JPS6228383B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は間接受熱型の乾燥機に関し、とくに回
転円筒中に多数の蒸気等の熱媒体による加熱管を
挿入して被乾燥物を回転円筒の一端より受入れて
回転により加熱管との接触をよくし、熱媒体の保
有熱量を加熱管を介して被乾燥物に与え、水分を
蒸発させると共に、乾燥機を傾斜して据付けるこ
とにより被乾燥物を回転させながら移動させる回
転多管式乾燥機の改良に関する。

この種の乾燥機では、容積当りの加熱面積が大
きく、従つて乾燥能力が大きく且つ伝熱速度が高
いこと、排気ガスの処理設備が過大にならず、ま
た直接燃料を燃さないので燃焼設備や排ガス処理
設備が不要である、等の利点がある。さらに発生
する蒸気の処理も被乾燥物に対し向流、並流のい
ずれも可能であり、不活性ガスの雰囲気の下でも
乾燥可能である。しかしながら、この乾燥機では
回転円筒の支持および駆動系が大がかりとなり、
そのため設備費が高くなる欠点があつた。

この型の装置を価格合理化の面より考えれば、
加熱管群の支持方式、回転円筒の支持方式および
その駆動系の大きさが主な影響因子である、さら
に性能を一層向上するには伝熱面と被乾燥物との
接触のほか、被乾燥物の供給方法、乾燥物の排出
方法、蒸気ドレンの排出方法のいずれをも合理的
なものにしなければならない。

従つて、本発明の目的は比較的廉価であると共
に一層性能のすぐれた回転多管式乾燥機を提供す
ることである。

上記目的を達成するため、本発明による回転多
管式乾燥機の特徴は、回転円筒の一端を形成する
入口円板の内側に固定された支持板に固定された
入口軸と、前記円筒の出口側の蒸気室に取付けら
れた中空軸によつて、前記円筒を軸支すると共
に、前記入口軸に備えられた送り羽根によつて被
乾燥物の供給を行ない、さらに前記中空軸に熱媒
体の流入管およびドレン排出管を設け、それによ
つて熱媒体の流入およびドレンの排出を円滑にで
き得るようにしたことである。

次に図面を参照して、本発明の好適な実施例に
ついて説明する。第１図は乾燥物の出口が乾燥物
の出口側に近い回転円筒の側面に設けられた実施
例を示し、多数の加熱管１が管支持金具２によつ
て円筒３内に固定されている。円筒３の一端を形
成する入口円板４の中心口を通つてスクリユーコ
ンベヤのケーシング５が設けられ、且つ入口円板
４にはそのケーシング５を取巻く円筒部６が挿入
される開孔を有し、円筒部６が前記円板４に固定
されている。入口円板４の内側において円筒内に
は支持板７が固定され、ケーシング５内に収めら
れる送り羽根１０を備えた入口軸８の一端が支持
板７に固定され且つ入口軸８の他端は円筒３の外
部に設けられた軸受９によつて支持されて、円筒
３の一端を軸支している。入口軸８に固定された
送り羽根１０とケーシング５でスクリユーコンベ
ヤを形成している。ケーシング５には被乾燥物の
入口１１とガスの出口１２が備えられている。１
３は軸受９およびケーシング５を支持する支持台
である。円筒部６とケーシング５の間にはガス等
のもれを防止する密封装置１４が設けられてい
る。１５は入口円板にもうけられた加熱管１を挿
通し、該加熱管の一端を支持する孔である。加熱
管１の端に取付けられたガス抜き１６はベンドパ
イプ１７をへて自動ガス排出バルブ１８を備えた
集合管１９に接続されている。

乾燥物の出口側には管板２１が取付けられ、円
筒３の出口端はフランジ２２を有する出口円板２
３で閉止されている。管板２１と出口円板２３と
によつて蒸気室２４が形成されている。各加熱管
１は入口円板４の孔１５に挿通され管板２１に固
定されて設置されている。出口円板２３には軸受
２５によつて支持された中空軸２６が設けられて
いる。この実施例では蒸気入口もしくは流入管２
７とドレン排出管２８は回転継手２９を介して中
空軸２６に設置されている。ドレン排出管２８に
接続されたドレン管３０の先端は蒸気室２４の下
部に達している。円筒３には管板２１の近くにお
いて堰３１を備えた乾燥物即ち、製品の出口孔３
２が設けられ、この出口孔の位置に、密封装置３
３、乾燥物即ち製品の出口３４、ガス入口３５を
有するケーシング３６が取付けられている。さら
に中空軸２６には駆動用ギヤまたはチエーンホイ
ール３７が取付けられ、適当な駆動装置３８によ
つて円筒３を回転するようになつている。

第２図および第３図は他の実施例として乾燥物
の中心排出型のものを示し、この図の実施例では
中空軸２６は内部に送り羽根４０を備えると共
に、蒸気室２４を貫通し、蒸気流入管２７に連結
された蒸気内管４１とドレン排出管２８に接続さ
れたドレン内管４４は中空軸２６の中心に設けら
れている。蒸気内管４１と蒸気室２４の間には連
結パイプ４２が設けられ、蒸気室４２内には仕切
板４３が在り、仕切板４３の近くにドレン内管４
４に接続されたドレン管４４′が設けられてい
る。中空軸２６はガス入口４５および乾燥物出口
即ち製品の出口４６を有するケーシング４７に対
し、密封装置４８によつてガス等の流出を防止し
ている。円筒３内には管板２１から適宜距離のと
ころに側板４９が設けられ、その間に掻上げ板５
０が備えられて掻上げ室５１が形成されて乾燥物
を中空軸２６内に投入するように形成されてい
る。

第４図はさらに他の実施例として独立して回転
されるスクリユー排出型のものを示し、この実施
例では蒸気室２４の中央に内筒６０が取付けら
れ、その周りに中空軸２６が取付けられる。内筒
６０の内部には、ガス入口６１乾燥物即ち製品の
出口６２、出口仕切板６３、製品入口６４が取付
及び形成されたケーシング６７が詰箱６６を介し
て取付けられている。第４図において、スクリユ
ーコンベヤ８５はコンベヤ軸用軸受７０及び６５
に軸支されている。６８はケーシング軸受、６９
はコンベヤ軸の軸受７０を支持するアームであ
る。中空軸２６と内筒６０との間の環状部７１は
蒸気通路である。また中空軸２６の外周には、両
側に詰箱７２を備えて蒸気入口座７とドレン出口
座７４を有する蒸気管７５と、ドレン管７６を備
えた蒸気箱７９が取付けられている。さらに図示
のように、中空軸には、蒸気孔８０、蒸気室２４
への蒸気孔８１、中空軸のドレン孔８２、蒸気ド
レンの流出口８３およびドレン通孔カバー８４が
設けられている。

本発明の装置の運転について説明する。第１図
において、水分を含む被乾燥物は入口１１からケ
ーシング５内に供給される。円筒３は駆動装置３
８によつて中空軸２６を介して回転され、これに
伴い、支持板７に固定された軸８および送り羽根
１０も回転されるので、ケーシング５に供給され
た被乾燥物は送り羽根１０の回転によつて円筒３
の中に送られその中で加熱管１と強制的に接触さ
せられて加熱される。第１図の実施例では蒸気は
蒸気流入管２７から導入され、中空軸２６を通
り、蒸気室２４から各加熱管に流入する。なお、
蒸気中の不凝縮性ガスは伝熱を阻害するので加熱
管先端のガス抜き１６からベンドパイプを介して
集合管１９に集め、バルブ１８から大気中に放出
される。円筒３内で蒸発した水分を含むガスは、
通常供給物と向流的に流れて、ガス出口１２より
スクラバーまたはコンデンサーに導入され、そこ
で蒸発蒸気や随伴した粉体を除かれて浄化された
ガスが大気中に放散される。被乾燥物は円筒３内
で出口側に進むにつれて漸次乾燥され、蒸気室２
４の近くに運ばれる。

第１図の実施例では、乾燥物は乾燥機内の充填
率を変化する役割を果す堰３１を越えて、出口孔
３２からケーシング３６の中に落下し、出口３４
より機外に取出される。一方、各加熱管１の中で
凝縮したドレンは加熱管の内部を伝わつて蒸気室
２４に集められ、ドレン管３０によりドレン排出
パイプ２８を経て機外に取出される。

第２の実施例では、乾燥物は側板４９を越えて
室５１に流入し、且つ掻き上げ板５０によつて中
空軸２６内に挿入され、送り羽根４０によつて出
口ケーシング４７に落下し、出口４６より機外に
取出される。加熱用蒸気は蒸気流入管２７から蒸
気内管４１を通り且つ連絡パイプ４２を経て蒸気
室２４に流入し、そこから各加熱管に入る。各加
熱管１で凝縮した水分は仕切板４３によつてくみ
上げられ、ドレン管４４′よりドレン内管４４を
経てドレン排出管２８より排出される。

第３の実施例では、乾燥物は側板４９に設けら
れた孔を通つて室５１に流入し、掻上げ板５０に
よつて持上げられ、製品入口６４内に落下する。
スクリユーコンベヤ８５は適当な駆動装置によつ
て回転されており、そこに落下した乾燥物は直ち
に製品出口６２に送られて外部に取出される。一
方、蒸気箱７９に流入する蒸気は蒸気孔８０か
ら、環状部７１および蒸気孔８１を通つて蒸気室
２４に流入し、そこから各加熱管１に流入し、凝
縮ドレンは仕切板４３によつて強制的に蒸気室ド
レン孔８３に導びかれドレン流路およびドレン孔
８２をへてドレン出口管７４より機外に排出され
る。

従つて、本発明によれば乾燥機円筒を両端に固
定された軸で支持し、とくに出口側には中空軸を
備え、低摩擦のころがり軸受を用い得るようにす
ると共に、中空軸の中に蒸気管およびドレン管、
さらに製品排出機構が備えられるため、構造がコ
ンパクトになり、且つ動力消費量が少なくなる。

そして従来、円筒にとりつけられた駆動用の大
型ギヤおよびそれに関連した部材はすべて小型化
されるので、保守が容易となり、運転費が比較的
少なくて済み、設備費を著しく低減することがで
きる。

なお、本発明による上記乾燥機では通常、蒸気
を用いるが、温水あるいは有機性熱媒体、その他
の熱媒体を用いてもよく、さらには冷却水などを
用いて冷却機として使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一例による回転多管式乾燥機
の構造をやや図式的に示した側面図、第２図は他
の実施例を示す乾燥機の出口部分の詳細図、第３
図は第２図の線Ａ―Ａに沿つて取つた断面図、そ
して第４図はさらに他の実施例を示す第２図に類
似の図である。 図中、１：加熱管、３：円筒、４：入口円板、
５：ケーシング、７：支持板、８：入口軸、９：
軸受、１０：送り羽根、２４：蒸気室、２６：中
空軸、２７：蒸気流入管、２８：ドレン排出管、
４０：送り羽根、４１：蒸気内管、４４：ドレン
内管、８５：乾燥物用スクリユーコンベヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被乾燥物の入口と乾燥物の出口と、内部に多
   数の熱媒体用の管を含む回転円筒とを有する回転
   多管式乾燥機において、前記円筒の一端を形成す
   る入口円板の内側に固定された支持板と、一端が
   前記支持板に固定され且つ前記入口円板を通つて
   他端が前記円筒の外で軸支され送り羽根を備えた
   入口軸と、さらに前記送り羽根の周囲に設けられ
   且つ被乾燥物の入口を備えたケーシングと、前記
   円筒の他端に設けられた蒸気室に取付けられた中
   空軸を有し、前記円筒は前記入口軸および前記中
   空軸によつて支持され、さらに前記中空軸には前
   記蒸気室に挿入された熱媒体の流入管およびドレ
   ン排出管が設けられていることを特徴とする回転
   多管式乾燥機。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の乾燥機におい
   て、乾燥物の出口は乾燥物の出口側に近い前記円
   筒の側面に設けられている回転多管式乾燥機。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の乾燥機におい
   て、前記中空軸内に送り羽根を設け且つその中心
   部に前記熱媒体の流入管および前記ドレン排出管
   を設け、さらに前記中空軸は前記蒸気室の中心部
   を貫通して取付けられている回転多管式乾燥機。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載の乾燥機におい
   て、前記中空軸内には独立して回転される乾燥物
   用スクリユーコンベヤが備えられ、前記中空軸は
   前記蒸気室の中心部を貫通して取付けられている
   回転多管式乾燥機。