JPS6235278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔考案の技術分野〕 本考案は高周波加熱装置の回転円板装置に係
り、特に回転円板励振方式を用いた高周波加熱装
置における回転円板を改良した高周波加熱装置の
回転円板装置に関する。 〔考案の技術的背景〕 第１図は従来の高周波加熱装置を示したもの
で、高周波加熱装置１の庫内上面中央部には回転
円板収納孔２が設けられ、この回転円板収納孔２
の側部には、内部に通風口３を有する導波管４が
設けられ、この導波管４の端部下側にマグネトロ
ン５が配置されている。上記回転円板収納孔２の
上面中央部には金属性のポスト６が設けられ、そ
の下方にシヤフト７を介して回転円板８が回転自
在に設けられている。この回転円板８は第２図乃
至第４図に示すように、中心部に軸受９を有する
例えばプラスチツク等からなる回転体１０と、平
面形状扇形を有しその開角90゜とされた金属板１
１とからなり上記回転体１０の上面に２枚の金属
板１１，１１を直径線上対称位置に配置し、この
金属板１１，１１は溶着等により回転体１０と一
体化され、さらに、回転体１０の金属板１１，１
１以外の部分は軽量化のため扇形の開口部１２…
が設けられている。 また、上記回転円板８の下方には、上記回転円
板収納孔２を塞ぐように仕切板１３が設けられ、
高周波加熱装置庫内下方には棚板１４が配置され
ている。 上記高周波加熱装置においては、マグネトロン
５から発振されたマイクロ波は導波管４を通りポ
スト６に集中して共振し、このポスト６から回転
円板８の外周、開口部１２および軸受９部分を通
つてマイクロ波が高周波加熱装置庫内に供給され
る。このとき、回転円板８は通風口３からの送風
により回転しており、マイクロ波は回転円板８の
金属板１１，１１にあたつた場合には反射され、
その他の場合は透過するものであるため、回転円
板８の回転によりマイクロ波の反射および透過が
交互に行なわれ均一なマイクロ波が供給されるよ
うになされている。 〔背景技術の問題点〕 上記高周波加熱装置の回転円板装置において
は、マイクロ波は導波管４および回転円板収納孔
２の壁面に反射してポスト６に集中して共振した
後、回転円板８に供給されるので、マイクロ波の
高周波加熱装置庫内への供給は、中央部分に集中
してしまい、その他の部分は均一な供給が得にく
いという欠点を有している。 そのため、実際に調理を行なう場合、ケーキ等
のように均一平面な出来上り形状を要求される調
理においては、マイクロ波の不均一な供給により
表面に凹凸が多くなつてしまい、出来上り形状が
良好でなくなるという欠点を有するものである。 〔考案の目的〕 本考案は上記欠点に鑑みてなされたもので、高
周波加熱装置庫内に均一なマイクロ波の供給を行
なうことを可能とした高周波加熱装置の回転円板
装置を提供することを目的とするものである。 〔考案の概要〕 上記目的を達成するため本考案は、 高周波加熱装置庫内の上面中央部に、マグネト
ロンに導波管を介して接続された回転円板収納孔
を設け、この回転円板収納孔の上面中央部に設け
られた金属製ポストにシヤフトを介して回転円板
が回転自在に取付けられてなり、上記回転円板
は、回転体の上面に平面形状扇形を有しその開角
が90゜とされた２枚の金属板を対向位置に固着し
て構成される高周波加熱装置の回転円板装置にお
いて、上記金属板の側端部の少なくとも一方を上
方に延出せしめてなる延出部を設けて構成されて
おり、マイクロ波の集中および共振をポストのみ
でなく、上記延出部でも行なうようになされてい
る。 〔考案の実施例〕 以下、本考案の実施例を第５図乃至第８図を参
照して説明し、第１図乃至第４図と同一部分には
同一符号を付してその説明を省略する。 本実施例に係る回転円板８は、回転体１０の上
面に配置される金属板１１に、第８図に示すよう
に両側端部を上方に向かつて延出せしめてなる延
出部１５，１５がそれぞれ設けられている。この
延出部１５の長さは約λ／２とされるとともに高
さは約λ／４とされている。ここで、λは通常高
周波加熱装置に使用されるマイクロ波（2450M
Hz）の自由空間における波長であり、約122mmで
ある。 本実施例においてはす、マグネトロン５で発振
され導波管４を通つたマイクロ波は、ポスト６に
集中するとともに金属板１１の延出部１５，１５
にも集中して共振する。これは、延出部１５の寸
法がマイクロ波の波長に合わせた共振寸法とされ
ているため、容易に延出部１５の共振が行なわれ
るものである。 そして、ポスト６で共振しているマイクロ波
は、回転円板８の外周、開口部１２および軸受９
部分から高周波加熱装置庫内に供給され、上記延
出部１５で共振しているマイクロ波は、回転円板
８の回転とともに高周波加熱装置庫内に供給され
る。 したがつて、マイクロ波が集中して共振する部
分が多く、しかも回転円板８の回転により範囲が
広くなるため、高周波加熱装置庫内の均一なマイ
クロ波の供給を行なうことができる。 さらに、回転円板８は通風口３からの送風によ
り回転するものであるが、延出部１５を設けたこ
とにより、この延出部１５が羽根の役目を果たす
ことになり、回転円板８の回転性能を向上させる
ことができる。 本実施例に係る高周波加熱装置の回転円板装置
と従来のものとの、ケーキ表面の凹凸差および回
転円板の回転性能を比較した実験結果を以下に示
す。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案に係る高周波加熱装置
の回転円板装置は、回転体の上面に固着された金
属板の側端部の少なくとも一方を上方に延出せし
めてなる延出部を有してなり、マグネトロンから
発振され導波管を通つたマイクロ波は、ポストの
みではなく上記延出部にも集中して共振を行な
い、マイクロ波の集中が広範囲で行なわれた後に
高周波加熱装置庫内へ供給されるので、きわめて
均一なノマイクロ波の供給が可能となる。 また、上記延出部が羽根の役目果たすので、通
風口からの送風により回転する回転円板の回転性
能を向上することができ、さらに、上記延出部に
より回転円板の強度が増加し、空焼き等の誤使用
の際にも変形等を少なくすることができる等種々
の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波加熱装置を示す正面断面
図、第２図は第１図の回転円板の平面図、第３図
は第２図のＡ−Ａ線における断面図、第４図は第
２図の金属板の斜視図、第５図乃至第８図は本考
案一実施例を示したもので、第５図は高周波加熱
装置の一部の正断面図、第６図は第５図の回転円
板の平面図、第７図は第６図のＢ−Ｂ線における
断面図、第８図は第６図の金属板の斜視図であ
る。 １…高周波加熱装置、２…回転円板収納孔、３
…通風口、４…導波管、５…マグネトロン、６…
ポスト、７…シヤフト、８…回転円板、９…軸
受、１０…回転体、１１…金属板、１２…開口
部、１３…仕切板、１４…棚板、１５…延出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 高周波加熱装置庫内の上面中央部に、マグネ
   トロンに導波管を介して接続された回転円板収
   納孔を設け、この回転円板収納孔の上面中央部
   に設けられた金属製ポストにシヤフトを介して
   回転円板が回転自在に取付けられてなり、上記
   回転円板は、回転体の上面に平面形状扇形を有
   しその開角が90゜とされた２枚の金属板を対向
   位置に固着して構成される高周波加熱装置の回
   転円板装置において、上記金属板の側端部の少
   なくとも一方を上方に延出せしめてなる延出部
   を設けたことを特徴とする高周波加熱装置の回
   転円板装置。 ２ 上記延出部は長さを約λ／２、高さを約λ／
   ４としたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の高周波加熱装置の回転円板装
   置。