JPS6234932Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスプールホルダーの改良に関する。

従来スプールホルダーは夫々スプールの内面と
隙間無く嵌め合う円筒面を備えた鍔の中心にねじ
を突設し、一方の鍔をスプールの一端へ嵌め合わ
せた他端に他方の鍔を嵌め合わせ夫々の鍔をナツ
トで締める構造となつていた。従つて、スプール
の取付、取外しは手間がかかる作業であるととも
にナツトの締め付けが緩いとスプールがずれてし
まい、ナツトの締め付けがきついとスプールが変
形してしまう不具合があつた。

本考案は上記従来欠点を解消するもので、スプ
ールの両端に嵌め合わせた鍔の取付け、取外しを
容易に行え、かつ夫々の鍔によるスプールの締め
付けが一定に保持できるスプールホルダーを極め
て簡単な構造によつて提供することを目的とす
る。

斯る本考案のスプールホルダーは、夫々スプー
ルの内面に密着状に嵌め合う円筒面と鍔とを備え
た第１ホルダー及び第２ホルダーよりなり、その
第１ホルダーを巻取装置の回転軸に軸支すると共
に支軸を介し円盤状の取付盤を設け、第２ホルダ
ー内面に前記取付盤と対向する取付部を形成し、
前記取付盤、取付部のいずれか一方に磁石を設
け、他方に磁性材料を設け、その磁石と磁性材料
との間に隙間を残してスプールを挾着保持せしめ
ることを特徴とする。

本考案実施例を図面により説明すれば、図中１
は第１ホルダー、２は第２ホルダー、１０はスプ
ールであり、第１ホルダー１と第２ホルダー２と
でホルダー本体Ａの両端を形成し、夫々のホルダ
ー１，２間に渉つてスプール１０を挾着保持して
ホルダー本体Ａを構成する。

第１ホルダー１は円盤状の鍔３にスプール１０
の内面と密着状に嵌め合う円筒面４を形成すると
共に、該円筒面４と連続する先細のテーパガイド
部５を形成する。テーパガイド部５側の端面中心
より支軸６を突設し、その先端７を円錐状とす
る。

支軸６先端付近には円盤状の取付盤８を周設
し、該取付盤８の支軸６先端側端面に円盤状の磁
石９を固定する。

第２ホルダー２は外周にローレツト加工した鍔
１１に円筒面１２、テーパーガイド部１３を設け
てなり、テーパーガイド部１３側の端面に前記取
付盤８と対向する円盤状の取付部１３′を穿設
し、該取付部１３′に円盤状の磁性材料９′を埋め
込んで設けると共に、第２ホルダー２の中心に孔
１４を穿設し支軸６の先端７が入るようにする。

スプール１０はその両端開口に夫々第１ホルダ
ー１、第２ホルダー２を嵌着し、その内周面両端
を夫々のホルダー１，２の円筒面４，１２へ密接
させてホルダー本体Ａの両端間に渉つて挾着保持
されると共に、ホルダー本体Ａ内にて対面する磁
石９と磁性材料９′とが密着しない長さを有し、
磁石９と磁性材料９′との間に隙間を形成する。

上記スプールホルダーの第１ホルダー１には止
まり孔１６を穿設すると共に、円筒面４にはねじ
通し孔１５を穿設し、回転軸１７と止まり孔１６
を嵌合した時にねじ１８で回り止めできるように
する。

而して、上記第１ホルダー１にスプール１０一
端を嵌め合わせ、第２ホルダー２にスプール１０
他端を嵌め合わせると磁石９と磁性材料９′とが
引き合つて両ホルダー１，２がスプール１０を挾
着保持する。

又、スプール１０によつて磁石９と磁性材料
９′との間に隙間を形成して夫々を密着させない
ようにしたので第１ホルダー１と第２ホルダーと
の取り外しが容易である。

第３図は半導体ボンデイングワイヤの巻取装置
の巻取部分の拡大図であり、トラバース機構Ｔに
設けられたモータＭに連係した回転軸１７に上記
スプールホルダーを設けたものである。

スプール１０は第１ホルダー１と第２ホルダー
２とで確実にロツクされているのでこのようなト
ラバース（軸方向の往復動）と回転を同時に行な
う処でも使用することができる。同様に供給側の
スプールにも用いることができる。

尚、上記実施例では取付盤８に磁石を、取付部
１３′に磁性材料を設けたが、逆にしてもよく、
又両ホルダーに夫々異なる磁極の磁石を設けるよ
うにしてもよく任意である。

本考案は以上のように、夫々スプールの内面に
密着状に嵌め合う円筒面と鍔とを備えた第１ホル
ダー及び第２ホルダーよりなり、その第１ホルダ
ーを巻取装置の回転軸に軸支すると共に支軸を介
し円盤状の取付盤を設け、第２ホルダー内面に前
記取付盤と対向する取付部を形成し、前記取付
盤、取付部のいずれか一方に磁石を設け、他方に
磁性材料を設け、その磁石と磁性材料との間に隙
間を残してスプールを挾着保持せしめて構成した
ので、対向する磁石と磁性材料との吸着によつて
取付盤、取付部を介して第１ホルダーと第２ホル
ダーとを吸着させて、前記磁石と磁性材料との間
に隙間を残すことでこの吸着を容易に解除可能に
し、両ホルダーによつて挾着保持されるスプール
を第１ホルダーを介して回転軸に一体的に軸支さ
せる。

依つて、本考案は下記の効果を有する。

スプールを挾着保持する両ホルダーの取付
け、取外しを確実かつ容易に行なうと共に、磁
力によつて固定される両ホルダーにスプールの
寸法誤差を吸収するバネ性を持たせる。

回転軸に軸支されたスプールを両ホルダーに
よつて確実に保持して該スプールの空転を妨げ
回転軸と一体に回動させ、その保持力を磁力に
よつて一定に保ちスプールのずれ及び変形を防
止する。

依つて、所期の目的を達成する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案実施のスプールとホルダー本体の分解立体図、
第２図はスプールとホルダー本体の組立状態を示
す縦断面図、第３図は半導体ボンデイングワイヤ
の巻取装置の巻取部の拡大図である。 尚、図中、スプール…１０、円筒面…４，１
２、第１ホルダー…１、鍔…３，１１、第２ホル
ダー…２、回転軸…１７、支軸…６、磁石…９、
取付盤…８、磁性材料…９′、取付部…１３′とす
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 夫々スプールの内面に密着状に嵌め合う円筒面
   と鍔とを備えた第１ホルダー及び第２ホルダーよ
   りなり、その第１ホルダーを巻取装置の回転軸に
   軸支すると共に支軸を介し円盤状の取付盤を設
   け、第２ホルダー内面に前記取付盤と対向する取
   付部を形成し、前記取付盤、取付部のいずれか一
   方に磁石を設け、他方に磁性材料を設け、その磁
   石と磁性材料との間に隙間を残してスプールを挾
   着保持せしめる巻取装置のスプールホルダー。