JPS623662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は除霜に際してエンタルピの大きな外
気をケース内の冷気循環通風路へ積極的に通風さ
せることにより除霜を行う冷気循環式のオープン
シヨーケース、特にそのエアカーテン吸込口部分
の構造改良に関する。

まず頭記オープンシヨーケースの一般構成、並
びに保冷、除霜運転動作を第１図、第２図につい
て述べる。図において１はオープンシヨーケース
の前面開放形キヤビネツトであり、該キヤビネツ
ト内には庫内商品陳列室２を包囲してそれぞれの
エアカーテン吹出口および吸込口がキヤビネツト
１の前面開口部へ向けて上下に開口するインナダ
クト３、アウタダクト４を形成するとともに、イ
ンナダクト３には冷却器５およびインナフアン
６、またアウタダクト４にはアウタフアン７がそ
れぞれ設置されている。なお１１，１２はインナ
ダクト、アウタダクトを仕切る隔壁である。

かかる構成で、保冷運転時には冷却器５を運転
し、かつインナフアン６、アウタフアン７をそれ
ぞれ第１図における実線矢印の方向に送風運転さ
せることにより、キヤビネツト１の前面開口部に
は内層の冷気エアカーテンＡおよび外層の保護エ
アカーテンＢを同じ方向に吹出し形成し、外気熱
の侵入をしやへいするとともに庫内陳列商品を保
冷する。

一方、除霜運転時には冷却器５を停止するとと
もにインナフアン６を正転、アウタフアン７を逆
転運転する。したがつて第２図の点線矢印Ｃのよ
うにアウタダクト４のエアカーテン吹出口を通じ
てエンタルピの大きな外気が吸込まれる。アウタ
ダクト４の中を通流した外気はエアカーテン吸込
口より一旦吹出された後に風向きを反転してイン
ナダクト４の吸込口を通じてインナフアン６によ
つて吸込まれ、更にインナダクト内を通流し、最
後にインナダクト４の吹出口より庫外の下方へ吹
出し放流される。この外気通風によりインナおよ
びアウタダクト３，４の通風路内に在るエアカー
テン吹出口のハニカム整流体、吸込口グリルおよ
び冷却器５などにいままでの保冷運転に伴つて発
生付着した霜が外気の保有熱により除霜されるこ
とになる。このようにエンタルピの大きな庫外外
気を除霜熱源として除霜を行わせる方式は、一般
に多く採用されているヒータ除霜方式、ホツトガ
ス除霜方式に較べて消費電力量が少なくて済み省
エネルギ効果が大である。かかる除霜方式は空気
除霜方式と呼ばれている。

ところで従来における内外２層のエアカーテン
を吹出形成するオープンシヨーケースのエアカー
テン吸込口部分の構造はいずれも第３図イあるい
はロに示すように構成されている。即ち第３図イ
の構造ではインナダクト３のエアカーテン吸込口
３１の上端面を覆つて吸込口グリル８を張りめぐ
らしているのに対し、アウタダクト４の吸込口４
１はそのまま開放されている。なお９は除霜空気
流Ｂをアウタダクト４からインナダクト３へ向け
て風の向きを反転させるガイドとしての風向バツ
フルであり、吸込口４１に接近してキヤビネツト
１のフロント壁１３の上縁より庫内へ向けて突設
されている。この第３図イの構造ではアウタダク
ト４の吸込口４１がそのまま上方に向いて開放し
ているために、商品、その他の比較的小さい物品
Ｐがアウタダクト４の中へ落込み易すい。一方、
第３図ロの構造では物品のダクト内落下を防ぐ目
的からアウタダクト４の吸込口４１の上端面全域
も吸込口グリル８０で覆つている。しかしながら
この構造では物品のダクト内落下を防ぐ利点のあ
る反面、第２図で述べた空気除霜運転時には吸込
口グリル８０が除霜外気をアウタダクト４より吹
出す際の大きな空気抵抗障害物となり、このため
にインナダクト３へ送り込む外気風量が減少し、
それだけ除霜性能が低下する不具合を生じる。

本考案は上記の点にかんがみなされたものであ
り、その目的はアウタダクト内への物品の落下を
防ぎながら、空気除霜時の除霜性能の向上を図る
ようにしたオープンシヨーケース、特にそのエア
カーテン吸込口部分の構造を提供することにあ
る。

かかる目的は本考案により、アウタダクトのエ
アカーテン吸込口にはダクトの前後幅方向に一部
の通風すきまを残して吸込口上端面の残り域を覆
う吸込口グリルを設けたことにより達成される。

以下本考案を図示実施例に基づき詳述する。

第４図において、アウタダクト４のエアカーテ
ン吸込口４１にはダクトの前後幅方向に幅寸法Ｓ
の通風すきま１０を残してダクトの上端面を覆う
ように吸込口グリル８０が通風すきま１０へ向け
て前上りとなるように傾斜して張りめぐらされて
いる。しかも通風すきま１０はキヤビネツト１の
フロント壁１３に沿つてエアカーテン吸込口４１
の長手方向全域に亘るように前記風向バツフル９
の直下に位置して形成されている。

上記の構成によれば、まず上方より落ちて来る
物品は吸込口グリル８，８０ないしバツフル９に
当り、通風すきま１０を通じてダクト内へ落下す
る恐れがなくなる。しかもグリル８０がフロント
側へ向けて前上りに傾斜していることにより、グ
リル８０の上へ落ちた物品が通風すきま１０へ滑
り落ちることもない。更に空気除霜運転時にアウ
タダクト４内を通風する外気除霜空気流Ｂの大半
は空気抵抗の少ない通風すきま１０を通じて上方
へ吹出したところで風向バツフル９に当つて向き
を変え、スムーズにインナダクト３の吸込口３１
の方へガイドされる。したがつて第２図ロで述べ
た従来構造のものと較べて通風すきま１０を形成
した分に相応してアウタダクト４から除霜空気を
吹出す際の実効空気抵抗が減少し、これにより除
霜時の外気通風量の増加を図ることができる。し
かも通風すきま１０を風向バツフル９の直下に形
成したので、通風すきま１０より上方に吹出した
除霜空気流Ｂをインナダクト３へ向けて風向ガイ
ドさせることができるなどの実用的効果を奏する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ保冷運転および
空気除霜運転状態を示すオープンシヨーケースの
構成断面図、第３図イ，ロはそれぞれ異なる従来
のエアカーテン吸込口部分の構成断面図、第４図
は第３図に対する本考案実施例の構成断面図であ
る。 １……キヤビネツト、３……インナダクト、４
……アウタダクト、５……冷却器、６……インナ
フアン、７……アウタフアン、８，８０……吸込
口グリル、９……風向バツフル、１０……通風す
きま、１３……キヤビネツトのフロント壁、３
１，４１……エアカーテン吸込口、Ａ，Ｂ……エ
アカーテン、Ｃ……外気の除霜空気流。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面開放形キヤビネツト内にそれぞれのエアカ
   ーテン吹出口および吸込口がキヤビネツトの前面
   開口部に向けて上下に開口するインナダクトおよ
   びアウタダクトを形成するとともに、インナダク
   ト内には冷却器およびインナフアン、アウタダク
   ト内にはアウタフアンを設置し、保冷運転時には
   キヤビネツトの前面開口部に内外二層のエアカー
   テンを吹出し形成し、除霜運転時にはアウタフア
   ンを逆転運転してアウタダクトのエアカーテン吹
   出口より吸込んだ外気をエアカーテン吸込口より
   吹出した後に向きを反転させてインナダクトへ吸
   込ませるようにしたオープンシヨーケースにおい
   て、アウタダクトのエアカーテン吸込口にダクト
   の前後幅方向に手前側に一部の通風すきまを残し
   て吸込口上端面を覆う吸込口グリルを設け前記通
   風すきまがキヤビネツトのフロント壁側より庫内
   側へ向けて突出した除霜空気流を反転ガイドする
   ための風向バツフルの直下に形成されたことを特
   徴とするオープンシヨーケース。