JPS6235675B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子式グラフイツク記録に関し、更に
詳しくは、電子式グラフイツク技術を用いた記録
装置の改良に関する。現在のところ、ある型式の
電子式グラフイツク技術に関しては、十分に確立
された技術がある。この技術により静電潜像が記
録媒体に形成され、次にその静電潜像は、潜像パ
ターンに従い媒体に付着するカラートナーの沈着
（deposition）により現像される。そして、この
トナー像は永久記録とすべく、加熱又は圧力によ
り固着される。

もつとも最近は、静電潜像をつくる必要のない
改良された電子式グラフイツク記録技術が開発さ
れている。その技術は米国特許第3816840号，同
第3879737号および同第3946402号に説明されてい
る。

これらの米国特許明細書に記述されているとこ
ろによれば、電気的特性と磁気的特性の両方を有
する多量のトナー粉末は非磁性材料で作られたド
ラムの近傍に設けられてなるホツパーに入れられ
る。

ドラム内には、磁界を発生する磁石構造体があ
つて、その磁界は取り巻いているドラムの周縁を
通つている。開示されている磁石構造体の一形態
として、ドラムは中央の磁石構造体と同軸の軸線
のまわりに回転し、磁心は固定されている。

別の形態としては、外側のドラムは静止してい
て、内側の磁心が回転するものである。いずれの
場合でも、トナー粉末は磁界によりホツパーから
引き出されドラムの外周に吸引される。ドラムま
たは磁心の回転により、トナー粒子はドラムの周
縁において記録場所へと移される。

この記録場所において表面に誘電体コーテイン
グが施された紙の如き裏打ちシートからなる記録
媒体はトナー運搬ドラムの表面から少し離れた所
の走行路に沿つて駆動される。電気的導体は記録
部材のドラムのある方とは反対側に位置して設け
られる。磁界の影響によりトナー粒子は、ドラム
の表面に糸のようなひげを形成する。これらのひ
げ糸は記録部材の表面をブラツシユするのに十分
な長さである。磁界のため、ドラムまたはドラム
に付帯する電極と記録部材の裏面側のバツクアツ
プ導電板との間に電界が確立されないならば、ト
ナー粒子は記録部材の表面に沈着しない。かかる
電界が確立されると、誘電電荷は磁界に影響を与
え、電界により確立されるパターンに従い、記録
部材上の選択された区域にトナー粒子を沈着させ
る。

前記米国特許に開示されている類似の実施例に
おいては、先ず記録部材をトナー粉末で一様にコ
ーテイングし、次にトナー粉末の不必要な部分を
磁界により除去し、必要な部分を前述した方法に
より電界を重畳させて、記録部材に沈着させると
いう点で少し異なつている技術が用いられてい
る。

かかる改良により、次のような記録技術が得ら
れている。すなわち、データの記録が、トナーに
よる現像を絶対に必要とする静電像を記録部材に
作らないで行えるということで、実効上は直接記
録技術である。

しかしながら、前述した技術にはある種の欠点
が見られる。外側のドラムが静止し、内側の磁心
を回転させて、ドラムの周縁においてトナーを移
送するという技術においては記録部材に記録する
速度は磁石構造体の回転速度により制限され、米
国特許第3914771号にみられるように電極にパル
スをかけた瞬間に磁極が記録場所上に存在する必
要がある。記録媒体がトナーで均一にコーテイン
グされ、トナーを電界と磁界の結合動作により選
択的に除去する技術においては、作られた記録の
背景部が磁界により完全には除去されないため残
るトナーの残余により、暗くなることがわかつ
た。このため、コントラストが弱化した記録とな
る。磁界が静止し、外側のドラムが回転するよう
にした実施例においては、信号電極を記録部材の
反対側に設けなければならない。このような装置
では、満足のいくくつきりした記録が得られな
い。

従つて、本発明の目的は従来装置の欠点をなく
した電子式グラフイツク記録装置を提供すること
にある。

本発明の他の目的は、明瞭でくつきりした像が
つくれる電子式グラフイツク記録装置を提供する
ことにある。

これらおよびその他の目的を達成するため、本
発明によれば電気的特性と磁気的特性とを有する
トナー粉末をホツパーから回転ドラム又は、回転
殻（shell）により記録場所に運ぶようにしてな
る電子式グラフイツク記録装置が得られる。上記
殻は磁心の周りに回転し、磁心は磁界を発生して
回転に伴い殻の表面にトナー粉末を保持する。

記録場所においては、ドラムの周縁とこのドラ
ムの表面から所定距離はなれた位置に設けられ透
磁部材間に、トナー粉末からなるダイナミツクブ
リツジが形成される。

記録部材はドラムと透磁率の高い部材間に位置
する走行路に沿つて駆動され、記録部材の反対側
は透磁率の高い部材と接触している。記録電極ア
レイは、ブリツジをなすトナー粉末と電気的に接
触するように位置決めされて設けられる。記録部
材は、電気的に導電性があり非磁性のプラテンに
よりバツクアツプされる。電極のうち、１個また
は複数個が付勢されると、導電路が電極からブリ
ツジを経て、記録部材の表面を通つて形成され、
導電性のバツクアツププラテンが記録部材の誘電
体表面を帯電させ、トナーをその面上に沈着させ
る。

以下本発明を図面により説明する。

第１図は、本発明の一実施例である記録装置の
断面図である。図において、記録装置の磁心構造
体２はその構台体の円柱外周に沿い、磁極を交互
に異ならしめた複数個の磁極からなる。磁心構造
体の周りには、非導電性で非磁性の材料からなる
円筒状のドラム又は殻が設けられる。

ドラムは、公知の手段（図示しない）により駆
動され、磁心構造体の周りに回転するようになつ
ている。

ホツパー６はドラム４の外周近傍に位置しドラ
ムの長手方向に伸びて設けられる。ホツパーには
多量のトナー粉末８が入れられる。トナー粉末は
上述した米国特許に開示されている方法により、
電気的に導電性で磁気的に感応する。磁心構造体
２により発生される磁界により、磁性を有するト
ナー粒子８はドラム４の表面に吸引される。

ホツパー構造体６の下端部１０でドラム４の外
周に近接する端部はドラム４の表面に所定量のト
ナーを与える案内羽（doctor blade）を構成す
る。

トナーが案内羽１０の位置からドラムの回転に
伴い出て行くと、トナーは磁心構造体２により確
立される磁界のパターンに従つた糸状のひげ１２
を形成する。

ドラム４の外周から少しばかり離れた近傍の位
置には記録部材１４の走行路を定める手段が設け
られる。記録部材１４は少くともわずかに導電性
を有し、その表面が誘電体でコーテイングされて
なる二層構造記録体の形態が望ましい。記録部材
１４の走行路を定める手段は、非磁性のバツクア
ツププラテンで、望ましくは導電性を有するもの
がよい。バツクアツププラテンの役割を果たすバ
ツクプレート１６に埋め込まれて又はバツクプレ
ート１６の２つのセグメントにはさまれて、薄い
透磁率の高いストリツプ（細長い板状部材）が設
けられる。ストリツプ１８はドラム４の軸線と並
行に設けられ、ドラム４の表面に最も近い所に設
けられ、狭い端部を有する。この位置を記録場所
と呼ぶ。

少くとも、トナーブリツジと反対側のバツクア
ツププラテンの一部は、導電性がなければなら
ず、記録媒体と電気的に接触しなければならな
い。これが前述した透磁率の高いストリツプ１８
であつてよい。

透磁率の高いストリツプ１８があるため、ドラ
ム４とストリツプ１８の間には、磁心構造体２で
発生した磁界が鋭く集中する。トナー粒子１２か
らなる糸状のひげはほぼ磁界のパターンに従うの
で、高度に集中し、鋭く規定されたトナーブリツ
ジ２０がドラム４の周縁と記録部材１４の上面間
に延長して形成される。

ドラム４が回転し続けている間、磁気を帯びた
トナー粒子は絶えずブリツジ２０に加えられ、か
つ、ブリツジ２０から減つてゆくが、ブリツジ２
０それ自身はその位置を安定に保つ。

このブリツジを、ここではダイナミツクブリツ
ジと呼ぶ。

ブリツジから除かれたトナー粒子は、ブリツジ
の反対側で糸状のひげ１２を形成し、ホツパー６
のトナーと再結合するまでドラムの周縁に付着し
続ける。記録部材１４がブリツジ２０の端部を通
つて引かれるに伴い、ブリツジのトナー粒子は記
録部材の表面をブラシするが、磁界がトナー粒子
を吸引制御し続けるので、記録部材の表面にはほ
とんどトナー粒子は沈着しない。

記録部材にデータを記録するために、導電性で
非磁性材料からなる導電電極アレイ２２がドラム
４と記録部材１４間の空間に位置して設けられ
る。電極は少くともその電極の先端がブリツジ２
０のトナーと物理的に、かつ電気的に接触し、そ
れをさえぎる。電気パルスが電極の１つ又は２つ
以上に印加されると、電荷が電極からトナーブリ
ツジを経て記録部材１４の誘電体表面へと流れ
る。このパルスにより、記録部材１４の誘電体表
面には静電電荷が帯電することになる。この静電
電荷は、粒子の磁気的吸引に打ち勝ち、トナー粒
子の記録部材１４の表面への沈着２４を生ぜしめ
る。

この実施例においては、信号源手段２６は一方
のリード線が電極２２の１つに、他方のリード線
がグランドに接続されたものが示されている。バ
ツクプレート１６の導電部分もまたグランドされ
る。かくして信号源２６から電極２２に与えら
れ、ブリツジ２０を通る信号は、記録部材１４の
誘電体表面を帯電させ、逆極性の電荷がグランド
されたバツクプレート１６と記録部材１４の導電
性の裏張りを通して与えられる。

第２図には、電極アレイの構造の一実施例が示
されている。複数個のワイヤ又は電極２２が近接
して並行に並び、絶縁ブロツク２８により支持さ
れ位置決めされているのがわかろう。絶縁ブロツ
ク２８は、お互いに電気的に絶縁して電極２２を
保持する。ブロツク２２の前縁端部は、ブリツジ
２０のトナー粒子と電気的に接触するよう、電極
２２の先端をさらすべくある角度で削られてい
る。

この構造により電極すなわち針２２の位置の安
定性は保持され、他方、電極がしつかりとブリツ
ジ２０のトナー粒子と電気的に接触する。

電極すなわち、針２２がドラム４と記録部材１
４の表面との間に位置して設けられているので、
回転するドラムと静止磁界により生ずるトナーの
均一な分布が得られ、かつ、記録部材のトナーブ
リツジのある側には、分解能と鮮明度のよい像が
得られる。

本装置は、前以つてコーテイングされた記録技
術では得られない、より鮮明な背景域が得られる
という利点を有する。また、磁極を回転させるも
のに比し固定磁極構造を用いることにより、記録
部材をより直線的に高速度で駆動して記録するこ
とができる。ドラムとして示す殻４は、磁石体の
形状に従う可撓性ベルトでもよい。

かくして、本発明によれば、従来の記録装置が
もつ欠点を解決した電子式グラフイツク記録装置
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例装置の断面図、第
２図は、第１図に示す装置の電極構造の上面図で
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電子式グラフイツク記録媒体の表面に記録す
   る電子式グラフイツク記録装置であつて、前記記
   録媒体の裏面に接触するようにして設けられる非
   磁性のバツクアツププラテンと、 位置を固定して設けられる多極磁心構造体と、 前記磁心構造体を囲むようにし、かつ、この磁
   心構造体の周りに回転するようにし、更に前記記
   録媒体の表面から所定のわずかな距離、離して取
   り付けられる非磁性の殻と、 前記殻の周縁近傍に位置して設けられ、 前記磁心構造体が発生する磁界により前記殻の
   表面に吸引されるトナー粒子を収納するホツパー
   と、 前記バツクアツププラテン部に並置して設けら
   れ記録場所を規定する位置において、前記殻と同
   一の広がりを有し、殻の軸線と平行する線に沿つ
   て延びる透磁率の高いストリツプと、 バツクアツププラテンの一部であつて、導電性
   があり、前記記録媒体の裏面と接触するように位
   置して設けられる部分と、 前記殻の周縁と記録媒体との間に位置して設け
   られる記録電極アレイとを具備し、 前記ストリツプは磁心構造体により発生される
   磁界を集中させ記録場所において前記殻と記録媒
   体との間に、トナー粒子からなるダイナミツクブ
   リツジを形成し、 前記記録電極アレイの記録電極の先端は記録場
   所においてブリツジのトナー粒子と電気的に接触
   してなることを特徴とする電子式グラフイツク記
   録装置。 ２ 殻は、非導電性で非磁性の材料からなること
   を特徴とする第１項に記載の電子式グラフイツク
   記録装置。 ３ 電極は導電性で非磁性材からなることを特徴
   とする第１項に記載の電子式グラフイツク記録装
   置。