JPS6236871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタオルジヤカード織機に於て、カード
節約のためのカードシリンダー停止装置に関する
ものである。

従来、ジヤカード織りのタオル織物において
は、パイルの部分は絞織であるが両ヘムは平織で
ある。また、パイル中にも平織部分が多数含まれ
ている。特にプリント柄などは殆どその大部分が
平織である。従つてこの平織部分のカードを省略
するとカードの節約は極めて大である。

そこで平織部分のカードを節約するためにこの
部分に対応させてカードシリンダーを停止させる
ようにしているが従来のシリンダー停止は機械的
機構のみによるものであるからその構造が比較的
複雑で操作も煩雑であつた。

本考案は上記欠点に鑑み、従来の機械的駆動の
一部を電気的駆動に替え、これより簡素化された
機構で確実にカードシリンダーを必要時停止させ
るようにしたものである。

以下本考案の構成を図面に示す実施例について
説明するとつぎのとおりである。

第１図に示すように作動カム１を１体に組合せ
たラチエツトホイル２の歯に係止自在のラチエツ
ト３を設けて、ラチエツトホイル２の取付け軸４
上に基端を遊嵌取付けしたラチエツトレバー５を
設け、ナイフ６に裏針７ａを係止して引上げられ
る予備経針７を上記ラチエツトレバー５の遊端に
連結してある。予備経針７は絞織部分ではその裏
針７ａがナイフ６から外れて休止し、反対に平織
部分では裏針７ａがナイフ６に係止して引上げら
れるようになつている。この予備経針７の引上げ
によりラチエツトレバー５が上向きに揺動し、こ
れに伴いラチエツトホイル２はラチエツト３によ
り１歯ずつ回転する。従つて図示の如くラチエツ
トホイルの歯数が10枚のときはラチエツト10回の
送りでラチエツトホイル２は１回転し、これと１
体の作動カム１も10等分ずつ回転する。この作動
カム１の1/10円周個所に凹部８を形成し、この凹
部８に突入する突子９ａを形成したカムレバー９
を揺動可能に設け、これの遊端部をラチエツトレ
バー５にスプリング１０で連結し、このスプリン
グ１０の弾力により両レバー５，９を互に牽引状
態にしてある。これによりカムレバー９は作動カ
ム１の回転において10：１の割合でその突子９ａ
を作動カム１の凹部８に嵌入し、スプリング１０
の牽引により図示の如くほぼ水平状態で静止し、
凹部８以外の円弧部１１では突子９ａが押され図
面の鎖線にて示す如く若干下向きに揺動して静止
する。

このカムレバー９の押し下げによりレバー先端
に押される接片１２の接触によりONして作動す
るカムスイツチ１３を設け、このカムスイツチ１
３の作動により作動杆１４を突出、退入するソレ
ノイド１５を引金レバー１６の真下に設ける。上
記引金レバー１６は図示の如く揺動可能にして、
その先端部をカードシリンダー１７に係止自在と
し、その長さ途中を機台一部に固着したスプリン
グ１８に連結させ、スプリング１８により牽引さ
れ、図面の実線にて示す如く若干下向きに静止
し、またソレノイド１５の作動杆１４の突出接当
による押し上げにより図面の鎖線にて示す如く若
干上向きに静止する。カードシリンダー１７はこ
の引金レバー１６の下向き静止時回転可能で、上
向き静止のときは回転を制止されるようになつて
いる。

これにより紋織部分から平織部分に代わるとこ
れがカードによる節約指令となり、予備経針７が
引上げられ、これに伴う作動カム１の１歯回転に
より突子９ａは凹部８から外れてカム円弧部１１
に乗上げ接当するのでカムレバー９が押し下げら
れ、これに伴い作動するカムスイツチ１３を介し
てソレノイド１５の作動により引金レバー１６が
押し上げられてカードシリンダー１７は停止す
る。また、作動カム１は図示の如くラチエツトホ
イル２に10：１で作動するから織機が10回転する
までカードシリンダー１７は停止し、つぎの回転
でカードを１枚送り、そのカードに穴があけてな
ければカードシリンダー１７は停止し、節約はつ
づく。

第２図に示すものは他の実施例であつて、この
場合は図示の如く予備経針７がナイフ６に係止し
て引上げられるとこれに伴つて上向きに回動する
接片１９によりONするカウントスイツチ２０を
設け、このスイツチ２０のONによつて作動する
カウントタイマー装置２１を設ける。このカウン
トスイツチ２０とカウントタイマー装置２１とが
前記実施例の作動カム１とカムレバー９と同等の
作動をし、カウントタイマー装置２１はカウント
スイツチ２０のONに応じて１カウント作動す
る。即ち、カウントタイマー装置２１は予備経針
を介してのカードの節約指令に応じて作動する。
このカウントタイマー装置２１に連結してソレノ
イド２２内蔵のリレースイツチ２３を設け、これ
と前記実施例と同様に引金レバー１６を押上げる
ようにこれの真下に設けたソレノイド１５とを連
結する。これによりカウントタイマー装置２１の
作動と同時にリレースイツチ２３が作動し、これ
に伴いソレノイド１５が作動する。ソレノイド１
５はその作動杆１４が突出して引金レバー１６を
押し上げ、カードシリンダー１７は停止する。こ
の場合もカード節約の割合が10：１となるように
カウントタイマー装置をセツトしておくと９回は
節約の状態が続き10回目に元の位置に復帰し、ソ
レノイド１５への通電は切られカードは１枚送ら
れる。そして上記の送られるカードにつづいて節
約の指令があれば更に節約はつづく。

なお、カードの節約数はラチエツトホイルの歯
数又は作動カムの作動個所及びカウントタイマー
装置のカウント設定等により変えることができ
る。

また、これら実施例において引金レバー１６の
押し上げはソレノイド１５の作動杆１４の突出に
よつて行うようにしているが、この考案はこれに
限定されるものではなく例えば第３図に示すよう
にソレノイド１５と引金レバー１６との間に補助
引金レバー１６ａを間在させ、この補助引金レバ
ー１６ａの一端を引金レバー１６の下面に接当す
る位置にして他端をソレノイド１５の作動杆１４
に連結する等、その他これに類する手段がとられ
る。この場合はカムスイツチ又はリレースイツチ
を介してソレノイド１５が入電作動すると作動杆
１４は突出後退入するときに作用して補助引金レ
バー１６ａを牽引揺動し、レバーの一端にて引金
レバー１６を押し上げる。

以上説明したように本考案はタオルジヤカード
織機に於て、カードシリンダーを回転さすための
引金レバーに対向させてソレノイドを設け、カー
ドの節約指令により予備経針を介して作動するカ
ムスイツチ又はリレースイツチを設け、上記スイ
ツチの通電によりソレノイドを作動させて引金レ
バーを押し上げ、カードシリンダーを停止さすよ
うになしたから、平織組織の部分のカードの節約
は予備経針の作動とこれに関連して作動するカム
スイツチ又はリレースイツチ等の電気的作動部材
との組合せによるソレノイドの作動によつて引金
レバーを押上げ、これによりカードシリンダーを
停止させて行われるので常に確実に行われ、その
駆動機構を簡素化することができる。

また、多口ジヤカードの場合は引金レバーはカ
ードシリンダーの両側に取付けられているため両
レバーを同時に押し上げることは従来の機械的駆
動では困難であつたが、本考案によれば両レバー
の駆動が夫々ソレノイドにより行われ、両ソレノ
イドは電線を途中で分岐されて容易に両引金レバ
ーの真下等に設けられるから引金レバー駆動部の
設置は従来の機械的駆動部に比し極めて容易であ
り、また両引金レバーの同時作動も従来より遥か
に確実である。

また、ジヤカード織機は多数の通糸、ジヤカー
ド台、カード流し等が複雑に組付けられているか
ら従来のように引金レバー駆動までの各段階を何
れも機械的に駆動するものではその取付け構成等
が煩雑となり円滑な作動が容易には得られなかつ
たが、本考案の場合はソレノイドによる引金レバ
ー駆動であるから煩雑な駆動部分は電気的駆動に
より大きく簡素化し、而も確実に作動さすことが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例であつて、第１図はその
一例の側面図、第２図は他の例の側面図、第３図
はソレノイドによる引金レバー駆動要領の他の例
を示す斜視図である。 １３……カムスイツチ、１５……ソレノイド、
１６……引金レバー、１７……カードシリンダ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タオルジヤガード織機に於て、カードシリンダ
   ーを回転さすための引金レバーに対向させてソレ
   ノイドを設け、カードの節約指令により予備経針
   を介して作動するカムスイツチ又はリレースイツ
   チを設け、上記スイツチの通電によりソレノイド
   を作動させて引金レバーを押し上げ、カードシリ
   ンダーを停止さすようになしたことを特徴とする
   タオルジヤカード織機に於けるカードシリンダー
   停止装置。