JPS6228966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は血圧の測定の際に使用される血圧計用
腕帯に関するものである。

従来、この種の血圧計用腕帯として、第１図お
よび第２図に示すような構造のものがあり、すな
わち腕帯本体１の一面にベルベツト式フアスナー
の雌部２および雄部３を間隔をあけて取付け、か
つその腕帯本体１の一端部にリング４を取付ける
とともに、他端部に膨大部５を設けたものであ
る。この血圧計用腕帯は、第２図に示すようにリ
ング４に膨大部５を通し、そして腕帯本体１のリ
ング４を通した部分をリング４で折り返して被測
定者の腕を締め付けるものであり、その締め付け
た状態でフアスナーの雌部２と雄部３とを係着さ
せることにより締め付け状態を保持することがで
きる。

ところで、この血圧計用腕帯は、腕帯本体１の
他端部に設けた膨大部５がリング４に引掛るた
め、常に環の状態にしておくことができ、被測定
者が測定する時に、自分自身で容易に腕に巻付け
ることができるという利点を有している反面、膨
大部５がリング４に引掛り、第１図に示すように
容易に広げることができないため、腕帯を洗浄す
る時、煩しいという欠点が生じたり、不使用時に
丸めて片付けるということができないという欠点
が生じていた。

また、膨大部５を形成するための部材を腕帯本
体１内に縫い込む必要があり、量産する上で手間
がかかるという欠点もあつた。

本考案はこのような従来の欠点を解決するため
に考案したものであり、以下本考案による血圧計
用腕帯について、第３図〜第９図の図面を用いて
説明する。

第３図ａ，ｂに本考案の一実施例による血圧計
用腕帯の広げた時の状態を示しており、図におい
て６は腕帯本体、７はこの腕帯本体６の一端部に
取付けた金属製のリング、８は腕帯本体６の一面
に配設したベルベツト式フアスナーの雌部であ
り、この雌部８は、前記リング７を取付けた側と
は反対側の他端部における所定の範囲を残して腕
帯本体６の一面のほぼ全面に亘つて配設されてい
る。９ａ，９ｂはこの雌部８に着脱自在に係着す
る雄部であり、この雄部９ａ，９ｂのうち、雄部
９ａは前記雌部８と同一面上でその雌部８が設け
られていない腕帯本体６の他端部に並べて配設さ
れ、また雄部９ｂはその雄部９ａおよび雌部８の
設けられていない腕帯本体６の他面上の前記雄部
９ａを設けた他端部に配設されている。

この第３図ａ，ｂに示す本考案の血圧計用腕帯
では、第４図に示すように腕帯本体６のベルベツ
ト式フアスナーの雄部９ａ，９ｂを設けた他端部
をリング７に通し、そして第５図に示すように、
腕帯本体６のリング７を通した部分をそのリング
７の部分で折り返して被測定者の腕を締め付ける
か、または第６図に示すようにそのリング７の部
分で折り返さず、そのままリング７を通した腕帯
本体６の他端部を引つ張つて被測定者の腕を締め
付け、所定の位置で、フアスナーの雌部８に雄部
９ａまたは雄部９ｂを係着させるものである。

すなわち、本考案の血圧計用腕帯では、被測定
者の便利な方法で腕に巻付けて締め付けることが
できるのである。

また、本考案の血圧計用腕帯では、リング７に
他端部を挿通させる場合、第４図に示すように腕
帯本体６の他面にフアスナーの雌部８を設けてい
ないため、容易に挿通させることができる。一
方、第３図ａ，ｂに示すように腕帯を広げようと
した場合には、第７図に示すように腕帯本体６の
他面に設けたフアスナーの雄部９ｂが雌部８に干
渉することとなり、容易にリング７から抜くこと
ができなくなるが、従来の血圧計用腕帯とは異な
り、その干渉し合つているフアスナーの雌部８と
雄部９ｂとの係着状態を外し、腕帯本体６の他端
部を外側に広げる方向に引つ張つた状態で引き抜
くことにより、リング７から容易に抜くことがで
きる。すなわち、本考案の血圧計用腕帯において
は、ただ単に腕帯本体６を引つ張るだけでは、リ
ング７から引き抜くことができないものの、フア
スナーの雄部９ｂを設けた他端部を外側に広げる
方向に引つ張つた状態で引き抜けば、容易に広げ
ることができ、これによつて腕帯を洗浄する場合
に煩しくなることがない。

しかも、第８図に示すように任意の大きさの環
の状態で保持することもできるため、被測定者が
自分自身で測定する場合に、あらかじめ腕の大き
さに合せて腕帯の環の大きさを設定しておくこと
ができ、自分自身でも測定をスムーズに簡単に行
うことができる。

さらには、第９図に示すように、リング７を巻
芯にして雌部８が外側になるように丸め、その丸
めた状態で雌部８に雄部９ｂを係着させることに
より、腕帯を小さく丸めて保管することができ
る。すなわち、一般に腕帯本体６内にはゴムホー
スを備えたゴム袋が内蔵されており、従来のもの
では丸めても広がつてしまつていたが、本考案の
血圧計用腕帯では、フアスナーの雌部８と雄部９
ｂとの係着により丸めた後の広がりを防ぐことが
できるのである。

ここで、上記実施例においては、ベルベツト式
フアスナーを用いた例で説明したが、本考案にお
いてはベルベツト式フアスナーでなくても着脱自
在に係着する部材であればよく、またその部材を
設ける範囲も上記実施例の構造に限定されるもの
ではなく、例えば雌部と雄部とが逆であつてもよ
い。

以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、特別な部品を付加することなく簡単な構造で
血圧の測定をスムーズにかつ簡単に行え、しかも
容易に保管や洗浄の行うことができる血圧計用腕
帯を安価に提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来の血圧計用
腕帯を示す斜視図、第３図ａ，ｂは本考案の一実
施例による血圧計用腕帯を示す斜視図および側面
図、第４図は本考案の血圧計用腕帯を使用するに
際してリングに挿通させる時の状態を示す側面
図、第５図および第６図はそれぞれ本考案の血圧
計用腕帯の使用例を示す斜視図、第７図〜第９図
はそれぞれ本考案の血圧計用腕帯における効果を
説明するための側面図である。 ６……腕帯本体、７……リング、８……雌部、
９ａ，９ｂ……雄部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 腕帯本体の一端部にリングを取付け、かつその
   リングに腕帯本体の他端部を挿通して腕帯本体を
   環状にして使用し、環状とした際に外側となる腕
   帯本体の一面に、互いに着脱自在に係着する２つ
   の部材を長手方向に並設し、かつ前記腕帯本体の
   他面に前記２つの部材のうちの腕帯本体の他端部
   側に配設した部材と同一部材を配設してなる血圧
   計用腕帯。