JPS6229814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧電式の高電圧発生装置を用いた圧電
式ガスライターに関するものである。

従来のガスライターは、一般的に高電圧発生装
置から発生する高電圧を高圧リード線に導き、高
圧リード線を電極保持板に取付けて放電ギヤツプ
を形成していた。しかし、この構成では高電圧発
生装置に高圧リード線を取付ける必要があり、コ
ストが高くつくばかりでなく、高圧リード線を電
極とするため、電極の位置、放電ギヤツプの寸法
がばらつくといつた欠点を有していた。また、高
圧リード線は作業上ある程度の太さが必要にな
り、スペース的にも無駄なものであつた。

本考案は上記のような欠点を除去すべく創案さ
れたものであり、以下その一実施例について図面
とともに説明する。

まず、第１図は本考案ガスライターに組込まれ
る高電圧発生装置の一例を示しており、絶縁性収
納体１内に１個の圧電素子２が収納され、高電圧
の一方の極を収納体１に螺合されて圧電素子２の
一端面を保持固定している受け金３より、またも
う片方の極を圧電素子２の他端面に配された短か
い電極板４より取出す構成としている。５は衝撃
子６の衝撃力を受ける当て金、７は上記収納体１
内を往復運動するように収納されている操作体
で、この操作体７内には上記衝撃子６と衝撃用バ
ネ８が収納されている。９は上記操作体７を復帰
させるための戻しバネであり、収納体１内に収納
されている。また、通常よく知られているよう
に、衝撃子６より突出したピンが収納体１、操作
体７に形成されたカム窓部に係合して衝撃機構が
構成されているが、この衝撃機構については本考
案と直接関係ないので説明を省略する。

本考案のガスライターはこのような高電圧発生
装置を用い、上述した従来の欠点をカバーするラ
イターの構成を具体的に提案するものである。

第２図、第３図に第１図の高電圧発生装置を組
込んだ本考案ガスライターの一実施例を示してお
り、１０がその高電圧発生装置である。１１はそ
の一部に高電圧発生装置１０を取付けてなるライ
ター本体ケースを兼ねるガスタンク、１２はこの
ガスタンク１１の一部に設置された絶縁性の電極
保持部で、この電極保持部１２に導電板１３がそ
の先端部が第２図に示す押圧操作前の状態におい
て上記収納体１に接し、第３図に示す押圧操作時
において上記受け金３に接し摺動するように保持
固着されている。すなわち、導電板には弾性を有
するもので構成されている。１４はノズル１５を
押し上げガスタンク１１内のガスの開閉を行うガ
ステコであり、ガスタンク１１の一部に取付けら
れている。１６はガスタンク１１の一部に設けら
れた接続板である。

今、高電圧発生装置１０を押圧する（この場合
は受け金３側から押すので収納体１が操作体７に
対して摺動する）と、受け金３部が弾性を有した
導電板１３の一端部に接する形で高電圧発生装置
１０が摺動する。また、これと同時にガステコ１
４の一端部も高電圧発生装置１０でもつて押し下
げられ、結果的にガステコ１４の他端部がノズル
１５を押し上げ、ノズル１５からのガスの噴出が
開始される。そして、やがて所定の量だけ高電圧
発生装置１０を押圧すると、高電圧発生装置１０
は衝撃子６が当て金５を強打して圧電素子２から
高電圧を発生させる。この時、第３図に示すよう
に電極板４が接続板１６を介してガステコ１４に
電気的に接続され、ガステコ１４からノズル１５
にまで高電圧が導かれる。つまり、圧電素子２か
ら発生した高電圧は、その一方の極は受け金３→
導電板１３の順で、もう片方の極は電極板４→接
続板１６→ガステコ１４→ノズル１５の順で取出
され、導電板１３の他端部とノズル１５との間で
放電が行われ、ガスに点火せしめることになる。
また、高電圧発生装置１０への押圧力を取除く
と、第２図に示すように押圧操作前の状態に復帰
し、導電板１３が弾性により再び収納体１に接触
する。

以上のように、本考案は高圧リード線を特別必
要としなく、コスト的に安価なものとなり、また
構造的にも簡単となり、導電板が高電圧発生装置
とは独立して電極保持部に取付けられており、電
極位置、放電ギヤツプ長等が安定して保持される
ため、信頼性の高い着火性能が得られ、さらには
弾性を有した導電板であるため、高電圧発生装置
の一方の電極である受け金部と、押圧操作時に確
実に電気的に接続される効果を奏し、実用的価値
大なる圧電式ガスライターを提供することができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の圧電式ガスライターに組込ま
れる高電圧発生装置の一例を示す断面図、第２図
は本考案に係る圧電式ガスライターの一実施例を
示す操作前の状態の正面図、第３図は同着火時の
状態の正面図である。 ２……圧電素子、３……受け金、１０……高電
圧発生装置、１１……ガスタンク、１２……電極
保持部、１３……導電板、１４……ガステコ、１
５……ノズル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ガスタンクの一部に圧電素子を用いた高電圧
   発生装置を取付け、上記ガスタンクに上記高電
   圧発生装置の押圧操作時にノズルを押し上げガ
   スの開閉を行うガステコを設け、かつ上記ガス
   タンクの一部に設けた絶縁性の電極保持部に放
   電電極を兼ねた弾性を有する導電板を配し、こ
   の導電板が上記高電圧発生装置の高電圧部を押
   圧操作時において摺動し電気的に結合される構
   成とした圧電式ガスライター。 (2) 高電圧発生装置の受け金部を高電圧部とした
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の圧電式ガ
   スライター。