JPS6235530Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、金型上限ストツパ装置に係わり、
更に詳しくは、例えばNC付タレツトパンチプレ
スにおいて、金型の昇降ストロークを適宜調整し
ながら加工する金型上限ストツパ装置に関するも
のである。

従来のタレツトパンチプレスにおいては、パン
チのストローク長さが大きいので、例えばフラン
ジング加工を行なう場合、フランジング加工を行
なうための下部金型と上部金型とが大きく離れて
しまい、板状のワークに成形されつつあるフラン
ジ部はスプリングバツクにより元の状態に僅かに
戻る傾向にある。

したがつて、パンチプレスにおいてニブリング
加工のごとく、ワークを僅かづつ連続的に移動し
て、連続的にフランジング加工を行なおうとする
とき、既に形成されたフランジの部分と下部金型
とが干渉し、下部金型に対するワークの折曲げ位
置の位置決めを連続的に正確に行なうことができ
ず、連続的に加工困難であるという問題がある。

この考案は、かかる従来の問題点に鑑みて創案
されたもので、その目的とするところは、上部金
型を昇降自在に支持する上部金型支持プレート
に、前記上部金型の上限位置を規制するためのス
トツパ装置を設け、このストツパ装置により上部
金型の上限位置の規制、即ち昇降ストロークを調
整可能にすることにより、ニブリング加工的な連
続加工によりフランジング加工を可能にした金型
上限ストツパ装置を提供するものである。

以下、添付図面に基づいて、この考案の好適一
実施例を説明する。

第１図において、１はタレツトパンチプレスの
フレーム（図示せず）に支承された上部金型支持
プレート（上部タレツト１）を示し、この上部金
型支持プレート１には、上部金型３（パンチ３）
が昇降自在に設けられている。また上部金型３を
支持する上部金型支持プレート１の下方には、前
記上部金型３と対向して下部金型５を支持する下
部金型支持プレート７（下部タレツト７）が図示
しないフレームに支承されている。

前記下部金型支持プレート７に設けられた金型
ホルダ９内へ、着脱自在に取付けられた下部金型
５内には、スプリングを介してワーク保持部材１
１が出没自在に設けられている。また、下部金型
５の上面には、第１図より明らかなように、立上
り部が形成されている。

前記上部金型３の下面には、下部金型５の立上
り部と協働してワークＷのフランジング加工を行
なうパンチ部１３が下方向へ突出して設けられて
いる。また上部金型３の上部には、ストツパフラ
ンジ１５が一体的に形成されている。さらに上部
金型３の周壁１７には、ガイド用のキー溝１９が
形成されている。

また前記上部金型支持プレート１の上面には、
上部金型３の上限位置、即ち昇降ストロークを規
制するストツパ装置２１が設置され、また上部金
型支持プレート１の周縁内部には、上部金型３を
上方に付勢させる複数の金型復帰装置２３が配設
されている。

より詳細には、ストツパ装置２１は、上部金型
支持プレート１の上面にボルト２５を介して取付
けられたシリンダ２７と、このシリンダ２７内に
摺動自在に嵌入されたピストン２９およびピスト
ンロツド３１と、前記上部金型３に当接して上部
金型３の上限位置を規制するストツパ部材３３と
から構成されている。上記ストツパ部材３３は、
上下調節自在であるように、前記ピストンロツド
３１の上端に連結されている。

前記ピストン２９により区画されたシリンダ２
７の上部圧力室３５には、図示しない供給源から
作動流体（油圧またはエアー）が供給されるよう
になつている。またピストン２９およびピストン
ロツド３１の底部中心部には、作動流体が上部圧
力室３５内に導入されないとき、ピストン２９、
ピストンロツド３１、およびストツパ部材３３を
上昇限まで上昇させるためのリターンスプリング
３７が介装されている。

ストツパ装置２１は、上記のように構成されて
いるため、例えば、作動流体の供給源から、上部
圧力室３５内に作動流体が供給されると、ピスト
ン２９およびピストンロツド３１を介してストツ
パ部材３３が上部金型３の最低下限位置まで押し
下げられ、また上部圧力室３５内から作動流体が
排出されたとき、ストツパ部材３３が上部金型３
の最上昇限位置までリターンスプリング３７によ
つて押し上げられる。

次に金型復帰装置２３は、上部金型支持プレー
ト１の周縁部に、所定の間隔を隔てて複数の有底
凹孔３９が形成され、この有底凹孔３９のほぼ中
心部には、ガイドロツド４１が直立状態で植設さ
れている。

ガイドロツド４１には、リフタースプリング４
３を介してリフター部材４５が摺動自在に嵌挿さ
れ、リフター部材４５のフランジ部４７は、前記
上部金型３のストツパフランジ１５の下面にリフ
タースプリング４３の弾性力によつて常時当接し
ている。

また前記金型復帰装置２３の下部には、前記上
部金型３に形成されたキー溝１９と係合するキー
４９がボルト５１を介して取付けられ、このキー
４９は、上部金型３が上部金型支持プレート１に
対して回動するのを規制するものである。

また５３は、上部金型３の上面を打撃するため
の打撃装置である。

次に上記のような構成から成るこの実施例の作
用を説明する。

例えば、第２図ａ，ｂに示すように、ワークＷ
をフランジング加工する場合には、金型ホルダ９
に取付けられた下部金型５上に、ワークＷを挿入
する。そして、上部金型３の昇降ストロークｌを
設定するため、前記ストツパ装置２１の上部圧力
室３５内に、作動流体を導入して、ピストン２９
およびピストンロツド３１とともに、ストツパ部
材３３を下限位置まで降下させる。

ストツパ部材３３は、上部金型３の昇降作動域
内にあり、従つて、上部金型３が上昇したときに
は、ストツパフランジ１５がストツパ部材３３に
当接して上昇位置が規制されるものである。

このような状態から打撃装置５３を作動してフ
ランジング加工を開始すると、上部金型３は、第
１図に示すような昇降ストロークｌの範囲で昇降
し、ニブリング加工的な連続加工が可能となる。

なお、ワークＷは、図示しないクランプ装置に
よりクランプされて、適宜の方向に移動される。

またフランジング加工終了後、上部圧力室３５
内に供給している作動流体を停止するとともに、
該上部圧力室３５内から作動流体を排出させる
と、ストツパ部材３３は、ピストン２９の下部に
介装されたリターンスプリング３７の弾性力によ
り上限位置まで押し上げられ、また、これと同時
に、上部金型３も金型復帰装置２３のリフタース
プリング４３によつて、上記ストツパ部材３３に
当接するまで押し上げられる。

以上のような操作を繰返し行なうことによつ
て、連続したフランジング加工が可能である。

なお、ストツパ部材３３は、シリンダ２７に対
して回転可能に構成してある。従つて、ストツパ
部材３３を必要としない加工の場合には、上部金
型３の昇降作動域から回転させて移動することも
可能である。

第３図は、この考案に係わるストツパ装置２１
の第２実施例を示し、この実施例は、上部金型３
の上限位置を任意に調節しうるように構成したも
のである。

即ち、この第２実施例は、ストツパ部材３３の
下端に、調整自在なストツパボルト５５を取付
け、加工するワークＷのフランジ部の高さに応じ
て、ストツパ部材３３の上限、下限のストローク
間においても上部金型３の昇降ストロークｌを調
整しうるようにしたものである。

なお、その他の構成は、上記第１実施例と同様
なので、同一の構成要素については同一符号を付
して説明は省略する。

第４図は、第３実施例を示し、この実施例は、
上部金型３の昇降ストロークｌを調整するについ
て金型復帰装置２３を改良したものである。即
ち、金型復帰装置２３は、前述のように、上部金
型３を上昇させる際にリフタースプリング４３を
使用して行なつている。従つて、リフタースプリ
ング４３の上限位置を規制することによつて、上
部金型３の上昇復帰位置を制御したものである。

具体的に説明すると、有底凹孔３９内に植設さ
れたガイドロツド４１の上部に、抜き差し自在の
ストツパピン５７を設け、このストツパピン５７
によつて、リフター部材４５の上限位置を規制
し、もつて上部金型３の上限位置を規制したもの
である。

これによつて、上部金型３は、ストツパ装置２
１とは、別の位置で昇降ストロークｌの調整が可
能となる。

なお、その他の構成は、上記第１実施例と同様
なので、同一構成要素については、同一符号を付
して説明は省略する。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案の要旨は実用新案登録請求の
範囲に記載とおりであるから、本考案によれば、
ストツパ装置の作用によつて上部金型が下降位置
から僅かにしか上昇し得ない状態に規制できる。

したがつて、例えば、ワークにフランジング加
工を行なうとき、ワークに成形されつつあるフラ
ンジ部を、下部金型の立上り部と上部金型のパン
チ部との間に移動可能に挾み込んだ状態とするこ
とができる。したがつて、本考案によれば、下部
金型から上部金型が大きく離れることにより、ワ
ークの成形されつつあるフランジ部のスプリング
バツクによつてワークの上記フランジ部が下部金
型と干渉し、上記フランジ部の折曲げ位置の再度
の正確な位置決めが困難になる等の問題が解消さ
れることとなる。

すなわち、上部金型のパンチ部と下部金型の立
上り部との間にワークのフランジを挾み込んだ状
態に保持し、フランジの折曲げ線に沿う方向へワ
ークを僅かつづ連続的に移動することが可能とな
る。したがつて、フランジ部のスプリングバツク
の影響を受けることが少なくなり、折曲げ位置の
位置ずれを生じることがなく、ニブリング加工と
同様に、上部金型を打圧する打撃装置（ラム）の
上下動作を高速に行なうと共にワークの移動を僅
かつづ連続的に行なつて、フランジの形成を連続
的に加工し得るものである。

なお、本考案は前述の実施例のみに限ることな
く、適宜の変更を行なうことにより、その他の態
様で実施し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例に係る装置の縦断正
面図、第２図ａ，ｂはワークの加工例を示す説明
図、第３図はこの考案の第２実施例を示す縦断正
面図、第４図はこの考案の第３実施例を示す縦断
正面図である。 図面中に表わされた主要な符号の説明、１……
上部金型支持プレート、３……上部金型、５……
下部金型、７……下部金型支持プレート、１３…
…パンチ部、２１……ストツパ装置、３３……ス
トツパ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部金型支持プレート１と下部金型支持プレー
   ト７とを上下に対向して設け、下部金型支持プレ
   ート７に装着した下部金型５と協働して成形加工
   を行なう上部金型３を上部金型支持プレート１に
   上下動自在に装着して設け、上記下部金型５の上
   面に形成された立上り部と上部金型３の下面に下
   方向へ突出して設けられたパンチ部１３とが協働
   してワークＷにフランジング加工を行なうパンチ
   プレスの前記上部金型支持プレート１に装着した
   金型上限ストツパ装置において、上部金型３に当
   接して上部金型３の上昇位置を規制するストツパ
   部材３３を上下調節自在に備え、上部金型３の昇
   降ストロークを可変可能にしたことを特徴とする
   金型上限ストツパ装置。