JPS6236984B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は高周波用の誘電体磁器組成物に関す
るものである。 マイクロ波やミリ波などの高周波領域において
誘電体磁器は誘電体共振器やMIC用誘電体基板な
どに広く利用されている。 従来、この種の誘電体磁器としては、ZrO₂−
SnO₂−TiO₂系材料、Ba₂Ti₉O₂₀、（Ba、Sr）
（Zn、Ti）O₃系材料、Ba（Zn、Ta）系材料など
が知られている。これらの材料はマイクロ波帯で
の誘電率（ε）が20〜40、Ｑが4000〜8000、共振
周波数の温度係数（τ）がOppm／℃の特性を
有する優秀な材料であるが、最近では使用する周
波数領域がさらに高くなつてきており、これに対
応してさらに高いＱ値を有する材料が要求されて
いる。 したがつて、この発明は高周波領域で従来にく
らべて高いＱを有する誘電体磁器組成物を提供す
ることを目的とする。 すなわち、この発明の要旨とするところは、一
般式Ba（Zr_xZn_yTa_z）Ｏ_7/2-x/2-3y/2で表わさ
れる組成において、0.02≦ｘ≦0.13、0.28≦ｙ≦
0.33、0.59≦ｚ≦0.65（ただし、ｘ＋ｙ＋ｚ＝
１）の範囲にあるものを主成分とし、これに
SiO₂を0.1〜5.0モル％添加含有していることを特
徴とするものである。 以下、この発明を実施例に従つて詳細に説明す
る。 高純度のBaCO₃、ZrO₂、ZnO、Ta₂O₅、SiO₂を
用い、第１表に示す組成からなる磁器が得られる
ように秤量し、秤量原料を２時間湿式混合した。
次いで1200℃で２時間仮焼を行い、さらにバイン
ダを加えて２時間湿式混合し、脱水、整粒を行つ
た。得られた粉末を2000Kg／cm²の圧力で12mmφ×
６mmｔの寸法からなる円板に成形し、1450℃、４
時間の条件で焼成して磁器試料を得た。 得られた磁器試料について、周波数7GHzにお
ける誘電率（ε）、Ｑおよび共振周波数の温度係
数（τ）を測定し、その結果を第１表に示し
た。第１表中※印はこの発明範囲外のものであ
り、それ以外はすべてこの発明範囲内のものであ
る。 第１図はこの発明にかかる組成のうち、
ZrO₂、ZnO、TaO_5/2について組成範囲を示した
ものであり、図中の番号は第１表の試料番号と一
致する。

【表】 共振周波数の温度係数（τ）は−25℃〜＋85
℃の温度範囲で行い、次式にもとづいて求めた値
である。 τ＝−1/2τ〓−α ここで、τ〓：誘電率（ε）の温度変化率 α：磁器試料の線膨脹率 第１表から明らかなように、この発明にかかる
ものは、高い誘電率を示すとともにτも良好で
あり、特にＱについては最高14400もの値を示す
ものが得られており、高周波領域において誘電体
共振器やMIC用誘電体基板などの用途に有用な高
周波用の誘電体磁器を提供することができる。 なお、この発明範囲外の組成（試料番号１、
５、６、10、14、18、22、26〜31）のものはＱが
小さいか、あるいはτが大きいか、焼結が不可
能なものであり、実用に供し得ないものである。 また、SiO₂の添加効果はＱを高めることにあ
るが、0.1モル％未満では添加効果が現われず、
5.0モル％を越えるとＱが低下する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にかかる組成のうち、
ZrO₂、ZnO、TaO_5/2について組成範囲を示した
三元図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一般式Ba（Zr_xZn_yTa_z）Ｏ_7/2-x/2-3y/2で
   表わされる組成において、0.02≦ｘ≦0.13、0.28
   ≦ｙ≦0.33、0.59≦ｚ≦0.65（ただし、ｘ＋ｙ＋
   ｚ＝１）の範囲にあるものを主成分とし、これに
   SiO₂を0.1〜5.0モル％添加含有していることを特
   徴とする高周波用誘電体磁器組成物。