JPS6237276B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ (a)第１の軸と、(b)この第１の軸内に入れられ
たポケツト軸受と、(c)このポケツト軸受内に軸架
した第２の軸と、(d)前記両軸のうちの一方に隣接
する油収集領域と、(e)この油収集領域に連通する
入口と、前記ポケツト軸受に連通する出口とを持
ち、前記一方の軸を貫く潤滑口と、(f)潤滑油収集
手段と、(g)前記油収集領域に潤滑油を供給する供
給手段とを備え、前記潤滑油収集手段を、油が、
遠心力により前記油収集領域から半径方向外方に
投げ出され、遠心力のもとに前記潤滑油収集手段
内に保持され、この潤滑油収集手段から前記ポケ
ツト軸受内へあふれ出るように、前記油収集領域
から半径方向外方に位置させて成る、変速機。

２ オイルリングを備え、前記潤滑油収集手段
を、前記潤滑口と、前記オイルリングとにより形
成される油受けといにより構成した特許請求の範
囲第１項記載の変速機。

３ 前記油収集領域に潤滑油を供給する供給手段
を、軸線方向に前記油収集領域に延びる唇状部を
持つ固定の環状の油そらせ部片により構成した特
許請求の範囲第１又は第２項項記載の変速機。

４ 前記油収集領域に潤滑油を供給する供給手段
にさらに、はねかけ霧吹きといと通路とを設け、
前記はねかけ霧吹きといが前記通路に通じ、この
通路が前記油収集領域に通ずるようにした特許請
求の範囲第３項記載の変速機。

５ 前記オイルリングと、前記そらせ部片との間
に環状のすきま空間を形成し、前記オイルリング
から軸支持軸受に油があふれ出るように、前記オ
イルリングが前記油そらせ部片の唇状部を円周方
向に囲むようにした特許請求の範囲第４項記載の
変速機。

６ 前記通路を、軸受キヤツプと、固定の前記油
そらせ部片とにより形成した特許請求の範囲第５
項記載の変速機。

７ 前記オイルリングに、最も内側の縁部を持つ
内方部分を設け、前記潤滑口の前記出口に最も外
側の点を設け、前記最も内側の縁部を、入力用の
前記軸の中心線に向い半径方向内向きに延ばし、
前記最も内側の縁部を、前記最も外側の点が前記
中心線に近接するのと少なくとも同程度にこの中
心線に近接させた特許請求の範囲第６項記載の変
速機。

８ 前記潤滑口の前記出口に隣接して設けられ、
前記潤滑口から前記ポケツト軸受に潤滑油を導く
ように前記ポケツト軸受内に延びる環状の油つば
を備えた特許請求の範囲第４項記載の変速機。

９ 前記油収集領域に潤滑油を導く通路を、前記
第１の油そらせ部片と共に形成する第２の固定の
環状の油そらせ部片を備えた特許請求の範囲第８
項記載の変速機。

１０ 前記オイルリングに、最も内側の縁部を持
つ内方部分を設け、前記潤滑口の前記出口に最も
外側の点を設け、前記最も内側の縁部を、入力用
の前記中心線に向い半径方向内方に延ばし、前記
最も内側の縁部を、前記最も外側の点が前記中心
線に近接するよりも前記中心線に対し一層近接さ
せた特許請求の範囲第９項記載の変速機。

技術分野 本発明は、軸受潤滑、ことに変速機ポケツト軸
受の潤滑に関する。

背景技術 標準形変速機においては、主軸はポケツト軸受
を介して入力軸に軸架され（journalled）てい
る。ポケツト軸受は、これが入力軸の端部の穴内
の比較的隠れた位置にあるので潤滑することが従
来から困難である。

ポケツト潤滑を行う普通の装置は、潤滑口穴、
グリースパツク、油切り及び流体圧ポンプを備え
ている。潤滑口穴は、一般に変速機入力軸を経て
半経方向に機械加工して設けられ、油を内方にポ
ケツト軸受に導くようにする。グリースパツク
は、変速機の組立て中にポケツト軸受を包囲する
単に大きいグリース体である。油切り及び流体圧
ポンプは、ポケツト軸受に強制的油流れを生ずる
機械的ポンプ作用を生ずる。

潤滑口穴は、変速機入力軸の遅い回転又は停止
の間だけ油がポケツト軸受に内方に移動するから
変速機入力軸の高速潤滑には有効でないことが分
つている。高い回転速度では、遠心力により油を
潤滑口穴を経て内方でなくて外方に放出して、潤
滑が一層臨界的になるときに、高速度では軸受の
潤滑油を欠乏させる。

グリースパツクは、低速における低荷重条件の
もとでは有効である。しかし速度及び負荷条件が
増すと、グリースパツクは急速に劣化し、したが
つて長期の軸受潤滑には不適当である。

作動的には油切り及び流体圧ポンプは、高い速
度及び荷重条件のもとでは、潤滑口穴及びグリー
スパツクより一層有効である。しかし油切り及び
ポンプは、一般に、機械加工に一層費用がかか
り、潤滑剤のポケツト軸受への移動の際に遠心力
に逆つて作用することが多い。

発明の説明 ここに説明を行ない請求の範囲に述べた本発明
により、変速機入力軸の回転速度と共に潤滑効率
が実際上増した、比較的安価であるが、極めて有
効な変速機ポケツト軸受潤滑方式が得られる。従
来の多くの普通の装置とは異つて、本発明の好適
とする実施例は、変速機入力軸支持軸受に対し、
この支持軸受及び外部軸受キヤツプの間に取付け
た固定の環状油そらせ部片を備えている。油そら
せ部片及び軸受キヤツプは、変速機のはねかけ及
び霧吹き油を支持軸受のまわりで入力軸に沿い収
集領域にそらせる。この収集領域に隣接して入力
軸に固定した遠心オイルリングは、油そらせ部片
の環状唇状部のまわりで回転する。この唇状部
は、オイルリングの内周辺部に密接する。潤滑口
は入力軸軸受ボスを貫いて収集領域からポケツト
軸受に延びている。入力軸が回転するときは、油
は、オイルリング及び隣接する潤滑口により形成
される油受けといに収集領域から遠心力により放
出される。次いで油の一部は油受けといからあふ
れ出て、出口からポケツト軸受に入る。残りの油
はオイルリングから支持軸受に流れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるポケツト軸受潤滑方式を
持つ変速機の一部を軸断面にして示す側面図であ
る。第２図は第１図の２―２線に沿う断面図であ
る。第３図は複合の変速機と協働して使う本発明
の変型の一部を軸断面にして示す部分側面図であ
る。

好適とする実施例の詳細な説明 第１図及び第２図は本発明の変速機ポケツト軸
受潤滑方式の好適とする実施例を示す。車両の変
速機１０は、回転入力軸１４を納めるハウジング
１２を備えている。回転入力軸１４は、支持軸受
１６に軸架され、軸受ボス端部２０に、これと軸
線方向に整合するスプライン付き回転主軸２２を
支えるようにポケツト軸受１８を納めてある。

ポケツト軸受の２個の潤滑口２４は、回転入力
軸１４の軸受ボス端部２０を貫いて延びている。
各潤滑口２４は、ボスのまわりに180゜の間隔を
隔て、図示のように支持軸受１６に近接して入口
２６を持ち、ポケツト軸受１８に近接して出口２
８を備えている。

軸線方向に延びる唇状部３２を持つ固定の油そ
らせ部片３０は、支持軸受１６に向かい合つて位
置させてある。油そらせ部片３０は、はねかけ及
び霧吹き油を、支持軸受１６のまわりに回転入力
軸１４に沿い収集領域３４に、そして支持軸受１
６の内方にそらせる。収集領域３４は、回転入力
軸１４に沿い唇状部３２の末端３３と、入口２６
とに境を接する区域として形成してある。油そら
せ部片３０は、支持軸受１６及び軸受キヤツプ３
６の間に位置させてある。油そらせ部片３０及び
軸受キヤツプ３６は、潤滑油が収集領域３４内に
流入するように通路３５を形成する。はねかけ霧
吹きとい３７は、変速機歯車及びそのダクトによ
り通路３５内に放出されるはねかけ霧吹き油の収
集のための溜めとして作用する。油そらせ部片３
０と、支持軸受１６の外レース４０との中間に環
状スペーサ３８を位置させ、油そらせ部片３０
と、支持軸受１６の回転する内レース４２及びケ
ージ４４との間に適正なすきまを確実に保つよう
にする。

回転遠心オイルリング（以下単にオイルリング
を呼ぶ）４６は、油そらせ部片３０の唇状部３２
のまわりに円周方向に延び入口２６に隣接して回
転入力軸１４に固定されている。収集領域３４か
ら、油を回転入力軸１４により遠心力で外方に押
出し、オイルリング４６及び隣接する潤滑口２４
により形成される油受けとい４５に集める。油
は、油受けとい４５に充満するまで、油受けとい
４５内に溜まる。次いで油の一部は、出口２８か
らポケツト軸受１８にあふれ出る。そして残りの
油は、オイルリング４６から支持軸受１６に、オ
イルリング４６及び油そらせ部片３０の唇状部３
２との間の環状のすきま空間４８を経てあふれ出
る。

オイルリング４６の内方部分５０は、第１図に
示すように回転入力軸１４に向い内方に延びてい
る。内方部分５０は、回転入力軸１４によりオイ
ルリング４６内に遠心力により放出される油を収
集し溜めるための溜めとして作用する。オイルリ
ング４６及び潤滑口２４内の油を満足の得られる
状態で溜めることができるようにするには、図示
のように潤滑口２４が入口２６から出口２８の方
に、回転入力軸１４の中心線に向い半径方向内方
に延びることが必要である。支持軸受及びポケツ
ト軸受への満足できる油の流れが得られるよう
に、内方部分５０は、回転入力軸１４の中心線５
１に平行に引かれると共に出口２８の最も外側の
点５４に接する直線５２に位置する又はその下方
に位置する、最も内側の縁部５３を備えている。
最も外側の点５４は又第２図に示してある。

第３図は本発明の変速機ポケツト軸受潤滑方式
の第２の実施例を示す。複合変速機１０′は、支
持軸受１６′に軸架した回転主軸２２′を備えてい
る。出力軸５６は、回転主軸２２′に軸線方向に
整合し、ポケツト軸受１８′を備えている。ポケ
ツト軸受１８′には、回転主軸２２′の端部を軸架
してある。第１の実施例の場合と同様に固定の環
状の油そらせ部片３０′は、環状の回転遠心作用
オイルリング（以下単にオイルリングと呼ぶ）４
６′がまわりに回転する軸線方向に延びる唇状部
３２′を備えている。唇状部３２′はオイルリング
４６′の内周辺部に密接している。しかしこの実
施例においては、潤滑口２４′は、回転主軸２
２′にスプラインばめした補助入力歯車６０を貫
いて延びている。潤滑口２４′の出口２８′は、す
きま６２によりポケツト軸受１８′から間隔を隔
てている。環状の油つば６４は、すきま６２にま
たがるように設けられ、従つて油が出口２８′か
ら出るときに、すきま６２内に流れ込まないよう
にして、出口２８′から出る際に油がポケツト軸
受１８′に直接流れ込むようにする。この実施例
の潤滑口２４′は、第１の実施例の場合のように
軸の支持ボスを貫くのでなくて、歯車又は軸を貫
いて延びている。しかし本発明では入力歯車６０
は、回転主軸２２′の半径方向に延びる部分とし
て定義されるから、前記のどちらの実施例でも潤
滑口は軸を貫いて延びているということができ
る。

第３図の方式では又、はねかけ霧吹きとい３
７′に隣接する油入口６８からのはえかけ霧吹き
油に対する通路３５′を形成するために、油そら
せ部片３０′に隣接して第２の固定の環状の油そ
らせ部片６６を備えている。油そらせ部片６６
は、この場合第１の実施例の軸受キヤツプ３６と
同じ作用をする。

又第１図の実施例の場合と同様に第３図の複合
変速機内のオイルリング４６′は、回転主軸２
２′に向い内方に延びる内方部分５０′を備えてい
る。しかし第３図の方式では、油をオイルリング
からあふれ出させることによつて役出つことはな
い。すなわち内方部分５０′の最も内側の縁部５
３′は、この場合直線５２′〔中心線５１′に平行
に出口２８′の最も外側の点５４′を経て延びる〕
の半径方向内方になければならない。

前記した各変型のほかに第１の実施例に適用で
きる原理はすべて第２の実施例に当てはまる。

以上本発明の好適とする実施例について述べ
た。請求の範囲は以下の通りである。