JPS6236766Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、小型電子部品の多数個を、そのリー
ド部分も含めて１個づつ整列させて収納すること
ができ、しかも、小型電子部品を収納した状態で
ロール状に巻き取ることができる小型電子部品包
装材に関する。

従来例の構成とその問題点 トランジスタあるいはコンデンサ等の電子部品
の包装は、包装作業の自動化をはじめとして、組
立系への供給等においても自動化を目的として
種々の試みがなされている。

抵抗あるいはコンデンサ等の分野では、被包装
物の外部リードを除く本体部分の形状をなす切欠
が一定間隔をおいて設けられたテープ状段ボール
紙の前記切欠に被包装物をはさみ込み、セロハン
テープ等で固定することにより、包装の連続化が
はかられている。しかしながら、この方法は、紙
を素材としており、小型トランジスタのように封
止容器から多方向に突出したリードをもつものに
おいては、切欠等のほつれ等から発生する微細な
紙繊維がリードにからみつき、自動装填あるい
は、組立系への自動供給が円滑に進まなくなり、
信頼性が損われるのみならず包装材をリール等に
巻きつけようとした場合、これが困難であるこ
と、あるいは切欠のピツチを小さくするのが困難
であること等の問題があつた。

考案の目的 本考案は、小型電子部品をリードも含めて収納
することができ、しかも、全体をリール状に巻き
取ることもでき、小型電子部品の自動包装を可能
にし、かつ、包装された小型電子部品をプリント
基板等へ実装するにあたり、自動供給の実現をは
かるに適した小型部品包装材を提供することを目
的とするものである。

考案の構成 本考案にかかる小型電子部品包装材は、ロール
状に巻き取りが可能なプラスチツク製のフイルム
状体からなり、長手方向に沿つて小型電子部品の
全体を収納可能な多数個の凹所が等間隔でかつ一
列に整列配置された収納部材と、同収納部材と同
等の長さと前記凹所を覆う幅を持つとともに同収
納部材と対向する面側を粘着面とする粘着テープ
ならびに前記粘着テープの粘着面のうち少なくと
も前記凹所に対向する粘着面の部分に粘着され前
記部分を非粘着面となすシート部材とからなる粘
着テープ蓋体とを具備し、前記収納部材に前記粘
着テープ蓋体が粘着されることから構成されてい
る。

この構造によれば、プラスチツク製のフイルム
状体に整列配置された凹所内へ小型電子部品を投
入して、すくなくともこの凹所に対向する部分を
非粘着面となした粘着テープ蓋体を粘着すること
で容易に自動包装ができるばかりでなく、包装さ
れた小型電子部品の取り出しもまた、自動的に行
うことができる。

実施例の説明 以下に図面を参照して本考案を詳しく説明す
る。

本考案にかかる小型トランジスタ用包装材を用
いた包装装置は、第１図にその斜視図を示すよう
に、リール１とこれに巻きとられるテープ状の包
装材２とで構成されている。第２図に包装材２の
部分拡大平面図を、第３図に第２図のＡ−A′線
に沿つて切断した断面図を示す。包装材２は、包
装されるべき小型トランジスタが丁度入る程度の
凹部３が一定間隔で形成され、これら凹部３の間
に送り孔４が穿設された幅８mmのプラスチツク
製、例えば塩化ビニル樹脂製の収納部材となる第
１のフイルム体５と、この第１のフイルム体５と
ほぼ同一の幅を有し、その片面に粘着剤が塗布さ
れた、粘着テープ例えばセロハンテープ６の粘着
面側に、上記凹部３に対向する位置の粘着面を非
粘着面とし、被包装物が直接粘着面に触れない様
構成するためのシート部材として、この凹部３と
同程度の幅（約５mm）を有するセロハンテープ７
の接着面側を接着して二重構造とした粘着テープ
蓋体である第２のフイルム体８とが互いに接合し
て形成されたものである。

本実施例においては第３図に示すように送り孔
４を第１のフイルム体５および第２のフイルム体
８にそれぞれ対応するように設けられている。

次に、この包装材を用いた包装操作について説
明する。それぞれ独立した軸体に巻かれた第１の
フイルム体５および第２のフイルム体８を、一点
で接するように設置しておき、まず第１のフイル
ム体５の凹所内に小型トランジスタが装填される
と第２のフイルム体８が近づけられ、圧着によつ
て凹所の開口に対する封塞がなされ、１個の小型
トランジスタの包装が終了する。次いで、送り装
置がはたらき第１のフイルム体５に穿設された送
り孔４が１ピツチ進んで次の小型トランジスタの
包装がなされる。また包装の完了したテープ状の
包装材はその都度リールに巻きとられ、包装を完
了する。

一方、プリント基板等への供給の際には、この
逆の方向に巻きとりつつ、第２のフイルム体８を
はがし凹所内に収納されている小型トランジスタ
を順次とり出していけばよい。

考案の効果 本考案の包装材を用いることにより小型コンデ
ンサや抵抗はもとより、小型トランジスタの分野
でも自動包装およびプリント基板への自動装着
が、高度な信頼性をもつて行えるようになつた。
また包装しつつ巻取つていけば良く、包装の為の
スペースを必要とせず、運搬の際にもリールに巻
いたまま外装容器に収納すれば耐衝撃性も大であ
る。さらには、第１のフイルム体は一定間隔で凹
部を有しているため可撓性を有し、小さなリール
にも巻き易く、又、従来のように切欠を有する段
ボール紙を用いた場合に比べ、小さなピツチ（間
隔）で収納部となる凹所を配置することが可能で
あり、単位長あたりの包装容量を大きくすること
のできる利点もある。

さらに、第２のフイルム体の、凹所開口部上に
位置する部分の面が非粘着面とされているため、
収納された電子部品に粘着物が付着することもな
い。

以上説明してきたように、本考案の包装材は、
電子部品の自動包装および組力系への自動供給を
信頼性高く行うことのできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の包装材を用いた包装装置の一
実施例を示す斜視図、第２図は同包装材の要部平
面図、第３図は第２図示の包装材のAA′で切断し
たときの断面図である。 １……リール、２……包装材、３……凹部、４
……送り孔、５……第１のフイルム体、６……セ
ロハンテープ、７……セロハンテープ、８……第
２のフイルム体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ロール状に巻き取りが可能なプラスチツク製
   のフイルム状体からなり、その長手方向に沿つ
   て小型電子部品の全体を収納可能な多数個の凹
   所が等間隔でかつ一列に整列配置された収納部
   材と、同収納部材と同等の長さと前記凹所を覆
   う幅を持つとともに同収納部材と対向する面側
   を粘着面とする粘着テープならびに前記粘着テ
   ープの粘着面のうち少なくとも前記凹所に対向
   する粘着面の部分に粘着され前記部分を非粘着
   面となすシート部材とからなる粘着テープ蓋体
   とを具備し、前記収納部材に前記粘着テープ蓋
   体が粘着されることを特徴とする小型電子部品
   包装材。 (2) 粘着テープが、収納部材と同等の幅を有する
   とともに前記収納部材に設けられた送り用孔と
   対向する位置に前記収納部材の送り用孔と同等
   な送り用孔を具備することを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の小型電子部品包
   装材。 (3) シート部材が収納部材の凹所と同等の幅を有
   するとともに前記粘着テープと同等の長さを有
   することを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の小型電子部品包装材。