JPS6229914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は貯蔵室内に冷気を吐出して該室内を冷
却すると共に該貯蔵室内の温度によつて冷気量を
調節するダンパーサーモスタツトを設けた冷蔵庫
等の温度調節装置に関する。

(ロ) 従来技術 一般的此種冷蔵庫１を第１図に示す。冷蔵庫１
は前方に開口せる断熱箱体２の庫内の仕切壁３に
て上下に仕切り、上方に凍結温度に冷却される冷
凍室４と下方に氷点以上に維持される冷蔵室５が
形成される。仕切壁３内には冷凍サイクルに含ま
れる蒸発器６が収納配設され、この蒸発器６によ
つて冷却された空気を送風機７によつてダクト
８，９を通り冷凍室４と冷蔵室５に吐出して両室
４，５を冷却する。冷蔵室５の背壁５ａ上部には
ダクト９に連通した冷気導入口１０が開口し、こ
の冷気導入口１０の下方の背壁５ａには冷蔵室５
内の温度を感知して冷気導入口１０を自動開閉す
るダンパーサーモスタツト１１が設けられる。

第７図はダンパーサーモスタツト１１部分の従
来構造の拡大断面図を示している。ダンパーサー
モスタツト１１は一般的なものであり、ガスを封
入したベローズ等を内蔵して冷気導入口１０下方
の背壁５ａに形成した凹所１２内に収納される本
体１３と、本体１３より上方前方に延出したアー
ム１４先端に取り付けられ冷気導入口１０前方に
位置し、前後に移動して導入口１０を開閉するバ
ツフル板１５と、本体１３より下方に延びるベロ
ーズに連通したキヤピラリチユーブ３３の先端に
形成した感温部１６とから成る。１００はダンパ
ーサーモスタツト１１を隠蔽する従来のケースで
あり合成樹脂等を成形して構成され、上部の前方
及び左右に冷気導入口１０と連通する吹出口１０
１と下端にスリツト状を成し冷蔵室５に連通する
感温部収納室１０２を形成している。ケース１０
０内部には成形断熱材１０３が収納される。断熱
材１０３は吹出口１０１と冷気導入口１０の開口
するバツフル板１５の動作空間１０４を形成し、
また下端は感温部収納室１０２の上壁となつてい
る。１７はケース１００及び断熱材１０３を貫通
して本体１３より前方に突出する設定温度調節用
の摘みである。ダンパーサーモスタツト１１は冷
蔵室５の所定の上限温度で冷気導入口１０を開
き、下限温度で閉じて冷気流入量を調節し、冷蔵
室５内を所定冷蔵温度範囲内に維持する。

ダンパーサーモスタツト１１の感温部１６は冷
蔵室５内の循環冷気の温度を感知するのが望まし
く、冷気導入口１０からの直接の漏れ冷気に晒さ
れると実際の冷蔵室５の温度よりも低い温度を感
知してしまう欠点がある。その為従来ではケース
１００端縁及び断熱材１０３と冷蔵室５の背壁５
ａ間にシール材を挿設して冷気導入口１０からケ
ース１００内を直接流下して来る冷気を妨げてい
るが、アーム１４やキヤピラリチユーブの挿通部
分や、断熱箱体の成形歪み等によつて生ずる隙間
から流下する低温冷気によつて感温部１６が冷却
されて誤動作をする欠点を有していた。

(ハ) 考案の目的 本考案は貯蔵室に吐出される冷気量を調節する
ダンパーサーモスタツトの誤動作を防止する構造
を簡単な構成で提供すると共に貯蔵庫内壁への取
りつけの簡単な構成を提供する事を目的とするも
のである。

(ニ) 考案の構成 本考案は、貯蔵室内壁に冷気導入口を設け、こ
の冷気導入口の下方にダンパーサーモスタツトを
配設し、このダンパーサーモスタツトは内部に断
熱材を有したケースにて被覆し、前記ダンパーサ
ーモスタツトは本体とこの本体から上方に延在し
て前記冷気導入口を開閉するバツフル板と前記貯
蔵室内の冷気に晒される様に前記ケース内下部に
延左した感温部とから成り、この感温部の後方に
は前記断熱材の一部が位置すると共にこの断熱材
の一部の後方には下端が貯蔵室に開口した漏洩冷
気通路を設け、前記ケースは前記感温部の収納部
に対応して前記ケースの前壁部に開閉可能な蓋を
設けた構成である。

(ホ) 実施例 第２図乃至第６図で実施例を説明する。尚、冷
蔵庫としては第１図の冷蔵庫１を用い、また、図
中同一符号のものは同一であるので説明を省略す
る。第２図はダンパーサーモスタツト１１部分の
本願の構造の拡大断面図、第３図は本願のケース
２０の斜視図、第４図は同断熱材２１の前方斜視
図、第５図は同背方斜視図である。ケース２０に
は従来同様吹出口２２と摘み１７を貫通する透孔
２３、更に本考案では下端前部にスリツト部２４
及びその後方に左右に亙る切欠部２５が形成され
ている。断熱材２１には吹出口２２に対応する開
口部２６とそれと連通しバツフル板１５の移動空
間３９を形成する凹所２７、アーム１４を挿通す
る切欠２８、本体１３に対応した凹所２９、摘み
１７の貫通する挿通孔３０、キヤピラリチユーブ
３３を挿通する切欠３１，３４及び通路３２、ま
た、背壁５ａと間隔を保持して左右に亙る冷気通
路３５を形成する切欠部３６、スリツト部２４に
対応して感温部収納室３７を形成する切欠部３８
が形成され、例えば発泡性合成樹脂によつて成形
される。感温部１６は収納室３７内に導入装設さ
れ、また、断熱材２１はケース２０下端に至つて
いるので感温部１６の後方には収納室３７の後壁
となるように断熱材２１の一部が存在し、この部
分の後方に下方に開口し左右に亙る冷気通路３５
が形成される事になる。この冷気通路３５により
導入口１０から吐出され切欠２８，３１或いは断
熱材２１と背壁５ａ面間を沿つて流下する漏れ冷
気は積極的に冷蔵室５へ流下せられ、更に断熱材
２１の存在によつて導入口１０からの直接の冷気
が感温部１６方向へ向う事は無く、従つてダンパ
ーサーモスタツト１１の誤動作を防止出来ると共
に断熱材２１と背壁５ａ間のシール材も不要とな
る。

また冷蔵室５の背壁５ａには係合孔４０と４１
が上下に一対ずつ設けられており、ケース２０は
左右側壁の後端に鉤状の係止爪４２と下壁後端に
鉤状係止爪４３が形成されており、係止爪４２，
４２を係止孔４０，４０に係合させた後に係止爪
４３，４３を係止孔４１，４１に弾力性を利用し
て押圧に係止せしめることにより、ケース２０は
冷蔵室の背壁５ａに保持される。

またケース２０は感温部１６の収納室３７に対
向した前壁に開口４４を有しており、ケース２０
を背壁５ａに取りつけるとき感温部１６を第２図
の一点鎖線１６′のように延ばしておくことによ
りケース２０を一点鎖線の状態から移動すると開
口４４を通つて感温部１６は前方へ延出するので
ケース２０を背壁５ａに取りつけることが容易と
なり、ケース２０を背壁に前述の如く係止せしめ
た後に感温部１６を収納室３７に収納する。開口
４４はケース２０の前壁に開閉可能に支持した開
閉蓋４５を有しており、この蓋４５はケース２０
と一体成形にてヒンヂ部４６及びスリツト部２４
と共に形成されたものであり、また蓋４５はケー
ス２０と別個に形成したものをケース２０の前壁
にヒンヂにて開閉可能に支持したものでもよい。
蓋４５の下端部にはケース２０の下壁の係止部４
７に弾力性にて係止する係止爪４８を形成してい
る。ケース２０の取りつけにて冷気通路３５等の
所定の間隔保持は断熱材２１が背壁５ａに当接し
て確保される。

(ヘ) 考案の効果 本考案によれば貯蔵室への冷気供給量を自動調
節するダンパーサーモスタツトを被覆するケース
の断熱材と貯蔵室内壁間を流下する漏れ冷気を感
温部後方の冷気通路によつて積極的に下方へ流下
せしめ、この冷気通路と感温部間には断熱材が存
在する為、この漏れ冷気が感温部に至る事が無
く、これによつてダンパーサーモスタツトの誤動
作を防止出来る。また、従来の断熱材と貯蔵室内
壁間のシール材も省略できるようになるため、部
品数が減少してコストが低減される。またケース
はダンパーサーモスタツトの感温部の収納室の前
面を開閉できるためにケースを貯蔵室内壁へ取り
つける作業及び取りつけた後の感温部の収納もき
わめて容易に達成できるので、作業も簡単に行な
い得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る冷蔵庫の縦断側面図、第
２図乃至第６図は本考案の実施例を示しており、
第２図はダンパーサーモスタツト部分の縦断側面
図、第３図はケースの正面斜視図、第４図は断熱
材の前方斜視図、第５図は断熱材の後方斜視図、
第６図はダンパーサーモスタツト取付部分の貯蔵
室内壁の正面斜視図、第７図は従来のダンパーサ
ーモスタツト部分の縦断側面図である。 ５……貯蔵室、５ａ……背壁、１０……冷気導
入口、１１……ダンパーサーモスタツト、１６…
…感温部、２０……ケース、２１……断熱材、３
５……漏洩冷気通路、４５……開閉蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貯蔵室内壁に設けた冷気導入口と、前記冷気導
   入口下方の貯蔵室内壁に設けられ前記貯蔵室内温
   度により前記導入口を開閉するダンパーサーモス
   タツトと、内部に断熱材を有して前記ダンパーサ
   ーモスタツトを被覆するケースとから成り、前記
   ダンパーサーモスタツトは本体とこの本体よりも
   上方に延在して前記冷気導入口を開閉するバツフ
   ル板と前記断熱材の後部切欠を通つて前記本体よ
   り下方へ延在したキヤピラリチユーブの先端部に
   形成され前記貯蔵室内の冷気に晒されるように前
   記ケース内下部に収納した感温部とを有し、前記
   感温部後方には前記断熱材の一部が位置すると共
   にこの断熱材の一部と前記貯蔵室内壁間には上端
   が前記切欠に連通し下端が前記貯蔵室に開口した
   漏洩冷気通路を設け、更に前記感温部の収納部前
   方に対応して前記ケース前壁に対してヒンジにて
   支持した開閉可能な蓋を設けてなる貯蔵庫の温度
   調節装置。