある顕著な変化ならびにこれら相互の
関連性のある変化は雌雄ともみられなかつた。よ
つて最大無作用量は雌雄とも5%投与群すなわち
雄の検体摂取量6.7g/Kg/day(3ケ月の平均
値)以上、雌の検体摂取量9.1g/Kg/day以上と
推定される。 3−4 ラツトを用いた3ケ月間亜急性毒性試験 SD系ラツトを用いて3ケ月間の飼料混入によ
る亜急性毒性を検討した。群構成は、10%、5
%、2.5%ならびに1.25%投与群の4群と対照群
1群の計5群であつた。その結果、雄10%投与群
に体重抑制、食餌効率の低下ならびに軟便症状が
みられた。消化器系臓器の病理組織学的変化はみ
られていないが、消化不良をきたしていたものと
推定される。その他、血液学的ならびに血清生化
学的検査、臓器の重量ならびに病理組織学的検査
において、用量相関のある顕著な変化ならびにこ
れら相互の関連性のある変化は雌雄ともみられな
かつた。よつて最大無作用量は雄が5%投与群す
なわち検体摂取量3.84g/Kg/day、雌が10%投
与群すなわち検体摂取量7.98g/Kg/day以上と
推定される。 以下に上記試験結果の詳細を示す。
【表】
【表】
【表】 (実験例 4) 1 実験名 椎茸菌糸体培養物抽出液の凍結乾燥
粉末剤(以下レンテミンという)の細菌を用い
た変異原性試験について 2 実施者 残留農薬研究所 毒性部 担当者 白須泰彦 森谷正明 小屋敷律子 3 要 約 Lの突然変異誘起性を細菌を用いた系で検索
した。Bacillus subtilis H17、M45株を
用いたRec−assayの結果は陰性であつた。
Escherichia coli WP2 hcr株とSalmonella
typhimurium TA系5株を用いて肝臓の薬物代
謝酵素系による代謝活性化を含む復帰変異試験
を行なつた結果、LはTA100株に高濃度で復
帰変異コロニー数の弱い増加を誘起した。な
お、活性発現の為にはS−9Mixを必要としな
かつた。 4−1 試験方法 1 Rec−assay〔1,2〕 DNAへの損傷の誘起性を調べるために、B.
subtilisの組換修復機構保持株(H17)と欠
損株(M45)を用いた。この両株の−80℃保
存株を融解後、小型ピペツトを用いてB−寒
天培地上に出発点が接触しないようにストリー
クした。供試薬物は滅菌蒸留水(H2O)に溶解
後、ミリポア濾過により除菌した。直径10mmの
濾紙に0.02ml染ませ、ストリークの開始点をお
おう様に置き、37℃で一夜培養後、阻止帯の長
さを測定した。陰性対照としてKana−mycin.
陽性対照としてMitomycinCを用いた。 2 復帰変異試験〔3,4〕 復帰変異試験にはAmesによつて分離された
Salmonella株を用いた。それらは、S.
typhimurium TA1535,TA1537,TA1538
〔3〕,TA98,TA100株〔5〕であり、全てヒ
スチジン要求性株である。この他にトリプトフ
アン要求性のE.coll WP2 hcr株〔6〕を用
いた。 TA株およびWP2株の−80℃保存株を融解、
遠心洗浄後、同容の1/15Mリン酸緩衝液(PH
7.0)中に浮遊した。軟寒天液(0.6%寒天末、0.6
%NaCl)にS.typhimurium TA株採用には、0.5
mmMピチオン−0.5mMヒスチジン溶液を1/10容
加え、E.coli株用には、0.5mMトリプトフアン溶
液を同割合で加えた。また、薬物代謝酵素系のた
めに、SD系ラツト雄(6週令、平均178g)に
PCB(Aroc−lor 1254)500mg/Kgを1回腹腔内
投与し、投与4日後の晩より絶食させ、5日目に
肝臓を摘出した。動物を頸椎脱白で屠殺後、直ち
に肝臓を摘出し、冷却した0.15MKCI溶液でかん
流を行なつた。3ml/g肝の割合でKCI溶液を加
えてホモジナイズし、9000×gで10分間遠心後、
その上清を実験に用いた。なお、全ての操作は5
℃以下で行なつた。実験に用いた反応液(S−
9Mix)1ml中の組成を下に示す。 0.3ml 肝臓ホモジネート上清 8mM MgCI2 33mM KCI 5mM グルコース−6−リン酸 4mM NADP+ 100mM Na−リン酸緩衝液(PH7.4) 軟寒天液2mlに菌液0.1ml、薬液0.1〜0.4ml、更
に、代謝活性化のためにはS−9Mix0.5mlを加え
てよく混合し、最少寒天培地〔1〕上に拡げた。
37℃で2日間培養後、復帰変異コロニー数を計数
した。陽性対照として2−aminoanthracene;
AF−2、〔2−(2−furyl)−3−(5−nitro−2
−furyl)acrylamide〕;β−propiolactone;9
−aminoacridine;および2−nitrofluoreneを用
いた。 上記のプレート法の結果に基づいて、さらにプ
レインキユペーシヨン法をTA100株を用いて実
施した。菌液0.1ml、薬液0.1〜0.4ml、S−9Mix
或いは100mM Na−リン酸緩衝液0.5mlを加え、
37℃で20分間感作後軟寒天液2mlを加えて最少寒
天培地上に拡げた。37℃で2日間培養後、復帰変
異コロニー数を計数した。陽性対照として
dimethylnitrosamineを用いた。 なお、いずれの試験においても、用いた菌液、
薬液、およびS−9Mixは雑菌の混入のない事を
確認した。 4−2 試験成績 1 Rec−assay 表1に示す様に、供試薬物においては両株に
全く生育阻止を認めなかつた。一方、陽性対照
として用いたMitomycin Cでは、組換修復機
構保持株(H17)に比べ修復機構欠損株(M
45)に著明な生育阻止帯を生じ、陰性対照と
して用いたKanamycinでは両株に同程度の生
育阻止帯を認めた。 2 復帰変異試験 表2に示す様に、レンテミンはTA100株の
高濃度において復帰変異コロニー数に極く弱い
が増加傾向を認めたので、さらに高濃度の所で
試験を実施した結果(表3)、S−9Mixの有無
にかかわらず復帰変異コロニー数の弱い増加が
認められた。一方、本薬物に関してはブレイン
キユベーシヨン法も実施したが、表4に示す様
に上記と同様の結果が得られたが、本方法では
S−9Mixの存在下では復帰変異コロニー数の
上昇は認められなかつた。 なお、レンテミンは極く少量(0.0105%)の
ヒスチジンを含有しているので、コロニー数の
弱い増加が含まれるヒスチジンによるものか否
かを検討する為に各濃度において対応するヒス
チジン量を加えたものを対照として置いたが、
ヒスチジン添加の影響はほとんど認められなか
つた。 一方、陽性対照として用いたAF2、β−
propiolactone,9−aminoacridine、2−
nitrofluoreneではS−9Mixの非存在下で、2
−aminoanthracene,dimethylnitrosamineで
はS−9Mixの存在下でそれぞれ著明な変異原
性を示した。 4−3 結論 以上の結果より、TA100株の高濃度における
復帰変異コロニー数の極く弱い増加は、レンテミ
ンに含有されるヒスチジンに起因するとは考え難
く、供試薬物中の末知の変異原によるものと考え
られる。ただし、レンテミンは天然抽出物であ
り、その変異原性は極く高い濃度でしかも弱い事
より、極めて少量含まれる変異原物質による事が
充分考えられる。 4−4 以下に上記試験結果の詳細を示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
〔実施例 2〕
GPY培地1(グルコース、ペプトン、イー
ストを混合せしめた合成液体培地)に粉砕バガス
5〜10%(重量比)+脱脂米糠1〜2%(重量
比)を加えて容器中に充てんし、121℃で30分間
オートクレープして滅菌する。一方椎茸種菌を白
金耳でとつて前記培地に接種し、25℃の培養室で
1分間120回振とう培養器で振とうして、7〜8
日間深部培養せしめる。すると、培地中に菌糸体
が蔓延し、ペレツト状を呈するようになり菌糸体
が充分増殖したことを示す。上記の如くして培養
された菌糸体培養物1に清水5を加え、加温
して菌糸体に自己消化を生ぜしめ、これにより菌
糸体成分、菌糸体の代謝産物及び培地成分中の木
質分解物、つまりリグニンが水に溶脱される。 しかる後、前記の如くして得たる懸濁液をこれ
をネル布地の過袋に充填し、これを加圧、過
してその液をメンブランフイルタで過、除菌
し、菌糸体成分、菌糸体の代謝産物及びリグニン
を含んだ有効成分を抽出する。 尚、上記の如くして得られた抽出液を前記実施
例1と同様の手段により分析した結果、本抽出液
の有効物質は含窒素多糖、蛋白及びポリフエノー
ルであることが示唆された。 本発明者等は上記の如くして得られた抽出液の
凍結乾燥粉末剤を用いて次のような実験を行なつ
た。 (実験例 1) 1 実験名腹水肝癌細胞(AH414)の増殖抑
制効果について 2 供試動物Donryu系 ラツト4週齢5日間通
常飼育、安定後試験に供した。 3 試験群 (1) コントロール群 AH414腹腔内移殖後毎
日生理食塩水を腹腔内に注射 (2) L−50群 AH414腹腔内移殖後毎日椎茸
菌糸体抽出物の凍結乾燥粉末50mgを腹腔内に注
射 (3) L−100群 AH414腹腔移殖後毎日椎茸
菌糸体抽出物の凍結乾燥粉末100mgを腹腔内に
注射 (4) 結 果 移殖後8日目の肝癌細胞数は次の通りである。
【表】 上表から明らかな如く、L−50群において肝癌
細胞数において49%、L−100群においては78%
減少した。 また、L100群においては癌細胞の増殖が抑制
され、細胞の著しい異形性(細胞に大小の出来る
現象)凝集性(この現象は細胞の老化を示すもの
である)細胞内容物の吐出現象などが観察され
た。 図面代用写真第2図、第3図は前記の如き実験
結果を表す比較実験写真であつて、第3図A,B
はL−100群を表す。同写真からも明らかな如く
コントロール群のラツト肝蔵は肥大並びに脂肪肝
が観察され(第2図A参照)、かつ腹水中にガン
細胞が多数見られる(第2図B参照)。 それに対し、L−100群によれば肥大並びに脂
肪肝が見られず、また、ガン細胞は殆んど認めら
れない。 第4図は上記腹水肝癌細胞の位相差顕微鏡写真
であり、第4図Aに示すASLEOは椎茸菌糸体培
養物を投与しない群を、第4図Bに示す
ASLE100は前記の如くして得られた椎茸菌糸体
培養物を100mg投与した群をそれぞれ示し、
ASLE0100では液胞と見られる細胞Vや出芽状の
ものBが見られる一方、ASLEOの方にはそのよ
うな現象が全く観察されない。このことは癌細胞
の増殖がASLE100において抑制されていること
を示すものである。 次に本願発明方法によつて得られた抗腫瘍性物
質を用いた症例を示す。 (症例) 患者……年令40才女子 子宮絨毛ガンと診断さ
れる。 55.5/10(土) 国立姫路病院へ初診に行く 大
出血にて入院、出血止らぬ 1ケ月の命
と診断された 11〜25迄 いろいろと精密検査をした結果、子宮
絨毛ガンと診断される。数少ない病名な
ので、病院でも、手当が困難であるか
ら、他に行つて呉れとまで言われた。 毎日毎日、下腹がいたみ、出血も止ら
ず、だんだん貧血になつた。 26 今日より注射始まる アクチノマイシン 25% メソトレキセート 1m/m混合 液を週2回打ち、1回目は打つて5時
間後にむかむかして、はき気あり、食事
も食べられない。 26〜29迄 血液増進剤を呑む 30 椎茸菌糸体培養物抽出液の凍結乾燥粉
末(以下Lという)1袋服用 少々下痢
であつた。 31 Lを3袋服用 6/1 L 6袋服用 出血多いけれど食 事はおいしい 2 〃 6袋服用 〃 〃 3〜4 〃 6袋ずゝ服用〃 〃 5 〃 3袋服用 子宮の中がはがれ てきていると診察される。 6 〃 〃 〃 7 〃 大出血 8 〃 〃 腹痛がおこり下痢す
る 9 〃 3袋服用 注射あり、はきけなし 6/10 〃 〃 朝食受けつけぬ、気分
悪し 薬のききめ、大変早く現われていると
診断されたが大出血おこり、気をうしな
う 酸素吸入を行ない、点滴する。 11 安静にして休む、立上ることが出来ぬ 12 L 3袋服用、ぼつぼつ食事が出来た 注射 その後熱が出て食事も受け付
けない。 13 L 3袋服用 熱出る 14 〃 〃 〃 15 〃 〃 〃 16 注射あり 吐き気多く 食事受け付け
ぬ。 18 L 3袋服用 出血少なくなる。 19 〃 〃 輸血400c.c.行う。 一寸下痢する。 20 〃 3袋服用 出血少なくなる。 21〜22 〃 3袋ずつ服用 注射あり 熱出る。 24 L 3袋ずつ服用 午後から熱下がる。 25〜26 〃 〃 状態良くなる。 27 〃 〃 出血とまる。 28 〃 〃 〃 30 注射する 熱出る 点滴する 出血なし 7/1 L 3袋服用 食事おいしくなる 出血なし 2 〃 3袋服用 〃 出血なし 3〜6 〃 3袋服用 食事がおいしい 出血なし 7 〃 3袋服用 診察する。子宮の様子が
大変良くなつているとて医師が驚く。 7/8〜12 L 毎日3袋ずつ服用 12 退院となる。 その後2週間に一度診察に病院へ行
く。 4週間経過したとき、3週間に一度の
診察で良いと言われ、更に6週間に一度
となり、今現在では2ケ月に一度の診察
で良いと言われています。 朝起きるのが大変苦しかつたのが楽に
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図はカラムセフアロース6Bにより本願発
明方法により得られた物質を展開した状態を示す
分画展開図、第2図Aはコントロールにおけるラ
ツト肝臓の状態を示す図面代用写真、第2図Bは
コントロール群におけるラツト肝臓のガン細胞の
状態を示す図面代用顕微鏡写真、第3図AはL−
100群におけるラツト肝臓の状態を示す図面代用
写真、第3図BはL−100群におけるラツト肝臓
のガン細胞の状態を示す図面代用顕微鏡写真、第
4図A,Bは腹水肝癌細胞の状態を示す位相差顕
微鏡写真であり、第4図Aに示すASLEOは非投
与群を、第4図Bに示すASLE100は投与群を示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 禾本科植物の繊維質成分を主材とする固体培
    地又は液体培地にて担子菌に属する食用茸菌糸体
    を培養する工程と、前記工程により得られた菌糸
    体培養物に水性溶媒を加え有効成分を抽出する工
    程と、前記工程により得られた抽出液を過する
    工程とよりなる抗腫瘍性物質の製造方法。
JP56090265A 1981-06-12 1981-06-12 Preparation of antitumor substance Granted JPS57206618A (en)

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