JPS6237545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建物屋上を走行するルーフカーを
有するビル清掃装置の改良に関する。

第１図は従来のビル清掃装置の側面図であり、
第２図は第１図の平面図である。まず、この第１
図および第２図の両図において、１は建物であ
り、２はこの建物１の屋上、３は建物１の外壁で
ある。この外壁３に沿つて自動清掃機４が昇降す
るようになつており、自動清掃機４に代えて、作
業床からなる昇降体が使用されることもある。以
下の説明では昇降体と称することにする。

この昇降体４はルーフカー５により吊り下げら
れており、ルーフカー５は巻上機からなるもの
で、その下面には駆動台車６と従動台車８が取り
付けられている。駆動台車６には駆動車輪７が取
り付けられており、従動台車８には、従動車輪１
０が設けられている。

また、駆動台車６および従動台車８にはそれぞ
れ制動機構９ａ，９が設けられている。この制動
機構９ａ，９は電磁ブレーキなどからなるデイス
ク式、またはドラム式のものが使用されている。

次に、以上のように構成された従来のビル清掃
装置において、昇降体４を目的の位置であるビル
の外壁３に沿つて昇降させるには、ルーフカー５
をその位置まで走行させ、駆動台車６の制動機構
９ａにより、停止後、昇降体４を下降させる前に
従動台車８の制動機構９で従動車輪１０に制動力
を与え、駆動台車６の駆動車輪７と合わせて全輪
で屋上２の床面との摩擦抵抗を大きくして、安定
した状態で昇降作業を実施する。

また、地震などの非常時においても、ルーフカ
ー５は転動しにくく安全である。しかし、制動機
構９ａ，９はデイスク式またはドラム式で、従動
車輪１０が転動しないようにするためには、大き
な制動トルクを必要として、機構が複雑になり、
高価で大きなものになると云う欠点があつた。

この考案は、上記従来の欠点を除去するために
なされたもので、従動車輪に固定片と固定子を設
けて昇降作業中または格納時に従動車輪を固定す
ることにより、簡単な制動機構によりルーフカー
を転動しにくくして、地震などの非常時にも安全
なビル清掃装置を提供することを目的とする。

以下、この考案のビル清掃装置の実施例につい
て図面に基づき説明する。第３図はその一実施例
の平面図であり、第２図に相当するものである。
また第４図は第３図の−線の断面図である。
この第３図および第４図の両図において、第１
図、第２図と同一部分には同一符号を付してその
説明を省略し、第１図および第２図とは異なる部
分を重点的に述べることにする。

この第３図、第４図を第１図および第２図と比
較しても明らかなように、第１図、第２図におけ
る制動機構９の部分を除いて、符号１〜１０の部
分は従来と同様であり、以下に述べる点がこの考
案によつて新たに付加され、この考案の特徴をな
す部分である。

すなわち、この考案においては、駆動台車６に
設けられた制動機構９ａについては従来と同様で
あるが、従動台車８に設けられた制動機構にこの
考案の特徴を有するものであり、従動車輪１０の
円周上に多数同一寸法で固定用のピン差込用の穴
１１が形成されている。

この穴１１に嵌合できるように、固定子として
のピン１２が対向して従動台車８の側面に貫通さ
れている。ピン１２の一端は上述のように穴１１
に対向しているが、ピン１２の他端はソレノイド
１４のロツド１４ａの一端に連結されている。こ
のロツド１４ａはケース８ａ内に収納されてい
る。

このケース８ａは従動台車８の側面に固定され
ている。このケース８ａ内において、ロツド１４
ａの外周面には押しばね１３が装着されている。
この押しばね１３により、ピン１２は穴１１へ押
し込むように働くようになつている。

次に、以上のように構成されたこの考案のビル
清掃装置の作用について説明する。常時はソレノ
イド１４により、ピン１２は吸引（第４図の右方
向）され、ピン１２の一端は従動車輪１０の穴１
１内には入らない位置まで引き込まれている。こ
れにより、従動車輪１０は自由に走行する。

また、昇降体４を所定の位置へ昇降させるに
は、駆動台車６でその位置までルーフカー５を走
行させて停止昇降体４を下降させる前にソレノイ
ド１４を消勢して、押しばね１３の力でピン１２
を穴１１へ嵌合させ、従動車輪１０を固定して安
全に昇降作業を行うことができる。

たとえば、このとき、ピン１２と穴１１が一致
せず、ピン１２が従動車輪１０の側面を押圧した
ままで昇降作業をして、地震などの非常時にでも
微小量従動車輪１０が転動するだけで、ピン１２
は穴１１に嵌合され、従動車輪１０を固定してル
ーフカー５を転動しにくくできる。

また、ソレノイド１４の代りにシリンダなどの
往復運動駆動機を使用しても同様の作用が得られ
る。

なお、この実施例では、固定片と固定子を穴１
１とピン１２からなるものとしたが、これがラチ
エツトなどからなるものとしても、同様な作用が
得られることは自明である。

以上のように、この考案のビル清掃装置によれ
ば、従動台車に固定片と固定子を設けて、昇降作
業中または格納時に従動車輪を固定するようにし
たので、簡単な機構でルーフカーを転動しにくく
して、地震などの非常時にも安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のビル清掃装置の側面図、第２図
は第１図の平面図、第３図はこの考案のビル清掃
装置の一実施例の構成を示す側面図、第４図は第
３図の−線の断面図である。 １……建物、２……屋上、４……昇降体、５…
…ルーフカー、６……駆動台車、７……駆動車
輪、８……従動台車、１０……従動車輪、１１…
…穴、１２……ピン、１３……押しばね、１４…
…ソレノイド、１４ａ……ロツド、なお、図中同
一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動清掃機又は作業床から成る昇降体４をビル
   壁面側に吊り下げ昇降させるルーフカー５を建物
   の屋上に走行可能に配置すると共に、該ルーフカ
   ー５の下面に制動手段を持つ駆動機構を有する駆
   動台車６及び従動台車８を設け、上記台車の車輪
   の側面円周上に沿つてピン差込み用の多数の穴１
   １を列設すると共に、該穴１１に嵌合可能な位置
   に上記車輪停止用ピン１２を往復駆動機構を介し
   て出入自在に設け、上記ルーフカー５の昇降作動
   時はピン１２を穴１１に差込み固定してルーフカ
   ーを停止するようにしたことを特徴とするビル清
   掃装置。