JPS6235534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プレス成形したワーク若しくはワ
ーク成形用の素材を搬入搬出するための搬送装置
に関する。

一般にプレス加工を行う場合には、ワーク成形
用素材を作業者が、手作業により搬入、搬出する
ことが多く、作業者は怪我をする危険がある。

したがつて最近の型はプレスの上下動を利用す
るかあるいは別途型内に搬出装置を設置するもの
がある。

ところがこの種搬送装置では機構が複雑なばか
りか、別途搬入用と搬出用の駆動手段を必要と
し、高価なものとなつている。

本考案は上述した点に着目してなされたもの
で、一つの駆動でワーク若しくはワーク成形用素
材を搬入搬出するようにした安価で構造簡単な搬
送装置を提供することを目的とする。

以下、本考案の一実施例を図面につき説明す
る。

第１図は本考案に係る搬送装置１により搬送す
るワークＷの一例を示すもので、このワークＷは
自動車の左右のリヤーピラーインナーを組合せた
もので、後加工で中央の斜線部分を除去する半製
品であり、この搬送装置１はワークＷの搬送路の
下位にあつて、爪部３を上昇し、ワークＷ２に爪
頂部３ａを引掛け搬送する。

この搬送装置１は第２図、第３図及び第４図に
その断面図を示し、断面Ｕ字状のベース４の底面
上に下方ラツク５と、シリンダ押え６を固着して
いる。このラツク５にはピニオン７が噛合し、こ
のピニオン７はシリンダ装置８のピストンロツド
９とピン１０を介して連結してあり、このピン１
０の両端に取付けたガイドローラ１１，１１は、
前記ベース４の側壁１２，１２に形成した凹溝１
３内に嵌挿してある。

前記ピニオン７は上方の可動ラツク１４とも噛
合している。この可動ラツク１４は両端部にガイ
ドローラ１６（第２図）を取付け、前記ベース４
の凹溝１７に沿つて動くようになつているが、こ
のラツク１４の第２図において右端には後述の摺
動杆２２の通孔２８に挿通するピン１８を固着し
てある。

一方、前記ベース４の頂部にはキヤリツジ１９
を載置してある。このキヤリツジ１９は中空の筒
体であり、底面より垂下したステー２０に支持ロ
ーラ２１を取付け、この支持ローラ２１を前記ガ
イドローラ１６が走行する凹溝１７に嵌挿してい
る。

このキヤリツジ１９内には一対の爪部３を相互
に連結する摺動杆２２を内装してあり、この摺動
杆２２はピン２３により爪部３の基部３ｂに取付
けている。

またこの基部３ｂの上部に設けたピン２４は前
記キヤリツジ１９の上に立設した支持部材２５に
この爪部３及び前記摺動杆２２を支持するように
取付けている。

特に、本実施例ではこの摺動杆２２が図上左右
動することにより爪部３がピン２４を中心に回動
するようにし、この回動は前述の可動ラツク１４
に取付けたピン１８の動作を駆動源として行う。

すなわち、このピン１８は前記キヤリツジ１９
の底面に開設した通孔２６内において摺動可能に
なつており、第２図に示す状態から通孔２６内を
右方へ△ｌだけ移動すると爪部３はピン２４を中
心に反時計方向に回動し、摺動杆２２に開設した
逃し孔２７に嵌る。

次に作用を説明する。

ワーク成形用素材をプレス機械に搬入する場合
には、第４図に示す爪部の状態から動作を開始す
る。

まず、後退位置にあるシリンダ装置８をわずか
に突出すると、ピニオン７が上方可動ラツク１４
を左方へ移動し、これに伴いピン１８が通孔２６
内を左方へ動く。このピン１８は摺動杆２２を所
定の長さ（前記通孔２６の大きさ）だけ左方へ移
動することになるが、爪部３のピン２３もこれに
伴つて動き、爪部３を時計方向にピン２４を中心
に回動させ、この爪部３を起立状態にする。これ
により、プレス機械の搬入位置に置いてあるワー
クＷの通孔２内に爪頂部３ａが嵌合する。

さらに、シリンダ装置８を左方へ突出すると、
この爪部３は第２図に示す起立状態を保持したま
ま、所定ストローク移動し、ワークＷをプレス機
械内に搬入する。

次にこの搬入後に当初の位置へ戻す場合には、
まず爪部３を第２図の状態から第４図の状態に倒
す。つまり、シリンダ装置８（第２図はシリンダ
装置８を突出した状態に示していないが、このシ
リンダ以外は突出状態と同様であるため別途図示
は省略する）をわずかに後退すると、ラツク１４
がピン１８を△ｌだけ右方へ移動し、摺動杆２２
がキヤリツジ１９内において動作し、爪部３がピ
ン２４を中心に反時計方向に回動する。この回動
により爪頂部３ａがワークＷの通孔２より外れ、
第４図に示す状態となる。

さらにこのシリンダ装置８を右方へ移動する
と、このシリンダ装置８は前述した左方突出の場
合と同様にガイドローラ１１と凹溝１３にガイド
され、ピニオン７を転動し、これと噛合する上方
可動ラツク１４を右方へ移動することになる。こ
の移動は前記爪部３が倒れた状態で行なわれ、爪
部３はワーク搬送路の下位において移動し、元の
位置へ戻る。

前記搬入後、プレス機械が作動し、加工が完了
すると、上述と同様の作動が行なわれ、この加工
後のワーク成形素材は一方の爪部３により搬出さ
れ、他方の爪部３が新たなワーク成形素材をプレ
ス機械内に搬入する。

このようにシリンダ装置８を単一駆動源とし
て、ワーク又はワーク成形素材の搬入搬出を同時
に行うことができることになる。

なお、この成形後のワーク成形素材は、第１図
の斜線部分を、後に除去され、一対のリヤーピラ
ーインナーとなる。

以上の説明より明らかなように本考案によれ
ば、シリンダ装置の往復動を駆動源として、キヤ
リツジ全体の往復動と、爪部の回動を行うように
したため、構成が簡単で安価な搬送装置を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はワークの一例を示す正面図、第２図は
本考案に係る搬送装置の一実施例を示す断面図、
第３図は第２図のー線に沿う断面相当図、第
４図は前記実施例の爪部が倒れた状態を示す断面
図である。 １……搬送装置、２……通孔、３……爪部、３
ａ……頂部、４……ベース、５，１４……ラツ
ク、７……ピニオン、８……シリンダ装置、１８
……ピン、１９……キヤリツジ、２２……摺動
杆、２３，２４……ピン、２６……通孔、Ｗ……
ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワーク若しくはワーク成形用素材の凹所又は通
   孔部に嵌合する一本若しくは複数個の爪部を有
   し、この爪部の基部を回動自在にキヤリツジに取
   付けるとともにこの基部の端部を前記キヤリツジ
   内に摺動可能に設けた摺動杆に取付け、このキヤ
   リツジに開設した通孔を挿通し、摺動杆と係合す
   るピンを直線往復動するように駆動源と連結して
   なり、前記ピンを前記通孔内に所定の遊びをもつ
   て挿通したことを特徴とする搬送装置。