JPS6236647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のドアに関するものである。

一般に自動車のドアは、大別してサツシユドア
とサツシユレスドア及びパネルドアとに分類さ
れ、窓部に対するドアガラスは、何れもドアを形
成するアウタパネルとインナパネルとの間に挿入
され、且つ昇降用のウインドレギユレータに下端
が取付けられてドアサツシユもしくはこれに類す
る案内支持部材によつて上部及び側部を支持せし
めた構造であり、ドアサツシユ等の案内支持部材
には、上記ドアガラスを気密に保持せしめるため
のランチヤンネルが取付けられている。従つて何
れの形式のドアにおいても、上記ドアガラスの保
持は、下部においてウインドレギユレータに取付
けられ、両側及び上部に対しては、単に前記ラン
チヤンネルにより弾性的に支持されているのみで
ある。一方自動車の高速走行時には、ドアガラス
の外面に負圧が発生し易く、ドアガラスは前記の
如く側部及び上部は弾性的に支持されているのみ
であり、且つその剛性は比較的弱いから、上記負
圧によりドアガラスは波打ち現象といわれる振動
を生ずる傾向にあり、このためドアガラスと上記
ランチヤンネルとの間に隙間が形成され、室内空
気は吸い出されて風切り音或は吸出し音等の騒音
を発生する等の問題がある。

上記自動車のドア、特にサツシユの補強につい
ては、窓をデイビジヨンバーにより前後に区切り
三角窓と四角窓に分割した構造（例えば実開昭55
−53609号）、もしくはアウタパネルとインナパネ
ルの前後のサツシユ取付部に立上りフランジを形
成し、サツシユとの取付けの強化を計る構造（例
えば実開昭55−42689号）等が提案されてはいる
が、前者においては三角窓部の開閉に不都合を生
じる等の問題があり、何れの場合においても前記
ドアガラスの振動防止については未だ問題が残さ
れている。

本考案はかゝる点に鑑み、ドアガラスの外側に
位置してドアサツシユの上枠部とアウタパネルと
を連結する連結部材を設け、該連結部材はドアガ
ラスの昇降を許容すると共にドアガラスの外面を
押圧支持せしめ、該ドアガラスの前記波打ち現象
を阻止し、これにより騒音の発生を防止すること
を目的とするものである。

以下本考案を実施例について図面に基づいて説
明する。

図に示すように、ドア本体１はアウタパネル２
とインナパネル３並びに該アウタパネルに一体的
に取付けられるドアサツシユ４とより成り、ウイ
ンドレギユレータ（図示省略）により昇降される
ドアガラス５とにより自動車のドア６が構成され
る。

アウタパネル２とインナパネル３のそれぞれの
上縁には、その間に挿入されドアガラス５に圧接
される外部ウエザストリツプ８、内部ウエザスト
リツプ９が取付けられてドアガラス５との間の気
密を保持せしめると共に、ドアサツシユ４の内側
には、弾性材料等を以てするランチヤンネル１０
が設けられ、ドアガラス５は該ランチヤンネルに
沿つて昇降され、且つ気密が保持されるようにな
されている。

連結部材１３は、ドアガラス５の外側に位置し
該ドアガラス５が負圧により外方へ変形するのを
防止するようにしたもので、上端はドアサツシユ
４に取付けられ、下端はアウタパネル２に取付け
られている。その取付位置は、好ましくは通常の
三角窓を構成するデイビジヨンバーの取付位置、
即ちドアサツシユ４の略水平状の上枠部１１の前
端部附近からアウタパネル２に対し垂直状に設け
る。尤も窓の形状によりこれに限られるものでは
ない。

該連結部材１３は、帯鉄等による芯金１４と、
該芯金１４を覆うモール部材１５及びドアガラス
５に対し弾圧支持せしめるための当接部材１６と
より成り、芯金１４は上端をドアサツシユ４の内
面とランチヤンネル１０との間に該ランチヤンネ
ルを圧縮して、もしくは当該部分を切欠して挿入
し、又下端は外部ウエザストリツプ８を圧縮し、
もしくは当該部分を切欠してアウタパネル２の前
記外部ストリツプ８取付部下端の取付フランジ部
１８にまで延長され、上下端をそれぞれドアサツ
シユ４及び取付フランジ部１８に溶着されてい
る。該芯金１４の中間部は、両側に折曲げ部１９
を形成して中央部２０をドアガラス５側に突出
し、ドアガラス５と直角方向の曲げ応力に対し剛
性を有せしめる。

又、モール部材１５は合成樹脂等により構成さ
れ、前記芯金１４に対しインサート加工等により
一体的に形成されるもので、その外面は意匠を考
慮した形状が好ましく、横断面の外形形状を適宜
の曲面又は波形に形成する。

前記当接部材１６は、例えば植毛より成るもの
で、芯金１４の中央部２０に取付けられ、ドアガ
ラス５の昇降は許容するも、該ドアガラス５が前
述の如く外方に変形することを防止すべく、常時
ドアガラス５に対し圧接支持されている。なお該
当接部材１６は、植毛に限るものではなく、弾性
パツキン等ドアガラス５に均一に圧接され且つ該
ドアガラス５の昇降を許容するものであればよ
い。

尚図中、２１はドア本体１の外周に嵌着された
ウエザストリツプである。

以上のように本考案によるときは、ドアガラス
の外側を常時連結部材により押圧支持せしめるよ
うにしたから、ドアガラスは高速走行時において
も波打ち現象が抑止され、従つてドアガラスとラ
ンチヤンネルとの間に隙間を生ずることがないか
ら、室内空気の吸出し音等の騒音の発生を防止す
ることができ、しかも、窓ガラスが外方へ吸い出
されないため、窓ガラスの昇降性が良い。又連結
部材によりドアサツシユとアウタパネルとを連結
することによりドア全体として剛性が増し、且つ
ドアガラスは補強されることにより薄板化が可能
となり軽量化を計ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の態様を例示するもので、
第１図は取付要領を示す全体斜視図、第２図は要
部の縦断面図、第３図は第２図における−線
に沿う断面図である。 １……ドア本体、２……アウタパネル、３……
インナパネル、４……ドアサツシユ、５……ドア
ガラス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アウタパネルとインナパネル及びドアサツシユ
   とによりドア本体が構成され、昇降自在のドアガ
   ラスを備えたものにおいて、ドアガラスの外側に
   位置する連結部材の上下端がそれぞれドアサツシ
   ユ上枠部とアウタパネルとに連結されており、こ
   の連結部材でドアガラスを圧接支持していること
   を特徴とする自動車のドア。