JPS6232010Y2

JPS6232010Y2 -

Info

Publication number: JPS6232010Y2
Application number: JP8458184U
Authority: JP
Priority date: 1984-06-06
Filing date: 1984-06-06
Publication date: 1987-08-17
Also published as: JPS60195008U

Description

【考案の詳細な説明】考案の技術分野本考案は医療用機器に係り、詳細には手術用に
用いるメス等の切断手段のうち、特に流体の噴射
によつて切開、切除、切断等を実施するための高
圧流体噴射ハンドピースに関する。

考案の技術的背景近年、各種手術方法に加えて、限定された部位
に対して、加圧流体ジエツトを適用する方法が研
究されている。このような技術は例えばBritish
Journal of Surgery Vol.69 Page93〜94などの先
行文献により知見し得る。加圧流体ジエツトを使
用する方法によれば、圧力と噴射量を適正な範囲
に調整することによつて脈管系等の索状物を切る
ことなく周囲の組織と遊離することが可能である
のみならず、遊離組織を噴射流体と共に施術部位
から排除し得る。そして、その適用範囲は広く、
10MPa等の高圧を用いた切開、切断、1MPaある
いはそれ以下の低圧を用いた剥離、柔軟部位にお
ける実質細胞と索状物との分離、洗浄等において
効果的に利用可能である。使用流体としては生理
的食塩水、アドレナリン溶液、その他生体反応の
ない流体が使用され得る。更に液温を適宜調整す
ることによつて前記操作と同時に冷却または加温
を施すことが可能であるなど、広い用途と多くの
効果を有するものとして研究と実験が進められて
いる。しかし、加圧流体が噴射されて患部に衝突
した際に患部組織の遊離したものと水とが混合さ
れて加圧流体ジエツトによつて激しく撹拌作用を
受けて発泡し、適切な位置の認定を困難にした
り、泡の飛散が周囲を汚損する等の障害が発生す
ることが判つている。これらの障害を克服し、有
効に使用し得るノズル手段を本願出願人は既に提
案した。

背景技術の問題点本願出願人が既に提案したノズル手段によれ
ば、ノズルからの加圧流体の噴射を制御するバル
ブ機構が、ノズル装置、所謂ハンドピースに内蔵
されているもので、機能的には、ハンドピース内
で加圧流体を遮断するために余分な流体がノズル
から不用意に垂れ落ちることが無いことや、バル
ブ機構とノズルチツプが近接しているため流体の
噴射、停止の応答が機敏であるなどの利点を有す
る反面、ハンドピースに配設した操作レバー等に
よつてバルブ制御をしなければならないため操作
上において不安定になるという懸念があつた。か
かる操作上の不備を改良し、バルブ機構をハンド
ピースと別設にした装置も既に本願出願人によつ
て提案されている。ところで、従来のハンドピー
スの別の問題点として、ノズルチツプから術部ま
での間に流体の流線が乱れることが判明した。こ
の問題を第６図に示す従来のハンドピースについ
て説明すると、ノズルチツプ１から噴射された流
体はノズルキヤツプ１１に穿設した噴射孔２１を
通り吸引ノズル４に穿設した噴射孔２４から噴出
するものである。そして、噴射された流体は吸引
ノズル４に穿設された吸引孔３から吸引されて吸
引パイプ５を通つて排出される。ところがノズル
チツプ１のオリフイス２０から噴射された流体は
噴射孔２１及び２４を通る間に空気抵抗等によつ
て一部が霧状に飛散して噴射流体の本来の威力が
損なわれることになる。このような不備を回避す
るために流体の圧力を高めると、索状物まで切断
してしまうため、むやみに圧力を上げることには
問題がある。また、吸引パイプ５に接続した吸引
ホース１４から常時吸引して使用する方法が一般
的に多用されるが、その場合吸引ノズル４から外
に噴出した流体は吸引孔３からの吸引によつてそ
の流線が乱されることがある。特に、流体の吸引
力を高めた場合に顕著にその現象が見られる。前
記した種々の要因を考慮した場合、実際の手術に
適用できるのは極限定された噴射圧力と吸入力と
のバランス領域であり、従つて噴射圧力と吸入力
の微妙な調整を必要とする等、使用上の管理が面
倒であつた。

考案の目的そこで本考案では、種々改良の結果、流体の噴
出位置が極力術部に近接していて、しかも吸引力
に影響されないため調節と操作が容易で、かつ噴
射圧力と吸引力をそれぞれ別々に自由な範囲で設
定可能な効果的なハンドピースを提供するもので
ある。

考案の構成前記目的を達成するために、本考案において
は、ノズルチツプの下流方向に針状のニードル部
を延設して吸引ノズルを貫通して該吸引ノズルの
前端に臨ませて成るものである。

考案の実施例本考案を図示の好適な一実施例に基づいて更に
詳細に説明する。

図において、Ａはハンドピース、Ｖは切り変え
バルブ、Ｐはポンプであり、ホース１３によつて
連結されている。１はノズルチツプであつて下流
方向に延設した針状のニードル部２を具え、該ニ
ードル部２にはノズルチツプ１に穿設した通孔２
２に連通する噴射孔２０を穿設してある。３は、
前記ニードル部２の外周を取り囲んで設けた吸引
ノズル４に穿設した吸引孔である。５は吸引パイ
プであつて、前記吸引孔３に連通する内孔６を有
し、吸引装置Ｃに連結した吸引ホース１４に接続
されている。１０はホルダーであつてノズルチツ
プ１を嵌装し、前部にはキヤツプ１１が、後部に
は把持部１２がそれぞれ配設されると共にホース
１３がねじ込み固定されている。

このような装置において、ポンプＰから吐出さ
れた流体は、バルブＶが開の状態でホース１３を
通つてノズルチツプ１を経て、通孔２２を通り噴
射孔２０から術部にむけて噴射される。一方、吸
引装置Ｃは常時運転されるのが一般的であり、運
転中は吸引ホース１４を介して、術部や周囲の流
体を吸引孔３から吸引する。

ニードル部２について見れば、ノズルチツプ１
と一体に形成するもの、あるいは別々に形成して
ハンドピースＡ内に組み込むもの、何れの形態で
あつても有効に作用するものである。また、ニー
ドル部２の前端は吸引ノズル４の前端２６の近傍
に開口するのが効果的である。吸引ノズル４の吸
引孔３から常時吸引していると前端２６近傍の空
気が吸引孔３に向かつて流動するため、ニードル
部２の噴射孔２０から噴射された流体は前記空気
の流れによつて多少影響を受けることになる。従
つて該ニードル部２は吸引ノズル４の前端２６よ
りも突出している方が前記の影響を少なくするこ
とができるが、実用上においては吸引の際に術部
以外の組織や臓器に傷等の損傷を与えないために
は、前記前端２６と同等かあるいは若干内側に在
るのが効果的である。しかし入り込んだ部位等の
場合にはニードル部２が突出している方が有利で
あることもあるので、その適用部位や適用目的、
あるいはその他の条件によつて最も効果的な形態
で提供されるものである。

吸引ノズル４について見れば、本願出願人が既
に出願した種々の形体の物が何れも効果的に使用
可能である。殊に第４図に示す形状は使用中にお
いて視野が広く術部の確認が容易であるため効果
的である。

考案の効果以上において詳細に述べたように、本考案によ
れば、手術中において流体の噴射圧力と吸引力を
自由な範囲で選択し得るため、最適な手術を実施
し得ると共に、噴射流体がノズルから噴射された
後に吸引ノズルによつて流線が乱されることが無
いため、むやみに圧力を高めたり流量を増加させ
たりする必要が無く、従つて安全に手術を実施す
ることができる等、極めて有用な手術用ハンドピ
ースであると言える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の好適な一実施例を示す縦断側
面図、第２図は本考案の一実施例を示す外観図、
第３図及び第４図は別の実施例を示す縦断側面
図、第５図乃至第７図は従来の装置を示す図であ
る。１：ノズルチツプ、２：ニードル部、４：吸引
ノズル、１０：ホルダー、１１：ノズルキヤツ
プ、１２：把持部、１３：ホース、１４：吸引ホ
ース、２０：噴射孔、２１，２４：噴射孔。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

手術用高圧流体噴射ハンドピースにおいて、ノ
ズルチツプに下流方向に中空針状のニードル部を
延設し、該ニードル部の外周には吸引穴を穿設し
た吸引部材を配設して成る手術用ハンドピース。