JPS6235625Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車用シートのクツシヨンをシ
ートバツクの傾きを変更することなくその上下位
置を調整できるようにするとともに、シートバツ
クに対するシートクツシヨンの水平方向長さをも
変更できるようにしたものである。

最適なドライビングポジシヨンを得るため、運
転者のシートを上下方向にも調整できるシートが
考え出されてきている。しかし、上下方向の調整
は、できてもシートバツクに対するシートクツシ
ヨンの水平方向の長さ自体までは変更できなかつ
た。このため脚の長い人にとつては、着座時に、
膝の付近にクツシヨンがないので脚のホールド性
が悪く、疲れやすいという欠点が見られ、一方、
脚の短い人にとつては、クツシヨンが長すぎてふ
くらはぎとクツシヨンが接触し、運転動作がしず
らいという欠点があつた。

この考案は、上記欠点を解決するため、シート
クツシヨンの上下位置を調整すると同時にシート
バツクに対するクツシヨンの水平方向の長さをも
変更調整できるようにし、最適のドライビングポ
ジシヨンを容易に得られるようにしたものであ
る。この考案により、脚の長い人は、ヘツドクリ
アランスが大きくなり脚前部のホールド性が向上
されるので疲労を少なくすることができ、一方背
の低い脚の短い人にとつても視界が広くなり、ふ
くらはぎがクツシヨン前部に接触することが無く
なるため、運転操作がやり易くなる。

以下、本考案の詳細を実施例の図面に基づき説
明する。図において、１はシートトラツクのロア
レール、２は同じくシートトラツクのアツパレー
ルであり、３はアツパレールの下側に取付けられ
た支持金具であり、ロツド４が貫通する穴があけ
てあり、ロツド４を支持している。ロツド４の先
端部にはハンドル５が取付けてあり、ハンドルは
円形で、その周面は凹凸となつている。ロツド４
の後端部には雄ネジ６が設けてあり、雄ネジ６に
は雌ネジ部を有する移動体７が螺合されている。
移動体７の両側には、リンク８と支持金具９が回
動しうるよう取り付けられているので、ロツド４
が回転しても、移動体７は回転が規制され、ロツ
ド４の軸方向にのみ移動可能となる。上述のリン
ク８と支持金具９は、シートトラツクのアツパレ
ール２側に回動しうるよう支着されたシヤフト１
０に固着されている。

ロツド４の後端の雄ネジ６の前後部には、移動
体７及びそれに取り付けられたリンク８の軸方向
への過大な動きを規制するストツパ１１，１１が
設けてある。そして、ロツド４の後端部４′はブ
ラケツト１２によつて支持され、該ブラケツトの
支持穴は上下方向に遊動間隙のある長穴となつて
おり、ロツド４の上下動を吸収させることができ
る。さらに、支持部の両側にはプレート１３が嵌
め込んであり、ロツド４の動きを円滑にしてお
り、またブラケツト１２はリクライニングアジヤ
スタ１４に固定されている。リンク８の他端はシ
ートクツシヨンＳにピン１５によつて連結され、
リンク８の揺動はシートクツシヨンＳに、その上
下動として伝達される。

シートクツシヨンＳの前部にはシートトラツク
のアツパレール２側に取り付けられたノブ２１
と、これに連結されたロツク装置２２が設けら
れ、ロツク装置２２には同じくアツパレール２側
に支着されたギア２３がかみ合つている。ギア２
３は扇形をしており回転中心はシヤフト２４に固
定されている。シヤフト２４は、シートの反対側
まで延びており、端部にはリンクが連結され、シ
ートクツシヨンを支持している。またギヤ２３に
は、ピン２５でリンク２６が回動自在に結合さ
れ、リンク２６の上端は軸２７でシートクツシヨ
ンＳ側に回動自在に結合されている。

次に、このシートの作動を説明する。シートク
ツシヨンの後部側の上下位置調整をおこなう場合
は、まず、ハンドル５を回転する。この回転力は
ロツド４に伝達され、ロツド４の雄ネジ６に螺合
している移動体７は、第１図において７′の位置
に移動し、これに連結されているリンク８は、シ
ヤフト１０を中心に回転し８′の位置に移動する
ので、シートクツシヨンＳは上部後方に移動しＳ
からS′の位置へ移動する。したがつて、シートク
ツシヨンＳはリンク８の揺動につれ上方へ高さｈ
だけ移動し、後方へ距離ｌだけ移動したことにな
る。この時、シートクツシヨンの前部を支持して
いるリンク２６は、ピン２５を中心に回転し、２
６′の位置へ移動する。

次に、シート前部の上下調整をするためにノブ
２１を回転すると、この回転は、ロツク装置２２
を介してギア２３に伝えられ、ギア２３はシヤフ
ト２４を中心に回転する。このロツク装置は、ギ
ア２３にノブ２１の回転力を伝えるとともに任意
の位置でギアの回転をロツクするものであればど
のようなものでも良い。ギア２３の回転にともな
い、ギア２３の中間にピン２５で連結されている
リンク２６は、ピン２５を中心に回転しながらシ
ートクツシヨンＳを上方に移動させるので、シー
トクツシヨンＳの前部は、S′の位置からS″の位
置へ持し上げられる。

上部構成において、シートクツシヨンＳに高さ
ｈと距離ｌとの移動を同時に行なわせるために
は、リンク２６をシートクツシヨンＳに結合して
いる軸２７と、リンク８の固着されているシヤフ
ト１０との各中心を結ぶ直線Ｌ−Ｌと、リンク８
をシートクツシヨンＳに連結しているピン１５と
前記シヤフト１０との各中心を結ぶ直線Ｍ−Ｍと
のなす角θが常に15度≦θ≦75度の範囲となるよ
う、リンク８並に各部構造を設定することが好ま
しく、特に高さｈと距離ｌとを略等長たらしめる
には前記角θが45度となるように、即ち前記直線
Ｍ−Ｍが直線Ｌ−Ｌに対し対称的な角度45度の位
置を占めうるようリンク８を設定すればよいもの
である。

以上の如く、本考案においては、略中央部でシ
ヤフト１０によりシートトラツクのアツパレール
２側に回動自在に支着されたリンクの１端を摺動
体に取り付け、該リンクの他端をシートクツシヨ
ンＳ側に取り付け、該リンクの揺動時に、シート
クツシヨンＳを上下方向のみでなく、前後方向に
も変位させうるようにしたので、シートクツシヨ
ンの上下位置の調整と共に、シートバツクに対す
るシートクツシヨンの水平方向の長さをも調整で
きることとなり、シートバツクの傾きに無関係
に、運転者個々人に最適なドライビングポジシヨ
ンを提供しうる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施の１例をシートクツシヨン内側
から視た略示側面図、第２図は、第１図Ａ−Ａ線
における断面図である。 １：ロアレール、２：アツパレール、４：ロツ
ド、５：ハンドル、６：雄ネジ、７：移動体、
８：リンク、９：支持金具、１０：シヤフト、１
２：ブラケツト、２１：ノブ、２２：ロツク装
置、２３：ギア、２６：リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンの前部から後部まで延設され
   ているロツドの後端のネジ部が、移動体に螺合さ
   れており、他方、略中央部でシートトラツクのア
   ツパレール側に揺動自在に支着されたリンクの１
   端が前記移動体に取り付けられ、該リンクの他端
   がシートクツシヨン側に支着され、ロツドの回転
   によりリンクが揺動しうるよう組み付けられてい
   ると共に、シートクツシヨン前部においては、シ
   ートトラツクのアツパレール側に軸支されたギヤ
   がシートクツシヨン側のノブにロツク装置を介し
   て回動しうるよう噛合され、該ギヤにピンで取り
   付けられたリンクの上端がシートクツシヨン側に
   連結されていることを特徴とするシートクツシヨ
   ン。