JPS623278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、各種機械装置の部品のように比較的
小型で重量の小なものをオーバーヘツドコンベヤ
に掛吊りされたハンガーを介して連続的に搬送し
乍ら塗装する場合において前記ハンガーに付着し
た塗料を自動的連続的に剥離するための装置に関
する。

前記ハンガーに付着した塗料の剥離は、特に塗
装手段が前記ハンガーに通電し乍ら塗料を吹付け
る電着塗装の場合において、ハンガー通電を確実
にして電着塗装の安定化を図る上で必須不可欠で
あり、また電着塗装以外であつてもハンガーの搬
送振動等によつてそのハンガーから不測に剥離し
た塗膜片等が被塗面上に落下することに起因する
塗装面の損傷、仕上り不良を防止する上において
も重要である。

このような要望、つまりはハンガー付着塗料の
剥離を、塗装ラインである前記のオーバーヘツド
コンベヤの途中、具体的にはループ状に架設構成
されるオーバーヘツドコンベヤに対するアンロー
ド部とロード部との間にオンラインの形で設置し
たハンガーに対する付着塗料剥離場で自動的連続
的に行なえるように構成することによつて塗装作
業全体を非常に能率的、かつ合理的に行えるので
あるが、このようなオンライン型式の装置として
従来から知られているものは、前記付着塗料剥離
場での剥離手段がハンガーをバーチカル部を介し
てコンベヤライン下に設置した洗浄液タンク内に
順次浸漬させる状態で通過移動させる単なるデイ
ツピング手段であり、従つて、ハンガー表面に堅
くこびり着いている塗料は殆んど落ちず、それが
次第に堆積増長して殊に電着塗装の場合は、塗装
仕上りに重大な欠陥を招くことになりかねない欠
点があつた。

本考案は、かかる実情に鑑み、オンライン型式
のものであつてもハンガーに付着した塗料を確実
効果的に剥離することができる装置を提供する点
に目的がある。

上記目的を達成すべく案出された本考案による
搬送式塗装設備のハンガー付着塗料自動剥離装置
は、オーバーヘツドコンベヤによる搬送経路中
に、前記オーバーヘツドコンベヤに掛吊りされた
塗装物搬送用ハンガーに側方から高圧水を噴射す
るノズル装置を備えた付着塗料剥離室を形成する
とともに、少なくとも前記ノズル装置に対応する
付着塗料剥離室内には、前記ハンガーの下端部に
係合する又はその両側面に接当してハンガーの横
揺れを阻止した状態で前記オーバーヘツドコンベ
ヤと同期運動して移動するハンガー揺れ止め用コ
ンベヤを設けてあることを特徴構成とする。

このような特徴構成を有する本考案による装置
によれば、オーバーヘツドコンベヤに掛吊りされ
たままのハンガーに対して前記ノズル装置を介し
て側方から高圧水を噴射することにより、ハンガ
ーに付着した塗料に高周波の振動を与えるととも
に、それによつて一部が剥れかかつた塗料とハン
ガー表面との界面に高圧水を噴射エネルギーによ
り勢い良く侵透させて剥離を進行でき、もつてハ
ンガーに堅くこびり着いた塗料であつてもこれを
確実に剥離することができる。しかも、このよう
な付着塗料の剥離を行なう室内に進入したハンガ
ーは、オーバーヘツドコンベヤと同期連動して移
動するハンガー振れ止め用コンベヤにより高圧水
噴射に拘わらず横揺れが阻止されるので、高圧水
の噴射エネルギーを十分に大にして塗料剥離の確
実化を促進できるとともに、特に揺れが大きい小
物、軽量物の搬送用ハンガーを対象とする場合に
おいてコンベヤ寿命への悪影響を回避することが
できる。従つて、塗装物の大きさや重量に拘わら
ず、また、塗装作業全体からみて非常に合理的な
オンライン型式のものであつてもハンガーに付着
した塗料を確実にかつ効果的に剥離することがで
きるに至つたのであり、特にハンガー通電による
電着塗装設備の場合においては電着塗装自体を極
めて安定化できて有用である。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する
と、第１図は後述するハンガー付着塗料自動剥離
装置Ａをオンラインの形で設けた塗装設備全体の
概要であり、Ｂは塗装物に対する洗浄前処理装
置、Ｃは塗装ブースここでは手動又は自動静電塗
装が行なわれる。Ｄは焼付乾燥炉、Ｅは塗装焼付
乾燥後の製品をハンガーから自動卸しするアンロ
ード場、Ｆは被塗物をハンガーに自動積載するロ
ード場であり、これら各部Ａ，Ｆ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，
Ｅに亘つて、オーバーヘツドコンベヤ１がループ
状に架設されている。

前記オーバーヘツドコンベヤ１は第２図、第３
図で明示の如く、建物の天井部等に多数のステー
１ａにて固着支持されたレール１ｂに多数のトロ
リー１ｃを介してコンベヤチエーン１ｄを駆動走
行自在に転載させてなるものであり、前記コンベ
ヤチエーン１ｄの走行方向に適当間隔を隔てて位
置するトロリー１ｃに塗装物搬送用ハンガー２が
掛止吊設されている。

前記ハンガー付着塗料自動剥離装置Ａは次のよ
うに構成されている。

即ち、第４図及び第５図の如く、平面視におい
てほぼＵ字形に形成された前記オーバーヘツドコ
ンベヤ１の屈曲部全周を覆う状態に構成された箱
型本体ケーシング４Ａをもつて付着塗料剥離室４
を形成し、この付着塗料剥離室４の入口部及び出
口部には高圧水噴射音及びエアーブロー音の吸音
作用を行なうように全周壁を吸音材料から形成し
た消音室７及び７′を連設するとともに、前記付
着塗料剥離室４には、前記ハンガー２に対し側方
から高圧水を噴射する回転式ノズル装置３と、高
圧水噴射後のハンガー２に対し側方から高圧エア
ーを吹付けて付着水分を除去する回転式エアーブ
ロー装置８及び、エアーブローにより発生した霧
状水分を室外に排出する排気用送風機６が夫々設
けられ、かつ、前記付着塗料剥離室４内の底部と
室４外の床面とに亘つて、第６図、第７図で示す
ように、溝型レール５ａとトロリー５ｂ付きのコ
ンベヤチエーン５ｃとからなり、トロリー５ｂか
らそれの横一側方には前記ハンガー２の下端部分
２′に係合することによりハンガー２の横揺れを
阻止する係合用アタツチメント５ｄが突設された
ハンガー揺れ止め用コンベヤ５がループ状に、か
つ、前記オーバーヘツドコンベヤ１と同期連動し
て移動する状態に掛張させてある。

図中９は前記ノズル装置３の回転駆動用モー
タ、１０は前記エアーブロー装置８の回転駆動用
モータ、１１は高圧水供給用プランジヤーポンプ
であり、また１２は本体ケーシング４Ａの側壁面
に形成の口４Ｂを通じて前記付着塗料剥離室４に
出し入れ自在な剥離塗料受台車であり、１３は前
記口４Ｂの開閉扉である。

尚、別の実施例として第８図で示すように、前
記付着塗料剥離室４内に、前記ハンガー２下端部
分２′の移動径路両側面に接当する一対のコンベ
ヤチエーン５ｃ，５c′を設けて前記のハンガー揺
れ止め用コンベヤ５を構成するも良く、その他オ
ーバーヘツドコンベヤ１と同期連動して移動する
ものであればいかなる形態のものであつても良
い。

また、ノズル装置３をハンガー２移動経路の両
側に設けるも良い。

更に、前記ノズル装置３及びエアーブロー装置
８は必ずしも回転式のものである要はなく、か
つ、回転式の場合の回転駆動機構としてはモータ
に限られず、噴射の反動による自転式のものであ
つても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は塗装設備全体のレイアウト、第２図、
第３図はオーバーヘツドコンベヤの拡大側面図と
縦断正面図、第４図、第５図は要部の斜視図と横
断面図、第６図、第７図はハンガー揺れ止め用コ
ンベヤの拡大平面図と縦断正面図、第８図は別の
実施例を示す要部の拡大平面図である。 １……オーバーヘツドコンベヤ、２……ハンガ
ー、３……ノズル装置、４……付着塗料剥離室、
５……ハンガー揺れ止め用コンベヤ、６……排気
用送風機、７，７′……消音室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 オーバーヘツドコンベア１による搬送経路中
   に、前記オーバーヘツドコンベヤ１に掛吊りさ
   れた塗装物搬送用ハンガー２に側方から高圧水
   を噴射するノズル装置３を備えた付着塗料剥離
   室４を形成するとともに、少なくとも前記ノズ
   ル装置３に対応する付着塗料剥離室４内には、
   前記ハンガー２の下端部に係合する又はその両
   側面に接当してハンガー２の横揺れを阻止した
   状態で前記オーバーヘツドコンベヤ１を同期連
   動して移動するハンガー揺れ止め用コンベヤ５
   を設けてあることを特徴とする搬送式塗装設備
   のハンガー付着塗料自動剥離装置。 前記付着塗料剥離室４が高圧水噴射により発
   生した霧状水分の室外排出を行なう排気用送風
   機６を備えたものである実用新案登録請求の範
   囲第項に記載の搬送式塗装設備のハンガー付
   着塗料自動剥離装置。 前記付着塗料剥離室４がそれの入口部及び出
   口部に消音室７，７′を備えたものである実用
   新案登録請求の範囲第項に記載の搬送式塗装
   設備のハンガー付着塗料自動剥離装置。