JPS6235071Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、レンズ側の情報をカメラボデイ側に
伝達する電気接点を持つたレンズ鏡筒の改良に関
する。

自動露出制御を行うカメラにあつては、撮影者
の意思によつて露出時間（シヤツター速度）を優
先的に定めて選定し、この調定されたシヤツター
速度を前提に、これに絞開度を追従させて自動的
な適正露出を与える自動露出制御の方式（シヤツ
ター優先自動露出方式と一般に呼ばれる）と、こ
れとは逆に、撮影者の意思により、まず必要な絞
値を選んで調定し、これに追従する露出時間を自
動的に管制して所要の露出時間によるシヤツター
作動を以つて適正露出を与える自動露出制御の方
式（一般に絞優先自動露出方式と呼ばれる）とが
ある。

説明の便宜上、以下の説明では上記前者の方式
をオート（自動絞制御）と略称し、また後者の方
式をマニユアル（自動シヤツター制御）と略称す
るが、このマニユアルの語は自動露出制御によら
ずに露出時間及びシヤツター速度の双方を撮影者
の意思で夫々任意に決定して撮影する場合も含め
た広義の意味で用いることにする。

一般に自動的な露出制御とこれによるシヤツタ
ー速度や絞値の表示を行なう場合、レンズの開放
絞値や最小絞値等のレンズ側情報は交換レンズを
カメラボデイに装着した際にカメラボデイ側に向
けて伝達しなければならない。

これを解決する手段として、レンズ情報を電気
信号としてレンズ側から直接的にカメラボデイ側
に伝達すべく、カメラボデイ及び撮影レンズの夫
夫のマウントの対向する面に電気接点を設け、該
電気接点をマウント面より幾分突出付勢させて、
レンズ装着と同時に回路を接続させ、レンズ側の
固有絞値情報等をカメラボデイ側の制御回路等に
伝達させる方法は、既に提案されている。

しかしながら、かかる場合、撮影レンズ装着時
に、上記電気接点が突出していると、カメラ側の
電気接点とレンズ側の電気接点とが擦れ合つて、
回路上電源が消耗したり、制御の表示、演算等に
不都合の生じるおそれがある。

また、上記情報伝達を実現するためには、レン
ズマウントは導電性部材からなつていなくてはな
らずコストが高かつた。

本考案は、上記問題点即ち装着操作による誤つ
た固有絞値情報等の伝達を防止すべく、レンズ側
に設けられた切換部材をマニユアルにしてカメラ
ボデイに取付ける場合には、各電気接点は全てマ
ウント面から没入してカメラ側のマウントに設け
られた電気接点と接触することなく取付完了とな
り、撮影目的に応じてオートに切換える場合に
は、レンズ側の固有絞値情報、オート切換情報等
に応じた電気接点がレンズ側のマウント面から一
斉にボデイ側に突出し、レンズ側の信号をカメラ
側に伝達することができる電気接点を持つた、非
導電性部材からなるマウントを有するレンズ鏡筒
を提供するものである。

以下、添付図面に従つて本考案の実施例を説明
する。第１Ａ図は、カメラボデイの一部を示す正
面図であり、カメラボデイ１には、横銅材にメツ
キ処理等を施し導電性を与えたマウント２が、ビ
ス３により一体に取付けられていて、該マウント
２はカメラ側に設けられた制御回路等の一枝路に
接続されている。

第１Ｂ図は、第１Ａ図に示すカメラボデイ１の
マウント２に装着されるレンズ鏡筒４の斜視図
で、これには前記カメラボデイ１と同様に横銅材
にメツキ処理等をなし、導電性を附与したマウン
ト５をビス６により一体に取付けている。

これら各マウント２及び５には、夫々対向する
位置に電気接点が設けられ、これらの接点は、オ
ート又はマニユアルの使用に関して決定づけられ
る情報をレンズ側よりカメラボデイ側に伝達する
ための互いに対をなす接点と、レンズごとに異る
固有絞値（開放絞値、最小絞値）によつて与えら
れる情報、即ち抵抗値等の電気的要素に支配され
る電流、又はその他の電気量をカメラボデイ側に
伝達する対をなす接点とから成り立つており、該
固有絞値を与える接点はレンズ鏡筒の特性（開放
絞値等）によつて各レンズ鏡筒ごとにその数や位
置を異にするものである。

第１Ｂ図に示すレンズ鏡筒４は、第１Ａ図及び
第１Ｂ図に示されるようなバヨネツト係合によつ
て周知のようにカメラボデイ１に対し装着され、
レンズ鏡筒４を回動する終域ではカメラ側のマウ
ント２より付勢作用を受けて突出するロツクピン
７がレンズ側のマウント５に形成したロツク溝８
に突入して、これにより各々対をなす上記電気接
点が対向するようになる。

このように夫々のマウント及びこれらに配置さ
れる電気接点に関して、本考案では、第２図のレ
ンズマウントが導電性部材からなつている例を参
考に対比して理解される第３図に示すような特有
の構成を与えてある。

カメラボデイ１側において、カラー９でカメラ
側のマウント２と絶縁された接点ピン１０は、カ
メラ側に設けられた露出制御回路等（図示せず）
の一枝路に接続された基板１１と接触し、図示の
通り固定されている。

一方、レンズ側のマウント５に穿たれた孔５ａ
にはレンズ側の接点ピン１２が摺動自在に嵌合し
ており、該接点ピン１２の一端はレンズ鏡筒４の
固定環１２ａに設けられた切換部材１３に連設さ
れていて、該切換部材１３が撮影者の外部操作に
よりマニユアルからオートに切換わる（矢印Ａの
方向に移動する）と、上記接点ピン１２はレンズ
マウント面から突出しカメラ側の接点ピン１０と
接触し、カメラ側のマウント２、レンズ側のマウ
ント５、レンズ側の接点ピン１２、カメラ側の接
点ピン１０が電気的に繋がつて、カメラ側のマウ
ント２に接続された回路の一枝路とカメラマウン
ト２の接点ピン１０に接続された回路の一枝路と
を導通させ、導通した接点ピンの数や位置などに
よつてレンズ側の固有絞値情報等を表わし、カメ
ラ側の露出制御回路等に伝達すると共にオートか
らマニユアルに切換わる（矢印Ｂの方向に移動す
る）と、マウント面から没入し、かかる導通を遮
断するものである。

第３図は本考案の構成を示すレンズ側のマウン
ト５が非導電材で形成された場合の上記導通手段
を示すものであり、切換部材１３の下端を延設し
てその先端に接点１３ａを設けると共に、上記レ
ンズ側のマウント５に一端が接点１３ａと接触
し、他端がカメラ側のマウント２と接触する導電
ピン１４を埋め込み、切換部材１３がオートに切
換わると上記接点１３ａと導電ピン１４とが接触
し、上記導通作用が図られるものである。

本考案は以上のように構成されることから、カ
メラボデイにレンズ鏡筒を装着する場合、切換部
材をマニユアル状態にしておけば、レンズ側の電
気接点は全てマウント面より没入しているので、
カメラ側の電気接点との接触やマウントの取付ビ
ス、ロツク溝といつた各部との干渉もなく、回路
上、電源の消耗や制御の表示、演算等に不都合が
生じることがなくなると共に、レンズがカメラボ
デイに確実に装着された状態で切換部材をオート
に切換えることにより完全な信号伝達を行なうこ
とができるものであり、またレンズマウントを非
導電材にすることができコストを低くでき、その
実用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図はカメラボデイの一部正面図、第１Ｂ
図はこれに装着されるレンズ鏡筒の斜視図、第２
図は本考案の一実施例を説明するため、対比して
参考にされる、マウントが導電部材からなつてい
る例を示す要部の縦断面図、第３図は本考案の一
実施例を示す同部分の縦断面図である。 １：カメラボデイ、２：カメラマウント、４：
レンズ鏡筒、５：レンズマウント、１０：接点ピ
ン、１２：レンズ側の接点ピン、１２ａ：固定
環、１３：切換部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カメラマウントに設けられた電気接点とレンズ
   マウントに設けられた電気接点とをオート時に接
   触させて、カメラマウントに接続されたカメラボ
   デイ内の制御回路等の一枝路と上記カメラマウン
   トの電気接点に接続された上記制御回路等の一枝
   路とを導通させて、レンズ側の固有絞値情報等を
   カメラ側に伝達するレンズ鏡筒において、該レン
   ズ鏡筒の外面に、上記レンズマウントの電気接点
   を、マニユアル、オートの切換によりレンズマウ
   ント面から突出、没入させ、カメラ側の電気接点
   との接・断を行なう切換部材を設けるとともに、
   前記レンズマウントは非導電材からなり、該レン
   ズマウントに一端が前記電気接点の一部と接触
   し、他端がカメラマウントと接触する導電ピンを
   埋め込んだことを特徴とするレンズ鏡筒。