JPS6228267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、魔法瓶等の液体容器における、内
容器に連通する給液口を持つ肩部材と、内容器を
覆う外装ケースとの結合装置に関する。

肩部材は、外装ケースと別体に形成されること
により、その形状や構造の設計自由度や製作性が
向上する。しかし、一方では、肩部材は、その給
液口部に、外装ケース底部から押し上げられる内
容器の口部を受け止めなければならないし、手提
げハンドルが装着されると、外装ケースおよび内
容器が、内容液と共に肩部材に吊持される状態と
なるために、外装ケースとの強力な結合が要求さ
れている。強力な結合構造は種々あるが、組立性
や外観等の問題から、肩部材の結合筒周面に環状
溝を形成して、それに外装ケースの上端部係合周
縁を無理嵌めするのが一般的である。こ無理嵌め
は、外観がよいうえに、作業性や結合強度の面で
も比較的満足できる。

その反面、無理嵌めは、肩部材および外装ケー
ス間の比較的低い弾性変形のもとに行われるため
に、所定の結合強度と作業性を満足するには、嵌
合部に高い寸法精度が必要であるが、実際上寸法
にバラツキがあるし、外装ケース上端の係合周縁
等嵌合部が無理嵌めに際し幾分か塑性変形された
りして、必要な嵌合度が得られなかつたり、ガタ
ツキを起したりし、肩部材が内容器を受け止め、
また外装ケースや内容器、さらには内容液を一度
に吊持するには、外装ケースとの結合上安全とは
云い切れない面があつた。

そこで従来、前記無理嵌めに加え、肩部材と外
装ケースとをビス止めするものが知られている。
このビス止めは、たとえ１，２箇所であつても、
液体容器上部周りに露出して目立つから、外観を
損うし、部品点数および組立作業の工数がその分
増加して、コスト上昇の原因ともなる。

この考案は、肩部材の結合筒に形成された環状
溝と、外装ケースの上端部係合縁とを嵌合する一
方、肩部材の外装ケース上端部外面を覆う覆い部
内面と、同覆い部に覆われる外装ケース上端部外
面部とに、互いに係合し合う凹凸部を形成してそ
れらをも係合させることによつて、前記何れの欠
点をも解消でき、結合強度および作業性共に満足
しかつ構造が複雑化することもない液体容器の外
装ケースと肩部材の結合装置を提供することを目
的とするものである。

第１図から第３図に示される実施例について説
明すれば、１は液体容器の器体であつて、金属板
製外装ケース２の上端に合成樹脂製肩部材３を結
合し、外装ケース２内の内容器４を、外装ケース
２下端に装着した底盤５中央の図示しない中ネジ
によつて、肩部材３の給液口６下部へ押し付けて
保持しており、給液口６は内容器４に連通されて
いる。肩部材３上には、蓋体７が設けられ、肩部
材３の後部へ軸８により回動自在に枢着してい
る。９は前記蓋体７枢着のために、肩部材３に一
体成形された蓋体取付部であり、肩部材３の蓋体
取付部９とは反対の側に、内容液注出口１０を器
体１一側へ臨ませる嘴状部１１が一体成形されて
いる。１２は手提げハンドルであつて、その両端
を肩部材３の側部へピン１３により回動自在に止
着されている。

外装ケース２と肩部材３とは、肩部材３の下向
きに形成されている結合筒１４の外周に環状溝１
５を形成して、外装ケース２上端の内向きに折曲
されている係合周縁１６と嵌合させる一方、外装
ケース２上端外面一部を覆つている前記蓋体取付
部９の内面９ａに係合凸部１７を形成して、外装
ケース２の前記取付部９に覆われる部分に形成し
た係合凹部としての窓１８と係合させることによ
り結合されている。この場合、結合筒１４は、蓋
体取付部９よりも内側位置に形成されていて、同
取付部９との間に外装ケース２上端を挾み込む状
態で、前記環状溝１５と係合周縁１６との嵌合
と、係合凸部１７と窓１８との係合によつて、肩
部材３と外装ケース２とを強力に結合させる。

結合筒１４は、環状溝１５と係合周縁１６との
嵌合が、いわゆる無理嵌めではあるが、必要な程
度に容易に行われ得るよう、軸線方向の切込み２
０が下端から形成されており、蓋体取付部９と対
向する部分の切欠幅は特に大きくされ、互いに成
形性を損わないようにしている。１９は肩部材３
の手提げハンドル取付部である。

第４図、第５図は、外装ケース２上端外面を覆
う肩部材嘴状部１１の基部内面１１ａに、前記係
合凹凸部１７を形成して、外装ケース２の窓１８
と係合させている。他の構成は前記実施例と同様
である。

第６図、第７図は、外装ケース２上端外面を覆
う肩部材手提げハンドル取付部１９の内面１９ａ
に、前記係合凸部１７を形成して、外装ケース２
の窓１８と係合させている。他の構成は前記第１
実施例と同様である。

前記各実施例において係合凸部１７を形成した
蓋体取付部９、嘴状部１１基部および手提げハン
ドル取付部１９の何れも、肩部材３の嵌合筒１４
とは別個に、肩部材３外周一部から垂設されて外
装ケース２の上端外面を覆つており、直径線上で
対向する例えば蓋体取付部９および嘴状部１１基
部双方の内面に係合凸部１７を形成する、つまり
第１図の場合と第４図の場合とを組合わせた構成
としてもよいし、さらにそれらに第６図の場合を
組合わせてもよい。外装ケース上端外面とそれを
覆う肩部材覆い部との係合箇所が増える程、肩部
材３と外装ケース２との結合強度を増大する。

前記係合凸部１７が設けられる各蓋体取付部
９、嘴状部１１基部、手提げハンドル取付部１９
は、肩部材３の嵌合筒１４と同一円周上に形成し
てもよく、第８図、第９図は嘴状部１１基部と嵌
合筒１４とを、第１０図、第１１図は、手提げハ
ンドル取付部１９と嵌合筒１４とを、同一円周上
に連続形成した場合の一例を示すものであり、何
れも単純な円筒部としているが、仮想線で示され
るような裾形状とする方が、係合凸部１７と窓１
８との係合が弾性的に行われ易い。また、嵌合筒
１４は内周に環状溝１５が形成されて、外装ケー
ス２上端の外向きに縁巻きされた係合周縁１６と
嵌合している。

なお、係合凸部１４を外装ケース２側に形成
し、それと係合する係合凹部を肩部材３の外装ケ
ース２上端外面に対する覆い部内面に形成しても
よいことは勿論である。この場合、係合凹部を前
記各実施例における窓１８とすることは、外部に
露出するから好ましくない。

この考案によれば、肩部材の結合筒に形成され
た環状溝と、外装ケース上端部の係合周縁とを嵌
合する一方、肩部材の外装ケース上端部外面を覆
う覆い部内面と、同覆い部に覆われる外装ケース
上端部外面部とに、互いに係合し合う凹凸部を形
成してそれらをも係合させたから、肩部材と外装
ケースとは、全周範囲での嵌合と、円周上１ない
し数箇所での係合とによつて、強力に結合され
る。また、その嵌合および係合は、肩部材および
外装ケースの相互押し付けと云う、従来の嵌合だ
けの結合の場合と同じ作業のみによつて同時的に
なされ、作業性が低下することはないし、前記係
合構造上部品点数も増加せず、安価に供し得る。
さらに、前記係合部は外部から見えないので、外
観を損うこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の斜面図、第２図は要部を断
面して見た一部拡大側面図、第３図は肩部材の斜
面図、第４図は他の実施例の要部を断面して見た
一部側面図、第５図は肩部材の斜面図、第６図は
別の実施例の要部を断面して見た一部側面図、第
７図は肩部材の斜面図、第８図は今１つの実施例
の要部断面図、第９図は要部の分解斜面図、第１
０図はさらに別の実施例の要部断面図、第１１図
は要部の分解斜面図である。 １……器体、２……外装ケース、３……肩部
材、４……内容器、６……給液口、｛９……蓋体
取付部、１１……嘴状部、１９……手提げハンド
ル取付部｝覆い部、１４……結合筒、１５……環
状溝、１６……係合周縁、１７……係合凸部、１
８……窓（係合凹部）、９ａ，１１ａ，１９ａ…
…覆い部内面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内容器に連通する給液口を持つ肩部材の結合
   筒に形成された環状溝と、内容器を覆う外装ケ
   ースの上端部係合周縁とを嵌合する一方、肩部
   材の外装ケース上端部外面を覆う覆い部内面
   と、同覆い部に覆われる外装ケース上端部外面
   部とに、互いに係合し合う凹凸部を形成してそ
   れらをも係合させたことを特徴とする液体容器
   の外装ケースと肩部材の結合装置。 (2) 結合筒は、覆い部よりも内側位置に形成され
   て、外周面に環状溝を有し、外装ケースの内向
   きに形成されている係合周縁に環状溝が嵌合す
   るようにされている実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の液体容器の外装ケースと肩部材の結
   合装置。 (3) 結合筒は、覆い部と同一円周上位置に形成さ
   れて、内周面に環状溝を有し、外装ケースの外
   向きに形成されている係合周縁に環状溝が嵌合
   するようにされている実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の液体容器の外装ケースと肩部材の
   結合装置。 (4) 覆い部は、肩部材の、蓋体取付部やハンドル
   取付部、あるいは注液用嘴状部形成部等であつ
   て、肩部材の外周一部に垂設されている実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の液体容器の外装
   ケースと肩部材の結合装置。 (5) 肩部材は合成樹脂製、外装ケースは金属板製
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載の液
   体容器の外装ケースと肩部材の結合装置。