JPS6229437B2 - - Google Patents

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JPS6229437B2
JPS6229437B2 JP58090424A JP9042483A JPS6229437B2 JP S6229437 B2 JPS6229437 B2 JP S6229437B2 JP 58090424 A JP58090424 A JP 58090424A JP 9042483 A JP9042483 A JP 9042483A JP S6229437 B2 JPS6229437 B2 JP S6229437B2
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JP58090424A
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Norihiro Kakimoto
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Asai Germanium Research Institute Co Ltd
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Asai Germanium Research Institute Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は有機ゲルマニウム化合物及びその逮製
造方法に関するものである。 炭素の同族体であ
るゲルマニウム(Ge)やシリコン{Si)は、と
もに半導体効果を有するという特殊性から、長年
にわたつて物理学や無機化学の分野での研究対象
となつているものであるが、近年になつてその有
機誘導体に関する研究が活発に行なわれ、その研
究成果も発表されるようになつた。 中でも有機ゲルマニウム化合物に関する研究の
発展は著しく、例えばゲルマニウムプロピオン酸
誘導体を基本骨格とし、該基本骨格がそのゲルマ
ニウム原子と酸素原子とを交互に結合することに
より無数に連繋した巨大分子化合物であるカルボ
キシエチルゲルマニウムセスキオキサイド(化合
物a)は、極めて強力な血圧降下作用や抗腫瘍作
用等を示す反面、全く副作用がないことが明らか
となつて以来、薬学会や医学会で広く注目される
に至つたことに代表されるように、新しくしかも
興味深い研究分野を構成している。 又、上記事実を踏まえ、有機ゲルマニウム化合
物について更に実験を重ねてみると、ゲルマニウ
ムのケイ皮酸アミドの誘導体で前記化合物aと同
様のゲルマニウム―酸素結合を有する巨大分子化
合物のカルバモイロキシエチルフエニルゲルマニ
ウムセスキオキサイド(化合物b)が、前記化合
物aよりも少い投与量で該化合物aに勝るとも劣
らない生理活性を示す極めて有用性の高い化合物
であることが判明している。 上述した二種類の化合物a及びbをはじめとし
て多くの有機ゲルマニウム化合物に関して、本発
明の特許出願人や関連する研究グループにより研
究発表が行なわれているが、上記セスキオキサイ
ドが示す生理活性のメカニズムは現在に至るまで
に明確に解明されている訳ではなく、一部の研究
家により当該活性は前記化合物中に形成されてい
るゲルマニウム―酸素結合に由来するとの説が唱
えられている状態であり、換言すれば、有機ゲル
マニウム化合物の生理活性は従来知られている構
造―活性相関の概念では説明できない傾向にある
と言うことができるので、未だ合成されていない
有機ゲルマニウム化合物の内には、従来公知のも
のと類似する構造ではあつても、優れた生理活性
を示すものが存在すると考えられる。 而して、化合物aやbのような有機ゲルマニウ
ム化合物は、一般に、対応するトリクロルゲルマ
ニウム体を加水分解することにより得られるので
あつて、例えば化合物bは、 という工程により、又、化合物aを同様の工程に
より得られるのであるが、この製造方法には改善
すべき点もある。 即ち、上記式中のケイ皮酸アミド()に代表
される置換アクリル酸アミドやそれに容易に変換
しうる置換アクリル酸クロライドは、一般に無置
換アクリル酸誘導体に比べて極めて高価であつた
り、あるいは入手困難なものがほとんどであるの
が現状であつて、合成上の大きな障碍となつてい
るのである。 因に、無置換のアクリル酸及びアクリル酸アミ
ドの価格を1とした場合の置換アクリル酸及びそ
のアミドの価格を例示すれば次表のようになる
(−は入手困難なものを示す)。 【表】 更に、前記ケイ皮酸アミドのような置換アクリ
ル酸アミドを入手するか、あるいは置換アクリル
酸を原料として合成したとしても、該置換アクリ
ル酸アミドとトリクロルゲルマン等のトリハロゲ
ルマンとの付加反応は一般に
【式】で表わされる重合物が 生成し易く、純粋な付加体の収率が悪いという致
命的な難点までは解消できない。 本発明は上述した事情に鑑み、従来公知の有機
ゲルマニウム化合物と同様優れた生理活性を有す
る新規構造の有機ゲルマニウム化合物を、経済性
及び反応性の難点なく製造することのできる製造
法を提供することを目的としてなされたものでそ
の構成は、一般式 (式中、R1,R3は水素原子、メチル基やエチ
ル基等の低級アルキル基、R2は水素原子、メチ
ル基やエチル基等の低級アルキル基あるいはフエ
ニル基をそれぞれ示す。 で表わされるアクリル酸誘導体に、トリハロゲル
マン HGeX3 () (式中、Xはハロゲン基を示す) を付加し、これにより得られる一般式 で表わされるトリハロゲルミルプロピオン酸誘導
体を、チオニルクロライド等の塩素化剤で塩素化
して一般式 で表わされるトリハロ塩化物とし、該塩化物
()をアンモニア、次いでハロゲン化水素で扱
つて一般式 で表わされるトリハロアミド体としてから加水分
解して、一般式 で表わされる有機ゲルマニウム化合物とすること
を特徴とするものであり、又別の構成は、 (式中、R1,R3は水素原子、メチル基やエチ
ル基等の低級アルキル基、R2は水素原子、メチ
ル基やエチル基等の低級アルキル基あるいはフエ
ニル基をそれぞれ示す。) で表わされるアクリル酸誘導体に、トリハロゲル
マン HGeX3 () (式中、Xはハロゲン基を示す) を付加し、これにより得られる一般式 で表わされるトリハロゲルミルプロピオン酸誘導
体を、チオニルクロライド等の塩素化剤で塩素化
して一般式 で表わされるトリハロ塩化物とし、該塩化物
()をアンモニアで扱つた後か又はアンモニア
水により直接に加水分解することにより、一般式 で表わされるトリハロアミド体を単離することな
く、一般式 で表わされる有機ゲルマニウム化合物とすること
を特徴とするものである。 次に本発明有機ゲルマニウム化合物の製造方法
について、下記工程に従い順次説明する。 即ち、一般式()で表わされるアクリル酸誘
導体を一般式()で表わされるトリハロゲルミ
ルプロピオン酸()に変換する第1工程は、ア
クリル酸誘導体()とトリハロゲルマン()
との公知付加反応によるものであり、これには
種々の反応条件が当該アクリル酸誘導体()の
構造や反応性により選択されるが、例えばアクリ
ル酸誘導体()を塩酸やエーテル等の無機又は
有機の溶媒に懸濁又は溶解し、室温又は氷冷下に
トリクロルゲルマンを滴下したり、あるいはトリ
クロルゲルマンを濃塩酸に溶解した後、室温又は
氷冷下に前記アクリル酸誘導体()を滴下する
方法があり、溶媒中に析出する結晶を取するか
又は溶媒を留去することにより得、これをn―ヘ
キサン等から再結晶すると、トリハロゲルミルプ
ロピオン酸()が約80〜90%の収率で得られる
のである。 次に、上記第1工程で得られたトリハロゲルミ
ルプロピオン酸()を一般式()で表わされ
るトリハロ塩化物に変換する第2工程は、チオニ
ルクロライド等の塩素化剤によるカルボン酸の水
酸基の塩素化反応であり、この工程もトリハロゲ
ルミルプロピオン酸()を適宜の溶媒に溶解す
るか又は無溶媒で過剰量のチオニルクロライドで
扱い、反応終了後に過剰のチオニルクロライドを
留去してから残渣を減圧蒸留するといつた一般的
手法により約55〜90%の収率で進めることができ
る。尚、経済性を無視できれば、対応するアクリ
ル酸誘導体()の酸クロライドを入手し、エチ
ルエーテル等の有機溶媒中でトリクロルゲルマン
を付加させるようにしても良い。 更に、上記第2工程で得たトリハロ塩化物を一
般式()で表わされる本発明化合物に変換する
第3―a工程は酸塩化物のアミドへの置換反応と
ゲルマニウムに結合したハロゲン基の加水分解反
応より成り、このうちの置換反応はトリハロ塩化
物を無水ベンゼン等の溶媒に溶解してこの溶液に
乾燥アンモニアを導入した後、乾燥塩化水素ガス
を吹き込んでゲルマニウム―ハロゲン結合を確保
することを内容とするもので、通常の後処理によ
り得られた化合物、即ちトリハロアミド体()
の収率は約76〜92%である。次いで、このトリハ
ロアミド体()を加水分解すると化合物()
が得られるのであり、この加水分解反応は前述し
た化合物a,bの場合と同様、適宜液性の水に前
記トリハロアミド体()を投入し、室温あるい
は加温下に適宜時間かくはんした後、析出する結
晶を涓取するようにすれば良い。 又、前記トリハロ塩化物()は、対応するト
リハロアミド体として単離してから加水分解する
のではなく、直接的に前記一般式()で表わさ
れる本発明化合物の一としても良い。即ち、第3
―b工程のように、トリハロ塩化物()を無水
ベンゼン等の溶媒に溶解した後、この溶液に乾燥
アンモニアを導入し、更に水を加えてかくはん
後、水層から化合物()を得るのであり、この
場合の収率は約72〜96%である。 而して、上記の本発明製造方法によれば、一般
式()で表わされる化合物を、一般に極めて高
価であるか又は入手の困難は置換アクリル酸の誘
導体を用いることなく、それらと比較すれば安価
で且つ入手の容易な置換アクリル酸を原料として
得ることができるので、特に上記化合物を大規模
に製造する場合に寄与する経済性は量り知れな
い。 又、経済性のみならず、本発明製造方法は置換
アクリル酸のアミドを使用しないから、 の重合物が生成することもなく、トリハロ塩化物
をアンモニアで扱つた後、ハロゲン化水素を導入
することにより、高収率で高純度のトリハロアミ
ド体を得ることができるし、更には、前記トリハ
ロ塩化物をアンモニアで扱つた後に水を導入する
ことにより、一般式()で表わされる化合物を
得ることができる等、不安定な中間体(これは のような構造と推定される)を単離することなし
に、たくみに本発明化合物の製造をなし得るもの
である。 一方、以上述べた製造方法により得られた本発
明化合物は、いずれも新規な有機ゲルマニウム化
合物であつて、一般式()で表わされる物質は
優れた生理活性を示すと共に従来公知の化合物に
比較して溶解度が高く、体内利用率を向上させる
ことができるし、又、その他の化合物は該一般式
()で表わされる化合物を製造する際の中間体
として使用できる点に有用性がある。 次に本発明の実施例について述べる。 実施例1 トリハロゲルミルプロピン酸の合成 化合物(″―1)の合成 (E)―2―メチル―2―ブテン酸20.02g(0.2モ
ル)を乾燥エチルエーテル100mlに溶解し、氷冷
下トリクロルゲルマン36.0g(0.2モル)を加え
て2時間かくはん後、析出する結晶をn―ヘキサ
ンより再結晶すると、化合物″―の無色板状
結晶を42.86gを得た。収率は76.5%であつた。 化合物(″―1) 2―メチル―3―(トリクロルゲルミル)ブ
タン酸 融 点 71.0〜72℃ 元素分析 計算値 Ge:25.92 C:21.44 H:3.24
Cl:37.98 実験値 Ge:25.63 C:21.53 H:
3.26Cl:37.96 IR(KBr,cm-1) 1690(C=O)、1260(C
―O)、420,405,395(Ge―Cl) NMR(δ,CDCl3) 1.43(3H,d
【式】1.44(3H,d,CH3―CH― CO)2.60(1H,m,Ge―CH)、3.12(1H,m,
CH3―CH―CO)11.62(1H,s,COOH) MS(m/e) 280(M+)、285(M―Cl)、
144(GeCl2) 化合物(″―2)の合成 3―メチルクロトン酸20.0g(0.2モル)を濃
塩酸100mlに懸濁し、以下前記化合物(″―1)
の場合と同様に処理して化合物(″―2)の無
色注状結晶を46.7g得た。収率は83.3%であつ
た。 化合物(″―2) 3,3―ジメチル―3―(トリクロルゲルミ
ル)ブタン酸 融 点 61〜62℃ 元素分析 計算値 Ge:25.92 C:21.44 H:3.24
Cl:37.98 実験値 Ge:25.78 C:21.55 H:3.22
Cl:37.78 IR(KBr,cm-1) 1700(C=O)、1200(C
―C)、 1230【式】 415,400,380(Ge―Cl) NMR(CDCl3,δ) 1.50(6H,s,―
CH3)、2.76((2H,s,―CH2)、11.43
(1H,s,COOH) MS(m/e) 280(M+)、245(M―Cl)、
179(GeCl2)、144(GeCl2) 尚、本化合物(″―2)は、乾燥エチルエー
テルを溶媒としても合成できた。 化合物(″―3)の合成 トランス柱皮酸29.6g(0.2モル)を乾燥エチ
ルエーテルに溶解した後、前記化合物(″―
1)の場合と同様にトリクロルゲルマンと反応さ
せて析出する結晶を取し、これをベンゼン―n
―ヘキサン(1:5)より再結晶して化合物
(″―3)の無色板状結晶を61.5g得た。収率は
93.8%であつた。 化合物(″―3) 3―フエニル―3―(トリクロルゲルミル)
プロピオン酸 融 点 83〜84℃ 元素分析 計算値 Ge:22.12 C:32.95 H:2.77
Cl:32.41 分析値 Ge:22.30 C:32.85 H:2.83
Cl:32.48 IR(KBr,cm-1) 1710(C=O)、1600,
1490(―C6H5)、700(C―H),420,
400(Ge―Cl) NMR(CDCl3,δ) 3.17(2H,d,―
CH2―),7.35(5H,s,C6H5).8.37
(1H,s,―COOH) MS(m/e) 328(M+)、293(M―Cl) 化合物(″―4)の合成 α―メチル柱皮酸32.4g(0.2モル)を乾燥エ
チルエーテル300mlに溶解し、前記化合物(″―
1)と同様に処理して化合物(″―4)の無色
板状結晶を50.9g得た。収率は74.4%であつた。 化合物(″―4) 2―メチル―3―フエニル―3―(トリクロ
ルゲルミル)プロピオン酸 融 点 91〜92℃ 元素分析 計算値 Ge:21.22 C:35.10 H:3.24
Cl:31.09 分析値 Ge:21.15 C:35.05 H:3.23
Cl:30.98 IR(KBr,cm-1) 1680(C=O)、 1600,1490(―C6H5), 700【式】 425,405,390(Ge―Cl) NMR(CDCl3,δ) 1.46(3H,d,―
CH3)、3.50(1H,m,―CH―)、3.70
(1H,d,Ge―CH―)、7.63(5H,
m,C6―H5)9.63(1H,s,―
COOH) MS(m/e) 342(M+)、307(M―Cl)、
163(M―Cl2)、179(GeCl3)、144(Ge
―Cl2) 実施例2 トリハロ塩化物の合成 化合物(I″―5)の合成 3―(トリクロルゲルミル)ブタン酸26.6g
(0.1モル)に100mlのチオニルクロライドを加
え、10時間加熱還流後、過剰のチオニルクロライ
ドを減圧熱留に付し、化合物(″―5)を沸点
99〜100℃/6mmHgの無色透明留分として24.7
g得た。収率は87%であつた。 化合物(″―5) 3―(トリクロルゲルミル)ブチルクロライ
ド 元素分析 計算値 Ge:25.52 C:16.89 H:2,12
Cl:49.85 実験値 Ge:25.36 C:16.61 H:2.21
Cl:49.69 屈析率等 n20 :1.5108 d20 20:1.6619 IR(KBr,cm-1) 1790(C=O)、590(De
―C)、430,400(Ge―Cl) NMR(CDCl3,δ) 1.48(3H,d,―C
)、2.72(1H,m,Ge―C)、
3.28(2H,m,―C ) MS(m/e) 284(M+)、249(M―Cl)、
179(GeCl3)、105(M―GeCl3) 化合物(″―6)の合成 2―メチル―3―(トリクロルゲルミル)プロ
ピオン酸26.6g(0.1モル)を前記化合物(″―
5)と同様にチオニルクロライドと扱つた後、減
圧蒸留に付し、化合物(″―6)を沸点101〜
101.5℃の無色透明留分として25.1g得た。収率
は88%であつた。 化合物(″―6) 3―(トリクロルゲルミル)―2―メチルプロ
ピオニルクロライド 元素分析 計算値 Ge:25.52 C:16.89 H:2.12
Cl:49.85 実験値 Ge:25.41 C:16.87 H:2.15
Cl:49.82 屈折率等 n20 :1.5074 d20 20:1.6622 IR(KBr,cm-1) 1790(C=O)、950(C
―O)、590(Ge―C)、425,405(Ge―
Cl) NMR(CDCl3,δ) 1.56(3H,d,―C
)、2.83(2H,m,Ge―C )、
3.38(1H,m,―C―CO) MS(m/e) 284(M+)、249(M―Cl)、
105(M―GeCl3)、179(GeCl3) 尚、上記化合物(″―5),(″―6)は対応
するアクリル酸クロライドにトリクロルゲルマン
を付加させるようにしても合成することができ
る。即ち、化合物(″―5)に関しては、クロ
トノイルクロライド20.9g(0.2モル)を乾燥エ
チルエーテル200mlに溶解し、氷冷下トリクロル
ゲルマン36.0g(0.2モル)を加えて2時間かく
はん後、エチルエーテルを留去し残渣を減圧蒸留
に付すのであり、又、化合物(″―6)に関し
てはメタクリロイルクロライド20.9g(0.2モ
ル)を同様にトリクロルゲルマンと反応させた後
に減圧蒸留に付すのであり、この方法によつても
上記方法で得られた化合物(″―5),(″―
6)と実質的に同一のものが、それぞれ72%、
54.3%の収率で得られたのである。 化合物(″―7)合成 3―(トリクロルゲルミル)―2―メチルブタ
ン酸28.0g(0.1モル)を前記化合物(″―5)
と同様にチオニルクロライドと扱つた後、減圧蒸
留に付し、化合物(″―7)を沸点99―100℃/
6mmHgの淡黄色留分として27.0gを得た。収率
は90.4%であつた。 化合物(″―7) 3―(トリクロルゲルミル)―2―メチルブタ
ン酸クロライド 元素分析 計算値 Ge:24.32 C:20.12 H:2.70
Cl:47.50 実験値 Ge:24.41 C:20.03 H:2.84
Cl:74.41 屈折率等 n20 :1.5105 d20 20:1.60795 IR(KBr,cm-1) 1785(C=O)、920(C
―O)、580(Ge―C)、480,400(Ge―
Cl) NMB(CDCl3,δ) 1.45(3H,Gd,e―
CH2―C )、1.58(3H,d,C
―CH―CO)、2.70(1H,m,Ge――C
―)、3.28(1H,m,―C―CO) MS(m/e) 298(M+)、263(M―Cl)、
179(GeCl)、144(GeCl2)、119(M―
GeCl3) 化合物(″―8)の合成 3―(トリクロルゲルミル)―3―メチルブタ
ン酸28.0g(0.1モル)を前記化合物(″―5)
と同様にチオニルクロライドと扱つた後、減圧蒸
留に付し、化合物(″―8)を沸点90℃/5mm
Hgの淡黄色留分として25.5gを得た。収率は
85.5%であつた。 化合物(″―8) 3―(トリクロルゲルミル)―3―メチルブタ
ン酸クロライド 元素分析 計算値 Ge:24.32 C:20.12 H:2.70
Cl:47.50 分析値 Ge:24.53 C:19.95 H:2.68
Cl:47.26 屈折率等 n20 :1.5144 d20 20:1.5968 IR(KBr,cm-1) 1800(C=O)、595(Ge
―C)、430,400(Ge―Cl) NMR(CDCl3,δ) 1.50(3H,s,Ge―
C―C )、3.32(2H,s,―C
―CO) MS(m/e) 298(M+)、179(GeCl3)、
119(M―GeCl3) 実施例3 セスキオキサイド型化合物(′―
1)〜(′―4)の合成 3―1 トリハロアミド体を経由する方法 化合物(′―1)の合成 まず、3―(トリクロルゲルミン)―ブタン酸
クロライド5.69g(0.02モル)を無水ベンゼン
150mlに溶解し、氷冷下乾燥アンモニアを1時間
導入し更に乾燥塩化水素ガスを1時間導入した
後、酢酸メチルエステル100mlを加え、かくはん
して過し、液を留去後、残渣をアセトン―ベ
ンゼン(1:2)より再結晶して、次のような特
徴を有する化合物(″―9)の無色針状結晶を
5g(94.5%収率)得る。 化合物(″―9) 3(トリクロルゲルミン)ブタン酸アミド 融点123〜124℃ 元素分析 計算値 Ge:27.39 C:18.13 H:3.04
Cl:40.12 N:5.28 実験値 Ge:27.60 C:18.13 H:3.08
Cl:40.08 N:5.25 IR(KBr,cm-1) 3450,3350,3300,3250
(N―H)、1665(C=O)、600(Ge―
C)、420,380(Ge―Cl) MS(m/s) 265(M+)、230(M―Cl) このようにして得られた化合物(″―9)を
5.70g(0.02モル)用い、そのゲルマニウム塩素
結合のみを常法どおり加水分解することにより、
以下のような特徴を有する化合物(′―1)を
2.9g得た。収率は79.8%であつた。 化合物(′―1) 2―カルバモイルエチルゲルマニウムセスキオ
キサイド 元素分析 計算値 Ge:39.73 C:26.30 H:4.41
N:7.67 実験値 Ge:39.60 C:26.15 H:4.40
N:7.51 IR(KBr,cm-1) 1655(C=O)、900,800
(Ge―O) DTA 322℃に吸熱ピーク348,410℃に発熱
ピーク 化合物(′―2)の合成 まず、3―(トリクロルゲルミル)―2―メチ
ルプロピオン酸クロライド5.69g(0.02モル)
を、前記化合物(′―1)の場合と同様にアン
モニア及び塩化水素ガスと反応させてから後処理
をして、次のような特徴を有する化合物(″―
10)の無色板状結晶を4.66g(88.0%収率)を得
る。 化合物(″―10) 3―(トリクロルゲルミル)―2―メチルプロ
ピオン酸アミド 融 点 114〜115℃ 元素分析 計算値 Ge:27.39 C:18.13 H:3.04
Cl:40.12 N:5.28 実験値 Ge:27.71 C:18.23 H:3.07
Cl:40.06 N:5.20 IR(KBr,cm-1) 3450,3350,3270,3230
(N―H)、1660(C=O)、600(Ge―
C)、415(Ge―Cl) NMR(dioxan―d6,δ) 1.34(3H,d,
―C ―)、2.20(2H,m,Ge―C
―)2.90(1H,m,C―CO) MS(m/e) 265(M+)、230(M―Cl) 次いでこの化合物(″―10)を5.70g(0.02モ
ル)用い、前記と同様常法どおり加水分解するこ
とにより、以下のような特性を有する化合物
(′―2)を3.01g得た。収率は82%であつた。 化合物(′―2) 2―カルバモイル―2―メチルエチルゲルマニ
ウムセスキオキサイド 元素分析 計算値 Ge:39.73 C:26.30 H:4.41
N:7.67 実験値 Ge:39.52 C:26.37 H:4.39
N:7.61 IR(KBr,cm-1) 1660(C=O)、900,800
(Ge―O) DTA 246℃に吸熱ピーク、315℃に発熱ピ
ーク 化合物(′―3)の合成 まず、2―メチル―3―(トリクロルゲルミ
ル)ブタン酸クロライド5.8g(0.02モル)を、
前記化合物(′―1)の場合と同様にアンモニ
ア及び塩化水素ガスと反応させてから後処理をし
て、次のような特徴を有する化合物(″―11)
の無色柱状結晶4.1g(76.0%収率)得る。 化合物(″―11) 2―メチル―3―(トリクロルゲルミル)ブタ
ン酸アミド 融 点141〜142℃ 元素分析 計算値 Ge:26.01 C:21.52 H:3.61
Cl:38.11 N:5.03 実験値 Ge:25.93 C:21.49 H:3.63
Cl:37.96 N:4.98 IR(KBr,cm-1) 3450,3270,3210(N―
H)、1655(C=O)、605(Ge―C)、
420,410(Ge―Cl) NMR(aceton―d6,δ) 1.30(3H,d,
Ge―CH―C )、1.44(3H,d,C
―CH―CO)、2.52(1H,m,Ge―
)、3.22(1H,m,―C―CO) MS(m/e) 279(M+)、244(M―Cl)、
179(GeCl3)、144(GeCl2) 次いで、この化合物(″―11)を5.97g
(0.02モル)用い、前記と同様常法どおり加水分
解することにより、以下のような特徴を有する化
合物(′―3)を3.15g得た。収率は80%であ
つた。 化合物(′―3) 1,2―ジメチル―2―カルバモイルエチルゲ
ルマニウムセスキオキサイド 元素分析 計算値 Ge:36.90 C:30.53 H:5.12
N:7.12 実験値 Ge:36.59 C:30.47 H:5.03
N:7.05 IR(KBr,cm-1) 1660(C=O)、895,795
(Ge―O) DTA 62,432℃に吸熱ピーク、307℃に発
熱ピーク NMR(D2O,δ) 1.25(3H,d,Ge―CH
―C )、1.55(3H,d,C
CH―CO)、2.90(2H,m,C―C
) 化合物(′―4)の合成 まず、3―メチル―3―(トリクロルゲルミ
ル)ブタン酸クロライド5.97g(0.02モル)を、
前記化合物(′―1)の場合と同様にアンモニ
ア及び塩化水素ガスと反応させてから後処理をし
て、次のような特徴を有する化合物(″―12)
の無色プリズム状結晶を5.0g(92.2%収率)得
る。 化合物(″―12) 3―メチル―3―(トリクロルゲルミル)ブタ
ン酸アミド 融 点155〜156℃ 元素分析 計算値 Ge:26.01 C:21.52 H:3.61
Cl:38.11 N:5.02 実験値 Ge:26.06 C:21.41 H:3.58
Cl:37.97 N:4.95 NMR(acetone―d6,δ) 1.38(6H,s,
―C )、2.80(2H,s,C ) MS(m/e) 279(M+)、244(M―Cl)、
179(GeCl3)、144(GeCl2) 次いで、この化合物(″―12)を5.97g
(0.02モル)用い、前記と同様常法どおり加水分
解することにより、以下のような特徴を有する化
合物(′―4)を2.99得た。収率は76%であつ
た。 化合物(′―4) 1,1―ジメチルエチルゲルマニウムセスキオ
キサイド 元素分析 計算値 Ge:36.90 C:30.53 H:
5.12N:7.12 実験値 Ge:36.49 C:30.43 H:5.12
N:7.00 IR(KBr,cm-1) 1665(C=O)、890(Ge
―O) NMR(D2O) 1.15(6H,s,C―(C
)、2.48(2H,s,C ) DTA 200,240,276℃に吸熱ピーク325℃
に発熱ピーク 3―2 トリハロ塩化物から直接合成する方法 化合物(″―5)(3―トリクロルゲルミル
ブン酸クロライド)5.70g(0.02モル)を無水
ベンゼン150mlに溶解し、氷冷下乾燥アンモア
を1時間導入後、水500mlを加えてかくはんし
てから水層を分離してゲル過(セフアデツク
ス25〔商品名〕)し、液を蒸発乾固すること
により無色無定型結晶を2.63g得た。収率は
72.4%であつた。 この反応を化合物(″―6)〜(″―8)
についても行い、それぞれから下表に示すよう
に無色無定型結晶を得たが、これらの化合物の
データはすべて前記化合物(′―1)〜
(′―4)のものと一致した。 【表】 又、上記化合物(″―5)〜(″―8)を
14%NH4OH溶液40mlに溶解して析出する結晶
を取し、該結晶をゲル過(セフアデツクス
25〔商品名〕)後、液を蒸発乾固すると、全
く同様に前記化合物(′―1)〜(′―4)
が得られた。尚、収量等は下表に示すとおりで
ある。 【表】 実験例 4 前記実施例3で得られたセスキオキサイド型化
合物の生体内での利用性を検討するため、25℃に
於ける水に対する溶解度を調べたところ、これら
の化合物は従来公知の類似化合物に比較して、下
表に示すとおりの良好な水溶性を有することがわ
かつた。 【表】 実験例 5 上記実施例3に示した方法によれば、式 で示される有機ゲルマニウム化合物を合成するこ
ともできる。 即ち、化合物(′―5)は、前記化合物
(″―3)をチオニルクロライドで扱つた後減圧
蒸留して得た式 で示されるトリハロ塩化物を得、これを無水ベン
ゼン中で氷冷下アンモニアガスと反応させるか、
あるいはNH4のOH溶液に溶解した後、水と接触
させるかすれば良いのであり、この場合の収率は
前者の場合で86.2%、後者にあつては75.5%であ
つた。 参考のため、化合物(″―13)及び(′―
5)の物性を示す。 化合物(″―13) 沸 点148―149℃/4mmHg 元素分析 計算値 Ge:20.94 C:31.19 H:2.33
Cl:40.92 実験値 Ge:20.76 C:31.08 H:2.49
Cl:40.90 屈折率等 n20 :1.5736 d20 20:1.5793 IR(KBr,cm-1) 1795(C=O)、 1600,1495,1452【式】 700【式】425,400 (Ge―Cl) NMR(CDCl3,δ) 3.70(2H,dd,―C
―CO)、3.92(1H,t,Ge―C
)、7.36(5H,m,―C6 ) 化合物(′―5) 元素分析 計算値 Ge:29.66 C:44.16 H:4.12
N:5.72 実験値 Ge:29.68 C:43.82 H:4.01
N:5.66 IR 1660(C=O)、930,895,800(Ge―
O) DTM 252℃に吸熱ピーク、307,400℃に発
熱ピーク 実験例6 本発明方法により製造される化合物の
生理活性 CDF1系マウス(9週令のメス)を1群8匹と
し、対照群の12匹のみに一匹当りIMC腫瘍細胞を
1×106個皮下に接種した後、24時間後から、1
日1回化合物(′―5)の25mg/Kg量及び5
mg/Kg量をそれぞれ0.5%カルボキシメチルセル
ロース溶液として連続5日間経口的に投与したの
ち、1日休薬し、再び6日間投与また1日休薬し
て6日間投与を行うサイクルをくり返し、最終投
与日の翌々日に解剖して腫瘍重量を測定した。こ
の結果は下表に示す通りで化合物(′―5)は
特に顕著な抗腫瘍活性を示すことが判明した。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、R1,R3は水素原子、メチル基やエチ
    ル基等の低級アルキル基、R2は水素原子、メチ
    ル基やエチル基等の低級アルキル基あるいはフエ
    ニル基をそれぞれ示す) で表わされるアクリル酸誘導体に、トリハロゲル
    マン HGeX3 () (式中、Xはハロゲン基を示す) を付加し、これにより得られる一般式 で表わされるトリハロゲルミルプロピオン酸誘導
    体を、チオニルクロライド等の塩素化剤で塩素化
    して一般式 で表わされるトリハロ塩化物とし、該塩化物
    ()をアンモニア、次いでハロゲン化水素で扱
    つて一般式 で表わされるトリハロアミド体としてから加水分
    解して、一般式 で表わされる有機ゲルマニウム化合物とすること
    を特徴とする有機ゲルマニウム化合物の製造方
    法。 2 一般式 (式中、R1,R3は水素原子、メチル基やエチ
    ル基等の低級アルキル基、R2は水素原子、メチ
    ル基やエチル基等の低級アルキル基あるいはフエ
    ニル基をそれぞれ示す) で表わされるアクリル酸誘導体に、トリハロゲル
    マン HGeX3 () (式中、Xはハロゲン基を示す) を付加し、これにより得られる一般式 で表わされるトリハロゲルミルプロピオン酸誘導
    体を、チオニルクロライド等の塩素化剤で塩素化
    して一般式 で表わされるトリハロ塩化物とし、該塩化物
    ()をアンモニアで扱つた後か又はアンモニア
    水により直接に加水分解することにより、一般式 で表わされるトリハロアミド体を単離することな
    く、一般式 で表わされる有機ゲルマニウム化合物とすること
    を特徴とする有機ゲルマニウム化合物の製造方
    法。
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