JPS6232242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車計器の透過照明用プリズム（導
光板）に関するものであり、特に光を積極的に取
り入れるためにプリズムの入射部分及び反射部分
に工夫を加えたものである。

〔従来の技術〕

第４図及び第５図に示すように、従来のプリズ
ム１では、２つの焦点を有する楕円軌跡の一方の
焦点から出た光が楕円状曲線部分で反射して他方
の焦点に到達するという性質を利用するために、
プリズム１の所定位置に２つの楕円軌跡に添つて
複数の楕円状曲線部分６ａ，６ｂを形成し、これ
ら２つの楕円軌跡の各一方の焦点を共通にしてプ
リズム１の中心穴５に設定すると共に、両側に位
置する各他方の焦点にそれぞれランプ７が配置さ
れている。そして、両側のランプ７からの光は、
プリズム１の両側端に形成した円弧状凹部分より
なる各入射部分３から入つた後、第４図の中で一
点鎖線で示された各楕円状曲線部分６ａ，６ｂで
反射して光の集まる中心穴５の方向に進み、この
中心穴５の周縁に円錐テーパ状に形成された曲面
反射部分４の円周上の45゜にカツトされた曲面で
反射し、上方（指針側）に進むように設計されて
いた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上述した従来のプリズムでは、各照
明用ランプ７から出た光のうち、直接、光の集ま
る中心穴５に向かう光の反射構造に欠点があつ
た。即ち、中心穴５周縁に沿つて円錐テーパ状に
形成した曲面反射部分４の円周上で45゜にカツト
された反射面が曲線的に変化しているために、ラ
ンプ７より放射され一点鎖線で示された楕円状曲
線部分６ａ，６ｂで反射した後中心穴５に向つて
来る光に対しては、曲面反射部分４の反射面に対
して入射角が45゜になり有効であるが、ランプ７
よりの光は放射状に放出され、入射部分３より直
接光の集まる中心穴５の付近に向かつて来る光の
大部分は、中心穴５の中心より若干ずれた角度で
曲面反射部分４に入射するので、入射角が45゜と
ならず上方に反射することができず有効的ではな
かつた。

〔目 的〕 そこで、本考案は上記の欠点を解消するため、
特に入射部分より直接光の集まる中心穴の付近に
向かつて来る光をプリズムに入射平行光線にし
て、平行光線が当たる中心穴の反射面を平面形状
で45゜にカツトすることによつて、入射角を45゜
一定にするものである。すなわち、入射部分の一
部分に、ある曲率半径をもつた凸レンズ形状部分
を設けることによつて、入射光をこの凸レンズ形
状部分によつて平行光線にし、次に中心穴の反射
部分においては、平行光線が当たる部分について
は、反射面を平行光線に対して入射角が45゜一定
となるように平面でカツトすることにより、従来
の構造によつて得られる光と今回の構造によつて
得られる光とを併用することによつて、照明用ラ
ンプによる光を積極的に有効利用することを目的
とする。

〔実施例〕

以下本考案を図に示す実施例について説明す
る。第１図乃至第３図において、アクリル板等の
透明樹脂板よりなるプリズム１の両側端の光の入
射部分３は、照明ランプ７からの光が入射する円
弧状凹部分３ａと、入射光を平行光線とするため
の凸レンズ形状部分８とからなつている。ランプ
７からの円弧状凹部分３ａを通る入射光は、入射
部分３の両側およびプリズム１の中心５より所定
距離隔てた位置に、入射部分３側（ランプ７の配
置位置）を一方の焦点とする楕円軌跡に沿つて形
成した一点鎖線で示す楕円状曲線部分６ａ，６ｂ
で反射し、楕円軌跡の他方の焦点位置に形成した
光の集まる中心穴５（指針軸を通す部分）に向か
い中心穴５周縁の反射部分２で上方（指針側）に
反射する。一方、凸レンズ形状部分８よりの平行
光線も光の集まる中心穴５に向かい、同じように
反射部分２で上方に反射して行く。この反射部分
２は、楕円状曲線部分６ａ，６ｂで反射してきた
光を反射するための円周上に45゜でカツトされた
円錐テーパ状の曲面反射部分４と、ある幅で平面
に45゜でカツトされ凸レンズ形状部分８よりの平
行光線を反射するための平面反射部分４ａとから
なつている。また、各楕円状曲線部分６ａ，６ｂ
は、各ランプ７の配置位置および中心穴５の各中
心位置を焦点として設定し、計算によつて出され
た楕円曲線の形状になつている。

これにより、照明用ランプ７による入射光を、
凸レンズ形状部分８を利用して平行光線として、
この平行光線を平面に45゜でカツトされた平面反
射部分４ａで反射させ上方に取り出すことができ
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案においては、プリズム
への入射光の一部を凸レンズ形状部分を利用して
平行光線にして取り出すことができ、かつ従来の
楕円状曲線部分の構造と組合わせることによつて
一層入射光を有効に利用することができるという
優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案プリズムの一実施
例を示す平面図および縦断面図、第３図は上記実
施例における反射部分の拡大平面図、第４図およ
び第５図は従来プリズムの平面図および縦断面図
である。 １…プリズム、２…反射部分、３…入射部分、
３ａ…円弧状凹部分、４…曲面反射部分、５…光
の集まる中心穴、６ａ，６ｂ…楕円状曲線部分、
７…照明用ランプ、８…凸レンズ形状部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリズムの入射部分に、円弧状凹部分と、凸レ
   ンズ形状部分とを形成し、かつプリズムの所定位
   置に、前記円弧状凹部分を通つた光を中心に向つ
   て反射させるため前記入射部分側を一方の焦点と
   する楕円軌跡に沿つて形成した楕円状曲線部分を
   設け、さらに前記楕円軌跡の他方の焦点に位置す
   る前記プリズムの中心穴周縁の反射部分に、前記
   楕円状曲線部分で反射された光を上方に向つて反
   射させる円錐テーパ状の曲面反射部分と、前記凹
   レンズ形状部分よりの平行光線を上方に向つて反
   射させる平面反射部分とを形成したことを特徴と
   する自動車計器用プリズム構造。