JPS6234591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はジヨークラツシヤに用いるサイドライ
ナの固定構造に係り、特に作業性、取付精度の向
上等を図つた固定構造に関するものである。

ジヨークラツシヤは第１図に示す様に回転軸１
の囲りに揺動運動するスイングジヨー２の表面に
固定したスイングジヨープレート３と、これに対
向して配設された固定のジヨープレート４の間に
形成された断面Ｖ字状の破砕室５に原料を供給
し、スイングジヨー２の揺動運動によつて破砕室
内の原料をスイングジヨープレート３と固定のジ
ヨープレート４との間で挟圧して破砕し、両ジヨ
ープレート３及び４の下部の出口隙間６から破砕
された原料を排出するものである。

破砕室５は上記した様にスイングジヨープレー
ト３と固定のジヨープレート４によつて前後方向
に囲まれ、且つその側方は機台の側部を取り囲む
サイドフレームの内側に配設したサイドライナ７
によつて囲まれている。

スイングジヨープレート３は前記した様に回転
軸１の回りに揺動運動して原料の破砕を行うもの
であるから、出口隙間６の部分での破砕力が最も
大きく、従つてサイドライナの摩耗も出口隙間６
の近傍が最もよく摩耗する為、上部と下部では摩
耗の進行が異なるので一般にサイドライナは中央
部で分割し、下部サイドライナ７ａと上部サイド
ライナ７ｂに分けてサイドフレームに取り付け
る。そして、たとえば下部のサイドライナ７ａ
は、サイドプレートに取り付けた楔片８ａ及び８
ａと固定のジヨープレート４の側端縁９によつて
形成される略Ｖ字状の隙間に挿入され、その楔作
用で前後方向に固定される。そして上部サイドラ
イナ７ｂについてもサイドフレームに固定した楔
片８ｂ及び８ｂと固定のジヨープレート４の側端
縁９をガイドとして装着されるが、この様なサイ
ドライナ７ａ，７ｂは鋳鋼製で高硬度である為に
機械加工ができず、寸法精度が悪い。特に上部に
積み重ねた上部サイドライナ７ｂの、固定ジヨー
プレート４、下部サイドライナ７ａ、又は上部の
楔片８ｂ，８ｂに対する整合性が悪く、サイドラ
イナの取付作業に長時間を要することになる。
又、サイドライナを図に示す様な横方向のボルト
１０，１０，…によつてサイドフレームに固定す
る構造もあるが、この場合ボルトの脱着作業は人
間が破砕室内に入つて行わねばならず、極めて危
険であると共に、多数のボルトを操作するのに手
間を要し、またボルトの頭部が破砕室側に露出し
ているのでここに原料が当つてボルト頭部が変形
を起こし、取換作業が容易でないという欠点が存
在する。

本考案は上記した様な従来のサイドライナの取
付構造に内在する欠点の解消を目的とするもの
で、少なくとも上側のサイドライナのスイングジ
ヨー側端部に脱着自在の楔状部材を噛み込ませて
機台側部から操作しうる様になし、しかもその操
作が極めて簡単であるサイドライナの固定構造を
提供するものである。

続いて第２図以下の添付図面を参照して本考案
を具体化した実施例につき詳しく説明する。ここ
に第２図は本考案の一実施例であるサイドライナ
の固定構造を含むジヨークラツシヤ全体の側断面
図、第３図は同平面図、第４図及び第５図は同固
定構造の側面図を示す第２図に於るＡ−Ａ矢視
図、第５図は第４図に於るＢ矢視図、第６図は固
定構造の他の一例を示す側断面図である。尚第１
図に示した部品と共通のものには同一の符号を使
用する。

第２図乃至第５図に於て、下部サイドライナ１
１ａ及び上部サイドライナ１１ｂは従来のものと
同様に水平線１２によつて上下に２分さており、
楔状端部１３ａ及び１３ｂによりフロントフレー
ム１４に取り付けた垂直の固定ジヨープレート４
を前方に押し付ける。かかる固定ジヨープレート
への押付力は、下部サイドライナ１１ａについて
言えば、楔状の下部サイドライナ１１ａがライナ
押圧装置１５ａと固定ジヨープレート４の側端縁
９にガイドされて楔状に嵌り込むことによつて生
じる。上部サイドライナ１１ｂについても同様
で、ライナ押圧装置１５ｂと固定ジヨープレート
４との間に上部サイドライナ１１ｂを下方に向か
つて楔状に食い込ませることによつて達成され
る。そして、かかる押圧力はサイドライナを下方
へ押し付けることによつて強化されるが、この様
なサイドライナを下方に向かつて押圧するのがサ
イドフレーム上部に設けた垂直固定部材１６であ
る。上記したサイドライナを固定ジヨープレート
の方向に押圧するライナ押圧装置１５ａ及び１５
ｂの内、下部の押圧装置１５ａは固定の楔状部材
であつても良いが、上部の押圧装置１５ｂは第４
図及び第５図に示した様な進退自在のウエツジ構
造となして、上部サイドライナ１１ｂの寸法誤差
を吸収しうる様にする。即ち第４図及び第５図に
示す様に上部サイドライナのスイングジヨー２側
の端部１７が接触するサイドフレーム１８の部分
には、貫通状の窓１９が開設されており、該貫通
窓に楔状先端形状を有するライナ押圧部材２０が
サイドフレームに直角の方向に進退自在に挿入さ
れている。ライナ押圧部材２０の先端にはサイド
ライナ１１ｂの端部に刻設したテーパ面２１ａと
噛み合うテーパ面２２が形成されている。サイド
ライナ端部のテーパ面は前記した表面側のもの２
１ａと裏面側のもの２１ｂとがあり、サイドライ
ナの表面２３が摩耗すると、左右のサイドライナ
を入れ換えて寿命の長期化を図りうる様に構成さ
れている。この様なサイドライナ端部のテーパ面
は、Ｒ面であつても差し支えない。ライナ押圧部
材２０の中央部には前記テーパ面２２とは逆方向
のテーパ角度よりなるテーパ面２４を有する貫通
孔２５が形成されており、該貫通孔２５に運び部
材２６の楔状端部２６ａが挿入され、楔状端部２
６ａの上記テーパ面２４と対向する面２７は、該
テーパ面２４と同じテーパ角度を有して傾斜して
いる。運び部材２６の後端２８とライナ押圧部材
２０の後端２９とはボルト３０によつて前後方向
に連結されており、ボルト３０に螺着したナツト
３１を締め付けることにより運び部材２６の楔状
端部２６ａが前記貫通孔２５に食い込んで行き、
ライナ押圧部材２０を貫通窓１５から引き抜く方
向に移動させる。

又第２図、第３図に示すように上部サイドライ
ナ１１ｂを貼り付けるサイドフレーム１８には、
断面長方形状の穴３２が開設されており、サイド
フレーム１８の上端面から前記穴３２の上端面に
向かつてボルト３３が挿入される孔３４が貫通し
ており、該ボルト３３によつて下方へ締め付けら
れる固定板３５の端部はサイドライナ１１ｂに穿
つた固定板挿入孔３６の底面に当接し、ボルト３
３を締め付けることによつて上部サイドライナ１
１ｂを下方に押圧する。

上記の様に構成されたサイドライナの固定構造
を用いて上下部サイドライナの位置決め及び固定
を行うには、まず下部サイドライナ１１ａを固定
のジヨープレート４と固定のライナ押圧装置１５
ａとの間に装着する。この様な下部サイドライナ
は固定ジヨープレートと固定のライナ押圧装置１
５ａに対してのみ整合させればよいので、比較的
その位置決めは楽に行いうる。しかしその後に装
着する上部サイドライナ１１ｂは固定ジヨープレ
ート４及びライナ押圧装置１５ｂと、更に下部サ
イドライナ１１ａに対しても整合させねばならな
いので、上部のライナ押圧装置１５ｂを第４図及
び第５図に示す様な進退自在の楔構造となして上
部サイドライナの寸法誤差を吸収する必要がある
のである。その為上部サイドライナを第２図に示
す様に固定ジヨープレート４及び下部サイドライ
ナ１１ａの各端縁に沿わせて装着した後、前記し
た様にナツト３１を締め込んで楔状端部２６ａを
貫通孔２５に食い込ませ、テーパ面２４，２７に
よる楔作用でライナ押圧部材２０を貫通窓１９か
ら引き抜く方向に移動させ、ライナ押圧部材２０
先端のテーパ面２２と上部サイドライナ１１ｂの
テーパ面２１ａとを当接せて、その楔作用により
上部サイドライナ１１ｂを固定ジヨープレートの
方向に適当な量、押圧するのである。こうして上
下サイドライナの前後方向の位置決めが完了する
と、前記ボルト３３を締め込んで固定板３５によ
つて上部サイドライナ１１ｂを下方に押圧し、両
サイドライナの上下方向の位置決め固定を完了す
る。

上記した実施例ではライナ押圧部材を進退させ
る手段として運び部材２６の楔作用を利用した
が、これは第６図に示す様にボルトによる運び作
用に置き換えることも可能である。即ち第６図に
示した例では先端に楔状テーパ面３７を有するラ
イナ押圧部材３８はその後端にライナ押圧部材に
直角のアーム３９を固着し、該アームの両端にサ
イドフレーム１８の側面に当接する計２本の運び
ボルト４０を螺着している。従つてこの運びボル
ト４０を締め付けていくと、ライナ押圧部材３８
が貫通窓１９から引き出される方向に移動し、テ
ーパ面３７とサイドライナ１１ｂとの楔状の噛み
合いが達成される。

上記両実施例では下部サイドライナを固定する
下部のライナ押圧装置１５ａを固定の楔状となし
たがこれを第４図、第５図、若しくは第６図に示
した様な可動の押圧装置となせば、下部サイドラ
イナについてもその固定位置の微調整が可能とな
りサイドライナの取付作業が更に容易となる。

本考案は上記した様にジヨークラツシヤの破砕
室の左右側部を囲む上下に分割されたサイドライ
ナをサイドフレームに沿つて固定する為の構造で
あつて、少なくとも上側のサイドライナのスイン
グジヨー側端部が接触するサイドフレーム面に開
設した貫通窓と、上記貫通窓に挿入されその先端
部に楔状テーパ面を有するライナ押圧部材と、該
ライナ押圧部材をサイドフレームに垂直の方向に
移動させる運び部材と、上部サイドライナを下方
に向かつて押圧する垂直固定部材とを有して成る
ことを特徴とするサイドライナの固定構造である
から、サイドライナの位置決め操作を機台の外側
部に於て成すことができ、従来のボルト止め構造
の様に破砕室内に人が入つて行う様な危険性が無
く、又その取付構造が破砕室内に露出するもので
ないから変形や損傷によつてその取り外しに困難
を生じる様な欠点が解消される。更に本構造は可
動の楔状端部を有するライナ押圧部材を用いるも
のであるから、寸法精度の低い鋳鋼製のサイドラ
イナについて部品ごとに緻密な取付位置の調整を
行うことができ、しかもその調整作業は極めて簡
単であるからサイドライナの製造コストの低下を
図りうると共に取付作業の容易性を確保するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のジヨークラツシヤ全体の側断面
図、第２図は本考案の一実施例であるサイドライ
ナの固定構造を含むジヨークラツシヤ全体の側断
面図、第３図は同平面図、第４図及び第５図は同
固定構造の側面図を示す第２図に於るＡ−Ａ矢視
図、第５図は第４図に於るＢ矢視図、第６図は固
定構造の他の一例を示す側断面図である。 ５……破砕室、１１ａ，１１ｂ……サイドライ
ナ、１８……サイドフレーム、２……スイングジ
ヨー、１９……貫通窓、２２，３７……楔状テー
パ面、２０，３８……ライナ押圧部材、２６，４
０……運び部材、１６……垂直固定部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ジヨークラツシヤの破砕室の左右側部を囲む上
   下に分割されたサイドライナをサイドレームに沿
   つて固定するための構造であつて、少なくとも上
   側のサイドライナのスイングジヨー側端部が接触
   するサイドフレーム面に開設した貫通窓と、上記
   貫通窓に挿入されその先端部に楔状テーパ面を有
   するライナ押圧部材と、該ライナ押圧部材をサイ
   ドフレームに垂直方向に移動させる運び部材と、
   上部サイドライナを下方に向かつて押圧する垂直
   固定部材とを有して成ることを特徴とするサイド
   ライナの固定構造。