JPS6232110B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、輪転印刷機の運転初めにおいて、初
期見当合せのために試し刷りをすることなく、刷
り始めから各色の見当（レジスター）を合せ、手
動による見当合せ作業を省略し、直ちにレジスタ
ーコントローラーのセツトアツプが出来るように
することを目的とするものである。

従来、初期見当合せのため試し刷りを行い、目
視によつて見当ずれをチエツクし、各版胴のセツ
ト位置を変更したり、レジスターロールを移動し
印刷ユニツト間のウエブの長さを調整したり、或
いはこれら両方式を併用する方式がとられてい
る。

しかし乍ら、これらの方式では、 (1) 試し刷りを行い見当ずれをチエツクしなけれ
ばならない。

(2) 経験と感により、版胴のセツト位相或いは印
刷ユニツト間のウエブ長さを調整しなけれをな
らない。

(3) 版胴直結駆動の機械では、版胴位相を変える
為に機械を停止しなければならない。

等の不具合を免れなかつたため、実公昭51−
28161号公報に記載されている如く、レジスター
ロール位置を機械的に目盛盤上に指示し、手動ハ
ンドルによつて予め版胴間を通る紙のパス量が版
胴周長の整数倍になるようにレジスターロール位
置をセツトし、かつ版胴はスプライン式カツプリ
ング等によつて駆動軸に連結するようにしたもの
も提案されてはいるが、この方式に於ては、 (1) 機械構造上目盛盤巾に制約を受ける上、アナ
ログ表示となるため、初期見当精度が悪く、目
視によるチエツク、手動調整が不可欠である。

(2) プリセツトの為にハンドルを手で回す必要が
あり、又レジスターコントロール用のレジスタ
ーモーターをレジスターロール移動機構より切
り離す必要もあり、操作が煩雑となる上、機構
も複雑となる。

(3) スプライン式カツプリング等のため、各版胴
の位相合せ精度が悪い。

さらに、特開昭52−21904号公報に記載されて
いる如く、各版胴間の距離を測定しておき、基準
版胴を基準として調整すべき版胴の位相を調整す
るようにしたものも提案されている。しかし、こ
の方式では、 (1) プリセツトに当つては、基準版胴の基準位置
に合せて調整すべき版胴の位相を調整しなけれ
ばならず、調整に時間がかかると共に、版胴を
360゜どの位置にも正確に位置調整することは
極めて困難である。

(2) 基準位置はリミツトスイツチ或いは近接スイ
ツチで検出する為、基準位置の繰返し精度が悪
い。

さて、一般論としては、理論上全ての版胴を同
一位相にセツトし、かつ各印刷ユニツト間のウエ
ブパス長を版胴周長の整数倍にすれば各印刷ユニ
ツト間の見当は合うことになる。

従つて第１図において、印刷ユニツト間の基準
とするウエブ長（点ａからロール３，４，６を経
て点ｃに至る長さ）をLo（mm）、版胴１の周長を
ｃ（mm）とすれば、レジスターロール４の基準位
置ｂ点より、次式で求められるＸ（mm）の位置５
にレジスターロール４を移動すればよいことにな
る。

Ｘ＝ＣＮ−Ｌｏ／２（mm） …(1) Ｎ：印刷ユニツト間に収められる印刷ピツチ数
で正の整数をとる。

本発明は叙上の理論に基いて構成したものであ
る。

以下添付図面を参照して説明する。

１は版胴、２は版胴１と対向する圧胴、３及び
６はウエブパスを平行とする為のガイドロールで
ある。４，５はレジスターロールで、４は該ロー
ルの基準位置、５はセツト位置にある状態を表
す。７はウエブで、版胴１と圧胴２との間で１色
目が印刷され、ガイドロール３→レジスターロー
ル５→ガイドロール６を経由して２色目の版胴１
と圧胴２間に供給され、２色目が印刷される。

版胴１は傘歯車１２、電磁クラツチ８並びに歯
車１３を介して版胴駆動軸１５より駆動される。
圧胴２は空圧等により版胴１に押し付けられてい
る。

９は版胴１の位相決め用ルーペで、版胴１上に
製版されたクロスマーク（トンボ）をルーペ９で
合せるようになつている。

レジスターロール５は、レジスターモーター１
０により傘歯車箱１２を介し、送りネジ１４を駆
動し、上下に移動できる構造となつている。又レ
ジスターモーター１０の反対側にパルス発生器１
１が取付けられ、送りネジ１４のピツチに対応し
た90゜位相差の２つのパルスを発生し、加減算カ
ウンター１６に供給される。

該カウンター１６においては、90゜位相差の２
つのパルスによつてパルス発生器１１の回転方向
を判別し、加算或いは減算が行われ、レジスター
ロール５の位置を記憶し、表示器１７に表示され
る。又、カウンタ１６の値と設定器１８の設定値
とをカウンタ表示器１７により比較し、両者が一
致したとき、ワンシヨツトパルスを発生し、レジ
スターモーター１０を停止させる。

１９は選択スイツチで、レジスターロール５の
位置のプリセツトに際して、レジスターモーター
１０の回転方向を決定するものである。２０はモ
ーター始動スイツチで、プリセツトの開始を指示
する為のモーター始動用押釦スイツチである。

以上の構成であるから、前記(1)式で求められた
値Ｘ（mm）をカウンター１６の設定器１８にセツ
トし、カウンター表示器１７のレジスターロール
の現在位置とプリセツト値Ｘを比較して、レジス
ターモーターの回転方向、即ちレジスターロール
４の上昇或いは下降選択スイツチ１９によつてモ
ーター１０の回転方向を決定する。プリセツト用
モーター始動スイツチ２０を押すと、レジスター
ロール５はプリセツト値の方向に移動し、プリセ
ツト値になると、自動的に停止する。

一方各印刷ユニツトにおいて、電磁クラツチ８
を切り、ルーペ９の直下にクロスマーク（トン
ボ）がくるよう版胴１を回し、再び電磁クラツチ
７を入れる。これで全ての版胴１は同一位相位置
にセツトされる。このときレジスターコントロー
ル中においてもレジスターロール４の位置は常に
加減算カウンター１６上に表示される。

以上本発明によれば、各版胴１……の位相を正
確に合致させることができ、しかもレジスターロ
ールの位置は常にデイジタル表示されている為、
セツト値に個人差がなく、初期見当合せ精度が飛
躍的に向上し、レジスターコントローラーのセツ
トアツプが可能となる。

又、プリセツトは設定器による設定と押釦スイ
ツチの操作のみですみ、プリセツト操作は迅速か
つ容易となると共に、常にレジスターロールの位
置がカウンター表示器に表示・記憶されている
為、現在位置よりプリセツト位置へ直接移行する
ことができ、プリセツト時間の大巾な短縮が可能
となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は輪転印刷機における版胴間の構成を示
す図、第２図は版胴の駆動装置の正断面図、第３
図は第２図の矢視図、第４図はレジスターロー
ル５の移動機構図、第５図は第４図の−矢視
断面図、第６図は加減算カウンター。 図において、１…版胴、２…圧胴、３…ガイド
ロール、４…レジスターロール（基準位置）、５
…レジスターロール（セツト位置）、６…ガイド
ロール、７…ウエブ、８…電磁クラツチ、９…ル
ーペ、１０…レジスターモーター、１１…パルス
発生器、１２…傘歯車箱、１３…歯車、１４…送
りネジ、１５…版胴駆動軸、１６…加減算カウン
ター、１７…カウンター表示器、１８…設定器、
１９…選択スイツチ、２０…モーター始動スイツ
チ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 版胴１と版胴１との間に設けられたレジスタ
   ーロール５の部分において、ウエブパスを平行と
   するガイドロール３，６を配設し、かつレジスタ
   ロール５を移動可能としたものにおいて、レジス
   ターロール５を送りネジ１４を介してレジスタモ
   ータ１０により駆動し、かつ該モータ１０の回転
   軸と同軸にパルス発生器１１を装着すると共に、
   レジスターロール５の移動代を版胴周長Ｃの1/2
   以上とし、レジスターロール５の移動量をパルス
   発生器１１からのデイジタル信号として加減算カ
   ウンター１６に入力して常時レジスターロール５
   の位置を検出しうるようにし、かつ、該レジスタ
   ーロール５の位置がプリセツト時に設定値と一致
   したとき、レジスターモーター１０を停止させる
   ようにしたことを特徴とする輪転印刷機の初期見
   当合せ装置。