JPS6235832B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、籾摺脱後の摺落米から玄米を選別
するための穀粒選別装置に関するものである。

〔従来の技術〕

内周面に凹みを多数個形成した回転する選別筒
を横設し、該選別筒内の一端部に摺落米の供給
部、他端部に籾の排出部を各々設ける一方、前記
選別筒内に、当該選別筒の軸線方向に延びる上面
開放型の玄米受樋を配設して成る回転式穀粒選別
装置は、先行技術としての特開昭49−24745号公
報に開示されている。

そして、この回転式穀粒選別装置は、選別筒内
における供給側に供給された摺落米が、選別筒の
回転によつて或る高さまで掻き上げられたのち落
下する流動を繰り返し、層を形成しながら排出側
に移動する途次において、摺落米中の玄米は凹み
に嵌まつて高い位置まで持ち上げられる一方、摺
落米中の籾は前記玄米よりも低い位置から落下す
る運動を行うことを利用して、高い位置から落下
する玄米を、上面開放型の玄米受樋に受けて取り
出すものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、選別筒内において流動する摺落米は、
排出側に移行するにつれて籾の比率が高くなり、
排出側では殆ど籾のみになつて、選別筒の内周面
の凹みに嵌まる籾の頻度が増大することに加え
て、前記摺落米の流動層の厚さは、排出側に近付
くにつれて次第に薄くなることにより、排出側で
は選別筒の回転によつて高い位置まで持ち上げら
れたり又は飛散したりする籾の数が増大する傾向
にある。従つて、排出側では、玄米受樋に入る籾
の数が増大するから、玄米の選別精度が低下する
のであつた。

本発明は、前記先行技術としての前記公報に記
載されている回転式穀粒選別装置における前記の
問題を解消するものである。

〔問題を解決するための手段〕

この目的を達成するために本発明は、内周面に
凹みを多数個形成した回転する選別筒を横設し、
該選別筒内の一端部に摺落米の供給部、他端部に
籾の排出部を各々装設する一方、前記選別筒内
に、当該選別筒の軸線方向に延びる上面開放型の
玄米受樋を配設して成る回転式穀粒選別装置にお
いて、前記選別筒内には、その排出側の部分に前
記玄米受樋内に向つて斜め上向きの傾斜状に突出
する流入阻止板を設けた構成にしたものである。

〔発明の作用・効果〕

このように選別筒内における排出側の部分に、
前記玄米受樋内に向つて斜め上向きの傾斜状に突
出する流入阻止板を設けたことにより、選別筒に
おける排出側において、選別筒の回転によつて高
い位置まで持ち上げられたり又は飛散したりする
籾の数が増大しても、この籾は、前記のように玄
米受樋内に斜め上向きに突出する流入阻止板に当
たつて、選別胴内に戻されることになるから、選
別筒の排出側において籾が玄米受樋に入ることを
確実に低減できるのである。

従つて本発明によると、先行技術の回転式穀粒
選別装置において、その玄米の選別精度をより向
上できる効果を有する。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面について説明する
に、第１図は籾摺選別機Ａの全体の縦断正面図を
示し、この籾摺選別機Ａは、籾摺機構Ｃと、長方
形状の箱型風選部Ｂと、回転式選別機構Ｄとによ
つて構成され、前記籾摺機構Ｃと回転式選別機構
Ｄとは、前記箱型風選部Ｂの上面に並設されてい
る。

前記風選部Ｂには、２番コンベヤ１、摺落米コ
ンベヤ２及び玄米コンベヤ３等を並設している。
風選部Ｂの長手方向の一端側には吸引排塵機４を
設け、長手方向の他端側には吸気取入口６を設け
て、選別風が前記各コンベヤ１，２，３の上方を
点線矢印の方向に流れるように構成されている。

前記籾摺機構Ｃは、一対の脱ロール９を内蔵
し、その上部には籾供給ホツパー１０を備え、脱
ロール９の下部に、前記摺落米コンベヤ２が位
置するように構成され、且つ、前記脱ロール９
は風選部Ｂに内蔵したモータＭにより回転駆動さ
れる。

前記摺落米コンベヤ２の一端部には摺落米スロ
ワー１２が、玄米コンベヤ３の一端部には玄米ス
ロワー１３が各々接続されている。

一方、前記回転式選別機構Ｄは、箱状ケース１
４内に上下二段になつた選別筒，を略水平状
に回転自在に横設し、これら両選別筒，は、
その軸線が前記籾摺機構Ｃにおける脱ロール９
の軸線と略直交するように配設されている。

この両選別筒，は、その内周面に玄米が嵌
まり得る大きさの凹み１５を多数個備え、第２図
に矢印で示す方向に適宜速度で回転している。

そして、この両選別筒，の内部には、上面
開放型の玄米受樋１７が選別筒の軸線方向に延び
るようにして各々設けられ、該両玄米受樋１７内
には螺旋コンベヤ１８が各々設けられている。

前記両選別筒，のうち、上段における選別
筒内には、玄米受樋１７とは別に摺落米移送用
螺旋コンベヤ１９が並設され、該摺落米移送用螺
旋コンベヤ１９の籾摺機構Ｃ側の一端部には、前
記摺落米スロワー１２の上端が供給タンク１２′
を介して挿通し、且つ、この摺落米移送用螺旋コ
ンベヤ１９の他端は、選別筒内にその一端の供
給側において開口している。

両選別筒，のうち下段の選別筒は、その
内部に前記上段の選別筒における玄米受樋１７
の終端が連通して、上段の選別筒で選別したあ
との玄米を更に精選別するためのものである。

前記両選別筒，内における玄米受樋１７に
は、その両側板２０，２１のうち各選別筒内にお
ける摺落米の掻き上げ側の側板２０の上端に、軸
２５にて回動自在に枢着した選別調節板２２を
各々設け、この両選別調節板２２における前記籾
摺機構Ｃに近い排出側の部分を、第４図に示すよ
うに玄米受樋１７内に向つて屈曲することによ
り、玄米受樋１７内に向つて斜め上向きの傾斜状
に突出する流入阻止板２４に形成する。なお、第
４図は、両選別調節板２２における前記籾摺機構
Ｃよも遠い供給側の部分を玄米受樋１７内に向つ
て屈曲することによつて、当該部分にも流入阻止
板２３を設けた場合を示す。

しかして、籾摺機構Ｃにおける籾供給ホツパー
１０内に供給された籾は、脱ロール９にて脱
され、次いで吸引排塵機４の選別風によつて籾殻
が除かれるように風選される。この風選後の摺落
米は、摺落米コンベヤ２から摺落米スロワー１
２、供給タンク１２′及び摺落米移送用螺旋コン
ベヤ１９を介して、上段選別筒１内における供給
側に供給される。

このようにして上段選別筒Ｉ内に供給された摺
落米は、選別筒の回転により或る高さまで掻き
上げられたのち落下する流動を繰り返しつつ流動
層を形成した状態で選別筒の他端における排出
側に移送される。この流動移送の途次において摺
落米中の玄米は、凹み１５に嵌まつて高い位置か
ら落下することにより、玄米受樋１７内に入る一
方、選別筒内における摺落米は軸方向への移送
につれて籾の比率が高くなつたのち、選別筒の
排出側では殆ど籾のみとなり、前記籾摺機構Ｃに
おける籾供給ホツパー１０に還元されて、再度の
脱が施される。

一方、前記上段選別筒における玄米受樋１７
内に入つた粗選別玄米は、下段選別筒内におけ
る供給側に入り、当該選別筒内を流動を繰り返
しつつ流動層を形成した状態で排出側に移送され
る途次において、玄米のみが玄米受樋１７に入る
ように精選別されたのち、前記玄米スロワー１３
より機外に取り出される一方、下段選別筒の排
出側から排出された摺落米は、前記摺落米コンベ
ヤ２に合流して、再度の選別操作が行なわれる。

そして、前記両選別筒，内における選別に
際して、その排出側では、籾の比率が高くなると
共に、流動層の厚さが薄くなることによつて、籾
が高い位置まで持ち上げられることにより、両玄
米受樋１７には可成りの籾が入ることになるが、
本発明では、両選別筒，内における排出側の
部位には、その各々の玄米受樋１７における選別
調節板２２を屈曲することによつて形成した流入
阻止板２４が、玄米受樋１７内にに向つて斜め上
向きの傾斜状に突出するように設けられているか
ら、排出側の部分において第３図に矢印イで示す
ように高い位置まで持ち上げられた籾は、前記流
入阻止板２４に当たつて、再び選別筒内に戻され
ることになるから、排出側の部分において玄米受
樋１７に入る籾が多くなることを確実に低減でき
るのである。

なお、両選別筒，における供給側の部分で
は、流動層の厚さが厚くなることにより、これま
た籾が高い位置まで持ち上げられて玄米の選別精
度が低下する場合がある。このような場合には、
両選別筒，内に供給側の部分にも、流入阻止
板２３を設けるようにすれば良いのであり、ま
た、前記排出側における流入阻止板２４、又は供
給側における流入阻止板２３は、第５図に示すよ
うに選別調節板２２の面に対して略垂直として、
これをリブ２６で支持した形態にしても良いので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は籾摺選
別機の全体の縦断正面図、第２図は第１図のＸ―
Ｘ視拡大断面図、第３図は第１図のＹ―Ｙ視断面
図、第４図は選別調節板の斜視図、第５図は選別
調節板の別の実施例を示す斜視図である。 Ａ……籾摺選別機、Ｂ……風選部、Ｃ……籾摺
機構、Ｄ……回転式選別機構、，……選別
筒、１５……凹み、１７……玄米受樋、２２……
選別調節板、２３，２４……流入阻止板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内周面に凹みを多数個形成した回転する選別
   筒を横設し、該選別筒内の一端部に摺落米の供給
   部、他端部に籾の排出部を各々装設する一方、前
   記選別筒内に、当該選別筒の軸線方向に延びる上
   面開放型の玄米受樋を配設して成る回転式穀粒選
   別装置において、前記選別筒内には、その排出側
   の部分に前記玄米受樋内に向つて斜め上向きの傾
   斜状に突出する流入阻止板を設けたことを特徴と
   する回転式穀粒選別機構。