JPS6228485Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輛用空気調和装置用ダクト、特に空
気制御部を駆動するためのモータアクチユエータ
などに給電するための配線が一体化されたダクト
に関するものである。

従来、車輛用空気調和装置は、第１図に示すよ
うに内部にエバポレータ１、ヒータコア２、エア
ミツクスドア３、或いは図示しない送風機、内外
気切換ドア、モード切換ドアなどを有するダクト
４を有しており、このダクト４にはエアミツクス
ドア３、或いは他の空気制御ドアなどの開度を制
御する空気制御機器としてのモータアクチユエー
タ５が取付けられ、このモータアクチユエータ５
に対しリード線６を介して図示しないバツテリか
ら給電される。上記モータアクチユエータ５はモ
ータと、このモータの回転力を減速するギヤと、
出力軸７と、この出力軸７とエアミツクスドア３
などの空気制御ドアに連動する連結部材８などを
有するもので、上記モータには上記リード線６か
らコネクタ２０を介して給電され、これによりエ
アミツクスドア３などの空気制御ドアの開度を調
整できる。上記リード線６は被覆線から成るもの
でダクト４に近接する如くバツテリー側から導出
され、図示しないクリツプ等で保持されて配線さ
れる。

しかしながら、上記構成による従来の車輛用空
気調和装置によれば、リード線６がダクト４と別
体となつており外部に露出しているために、長期
間の使用によりその被覆に油等が付着したり、蒸
気、ガス等がかかつて劣化し、これが破れて漏電
が生じたり、或いはモータアクチユエータ５にリ
ード線６を接続するための作業が容易に行なえず
作業中にリード線６が切断されてしまつたり、さ
らには自動車の振動をリード線６が受けてモータ
アクチユエータ５側との接続部分が切断されてし
まつたり、さらにはモータアクチユエータ５に給
電するためのリード線６と他の自動車用制御機器
に給電するためのリード線との取扱い上の混同が
生じて誤配線してしまうおそれもある。

本考案の目的はモータアクチユエータ５に給電
するためのリード線をダクトと一体化するように
して上記欠点を除去するものであり、以下実施例
を用いて詳細に説明する。

第２図ないし第４図は本考案による車輛用空気
調和装置用ダクトの一実施例を示す簡略構成図で
あり、同図において、ダクト４の外壁４ａ側には
空気制御ドアなどを駆動するための空気制御機器
としてのモータアクチユエータ５が設置される。
なお、このモータアクチユエータ５は上ケース５
ａと下ケース５ｂとから成るもので、下ケース５
ｂの底面側からは予めダクト４の外壁４ａ側に設
けられた嵌合筒体４ｂの内部に嵌入する脚部５ｃ
が突出しており、この嵌入する脚部５ｃと筒体４
ｂとの係合によりモータアクチユエータ５はダク
ト４に取付けられる。１０は上記ダクト４の壁部
の肉厚部分に一体化されダクト４の肉厚部分に沿
つて延在する如く配線されたリード線であり、例
えば銅線などが用いられこのダクト４に一体化さ
れたリード線１０の端部はダクト４におけるモー
タアクチユエータ５に対応する位置で上部方向に
露出しており、この露出部分は端子板１１に接続
されている。上記端子板１１は略Ｌ字状となつて
おり、その垂直部１１ａの底部側よりリード線１
０の先端側が挿入された後、その最先端側は垂直
部１１ａの内面側に設けられた端子１２に接続さ
れている。上記端子板１１はダクト４に対し一体
化されたものであつても或いは別体なものであつ
てもよい。この端子板１１に対して逆Ｌ字状とな
つた流出板１３は下ケース５ｂの底部側に下ケー
ス５ｂと一体或いは別体な部品として固定されて
おり、その垂直部１３ａの内面側には、モータア
クチユエータ５のモータ側より延在するリード線
１４が接続された端子１５が設けられており、こ
の端子板１３はモータアクチユエータ５の脚部５
ｃが筒体４ｂ内に嵌入されて固定された状態にお
いて端子板１１と噛み合うような状態となりこれ
により垂直部１１ａと１３ａとが互いに接してこ
の接触圧により端子１５と端子１２とが電気的に
接続され、これにより図示しないバツテリからリ
ード線１０、端子１２，１５を介してモータアク
チユエータ５のモータに接続されたリード線１４
に給電することができ、これによりモータを駆動
することができる。

本考案におけるリード線１０については、通常
ダクト４をインジエクシヨン成形により成形して
いるので予めこのリード線１０をインジエクシヨ
ン成形金型の成形空間内にセツトしておきこの状
態でインジエクシヨンを行なうことによりリード
線１０をダクト４の壁部内に簡単に一体化するこ
とができる。なお、インジエクシヨン成形に際し
て端子板１１を一体化するようにしインジエクシ
ヨン時に端子板１１が同時に成形されるように
し、この端子板１１の垂直部１１ａの内面側にリ
ード線１０の先端側が露出するようにしておくこ
とが勘要である。

以上説明したように本考案によればダクト壁部
内に対しモータアクチユエータ５などの制御機器
に給電するためのリード線を一体化するようにし
たので、このリード線１０を別途配線する作業が
不要となるので配線作業を著しく簡略化すること
ができ、またリード線１０が車輌の振動などによ
り断線することがなく或いは長期の使用により、
又は自動車の油などが付着することによりその被
覆が破れてしまい漏電が起きるなどの問題を解消
でき、さらに端子板１１と端子板１３とを予め設
けておくことにより、リード線と制御機器との接
続が極めて容易となるなどの多大な効果を奏す
る。

なお、本実施例においては、モータアクチユエ
ータ５に対し給電するためのリード線１０につい
て説明したが、本考案はこれに限定されず、例え
ば車輛用空気調和装置における内外気を導入する
ための送風機等の空気制御機器に給電するための
リード線であつても本考案を適用できることは勿
論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輌用空気調和装置用ダクトの
一例を示す簡略構成図、第２図ないし第４図は本
考案による車輌用空気調和装置用ダクトの一実施
例を示す要部斜視図、及び要部断面図である。 ４…ダクト、４ａ…側壁、５…モータアクチユ
エータ、５ａ…上ケース、５ｂ…下ケース、５ｃ
…脚部、１０…リード線、１１，１３…端子板、
１２，１５…端子、１４…リード線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気制御機器を有する車輛用空気調和装置用ダ
   クトにおいて、上記空気制御機器に給電するため
   のリード線をダクトの肉厚部分内に、上記ダクト
   のインジエクシヨン成形時に一体化して配線する
   ようにし、ダクトの壁部表面側にダクトと一体の
   端子板を設け、この端子板よりダクトの肉厚部分
   内に一体化したリード線の先端部を露出するとと
   もに、この露出部分に空調制御機器の端子を接続
   する車輛用空気調和装置用ダクト。