JPH0630310Y2 - デイスク式選別機における選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は、両側面に多数の壺穴を形設した数枚の選別デ
イスクを、横架する回動軸に間隔をおいて軸着し、その
選別デイスクの下向き回動がわ脇に玄米受樋を挿入斜設
して玄米と籾の混合米を供給がわから排出がわに向けて
流動移行させる間に玄米と籾に選別するデイスク式選別
機において、壺穴によってもち上げられる際の玄米と籾
との選別装置に関するものである。

(ロ)従来の技術 上記のように構成して玄米と籾の混合米を選別するデイ
スク式選別機において、従来のものの各選別デイスク脇
に斜設される玄米受樋は、その高さがすべて同一に設定
されているのである。

ところで、デイスク式選別機における選別デイスク間の
混合米はその選別デイスクの回動によって壺穴によるも
ち上げ作用を両側から受けるようになり相互に牽制し合
ってその流動は活発になる。これに比して、最供給がわ
と最排出がわの各選別デイスクと機体側壁との間で流動
する混合米はその選別デイスクの片面でもち上げ作用を
受けるから混合米の流動は低調となって、もち上げによ
る放出時に描く軌跡が前記の選別デイスク間の玄米の軌
跡より小半径の軌跡になるのであって、前記従来の同一
高さに設定されている玄米受樋では、最供給がわと最排
出がわの各玄米受樋はもち上げられようとする玄米を一
部のものしか受取らず能率向上の障壁となっていたので
ある。

(ハ)考案が解決しようとする課題 このように、従来のデイスク式選別機にあっては、各選
別デイスク脇に斜設される玄米受樋はその高さがすべて
同一に設定されているから、活発に流動してもち上げに
よる放出時に描く軌跡が大半径の軌跡になる選別デイス
ク間の玄米と、最供給がわと最排出がわの各選別デイス
クと機体側壁との間で片面でもち上げ作用を受けて流動
が低調で、もち上げによる放出時に描く軌跡が小半径の
軌跡になる玄米との相違に対して考慮がされてなく選別
能率向上の障壁になっていたので、本考案はこの従来の
障壁を取除いて選別精度を低下させずに能率の向上が達
成できるものを提供するを目的として考案に至ったもの
である。

(ニ)課題を解決するための手段 本考案は、前記の目的を達成することのできるデイスク
式選別機を提供するために、両側面に多数の壺穴を形設
した数枚の選別デイスクを、横架する回動軸に間隔をお
いて軸着し、その選別デイスクの下向き回動がわ脇に玄
米受樋を挿入斜設して玄米と籾の混合米を供給がわから
排出がわに向けて流動移行させる間に玄米と籾に選別す
るデイスク式選別機において、次のような技術手段を講
じようとするものである。

すなわち、前記玄米受樋のうち、最供給がわと最排出が
わの各選別デイスクと機体側壁との間に斜設する玄米受
樋を他の玄米受樋より低位に位置させて構成したのであ
る。

(ホ)作用 この構成によれば、機体の供給がわから順次混合米を供
給するとその混合米は選別デイスクの回動により、その
上向き回動がわに偏位して回流し流動層を形成しながら
排出がわに流動移行する間に玄米は壺穴にはまって玄米
受樋にもち上げられて取り出され、籾は玄米受樋にまで
もち上げられず途中で落下して排出がわから取り出され
るようになって玄米と籾に選別される。

そしてこの場合に、最供給がわと最排出がわの各選別デ
イスクと機体側壁との間の混合米は壺穴を形設する選別
デイスクの片面でもち上げ作用を受けるからその流動に
おいて動きと速度が鈍く、つまり低調になり、玄米は壺
穴にはまってもち上げられ小半径の軌跡を描いて放出さ
れるけれども低位に位置する玄米受樋によって受取られ
て取出され、また、供給がわから排出がわにかけての選
別デイスク間の混合米はもち上げ作用を両側から受ける
ようになって、その流動において動きと速度が敏とな
り、つまり活発になってもち上げられ放出される玄米は
大半径の軌跡を描いて玄米受樋に落下して取出される。
このとき、籾もこの大半径を描いて放出される玄米に追
従するかのように放出されるのであるが、玄米受樋が高
位に位置しているから籾は玄米受樋にまでは至らず落下
して排出がわから取出されるのである。

(ヘ)実施例 以下本考案を実施例図によって詳述する。この例図に示
すデイスク式選別機は脱と風選部に一体的に組成され
て籾摺装置を構成するものであるから、その装置全体の
概略から記載する。

この籾摺装置は、縦形の箱体内にデイスク式選別機(C)
と脱部(A)および風選部(B)とを上下に順次配設して一
体的に組成されていて、 脱部(A)は籾タンク(1)と一対の脱ロール(2)等から
成り箱体内の中程部に位置し、籾タンク(1)の上にデイ
スク式選別機(C)が位置している。

風選部(B)はこの脱部(A)の下方に位置して脱後の摺
落物を籾殻等の塵埃と玄米・籾の混合米とに選別し、そ
の混合米を箱体内の上部に設けた前記のデイスク式選別
機(C)に供給するようにしたもので、スクリューコンベ
ヤ(3)付の混合米横送樋(4)と吸引排塵ファン(5)に連通
する選別風路(6)等から構成され、その混合米横送樋(4)
の終端側には混合米をデイスク式選別機(C)に揚上する
混合米スロワー(7)が連結されている。

籾タンク(1)の上に位置するデイスク式選別機(C)は、こ
の箱体の上部がわと弧状の底板(8)とによって機体を構
成し、この機体内に回動可能に横架した回動軸(9)に、
両側面に多数の壺穴(10)を形成した数枚の選別デイスク
(11)を適当の間隔をおいて軸着し、その選別デイスク(1
1)の下向き回動がわ脇には玄米受樋(12)を、その下端を
前記回動軸(9)と平行に横設する支軸(13)に軸着して挿
入斜設している。(14)は玄米取出樋で、玄米受樋(12)下
端の下方に横設され、支軸(13)との間に外気を吸入して
前記吸引排塵ファン(5)に吸引する風によって風選する
風選路(15)が形成されている。

前記の混合米スロワー(7)の上端が連結するデイスク式
選別機(C)の供給がわには前記玄米受樋(12)の反対がわ
で選別デイスク(11)の回動圏外において落下口(16)を開
放する受箱(17)が取付けられ、底板(8)の排出がわには
玄米受樋(12)の下側部分に籾タンク(1)に連通する籾取
出口(18)が開口されている。(19)は混合米抑制部材で断
面Ｖ字形に形成され、前記選別デイスク(11)の上向き回
動がわ脇において回動軸(9)に平行に横架させた支軸(2
0)に上端を軸着して挿入され、選別デイスク(11)の上向
き回動がわでこの選別デイスク(11)の回動により回流し
て形成する流動層(p)のもち上げがわ表面にそって斜設
されてこの流動層(p)を抑圧するようになっている。

(22)は前記底板(8)に供給がわから排出がわにわたる略
々全幅に開口した残溜穀粒取出口で、この残溜穀粒取出
口(22)には回動支軸(23)を支点にして開閉自在の蓋板(2
1)が装着されているのである。

次に、前記の選別デイスク(11)脇に挿入斜設される玄米
受樋(12)……は、その玄米受樋……のうち最供給がわと
最排出がわの各選別デイスク(11)(11)と機体側壁(a)(a)
との間に設ける玄米受樋(12)(12)（第２図においては仮
想線で示す。）は他の玄米受樋(12)…、すなわち、供給
がわから排出がわにかけての選別デイスク(11)間に設け
る玄米受樋(12)…より低位に位置するように設定されて
いる。

なお、(24)は前記の玄米取出樋(14)の終端側に連結した
玄米スロワー、(25)は回動支軸(23)の端部に取着した操
作杆、(M)はこの籾摺装置を駆動するモータであり、(2
6)は前記の流動層(p)を形成する混合米を排出がわに移
行させるための各選別デイスク(11)に設けた混合米移行
用の通口である。

これによって、籾タンク(1)内の籾が脱ロール(2)に供
給されて摺落されその摺落物が選別風路(6)で風選され
て籾殻と粃が除去され、この除去された玄米と籾の混合
米が混合米横送樋(4)に流入し混合米スロワー(7)によっ
て揚上されその上端から受箱(17)内に投入されて落下口
(16)からデイスク式選別機(C)の供給がわに供給される
と、この供給された混合米は選別デイスク(11)の矢印
(イ)方向の回動によって流動層(p)を形成しながら順々に
選別デイスク(11)に設ける通口(26)を抜けて、壺穴(10)
によるもち上げ作用をうけ玄米は玄米受樋(12)に落下
し、玄米取出樋(14)にまで落入する間に風選路(15)で仕
上風選され玄米取出樋(14)に集合されて玄米スロワー(2
4)で機外に取り出され、籾は順次排出がわに移行して籾
取出口(8)から流出し籾タンク(1)に返されて再度摺落さ
れるのである。

またこの間に、混合米抑制部材(19)は前記の流動層(p)
のもち上げがわ表面を抑圧し断面Ｖ字形をなす側面によ
って混合米に選別デイスク(11)がわへの側圧をかけて壺
穴(10)へのはまり込みを助長するのである。

そして、最供給がわと最排出がわの各選別デイスク(11)
(11)と機体側壁(a)(a)との間の混合米は壺穴(10)を形成
する選別デイスク(11)の片面(b)でもち上げ作用を受け
るからその流動は低調になり、玄米は壺穴(10)にはまっ
てもち上げられ第２図に矢印(ロ)で示すように小半径の
軌跡を描いて放出され低位に位置する玄米受樋(12)(12)
によって受取られて取出され、また、供給かわから排出
がわにかけての選別デイスク(11)間の混合米はもち上げ
作用を両側から受けて活発になりもち上げられ放出され
る玄米は矢印(ハ)で示すように大半径の軌跡を描いて玄
米受樋(12)…に落下して取出される。このとき、籾もこ
の大半径を描いて放出される玄米に追従するかのように
放出されるのであるが、玄米受樋(12)…が高位に位置し
ているから籾は玄米受樋(12)…にまでは至らず落下して
排出がわに向けて流動移行するのである。

なお、最供給がわと最排出がわの各選別デイスク(11)(1
1)と機体側壁(a)(a)との間に斜設する玄米受樋(12)(12)
と他の玄米受樋(12)…とを低位と高位の関係位置に保ち
ながら、その傾斜角度を変えて高低調節するようにすれ
ば混合米の供給量に対応させることができる選別精度お
よび能率の向上が常にはかれるのである。

(ト)考案の効果 本考案は以上説明したように、両側面に多数の壺穴を形
成した数枚の選別デイスクを、横架する回動軸に間隔を
おいて軸着し、その選別デイスクの下向き回動がわ脇に
玄米受樋を挿入斜設して玄米と籾の混合米を供給がわか
ら排出がわに向けて流動移行させる間に玄米と籾に選別
するデイスク式選別機において、前記玄米受樋のうち、
最供給がわと最排出がわの各選別デイスクと機体側壁と
の間に斜設する玄米受樋を他の玄米受樋より低位に位置
させて構成したのであるから、選別デイスクによる選別
中において、最供給がわと最排出がわの各選別デイスク
と機体側壁との間の混合米は壺穴を形設する選別デイス
クの片面でもち上げ作用を受けその流動において低調に
なり、玄米は壺穴にはまってもち上げられ小半径の軌跡
を描いて放出されるけれども低位に位置する玄米受樋に
よって受取られて取出され、また、供給がわから排出が
わにかけての選別デイスク間の混合米はもち上げ作用を
両側から受けるようになって、その流動において活発に
なってもち上げられ放出される玄米は大半径の軌跡を描
いて玄米受樋に落下して取出され、このとき、籾もこの
大半径を描いて放出される玄米に追従するかのように放
出されるのであるが、玄米受樋が高位に位置しているか
ら籾は玄米受樋にまでは至らず落下して排出がわから取
出されるようになって、最供給がわから最排出がわにか
けての選別デイスクすべてが全能力を発揮して選別精度
を低下させることなく能率の向上が達成されるに至った
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施態様を例示せるものにして、そ
の、 第１図は要部を断面して示す正面図、 第２図はその籾摺装置全体の縦断側面図、 である。 10…壺穴、11…選別デイスク ９…回動軸、12…玄米受樋 Ｃ…デイスク式選別機、ａ…機体側壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両側面に多数の壺穴(10)を形設した数枚の
   選別デイスク(11)を、横架する回動軸(9)に間隔をおい
   て軸着し、その選別デイスク(11)の下向き回動がわ脇に
   玄米受樋(12)を挿入斜設して玄米と籾の混合米を供給が
   わから排出がわに向けて流動移行させる間に玄米と籾に
   選別するデイスク式選別機(C)において、前記玄米受樋
   (12)のうち、最供給がわと最排出がわの各選別デイスク
   (11)と機体側壁(a)との間に斜設する玄米受樋(12)を他
   の玄米受樋(12)より低位に位置させてあることを特徴と
   するデイスク式選別機における選別装置。