JPS6234991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、熱風炉等の熱風管の連結部の目地構
造に関するものである。

例えば、第１図に示すようなコツパーズ式熱風
炉においては、蓄熱室ａと燃焼室ｂとの間に、ま
たは燃焼室ｂと混冷室ｃとの間を熱風管ｄで接続
しているが、操業中各室の特に垂直方向における
熱膨張量がそれぞれ異なつてくるため、熱風管ｄ
が変形を生じ、熱風管の一部が破損して赤熱洩風
を発生する。このため、熱風管ｄの中央部に、熱
変動を吸収させるための目地構造を有する連結部
ｅを設けている。

この目地構造は、複数層に形成した断熱レンガ
や耐火レンガの一部を可動構造に積層したもので
あるが、従来の目地構造は、第２図に示すよう
に、接合部分Ａをストレートにしているので、熱
風管ｄ内の熱風がこのストレート目地の深部にま
で侵入し、高熱にさらされ、赤熱状態となつて破
損を起こし易く、火洩れの原因になり易いという
欠点があつた。

本考案の目的は、このような従来技術における
欠点を排除し、火洩れや赤熱状態の発生を効果的
に防止するとともに熱変形に伴うレンガ層の変動
を確実に吸収しうる目地構造を提供することにあ
る。

本考案の目地構造は、従来の目地と同数のレン
ガ層を鉄皮の内側に形成するものであるが、要部
におけるレンガの寸法的な組合わせ方と積み方に
特徴がある。

本考案の目地構造は、第３図に示すように、吹
付キヤスタブル層５１を内被した鉄皮５の内側
に、全面にわたつてセラミツク・フアイバ・バル
ク層６を介装したのち第１レンガ層を形成し、以
下第２レンガ層２、第３レンガ層３および第４レ
ンガ層４を順次形成する。

第１レンガ層１は、目地要部となる中央位置に
粘土質の耐火レンガ１１を１個配置し、これの両
側には断熱レンガ１２を横に整列積みするが、一
側（図では右側）に整列積みする断熱レンガ１３
は、中央の耐火レンガ１１よりも、やや厚手のレ
ンガを使用し、したがつてこの部分に段差が生ず
るようにしてある。

第２レンガ層２は、中央部に２個のアルミナ系
耐火レンガ２１を配置し、これらの両側には等厚
の断熱レンガ２２を横方向に整列積みする。第２
レンガ層２は目地部中央に耐火レンガ２１相互の
接続部を配置して組合わせるものであるので、第
１レンガ層１に対して千鳥積みされることとな
り、さらに第１レンガ層１の段差にそつて形成さ
れるために、目地部中央に段差を伴つて組積され
る。

第３レンガ層３は、すべての粘土質の耐火レン
ガ３１によつて形成され、第２レンガ層２に対し
て千鳥位置に組合わせ、中央位置には第２レンガ
層２の段差分だけ薄い耐火レンガ３０を１個配置
し、これの両側には、やや大き目のレンガが第２
レンガ層２の段差にそつて形成される。

第４レンガ層４は第３レンガ層３よりもさらに
大きいアルミナ系の耐火レンガを積層するが、目
地中央位置に接合線４０がくるように組合わせ、
同時にこの接合線は直線状ではなく、左右方向に
若干の段差を伴い、かつ段差部には多少の融通空
隙４０１を形成できるようにしておく。さらに目
地部を形成するレンガのうちの一方のレンガ４１
には、第３レンガ層３における目地中央部のレン
ガ３０に対する緩衝空隙４１１を形成してある。

前述のように、これらの各レンガ層は、目地部
中央においては各レンガが千鳥積みされており、
目地接合線はジグザグ状に形成される。さらに、
各レンガ層の接合面には上下に段差を伴つて形成
されるため、各レンガ層間には段差による空間が
生ずる。本考案においては、この空間を融通空隙
として活用し、この空隙内へセラミツク・フアイ
バ・バルク片を介装する。すなわち、第１レンガ
層１と第２レンガ層２との間の空隙にはセラミツ
ク・フアイバ・バルク片７ａを介装し、第２レン
ガ層２と第３レンガ層３との間の空隙にはセラミ
ツク・フアイバ・バルク片７ｂを介装し、第３レ
ンガ層３と第４レンガ４との間の空隙４１１およ
び融通空間４０１にはセラミツク・フアイバ・バ
ルク片７ｃをそれぞれ介装する。

このように構成した本考案の目地構造において
は、目地を中心とする両側各室の温度膨張差によ
つて熱変動が生じた場合は、複数段にわたつて設
けた融通空隙を利用して目地部の各レンガが微動
し、これによつて熱変動を確実に吸収する。そし
て、目地要部をなす接合線は千鳥組によるジグザ
グ線であるので管内の火洩れを誘発せず、したが
つて目地層の深部に対して赤熱状態を生じさせる
ことがない。

さらに、内側レンガは二層にわたつて耐火レン
ガ層であるので、目地層全体を赤熱状態にさらす
ことがない。

このように、本考案の目地構造によれば、火洩
れや赤熱状態の発生を極めて効果的に防止するこ
とができるので、赤熱漏風による目地部の破損や
頂部レンガのずれ落ち等を惹起することがなく寿
命の延長には極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案目地の使用箇所の一実施例を示
す概略的な説明図。第２図は従来の目地構造を示
す熱風管の半体断面図。第３図は本考案による目
地構造の要部の断面図。 １……第１レンガ層、１１……耐火レンガ、１
２……断熱レンガ、２……第２レンガ層、２１…
…耐火レンガ、２２……断熱レンガ、３……第３
レンガ層、３１……耐火レンガ、４……第４レン
ガ層、４１……耐火レンガ、５……鉄皮、６……
セラミツク・フアイバ・バルク層、７ａ，７ｂ，
７ｃ……セラミツク・フアイバ・バルク片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吹付キヤスタブル層を内被した鉄皮の内側に数
   種類のレンガ層を順次積層した熱風管連結部の目
   地構造において、目地中央部に１個の粘土質耐火
   レンガを配し、これの両側に断熱レンガを左右厚
   みを違えて組付けた第１レンガ層と、目地中央部
   にアルミナ系耐火レンガを千鳥に組合せこれの両
   側に左右が等厚の断熱レンガを前記千鳥位置のレ
   ンガに整列して組付けた第２レンガ層と、粘土質
   耐火レンガで組積形成した第３レンガ層と、目地
   中央の接合面における段差と該段差に伴なう融通
   空隙を有し前記各レンガ層よりも大きいアルミナ
   系耐火レンガによる第４レンガ層と、キヤスタブ
   ルと第１レンガ層との間の全面にわたつて介装形
   成したセラミツク・フアイバ・バルク層と、千鳥
   積や厚み差によつて各レンガ層間に形成された間
   隙に介装したセラミツク・フアイバ・バルク片と
   によつて構成され、要部を千鳥積みにすることに
   よつて接合線をジグザグに形成させると共に、熱
   膨張による半径方向の変動を各レンガ層間に形成
   した隙間を利用して吸収するようにした構成を特
   徴とする熱風管連結部の目地構造。