JPS622976B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS622976B2
JPS622976B2 JP56066384A JP6638481A JPS622976B2 JP S622976 B2 JPS622976 B2 JP S622976B2 JP 56066384 A JP56066384 A JP 56066384A JP 6638481 A JP6638481 A JP 6638481A JP S622976 B2 JPS622976 B2 JP S622976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
resin
unsaturated polyester
foam layer
polyester resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56066384A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS57178853A (en
Inventor
Yoshiaki Kitamori
Yoshio Isomi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
Priority to JP56066384A priority Critical patent/JPS57178853A/ja
Publication of JPS57178853A publication Critical patent/JPS57178853A/ja
Publication of JPS622976B2 publication Critical patent/JPS622976B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molding Of Porous Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、不飽和ポリエステル樹脂被覆成形
体に関する。更に詳しくは、特定の樹脂発泡層に
繊維強化不飽和ポリエステル樹脂を被覆してな
る、引張り剪断強度等の機械的強度が高く、かつ
製造が簡便な不飽和ポリエステル樹脂被覆成形体
に関する。 不飽和ポリエステル樹脂、ことに繊維を混和し
たもの(繊維強化ポリエステル樹脂;以下FRP
と記する)は機械強度が大で抗張力が強く、各種
の用途に供されている。ことに合成樹脂の発泡層
の表面にFRPを積層した成形体は、それぞれの
単独成形体としての長所を兼ね備えており、強
度、断熱性、軽量性、緩衝性など種々の点で有用
である。これらの成形体は、たとえばあらかじめ
製造した発泡層とFRP板を接着するか、または
発泡層の表面にガラス等の繊維を被覆し、未硬化
不飽和ポリエステル樹脂を塗布して硬化させる方
法(被覆成形)によつて得られるが、後者の方法
が作業上便利であり、複雑な形状を有する成形体
も簡単に作り易い。この後者の方法に用いられる
発泡層の基材樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ア
クリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられるが、成
形性、耐衝撃性、脆性、経済性等の点においてい
ずれも欠点を有している。 また、発泡成形性、保形性が良く、比較的安価
なスチレン樹脂を使用することも考えられるが、
この発泡成形体にFRPを被覆成形する場合、未
硬化不飽和ポリエステル樹脂に含まれる重合性モ
ノマー(特にスチレンモノマー)がスチレン樹脂
発泡層との接触時に該発泡層を膨潤、溶解させる
欠点があり、実質上、製造は困難であつた。 一方、ポリエチレンのごときポリオレフイン系
樹脂の発泡層は、上記のごとき重合性モノマーの
影響を受けないが、柔軟すぎるため保形性が劣
り、かつ、耐溶剤性が良すぎて発泡層とFRP層
との接着強度が劣り剥離し易いという欠点があつ
て、ほとんど使用されていない。 これらの欠点を改良するために、特開昭54−
55088号、同54−114547号、同54−155265号およ
び特開昭55−82612号公報に記載されているごと
く、上記発泡層の基材樹脂として、水性媒体中で
ポリオレフイン系樹脂粒子にスチレンモノマーを
特定の割合で加えて重合条件に付すことにより得
られた熱可塑性樹脂粒子を用いることが報告され
ている。しかし、そこで記載されたものは、上記
熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、予備発
泡、さらには金型の型枠内で発泡融着させた発泡
体を発泡層として用いたものであり、いわゆる型
内発泡法による発泡体にFRP樹脂を被覆してな
る成形体に関するものである。この方法によれ
ば、ポリオレフイン系樹脂発泡体とポリスチレン
系樹脂の両者の長所を併有する樹脂発泡層からな
る不飽和ポリエステル樹脂被覆成形体が得られる
が、型内発泡法によつて得られた、表面に皮を有
する発泡層に直接FRP層を被覆成形させた場
合、両層の接着強度が不充分で剥離し易く、従つ
て被覆前に皮を有する発泡層の被覆面をスライス
カツトや研摩等によつて粗面化する必要があつ
た。そして、発泡剤の含浸、予備発泡、型内発
泡、粗面化等、成形品を得るために多くの工程を
必要とし、経済的に不利であり、また予備発泡粒
子の融着防止および成形における融着促進のため
に特に注意を払う必要もあつた。さらに、型内発
泡法による粒状融着発泡体であるため、発泡層中
の粒子と粒子の間に、ピンホールと称する空隙
や、表面に粒子ごとの凹凸が存在し、FRP樹脂
を被覆時に硬化前の不飽和ポリエステル樹脂が該
空隙部や凹凸部に浸入して余分の不飽和ポリエス
テル樹脂が必要となり、また空隙中の空気が硬化
中の不飽和ポリエステル樹脂内や発泡層の被覆面
に侵入してくるためFRP層の強度低下や外観不
良が生じ、かつ両層の積層面に微少な空気粒が介
在するため両層の接着性が不良で引張り剪断強度
が不充分であつた。さらに加えて型内発泡法であ
るので融着成形するために蒸気及び冷却水を用い
るが、これにより発泡層中に残留水分が存在し、
この水分が不飽和ポリエステル樹脂を硬化させる
上で硬化時間の遅延、触媒を必要以上に多く用い
なければならない点、重合性モノマーによる発泡
層の軟化現象が激しい点等、安定生産を行なう上
でも問題点を有していた。 この発明の発明者らは、これらの欠点を改良す
べく鋭意研究を重ねた結果、ポリオレフイン系樹
脂粒子を特定量のビニル芳香族モノマーを用いて
特定量架橋およびグラフトさせて得られる熱可塑
性樹脂粒子を素材とし、これを押出機に供給して
発泡成形させた押出発泡体を発泡層として用い、
これとFRP被覆成形とを組合せることにより、
意外にも発泡層の粗面化を行なうことなく接着性
が優れ引張り剪断強度の高い不飽和ポリエステル
樹脂被覆成形体が得られるという事実を見出しこ
の発明に到達した。 かくしてこの発明によれば、10〜90重量部のポ
リオレフイン系樹脂粒子と90〜10重量部のビニル
芳香族モノマーとを水性媒体中に懸濁し、これを
触媒の存在下で重合条件に付してポリオレフイン
系樹脂に対してゲル濃度30〜80%の架橋およびグ
ラフト重合した熱可塑性樹脂粒子とし、この熱可
塑性粒子と発泡剤を押出機に供給し、押出機内で
加熱・溶融・混練した後押出して得られた発泡体
を発泡層とし、この発泡層の少なくとも一面を繊
維強化不飽和ポリエステル樹脂で被覆することを
特徴とする不飽和ポリエステル樹脂被覆成形体の
製造法が提供される。 この発明に用いるポリオレフイン系樹脂粒子の
樹脂としては、スチレンの単独重合体およびエチ
レン−酢酸ビニル、エチレン−塩化ビニル、エチ
レン−メタクリル酸メチルの如きエチレンを主と
する共重合体等が挙げられる。これらのポリオレ
フイン系樹脂粒子は通常、球状、ペレツト状等の
粒子状で用いられ、その粒子径は6〜30メツシユ
が好適である。 この発明に用いるビニル芳香族モノマーとして
は、スチレン、メチルスチレン、ハロゲン化スチ
レン等が挙げられ、これ以外にこれらのモノマー
を50重量%以上含有したビニル芳香族モノマーと
共重合可能なα−メチルスチレン、メタクリル酸
メチル、ジビニルベンゼン、ジメチルマレエート
等のモノマーとの混合物等が用いられる。 この発明にてポリオレフイン系樹脂粒子はビニ
ル芳香族モノマーと共に水性媒体中に懸濁され
る。懸濁にあたつて、それぞれの使用量は、樹脂
およびモノマーの合計100重量部に対し、ポリオ
レフイン系樹脂粒子10〜90重量部、ビニル芳香族
モノマー90〜10重量部である。ポリオレフイン系
樹脂粒子が10重量部以下では耐溶剤性が不充分で
あり不飽和ポリエステル樹脂被覆時に発泡体が軟
化し易く、圧縮強度も不充分であり、90重量部以
上では、得られた発泡体が柔軟すぎて保形性に劣
り、かつポリエステル樹脂層との接着性が劣り好
ましくない。ポリオレフイン系樹脂粒子25〜75重
量部、ビニル芳香族モノマー75〜25重量部の使用
がそれぞれの樹脂の長所が最も生かされる点で好
ましい。また、ポリオレフイン系樹脂およびビニ
ル芳香族モノマーの水性媒体中への懸濁は分散剤
を用いて行なわれる。該分散剤としては、通常、
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、リン
酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等が用い
られ、その使用量は、水に対し0.01〜5重量部が
適当である。 具体的な懸濁方法としては、例えばポリオレフ
イン系樹脂粒子を分散剤を加えた水溶液に懸濁し
ておき、次いで該懸濁液にビニル芳香族モノマー
を全量添加または分割して滴加することによつて
行なわれる。この操作によつて、ビニル芳香族モ
ノマーはポリオレフイン系樹脂粒子に吸収され
る。操作中、懸濁液を加温してもよい。 この発明において吸収されたビニル芳香族モノ
マーをポリオレフイン系樹脂中で該粒子に対して
架橋およびグラフト重合させるため、触媒が添加
して用いられる。該触媒としては例えば、ジ−
tert−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキ
シド、ラウロイルペルオキシド、オレイルペルオ
キシド、トルイルペルオキシド、ジ−tert−ブチ
ルジペルフタレート、tert−ブチルペルアセテー
ト、tert−ブチルペルベンゾエート、ジクミルペ
ルオキシド、tert−ブチルペルオキシドイソプロ
ピルカルボネート、2・5−ジメチル−2・5−
ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2・5
−ジメチル−2・5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキシン−3、tert−ブチルヒドロペルオキ
シド、クメンヒドロペルオキシド、p−ペンタン
ヒドロペルオキシド、シクロペンタンヒドロペル
オキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオ
キシド、p−tert−ブチルクメンヒドロペルオキ
シド、ピナンヒドロペルオキシド、2・5−ジメ
チルヘキサン−2・5−ジヒドロペルオキシド等
またはこれらの混合物等を挙げることができる。
これらのうち、低温分解触媒と高温分解触媒を併
用するのがよく、例えば、ベンゾイルペルオキシ
ドを用いるときは架橋効果の大きいジクミルペル
オキシドを併用することが好ましい。 これらの添加量は、後述するように特定のゲル
濃度を得るために、ポリオレフイン系樹脂に対し
て0.2〜2.0重量%が適当である。 触媒の添加方法としては、前述で得たビニル芳
香族モノマーを吸収してなるポリオレフイン系樹
脂粒子の懸濁液に溶剤(例えばトルエン、ベンゼ
ン等)の溶液の形態で添加してもよく、あらかじ
め懸濁前のビニル芳香族モノマーに溶解しておい
てもよい。このように触媒が加えられた懸濁液
を、例えばビニル芳香族モノマーの重合可能な温
度に昇温するなどの公知の重合条件に付すことに
より、ビニル芳香族モノマーによるポリオレフイ
ン系樹脂の架橋およびグラフトが行なわれ、同時
にポリオレフイン系樹脂粒子中にビニル芳香族ポ
リマーが均一に充填された熱可塑性樹脂粒子が得
られる。 この発明において、該熱可塑性樹脂粒子の架橋
およびグラフトの程度はポリオレフイン系樹脂粒
子に対するゲル濃度が30〜80%となるように調節
される。ただしゲル濃度(%)とは熱可塑性樹脂
粒子中のポリオレフイン系樹脂重量に対する沸騰
トルエン不溶解分の乾燥重量を百分率で示したも
のである。ゲル濃度が低いということはポリオレ
フイン系樹脂の架橋体及びグラフト共重合体が少
ないことを意味し、ゲル濃度が高いのは逆にこれ
らの架橋体およびグラフト共重合体が多いことを
示す。ゲル濃度が30%以下の場合には押出し過程
においてポリオレフイン系樹脂とビニル芳香族ポ
リマーとが相分離して均一な気泡を有する発泡体
を得ることができず、ゲル濃度が80%以上の場
合、押出機内における溶融樹脂の粘度が大きくな
り、押出しが困難となり、これに対し押出し温度
を高めた場合にも、相分離や発泡剤の逸散が生じ
るので表面の凹凸が激しく、所望の発泡体が得ら
れない。上記所望のゲル濃度の調節は触媒の量、
反応温度および時間等の重合条件の調節によつて
行なう。 このようにして得られた熱可塑性樹脂粒子を水
性媒体から分離乾燥後、発泡剤と共に押出機に供
給し、押出して押出発泡体とし、この発泡体を発
泡層1とし、この表面に繊維布状物2および不飽
和ポリエステル樹脂層3を被覆成形することによ
り、この発明の不飽和ポリエステル樹脂被覆成形
体が得られる。 この押出に使用する押出機は、従来発泡押出成
形に使用されるものが使用され、前記熱可塑性樹
脂粒子を、押出機内に供給し、加熱溶融し、これ
に発泡剤を圧入又は添加して混和し、押出機の先
端に設けられた口金からシート状、板状、棒状、
円筒状あるいは異形発泡成形体として押出され
る。この発明の発明者らはこれらの発泡体のう
ち、特に円筒金型から押出された円筒状発泡体を
ピンチロールで狭圧して内面を融着したいわゆる
融着発泡体4を発泡層1として用いてFRP層5
を積層すると、不飽和ポリエステル樹脂被覆時の
重合性モノマーによるマイナスの影響をさらに減
少でき、加えて被覆成形体としての機械的強度や
寸法精度が向上することも見い出した。この場合
円筒状発泡体の内面は軟化温度以上であれば狭圧
によつて容易に融着する。またその融着温度にお
いても発泡気泡は良好に保たれている。なお、円
筒金型の環状スリツトから減圧域へ押出された円
筒状発泡体がピンチロールで狭圧されて融着され
る過程で、円筒状発泡体が変形してウエルドライ
ンを生じたり、厚みが不均一となるのを防ぐため
に、円筒状発泡体の外周を、空気を吹きつけた
り、冷却された表面をもつ冷却筒の内面に接触さ
せたりして、円筒状発泡体を保形することが通
常、望ましい。 一方、押出発泡成形に用いる発泡剤としてはプ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンのごとき脂
肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン
のごとき環式脂肪族炭化水素、メチルクロライ
ド、エチルクロライド、ジクロロジフルオロメタ
ン、クロロジフルオロメタン、トリクロロフルオ
ロメタン、塩化メチレンのごときハロゲン化炭化
水素等の揮発性発泡剤およびアゾジカルボンアミ
ド、N・N′−ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン等の分解型発泡剤が挙げられる。これらの発
泡剤は通常熱可塑性樹脂粒子と共に押出機に圧入
または添加されるが、あらかじめ、熱可塑性樹脂
粒子に含浸または混合して使用してもよい。発泡
剤の使用量は樹脂、発泡剤の種類および目的とす
る発泡倍率によつて異なるが、通常、熱可塑性樹
脂粒子に対して1重量%程度使用される。また、
発泡剤以外にパーライト、流動パラフイン、重曹
およびクエン酸、タルク、顔料、染料、難燃剤等
の各種助剤や添加物が適当量押出機に供給されて
もよい。 このようにして得られた押出発泡体を発泡層と
しFRPを被覆成形させることにより、この発明
の被覆成形体が得られる。なお、被覆は押出発泡
体全面に行なつてもよく、少なくとも発泡体の一
面に行なわれていればよい。また、前記で得られ
た発泡層はその表面に皮を有しているが不飽和ポ
リエステル樹脂との接着性に優れているため、粗
面化する必要は全くなく、押出発泡後、直接被覆
成形を行なうことができる。この場合用いる
FRPは、繊維を補強材とした不飽和ポリエステ
ル樹脂であり、樹脂原液に重合性モノマー(特に
スチレンモノマー)を含み硬化剤により硬化する
公知のものが使用されるが、実用上常温硬化する
ものを用いる場合が多い。上記繊維としては、ガ
ラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、金属繊維、セ
ラミツク繊維、ポリエチレンテレフタレート系繊
維、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体系繊
維、ポリビニルアルコール系繊維等が挙げられ、
経済性等の点からガラス繊維が好適である。また
FRPを前述した発泡層に形成する方法として
は、まず繊維布状物を捲回又は被覆し、その上に
未硬化不飽和ポリエステル樹脂をハンドレイアツ
プ法やスプレーアツプ法により被覆し、硬化させ
る方法が挙げられるが、他に繊維や充填剤と混和
された不飽和ポリエステル樹脂を、予め捲回又は
被覆し、その上にさらに不飽和ポリエステル樹脂
を被覆し、硬化させてもよい。またFRP層厚の
調節は重ね塗り等の手段によつて行なわれる。平
滑性、光沢の特に良好なものを得るには成形型を
用いるとよい。 この発明の不飽和ポリエステル樹脂被覆成形体
は、発泡層として特定の樹脂からなる押出発泡体
を用いているため、成形体中にピンホール等の空
隙がなく、残留水分や空気の影響を受けない。そ
のため発泡層とFRP層との接着性も優れてお
り、剪断強度も高く、成形品としての耐久性(例
えば耐衝撃性等)が従来品に比して優れており、
船舶、車両等のごとき耐久性が要求される分野に
ことに有用である。そして、製造上の点からも
種々の点で従来品よりも優れている。すなわち、
ピンホール等の空隙に被覆樹脂が侵入することが
ないため、不飽和ポリエステル樹脂の使用量を減
少でき、被覆時においても硬化を阻害する水分を
含有していないため、硬化時間の調整を温度や触
媒量を変化させることにより、希望通りに制御で
きる。また被覆前に発泡層の表面を粗面化する工
程が不必要であり、その他、型内発泡体使用時に
比して製造工程をかなり減少させることができ、
生産コストを大幅に下げるという経済的メリツト
がある。そして、異形、長尺物あるいは数ミリ以
下という薄物の被覆成形体についても連続的に安
価に生産でき、ことに融着発泡板を用いた場合、
不飽和ポリエステル樹脂被覆時の重合性モノマー
による軟化の影響が少なく、発泡体のゆがみ、そ
りが生じず、被覆成形が非常に簡便に行なえると
いう利点を有しており、現場成形に有利である。 次にこの発明を、実施例によりさらに詳しく説
明する。なお、部および%はすべて重量部および
重量%である。 実施例 1 (a) 熱可塑性樹脂粒子の製造 重合用反応容器内でピロ燐酸マグネシウム
0.9部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.04部を水200部に溶解し、これにポリ
エチレン樹脂80部を加えて分散し、これを80℃
に昇温し、これにスチレン単量体120部、ベン
ゾイルパーオキサイド1部およびジクミルパー
オキサイド1部の混合物を6時間を要して徐々
に添加した。添加終了後、反応液を90℃に昇温
して2時間、更に130℃に昇温して4時間重合
および架橋反応を行う。ついで反応液を冷却し
て、重合体を分離し、水洗、乾燥し、ポリエチ
レン樹脂成分が40%、ポリスチレン樹脂成分が
60%からなり、両樹脂成分が均一に混合され部
分的に架橋およびグラフト重合した熱可塑性樹
脂粒子200部を得た。この粒子のゲル%は50%
であつた。(実施例No.A) 上記の例Aと同様にして樹脂の種類、添加物
質の量、添加時間を変更して実施した例を表示
すれば下記の表−1の通りである。なお、参考
のため比較例も例示した。
【表】
【表】 (b) 押出発泡体 樹脂として前記の例Aで得られた熱可塑性樹
脂100部に対して、流動パラフイン0.1部および
タルク1.0部を加えタンブラーで充分混合し、
この混合物をスクリユー径65mmの押出装置に供
給した。この押出装置の途中から発泡剤として
ブタンを前記樹脂100部に対して3.3部の割合で
圧入し、充分に溶融混練した。押出温度は110
℃ないし230℃とした。押出装置の先端に付設
された円筒金型に設けられた直径110mm、スリ
ツト巾2.0mmの環状スリツトからブタンを含ん
だ均一な混合溶融樹脂を45Kg/時間の速度で大
気中に押出し発泡せしめて、円周900mmの円筒
状発泡体を得た。この円筒状発泡体をピンチロ
ールで狭圧して内面を融着せしめて、2枚合せ
の発泡板(融着発泡体)とした。この発泡板は
肉厚10mm、巾450mm、密度0.095g/c.c.であり、
表面は均一な気泡で凹凸もなく、ポリエチレン
樹脂とポリスチレン樹脂とが相分離した際に生
じるあたかも発泡していないポリエチレンフイ
ルムを部分的に貼つたような外観上の不良(仮
にケロイド状態と呼ぶ)も見られず、2枚の融
着状態も良好で強固に一体化していた。 次に比較のために、樹脂としては前記比較例
Iの方法で得られた樹脂を用い、この樹脂を前
記方法と全く同じ条件で押出したところ、押出
動力負荷が高くなり押出が困難になつたため、
温度条件を全体的に約8℃高くしたところ、一
応発泡板を得ることができた。この発泡板は肉
厚8.5mm、巾430mm、密度0.12g/c.c.であり表面
はケロイド状態は見られなかつたが凹凸が激し
く良好な発泡板とは言い難いものであつた。 同様にして押出成形条件を多少変更しなが
ら、前記A〜Kに記載の各種樹脂について実施
した結果は表2に示す通りであつた。
【表】 (c) ポリエステル樹脂被覆成形体 (b)の工程で得た押出発泡体A〜Fの片面にガ
ラス繊維(チヨツプドストランドマツト;商品
名FEM−450−04、富士フアイバーグラス(株)
製)を3プライ被覆した後、不飽和ポリエステ
ル樹脂(商品名ポリマール8255P、武田薬品工
業(株)製)100重量部と硬化触媒メチルエチルケ
トンパーオキサイド(商品名カヤメツクA、化
薬ヌーリー(株)製)1重量部の組成からなる未硬
化不飽和ポリエステル樹脂液をハンドレイアツ
プ法にて被覆し常温で6時間保持して硬化させ
た。なお、被覆前に押出発泡体の表面の粗面化
は全く行なわなかつた。 このようにして得られた被覆成形体は、いず
れもガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂を被
覆するにあたり発泡層が空隙を有しないため空
気粒が混入せずガラスマツトとの間の空気を抜
くいわゆる脱泡作業が容易であり、発泡層の軟
化現象もほとんど見られず作業上便利であつ
た。さらに、発泡層とFRP層との接着性も優
れ、両層の引張り剪断強度を測定したところ、
1.82Kg/cm2もあり、その破断面は発泡層の材質
内での破断を示すものであり、加えてFRP層
に空気粒の混入がない外観の優れたものであつ
た。 実施例 2 (a) 板状発泡体(押出法) 前記実施例1(a)Dの方法で得られた樹脂を用
い、これをよく乾燥して、そのまゝ1時間32Kg
の割合で押出機に供給した。押出機としては直
径50mmと65mmのものが連結されたものを用い、
発泡剤としては2台の押出機の中間から約10%
のブタンガスを供給した。押出機の温度は最高
250℃まで上昇せしめ、樹脂を溶融させてブタ
ンガスを均一に混合し、この均一混合物を、押
出機出口に連接された樹脂温調整装置に送り、
樹脂温調整装置には120℃の油を循環して樹脂
温を所望温度に調整した。 口金の樹脂排出口としては、厚み1mm、巾
100mmの矩形状のものを用い温度を約130℃と
し、口金に連接した成型具としては入口寸法が
実質的に口金の樹脂排出口と同じで、出口寸法
が厚み33mm、巾160mmにまで拡大された長さ200
mmの第1成型具と、これに続いて入口厚み35
mm、出口厚み30mmの上下方向からのみ押圧する
第2成型具とを用いた。 ここで第1成型具の入口側から50mmの長さの
ところまでには45℃の油を循環して発泡成型が
容易に行なえるようにした。 こうして、口金から排出された薄肉の発泡性
樹脂を厚肉板状の発泡体とし、一定速度で引取
ることにより、厚み28mm、巾250mm、密度0.028
g/c.c.の板状発泡体を得た。この発泡体の外観
は、平滑美麗で部分圧縮強度が6Kg/cm2であつ
た。 次に比較のために前記実施例1(a)Jの方法で
得られた樹脂を用いた。この樹脂を前記方法と
全く同じ条件で押出したところ、得られた発泡
体は表裏面に多くの大きな凹みがあり、気泡が
粗く、満足な板状のものは得られなかつた。 そこで温度条件を全体的に前記実施例よりも
約10℃下げたところ、少しは改善されたが、ま
だ表裏面に凹みと波打ちがあり、得られた板状
発泡体は平均的に厚み28mm、巾220mmで、密度
は0.036g/c.c.しかなく、前記実施例より高密
度にも拘わらず部分圧縮強度は5.2Kg/cm2しか
なかつた。 同様にして成形条件を多少変更しながら各種
樹脂について実施した結果を表−3にまとめる
と次の如くであつた。
【表】 なお部分圧縮強度の測定は、成形品表面に2
cm2の押え金具を当ててこれを5mm押圧したとき
の荷重を読み、その1/2の値をとつた。 (b) 板状発泡体(型内法)………比較例 表1の実施例Aで得た熱可塑性樹脂粒子200
部、ドデシルベンゼンスルフオン酸Na0.06
部、トルエン4部を水300部と共に反応容器中
に撹拌分散せしめさらに発泡剤としてブタン40
部を圧入した後80℃で6時間保つた。その後20
℃まで冷却、取出し、水洗して発泡性樹脂粒子
を得た。この発泡性樹脂粒子を発泡ポリスチレ
ンビーズと同様蒸気を用いて見かけ密度0.10、
0.05、0.035に各々予備発泡した。この予備発
泡粒子を金型に充填した後蒸気にて加熱して
300mm×400mm×10mmの形状の発泡体を得た。 (c) 上記工程(a)で得られた押出発泡体(実施例
A)および工程(b)で得られた型内発泡体をそれ
ぞれ発泡層として、実施例1−(c)と同様な工程
で不飽和ポリエステル樹脂被覆成形体を作成し
た。被覆後、1日経過したものの圧縮強度をそ
れぞれ比較した結果を表4に示す。
【表】 表4のごとく、被覆後1日後における圧縮強
度は、押出発泡体を用いたものが優れているこ
とが判明した。すなわち、これは型内発泡体を
発泡層として用いると、発泡粒子同士の間の微
少な隙間を通して未硬化不飽和ポリエステル樹
脂中のスチレンモノマーが発泡層の内部に浸透
し易く、発泡層の膨潤や軟化を促進するため及
び型内成型時の残留水分の影響で不飽和ポリエ
ステル樹脂の硬化が遅れることにより生じる軟
化現象のためと推定される。よつて押出発泡体
を用いると硬化時間の点でも有利であることが
判明した。 なお、常温で充分に硬化させた型内発泡体使
用の被覆成形体はFRP層に多くの空気粒を有
し、かつ発泡層内部空隙に不要の不飽和ポリエ
ステル樹脂が混入した、外観の劣るものであつ
た。これに対し、この発明の被覆成形体は、
FRP層に空気粒の混入もなく、発泡層内部の
樹脂混入もなく、外観が優れ、接着性も優れた
ものであつた。また、使用樹脂粒子を実施例1
(a)のC〜Dに代替して行なつたが、同様の結果
が得られた。 実施例 3 実施例2で得た押出発泡体および型内発泡体
(樹脂A使用)を用いて、第3図に示される積層
プライ3プライ(M450+R600+M450)の不飽和
ポリエステル樹脂被覆成形体を作成した。なお、
FRP層の作成は実施例2に準じて行ない、得ら
れた成形体の形状は、図中、aが50mm、bが50
mm、cが25mm、dが3.5mmおよびeが50mmであつ
た。この成形体を試験機テンシロン(東洋ボール
ドウイン社製)により、矢印の方向へ試験速度10
mm/minで引張り、FRP層と発泡層との引張り剪
断強度を測定した。また、型内発泡体については
被覆前に、粗面化(研摩布で研摩)したものおよ
び粗面化していないものそれぞれについて試験を
行ない比較した。 その結果を表5に示す。
【表】 このように、この発明の被覆成形体は従来の型
内発泡体を発泡層として用いたものより、両層の
引張り剪断強度が著しく優れていることが判明し
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の不飽和ポリエステル樹脂
被覆成形体の一実施例を示す成形体の断面図であ
る。第2図は、この発明の不飽和ポリエステル樹
脂被覆成形体の一実施例を示す成形体の一部破断
面を含む斜視図である。第3図は、この発明の不
飽和ポリエステル樹脂被覆成形体の剪断強度の測
定用に作成した成形体を示す斜視図である。 1……発泡層、2……繊維布状物、3……不飽
和ポリエステル樹脂層、4……融着発泡体、5…
…FRP層、6……融着面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 10〜90重量部のポリオレフイン系樹脂粒子と
    90〜10重量部のビニル芳香族モノマーとを水性媒
    体中に懸濁し、これを触媒の存在下で重合条件に
    付してポリオレフイン系樹脂に対してゲル濃度30
    〜80%の架橋およびグラフト重合した熱可塑性樹
    脂粒子とし、この熱可塑性粒子と発泡剤を押出機
    に供給し、押出機内で加熱・溶融・混練した後押
    出して得られた発泡体を発泡層とし、この発泡層
    の少なくとも一面を繊維強化不飽和ポリエステル
    樹脂で被覆することを特徴とする不飽和ポリエス
    テル樹脂被覆成形体の製造法。 2 ポリオレフイン系樹脂がエチレンの単独重合
    体又はエチレンを主体とする共重合体である特許
    請求の範囲第1項記載の製造法。 3 ビニル芳香族モノマーがスチレン、メチルス
    チレン、エチルスチレン、ハロゲン化スチレンま
    たはこれらのモノマーを50重量%以上含有するビ
    ニル芳香族モノマーと共重合可能なモノマーとの
    混合物である特許請求の範囲の第1項又は第2項
    記載の製造法。 4 発泡層が円筒金型を通して押出された円筒状
    発泡体の内面を融着して得られた融着発泡体であ
    る特許請求の範囲第1〜3項いずれかに記載の製
    造法。 5 発泡層の被覆が、発泡層の少なくとも一面の
    粗面化されていない面に行なわれる特許請求の範
    囲第1〜4項のいずれかに記載の製造法。
JP56066384A 1981-04-30 1981-04-30 Shape coated with unsaturated polyester resin Granted JPS57178853A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56066384A JPS57178853A (en) 1981-04-30 1981-04-30 Shape coated with unsaturated polyester resin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56066384A JPS57178853A (en) 1981-04-30 1981-04-30 Shape coated with unsaturated polyester resin

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS57178853A JPS57178853A (en) 1982-11-04
JPS622976B2 true JPS622976B2 (ja) 1987-01-22

Family

ID=13314269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP56066384A Granted JPS57178853A (en) 1981-04-30 1981-04-30 Shape coated with unsaturated polyester resin

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS57178853A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5455088A (en) * 1977-10-12 1979-05-01 Mitsubishi Petrochem Co Ltd Foamed resin composite molded article
JPS54155265A (en) * 1978-05-30 1979-12-07 Mitsubishi Petrochem Co Ltd Composite article made of foamed resin

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5455088A (en) * 1977-10-12 1979-05-01 Mitsubishi Petrochem Co Ltd Foamed resin composite molded article
JPS54155265A (en) * 1978-05-30 1979-12-07 Mitsubishi Petrochem Co Ltd Composite article made of foamed resin

Also Published As

Publication number Publication date
JPS57178853A (en) 1982-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4303756A (en) Process for producing expandable thermoplastic resin beads
US4303757A (en) Process for producing expandable thermoplastic resin beads using polypropylene as nucleus
US6545094B2 (en) Blends of ethylenic polymers with improved modulus and melt strength and articles fabricated from these blends
EP1870434B1 (en) Blends of ethylenic polymers with improved modulus and melt strength and articles fabricated from these blends
JP2003039565A (ja) 発泡粒子成形体
US4853420A (en) Foamable thermoplastic polymers and a method for foaming
US4424293A (en) Crosslinkable polypropylene composition
NO127622B (ja)
US4902721A (en) Foamable thermoplastic polymers and a method for foaming
JPS622976B2 (ja)
US3445406A (en) Process for elasticizing foamed polystyrenes and resultant product
WO1996000257A1 (en) Foaming method
JP3255844B2 (ja) 発泡体の製造方法及びそれに用いる発泡性シート
CA1120650A (en) Process for producing expandable thermoplastic resin beads
JPH0326645B2 (ja)
JPS6225135A (ja) 接着強度に優れたポリエ−テルイミド発泡体
JPS5940622B2 (ja) 発泡樹脂複合成形体
JPH0267129A (ja) 積層成形体およびその製造方法
JPS62290735A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂成形用芯材
JPS5914493B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JPS6111191B2 (ja)
JPS6330140B2 (ja)
JPH0130619B2 (ja)
JPS5836422A (ja) 発泡成形品の成形方法
JPH06104748B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂複合成形体用芯材