JPS6230642Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は燃焼中に石油ストーブが転倒した場
合に、高温の燃焼筒を火皿部より確実に離脱さ
せ、火災の危険を未然に防止すると共に消火時間
を短縮させることを目的としたものである。

即ち従来のこの種の石油ストーブでは、燃焼筒
が比較的小さくてずんどうに近い安定した形状で
あつて下部も外方に拡がらずストレートで良いの
で実公昭52−17779号公報或いは実公昭57−2806
号公報に開示されているように、器具本体前面の
ガードに離脱体を設けたり或いは燃焼筒の把手杆
をガードの横杆より突出させることで、器具本体
の転倒時に燃焼筒を火皿部より確実に離脱させて
いた。

しかし近年第１図及び第２図に示す如く、器具
本体は従来通りで燃焼筒ａのみを高くし、その放
熱面積を広くしたものが提供されるに至つては、
燃焼筒ａが比較的高くて従来のように下部までス
トレートの径にしていたのでは、安定性が悪くす
ぐに転倒する危険があり、下部に他より大きく外
方に拡がつた載置部ｂを備えることでこれを防止
していたが、器具本体の前方への転倒時に、前記
した燃焼筒ａの載置部ｂが燃焼機構部ｃ上端の火
皿部ｄと透孔ｅを有した下反射板ｆとの間に入つ
て該下反射板ｆに引つ掛り、燃焼筒ａが火皿部ｄ
から離脱出来ず、火皿部ｄから漏れ出た燃油が高
温の燃焼筒ａに接触して燃えあがり火災の原因と
なつたり、或いは燃焼筒ａの熱が火皿部ｄに伝わ
り消火時間が長くなるなどの不具合を有するもの
であつた。

この考案は上記のような欠点を解消しようとす
るものである。

次にこの考案の実施例を示す第３図〜第５図に
ついて説明すれば、１は横長方形で下皿２上に固
定された枠体で、内方に正反射板３と大径の透孔
４を有した下反射板５とガード６とで囲んだ熱気
の放熱を行う前面開放形の燃焼室７を形成すると
共に、下反射板５で仕切られた下方には芯上下式
の燃焼機構部８を備えている。前記燃焼機構部８
は、燃油を貯溜した主タンク９と、該主タンク９
に連設し燃芯１０を上下動自在に内外方から案内
する芯案内筒１１と、該芯案内筒１１上端部とこ
の芯案内筒１１外周で外方に拡がつた案内板１２
上端部とで形成され透孔４より小径で且つ該透孔
４より露呈した火皿部１３等から構成されている
ものである。

１４は大半を燃焼室７内方に位置させ乍ら透孔
４を介して燃焼機構部８上端の火皿部１３上に着
脱自在に載置された比較的高さが高い複筒式の燃
焼筒で、多数の小孔を穿ちた内筒１５と、該内筒
１５より低身で内筒１５外方に一定間隔を介して
備えられた多数の小孔を穿ちた中筒１６と、該中
筒１６及び内筒１５を覆いこれらの赤熱を外方に
放射する耐熱性熱透過物質から成る透明筒１７
と、該透明筒１７下端を上部に載置すると共に下
部は外方に拡がつて案内板１２上端の火皿部１３
上に載置され燃焼筒１４を安定した倒立状態に保
持する載置部１８と、該載置部１８とで透明筒１
７を上下から挾み込んで固定するように中央を内
筒１５上端に固着され乍ら備えられた支持板１９
等から構成されている。

２０は下反射板５の透孔４を形成する周縁部の
前面側一部に他より下方に突出して設けられた先
細状の係合防止壁で、その下端は火皿部１３と同
等か或いは該火皿部１３より下方まで延び、器具
本体の前方への転倒時燃焼筒１４の載置部１８が
下反射板５に引つ掛ることを防止するものであ
る。

２１は芯案内筒１１内に備えられた燃芯１０を
上下動させ火力を調節する火力調節ハンドルであ
る。

２２は主タンク９を下皿２上に固定する脚体で
ある。

以上の如くこの実施例は構成されるものであ
り、今何らかの原因で器具本体が前方に転倒した
場合先ずこれを燃焼機構部８に備えられた芯降下
機構（図示せず）が感知して瞬時に燃芯１０を降
下させ、燃焼を停止させる。

更に燃焼筒１４は器具本体の転倒と同時に第４
図に想像線で示す如く、稍浮き乍ら下反射板５の
係合防止壁２０に当接した後、実線で示すように
燃焼室７上方に移動し火皿部１３からは遠く離れ
るものである。

従つて燃焼筒１４は係合防止壁２０によつて、
下反射板５に引つ掛ることを防止され確実に火皿
部１３から離脱出来るので、転倒した芯案内筒１
１から漏れ出た燃油が高温の燃焼筒１４に接触し
て燃えあがり火災の原因になるような危険は全く
なく安心であり、又高温の燃焼筒１４が火皿部１
３より離れるので、この燃焼筒１４の熱が火皿部
１３を介して芯案内筒１１に伝わることもなく、
火皿部１３は直接外気と接し温度を急激に下げて
燃芯１０の消火をスムーズにしかも短時間に行う
ことが出来るものである。

尚器具本体が後方に転倒した場合には、下反射
板５の透孔４の後方は一部切りのぞかれているの
で、燃焼筒１４は直ぐ後方に位置した平坦な正反
射板３に沿つて移動し、火皿部１３から離脱する
ものである。

以上の如くこの考案は、下反射板５に設けた透
孔４より露呈する燃焼機構部８上端の火皿部１３
に、外方に拡がつた載置部１８を下部に備えた燃
焼筒１４を着脱自在に載置するものに於いて、前
記下反射板５の透孔４前面側には器具本体の前方
への転倒時燃焼筒１４の載置部１８が下反射板５
に引つ掛ることを防止する係合防止壁２０を設け
たものであるから、器具本体の転倒時燃焼筒は係
合防止壁によつて、下反射板に載置部が引つ掛る
ことを防止され確実に火皿部より離脱することが
出来るので、従来の如く下反射板に載置部が引つ
掛ることで高温の燃焼筒が火皿部より離脱出来な
い為に、火皿部より転倒時漏れ出た燃油がこの高
温の燃焼筒と接触して燃えあがり火災の原因にな
つたり、或いは燃焼筒の熱が火皿部に伝わり消火
時間が長くなるなどの不具合はなく、安心して使
用出来ると共に転倒時の消火時間も極めて短かく
て済み安全でありしかも構造も下反射板の透孔前
面側に係合防止壁を設けるだけの極めて簡単なも
ので良く安価で済むものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の石油ストーブの要部縦断面図、
第２図は第１図の転倒状態を示す同断面図、第３
図はこの考案の実施例を付した石油ストーブの要
部縦断面図、第４図は第３図の転倒状態を示す同
断面図、第５図は同要部斜視図。 ４……透孔、５……下反射板、８……燃焼機構
部、１３……火皿部、１４……燃焼筒、１８……
載置部、２０……係合防止壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下反射板５に設けた透孔４より露呈する燃焼機
   構部８上端の火皿部１３に、外方に拡がつた載置
   部１８を下部に備えた燃焼筒１４を着脱自在に載
   置するものに於いて、前記下反射板５の透孔４前
   面側には器具本体の前方への転倒時燃焼筒１４の
   載置部１８が下反射板５に引つ掛ることを防止す
   る係合防止壁２０を設けた事を特徴とする石油ス
   トーブ。