JPS6235543B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、多速比伝動装置用制御弁回路を開示
する米国特許第3714836号に示される様な制御弁
回路の改良を包含する。該特許の回路は、ライン
圧の大きさを調節する圧力調節弁と、該弁の一部
を構成し、クラツチ、ブレーキ装置に高い圧力を
加えることが必要な高トルク作動時にライン圧を
増幅させる圧力増幅弁とを備えている。該増幅弁
は、絞り弁からのトルク信号とガバナア圧力信号
とに応答して作動するカツトバツク弁からの圧力
信号を受け、変速機がカツトバツク弁を作動させ
るのに十分な高速で運転されているとき、即ちガ
バナア圧力信号がトルク信号より大きくなつたと
きライン圧を増大させる作用を停止する。

前記特許の圧力調節弁は、調節されたライン圧
を弁回路に供給し、これにより、変速機の切換え
設定の際のクラツチとブレーキの係合と解放とを
行わせる。圧力調節弁によつて調節された圧力レ
ベルを変更する如くカツトバツク弁が使用される
従来技術の他の例は、米国特許第3393985号に記
載されるものである。該特許の第２Ａ図に示され
るカツトバツク制御弁３８４は、カツトバツク作
用を実施する。

特許第3714836号のカツトバツク弁と同様な他
の例は、特許第3505906号に、特にその第２Ａ図
に示される。

本発明の改良点は、変速機が高速比で運転され
ている際に圧力増幅弁へのトルク信号の伝達を遮
断してライン圧の上昇を防止する遮断弁を設けた
ことである。エンジントルクが増大するとき、圧
力調節弁によつて維持される通常のライン圧レベ
ルは、高速比運転中にクラツチとブレーキとの係
合を維持するのに充分なものであり、エンジント
ルクの増大に応答して更に圧力上昇を生じさせる
必要はない。本発明の改良は、ポンプを駆動する
のに必要なエネルギを低減し、ポンプを駆動する
際の動力損失を少なくするため、変速機の全体効
率を改善する。圧力増幅弁によるライン圧の上昇
は、高速比の際、クラツチとブレーキとを係合状
態に維持するために必要ではない。

第２速比または第１速比へのダウンシフトの
際、負荷に感応したライン圧レベルは、直ちに恢
復される。遮断弁に関する改良は、特許第
3714836号の制御弁系統の他の機能とは別個のも
のと見做すことができる。この理由により、この
参照した特許の詳細な説明は行わないが、本特許
出願の図面には、遮断弁に関連する要素を除け
ば、特許第3714836号の弁系統の構成要素と同一
の構成要素を有する弁系統が示されている。

第１Ａ、第１Ｂ図は、自動車用遊星歯車変速機
の公知の液圧制御弁系統を示しているその機能の
モードは、米国特許第3714836号に詳細に説明さ
れているので、ここでその全体をここで詳細に反
復することはしないが、その概略を説明すれば次
の通りである。

即ち、第１Ａ図及び第１Ｂ図に示した制御系統
は、駆動部材から被動部材へ延びる複数のトルク
供給路を形成するようになつている多速比歯車伝
動装置、即ち自動変速機用の制御弁系統になつて
おり、その変速機のトルク入力軸はトルクコンバ
ータのタービンに連結され、そのトルクコンバー
タのインペラはエンジンに連結されている。この
トルクコンバータの遊星歯車機構の個々の歯車要
素の相対運動は、流体圧で作動されるクラツチ、
ブレーキ装置によつて制御される。クラツチは、
高速の１：１の直接駆動比での運転時に、遊星歯
車機構の“ロツク”状態を生じる。中間速比即ち
第２速比での運転の間には、中間速比ブレーキが
遊星歯車装置の一歯車要素を錨着する。このブレ
ーキは、シリンダと、それと協同して一対の互い
に対向する流体圧力チヤンバを形成するピストン
とを有する中間速比サーボ即ち第２速サーボ１５
０によつて作動され、両方のチヤンバが同時に加
圧されたときにブレーキが解放される一方、チヤ
ンバの一方が排圧されたときにブレーキ付加状態
になるようになつている。

この自動変速機において、中間速比（第２速
比）から高速比への切換えの際には、高速クラツ
チ即ち第１クラツチ６８が作動し、同時に中間速
比ブレーキが解放される。これは、第１クラツチ
用のサーボを中間ブレーキサーボ即ち第２速サー
ボ１５０の解放側へ連結することによつて行われ
る。

高速比から中間速比への切換えは、第１クラツ
チ６８と第２速サーボ１５０の解放側へと延びる
共通の通路から排圧することによつて行うことが
できる。高速比への切換え及び中間速比への切換
えの際に、第１クラツチ６８と第２速サーボ１５
０の解放側との圧力は、変速機のポンプに通じる
回路中に設けられた２−３シフト弁１４６によつ
て制御される。上記ポンプと２−３シフト弁１４
６との連結は、運転者によつて作動される手動弁
９４によつて制御される。２−３シフト弁１４６
は、変速機の出力軸の駆動速度に比例する大きさ
の流体圧力信号と、エンジントルクに対応するエ
ンジンのインテークマニホルド圧即ち絞り圧力
TVに比例した大きさの流体圧力信号との変化に
応じて自動的に作動される。低速比と中間速比と
の間の切換えは１−２シフト弁１２８によつて制
御される。ポンプからの制御圧は、運転者によつ
て作動される手動弁９４を介して上記各シフト弁
に分配される。制御圧は１−２シフト弁１２８を
介して２−３シフト弁１４６へ供給されるように
なつていて、１−２シフト弁１２８が中間速比位
置にあるときにのみ、２−３シフト弁１４６に、
第１クラツチ６８への圧力分配を行うように該弁
１４６を制御するための液圧が与えられるように
なつている。

手動弁９４が第２速比位置に切換えられると、
手動弁９４から１−２シフト弁１２８を介して２
−３シフト弁１４６へ延びるライン圧管路は排圧
される。同時に手動弁９４から１−２シフト弁１
２８に分配された圧力によつて、１−２シフト弁
１２８は、中間速比位置をとるように押圧され
る。また、手動弁９４によつて与えられる排圧路
を通して第１クラツチ６８が排圧され、第２速サ
ーボ１５０はブレーキ付加位置へ移動する。この
ことは、第２ブレーキサーボ１５０の解放側から
の液の排出を必要とする。第２速ブレーキサーボ
１５０によりブレーキを付加する程度は、そのサ
ーボの解放側からの流体の排出程度を制御するこ
とによつて制御される。そして、この制御弁系統
には、アキユムレータ弁１６６、制御弁２７６，
２７８等が設けられていて、これらの弁によつて
第２速ブレーキサーボ１５０によるブレーキ付加
力を調節し、低速比から中間速比、及び高速比か
ら中間速比への切換え時に望まれる緩衝作用を与
えるようになつている。

また、この制御弁系統は、ライン圧を調節する
圧力調節弁２０２と、圧力増幅弁２１４と、カツ
トバツク弁２２６と、絞り圧力に相当する圧力信
号TVを生じる絞り圧力弁２４６とを有してい
る。カツトバツク弁２２６は、絞り圧力弁２４６
から絞り圧力管路２５８を通して供給された絞り
圧力信号TVと、ガバナア圧力信号GOVとを受
け、ガバナア圧力信号GOVが絞り圧力信号TVよ
り小さいときには絞り圧力信号TVを油圧増幅弁
２１４に送り、ガバナア圧力信号GOVが絞り圧
力信号TVより大きくなると、油圧増幅弁２１４
への絞り圧力信号TVの供給を遮断するようにな
つている。そして、油圧増幅弁２１４は、カツト
バツク弁２２６から絞り圧力信号TVをうけたと
きに、圧力調節弁２０２によつて調節される圧力
を増幅させるように圧力調節弁２０２の作動を修
正する。

しかしながら、この第１Ａ，１Ｂ図の制御弁系
統においては、変速機を高速比即ち第３速へシフ
トアツプした後もライン圧が上昇するとの問題が
ある。何故なら、車速が上昇するにつれてエンジ
ンの絞りは開かれ、マニホルド圧が上昇し、絞り
圧力が上昇するのであるが、上記制御弁系統で
は、車速に対応するガバナア圧力が絞り圧力より
大きくならない限り、ライン圧は上昇をつづける
からである。このライン圧の上昇は第３速への切
換え後にクラツチ及びブレーキを係合状態に保つ
ために必要なものでなく、自動変速機の効率を低
下させる動力損失を招くものである。

第２Ａ，２Ｂ図は上記した欠点を除いた、本発
明実施例の制御弁系統を示している。即ちこの制
御弁系統においては、弁体部３０２と、弁ばね３
０４とを有するD3遮断弁３００が、カツトバツ
ク弁２２６に通じる絞り圧力管路２５８に挿入さ
れている。また、第３速用の第１クラツチ６８に
通じる管路１６２の信号圧力Ｄ３／Ｒが弁ばね３
０４に対抗して弁体部３０２の端部に作用し、一
方、信号圧力KD／２／１／Ｒ（キツクダウン、
手動第２速、手動第１速、リヤー時に存在する圧
力）は、ばね３０４に近い端部に作用する。絞り
圧力管路２５８は、中央部分３０６を通つて延び
ている。

第１、第２速ではライン圧が負荷に依存して調
節されるように維持する一方、第３速へのアツプ
シフトの場合には、D3遮断弁３００に作用する
信号圧力Ｄ３／Ｒに基づいて絞り圧力信号TVの
遮断が生じ、従つて、圧力信号TVが油圧増幅弁
２１４に達しなくなるために、そのアツプシフト
後の圧力上昇は生じなくなる。このとき存在する
圧力レベルは、クラツチを係合状態に保持するの
に充分である。従つて、変速機の油ポンプは、低
圧レベルの流体を供給し、従つて、対応する如く
少ない動力を消費する。キツクダウンまたは手動
弁９４操作による手動切換えによる第２速または
第１速への積極的なダウンシフトの場合には、以
前負荷に依存した圧力レベルは、直ちに恢復され
る。何故なら、絞り圧力信号TVの油圧増幅弁２
１４への伝達を再び行わせるように、弁ばね３０
４の方向へ作用する信号圧力KD／２／１／Ｒに
よつてD3遮断弁３００がもとの位置へ移動され
るためである。

また、遠心ガバナア圧力信号GOVがD3遮断弁
３００を作動させるために利用されてもよい。こ
の場合には、該弁３００は、２−３シフト弁１４
６にその作用特性を適合させねばならない。

同様に、絞り圧力信号TVの遮断は、２−３シ
フト弁で直接実施することも可能である。この目
的のためには、絞り圧力信号TVが２−３シフト
弁を介して油圧増幅弁２１４に伝達されることの
みを必要とする。

明白に、更に他の作動の形態は、第３速へのア
ツプシフトの場合に油圧増幅弁への絞り圧力の影
響を排除する同様な効果を得る如く着想可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図、第１Ｂ図は米国特許第3714836号で
表示される弁の符号がブラケツト内に記入された
対応する表示を種々な弁が有し、圧力を有する各
管路の使用状態と各管路の圧力とを表示する符号
が種々な管路に記入された公知の液圧制御系統の
図式的な図、第２Ａ図、第２Ｂ図は公知の弁が対
応する表示を有すると共にブラケツトに記入され
た符号を有し、一方、新規な弁が強調して示され
詳細な説明のための附加的な自由な符号を有し、
本発明の関連する系統が強調して示される本発明
実施例の液圧制御弁系統の図式的な図を示す。 ２０２……圧力調節弁、２１４……圧力増幅
弁、２４６……絞り圧力弁、３００……D3遮断
弁、Ｄ３／Ｒ…信号圧力、GOV……遠心ガバナ
ア圧力信号、TV……絞り圧力信号。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 速度比を設定するような相対的運動が可能に
   なつている歯車要素を有する遊星歯車装置と、該
   歯車要素の相対的運動を制御するクラツチ、ブレ
   ーキ装置とを有し、該クラツチ、ブレーキ装置
   が、遊星歯車装置を介した１：１の駆動状態を生
   じる高速比クラツチと、アンダードライブ状態を
   生じるように遊星歯車装置の特定の歯車要素を錨
   着する反作用ブレーキとを含んでおり、さらに、
   該クラツチ、ブレーキ装置を作動するためのクラ
   ツチ、ブレーキサーボと、遊星歯車装置の動力入
   力要素によつて駆動されるポンプを有している圧
   力源と、該ポンプを該クラツチ、ブレーキサーボ
   に連結する制御弁回路とが設けられている自動車
   の遊星歯車変速機用の液圧制御弁系統において、
   前記変速機へのトルク入力に応答するトルク信号
   TVを生じるトルク信号源と、前記制御弁系統の
   ライン圧を調節する圧力調節弁２０２と、該圧力
   調節弁２０２の一部を構成し、該トルク信号源か
   らトルク信号TVをうけたときにその信号に応じ
   てライン圧を増幅する圧力増幅弁２１４と、トル
   ク信号源と圧力増幅弁２１４との間に設けられ、
   高速比へのアツプシフトが生じたときに圧力増幅
   弁へのトルク信号の伝達を遮断する遮断弁３００
   とを有することを特徴とする液圧制御弁系統。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の液圧制御弁系統
   において、前記遮断弁が、前記高速比クラツチに
   加えられた圧力の圧力信号Ｄ３／Ｒをうけて、前
   記圧力増幅弁へのトルク信号の伝達の遮断を生じ
   る構成になつている制御弁系統。