JP2613437B2 - 噴射パターン可変機構を具えた手術用ハンドピース - Google Patents

噴射パターン可変機構を具えた手術用ハンドピース

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JP2613437B2 JP63144577A JP14457788A JP2613437B2 JP 2613437 B2 JP2613437 B2 JP 2613437B2 JP 63144577 A JP63144577 A JP 63144577A JP 14457788 A JP14457788 A JP 14457788A JP 2613437 B2 JP2613437 B2 JP 2613437B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は高圧流体の噴射によって切開,洗浄等を行
なうための手術用ハンドピース、特に噴射力の制御の簡
易化に関するものである。
[従来の技術] 近年、各種手術方法を改善するために、限定された部
位に対して加圧流体ジェットを使用する方法が研究され
ており、この方法に使用する手術用ハンドピースは例え
ば特公昭61−24013号公報、実公昭62−13604号公報、実
公昭62−32009号公報、実公昭62−32010号公報等に開示
されている。
この加圧流体ジェットを使用する方法においては、圧
力と噴射量を適正な範囲に調整することによって、脈管
系等の索状物を切ることなく周囲の組織と遊離すること
が可能であるのみならず、遊離した組織を噴射した流体
と共に施術部から排除し得る。そして、その適用範囲は
広く10MPa等の高圧を用いた切開、切断、あるいは1MPa
又はそれ以下の低圧を用いた剥離、柔軟部位における実
質細胞と索状物の分離、洗浄等に利用することができ
る。
手術用ハンドピースを手術に使用する最大の利点とし
ては、第6図に示すようにハンドピースノズル部1から
加圧流体20を手術部位の露出したい血管21のところに噴
射し、第7図に示すように血管21を傷つけずに周囲の実
質22のみを除去しながら血管21を露出することができ
る。この加圧流体20を噴射することにより、血管21の周
囲の実質22を除去する際、血管21と実質22との強度差は
微少であり、状況に応じて加圧流体の噴射力を変える必
要がある。
また、繊細な血管や神経の周囲の実質を除去するとき
は切断という概念よりも洗浄(シャワーリング)の要素
が強く、この場合も加圧流体の噴射力を変える必要があ
る。
この加圧流体の噴射力を制御する方法として、従来は
加圧流体の吐出圧力を制御する方法が一般的であった。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来の加圧流体20の吐出圧力を制御することによ
り、ハンドピースノズル部1から噴射する加圧流体20の
噴射力を変える方法においては、手術中の状況に応じて
加圧流体20の吐出圧力を調整する必要があり、微少な調
整が容易でない。このため第8図に示すように加圧流体
20の噴射力が強すぎて、加圧流体ジェットが直進しすぎ
ると、深部にまで浸透して不都合が生じる短所があっ
た。
この発明はかかる短所を改善するためになされたもの
であり、加圧流体ジェットの噴射パターンを簡単に変化
させることができる噴射パターン可変機構を具えた手術
用ハンドピースを得ることを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] この発明に係る噴射パターン可変機構を具えた手術用
ハンドピースは、先端に吸引口を有しハンドピース本体
から突出して設けられた吸引パイプと、先端にオリフィ
スを有し上記吸引パイプ内に配設されたノズルパイプ
と、このノズルパイプのオリフィスの上流側に配設さ
れ、ノズルパイプの軸方向に位置を可変できる乱流発生
体と、ハンドピース本体に取付けられ、一端を乱流発生
体に連結されて乱流発生体の位置を調整する位置調整機
構とを具えたことを特徴とする。
[作用] この発明においては、ノズルパイプの先端オリフィス
に対する乱流発生体の位置を変えることにより、ノズル
パイプ内の乱流発生位置を変化させて、オリフィスに流
入する加圧流体の流れを変えて、加圧流体の噴射パター
ンを変化させる。したがって前記課題を解決することが
できる。
[実施例] 第1図はこの発明の一実施例の構造を示す縦断側面図
である。図に示すようにハンドピースノズル部1はハン
ドピース本体2から突出して設けられた吸引パイプ3
と、吸引パイプ3内に配設されたノズルパイプ4とから
なる。吸引パイプ3にはその先端面と先端部側面に吸引
口5,6が設けられている。ノズルパイプ4はパイプホル
ダ7によりハンドピース本体2の先端部に固定され、そ
の内部にハンドピース本体2の加圧流体通路8と連通し
た通孔9を有する。このノズルパイプ4の先端部にはオ
リフィス10を有するノズルチップ11が設けられ、ノズル
チップ11の上流側の通孔9内に、第2図に示すように折
曲げた線材からなる乱流発生部12を先端に有する乱流発
生体13が配設されている。この乱流発生体13の後端部は
ハンドピース本体2に螺合された位置調整機構14に連結
され、位置調整機構14を操作することにより乱流発生体
13の乱流発生部12がノズルパイプ4の通孔9内を前後退
するようになっている。なお第1図においては加圧流体
通路8のバルブ等は省略してある。
上記のように構成された手術用ハンドピースに加圧流
体を送ると、ノズルパイプ4の通孔9を通る加圧流体は
乱流発生体13の乱流発生部12で乱流15を発生する。そこ
で、位置調整機構14を操作して、乱流発生部12を、第2
図に示すようにノズルチップ11の近くに近づけると、発
生した乱流15はそのままノズルチップ11のオリフィス10
を通って噴射される。このため、噴射される加圧流体20
の噴射角θは大きなものとなり、噴射エネルギが分散さ
れて術部に与える力が小さくなる。
逆に、位置調整機構14を操作して乱流発生部12をノズ
ルチップ11から次第に離れるようにすると、オリフィス
10から噴射される加圧流体20の噴射角θが次第に小さく
なり、第3図に示すように乱流発生部12をノズルチップ
11から遠ざけると、乱流発生部12で発生した乱流15はノ
ズルパイプ4の通孔9内で再び整流されて層流16とな
る。この層流16がオリフィス10を通って噴射されるとき
は、その噴射角θはほほ零となり、エネルギ密度の大き
いジエット流となり、術部に大きな噴射力を与える。
したがって加圧流体20の吐出圧力は一定としたままで
乱流発生部12のノズルチップ11に対する位置を変えるだ
けで洗浄等に利用する弱い噴射力から切断等に利用する
強い噴射力まで可変することができ、効率の良い手術を
行なうことができる。
なお、上記実施例においては乱流発生体13の乱流発生
部12を折曲げた線材により形成した場合について説明し
たが、第4図に示すように板材をスパイラル状に曲げて
乱流発生部12aを形成した乱流発生体13や、第5図
(a)の正面図、(b)の側面図に示すように円柱表面
に斜めのみぞ16を複数個設けて乱流発生部12bを形成し
ても、上記実施例と同様な作用を奏することができる。
[発明の効果] この発明は、以上説明したようにノズルパイプの通路
内に乱流発生体を設け、ノズルパイプの先端オリフィス
に対する乱流発生体の位置を変えることにより、ノズル
パイプ内の乱流発生位置を変化させて、オリフィスに流
入する加圧流体の流れを変えて加圧流体の噴射パターン
を変えるようにしたので、簡単な操作で加圧流体の弱い
噴射力から強い噴射力までを精度よく得ることができ
る。
また、ハンドピースから噴射する加圧流体の噴射力を
微好に調整できるため、ハンドピースの利点をより高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例の構造を示す縦断側面図、第
2図、第3図は各々上記実施例のノズルパイプ先端部を
示す部分断面図、第4図は他の実施例に係る乱流発生体
を示す側面図、第5図(a),(b)は第3の実施例に
係る乱流発生体を示し(a)は正面図、(b)は側面
図、第6図、第7図及び第8図は各々ハンドピースの動
作を示す説明図である。 1……ハンドピースノズル部、2……ハンドピース本
体、3……吸引パイプ、4……ノズルパイプ、5,6……
吸引口、8……加圧流体通路、9……通孔、10……オリ
フィス、11……ノズルチップ、12,12a,12b……乱流発生
部、13……乱流発生体、14……位置調整機構。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧流体を噴射する手術用ハンドピースに
    おいて、先端に吸引口を有しハンドピース本体から突出
    して設けられた吸引パイプと、先端にオリフィスを有し
    上記吸引パイプ内に配設されたノズルパイプと、該ノズ
    ルパイプ内のオリフィス上流側に配設され、ノズルパイ
    プの軸方向に位置を可変できる乱流発生体と、ハンドピ
    ース本体に取付けられ、一端を上記乱流発生体に連結さ
    れて乱流発生体の位置を調整する位置調整機構とを具え
    たことを特徴とする噴射パターン可変機構を具えた手術
    用ハンドピース。
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