JPH0323137Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、化粧料等を収納する容器と、該容器
の内部をふたし、かつ化粧用パフ等を収納する中
皿と、該容器をふたする蓋とよりなり、中皿と蓋
を自在に蝶番開閉でき、かつ開閉固定用の係止部
をもつコンパクト容器に関するものである。

従来、この種のコンパクト容器は、容器と中皿
と蓋がそれぞれ別部品として作られ、共通の１本
の蝶番軸により開閉自在に結合され組み立てられ
たものである。従つて、構成部品が４点と多いう
えに、組立も煩雑となるので、生産コストが高く
なるという欠点があつた。

本考案の目的は、部品点数が少なく、組立が簡
単で生産コストが安く、しかも堅ろうで美観のあ
るコンパクト容器を提供するにある。

本考案の要点は、容器と蓋とがそれぞれの外周
壁の１箇所で、軸受空間を形成できる折り曲げ可
能な接続板を介して接続され、可撓性の熱可塑性
合成樹脂により一体成形されたものであり、また
中皿はその外周壁の１箇所に前記軸受空間に挿入
する蝶番軸を一体構造で有しており、この２つの
部品を組み立ててなるものである。

本考案の構成を更に詳しく説明すると次のごと
くである。容器の外周壁の１箇所に、上部を容器
の内周壁まで切り欠いた、幅の広い縦方向のはめ
込み用の溝があり、該溝の下端部と蓋の外周壁の
下端部の１箇所とが、該溝と同じ幅及び該容器の
外周壁と同じ高さをもち、かつ該溝にはめ込みで
きる形状の接続板の上下両端部における、折り曲
げ可能な薄肉部を介して一体に接続されており、
更に該溝の切り欠いた部分及び該接続板に、該接
続板を該溝にはめ込んだとき、該切り欠いた部分
に中皿の蝶番軸を受ける軸受用空間を形成できる
突起構造を有している。この容器を組み立てるに
は、中皿の蝶番軸を容器の溝の切り欠いた部分に
挿入後、接続板を溝内にはめ込むことによつて達
成される。接続板と溝の下端部を接続する薄肉部
は、前記の接続板はめ込み時の折り曲げ用として
働き、また接続板と蓋の下端部を接続する薄肉部
は、蓋の蝶番開閉軸用として働く。

以下、図面に例示した実施例により、本考案を
具体的に説明する。第１図は組み立てたときの縦
断面図、第２図は第１図のＡ部の拡大図を示す。
第３図は容器と蓋の展開された斜視図、第４図は
中皿の斜視図、第５図は容器の組立要部を示す斜
視図である。

第１図において、１は容器（容器本体）、２は
容器１をふたする蓋、３は容器１の内部をふた
し、かつ化粧用パフ２２を収納する中皿であり、
７は容器１と蓋２を接続すると共に軸受空間を形
成する接続板である。なお、２１は容器１内に収
納される化粧料等を示している。

第３図において、容器１の外周壁の１箇所に、
縦方向に幅の広いはめ込み用の溝４があり、その
両側面５は内広がりの傾斜が付き、かつ外側の角
ははめ込みを容易にするため丸く面取りされてい
る。溝４の上部は内周壁まで切り欠いた切欠部４
ａがある。この切欠部４ａの両端にそれぞれ突起
部６があり、その上面は容器１の上面より低く、
前面は溝４の壁より奥に位置し、この前面の前部
に軸受用空間１１が形成できるようになつてい
る。

溝４の下端部と蓋２の外周壁下端部の１箇所
が、接続板７の両端部における折り曲げ可能な薄
肉部８及び９を介して接続されている。この薄肉
部８及び９は折り曲げ可能な薄さになつており、
特に薄肉部９は蓋２の蝶番開閉軸の機能を持たせ
るため、繰り返し折り曲げ可能な薄さになつてい
る。この繰り返し折り曲げ可能な薄さは、可撓性
の熱可塑性合成樹脂（例えば、ポリプロピレン，
ポリエチレン，ポリビニルブチラール）を用いた
場合大体0.05mm位が適当である。

本考案のような、容器，蓋，接続板を繰り返し
折り曲げ可能な薄肉部を介して接続延長する一体
成形品は、最近著しく進歩した精密射出成形技術
によつて可能となつた。

接続板７は、溝４と同じ幅及び容器１の外周壁
と同じ高さをもち、溝４内に弾力性を利用して容
易にはめ入れることができ、かつはめ入れ後は容
易に抜け出ないような形状になつている。また、
接続板７の上部両端にそれぞれ突起部１０があ
り、接続板７を、薄肉部８を折り曲げて溝４には
め入れると、第２図に示すごとく、突起部１０は
切欠部４ａの突起部６の上部に重なり、軸受用空
間１１を形成する。蓋２の１２は蓋をあけるとき
の指掛け兼蓋固定用係止部であり、容器１の１３
はそれの相手方の係止部である。

第４図において、中皿３の外周壁の１箇所に、
蝶番軸１４が蝶板１５と一体になつて設けられ、
熱可塑性樹脂（例えばアクリル・スチロール樹
脂）で成形されている。第５図に示すごとく、蝶
板１５は溝４の切欠部４ａの両突起部６間にはめ
入れできる形状であり、また蝶番軸１４は切欠部
４ａ上の軸受用空間１１（第２図に示す）にはめ
入れできる大きさである。

容器を組み立てるには、容器１の切欠部４ａ及
び軸受用空間１１に、中皿３の蝶板１５及び蝶番
軸１４をはめ入れたのち、薄肉部８を折り曲げて
接続板７を溝４内にはめ込み、蝶番軸１４を軸受
用空間１１内に閉じ込める。このようにすれば、
中皿は蝶番軸１４を中心にして自在に開閉でき、
また蓋２は繰り返し折り曲げ可能な薄肉部９を中
心にして自在に開閉できる。

なお、本実施例では、容器の平面形状を円形と
したが、四角形、多角形又は楕円形であつても同
様である。また、中皿を熱可塑性樹脂の成形品と
したが、金属板のプレス品でも同様に実施でき
る。

以上述べたように、本考案は、一体成形で作ら
れた容器と蓋、及び中皿と蝶番軸の２部品で構成
され、この２部品をはめ入れ組合せによつて完成
できるので、構成部品が少なく、組立作業が簡単
なため、生産コストが安く、しかも構造堅ろうで
仕上がりもきれいである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の組立縦断面図、第
２図は第１図のＡ部の拡大図、第３図は第１図の
容器と蓋の展開斜視図、第４図は第１図の中皿の
斜視図、第５図は容器の組立要部を示す図であ
る。 １……容器、２……蓋、３……中皿、４……
溝、４ａ……溝４の切欠部、５……溝４の側面、
６……溝４の突起部、７……接続板、８，９……
薄肉部、１０……接続板の突起部、１１……軸受
用空間、１４……蝶番軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料等を収納する容器と、該容器の内部をふ
   たし、かつ化粧用パフ等を収納する中皿と、該容
   器をふたする蓋とよりなり、該中皿と該蓋を自在
   に蝶番開閉でき、かつ蓋の開閉固定用の係止部を
   もつコンパクト容器において、前記容器はその外
   周壁の１箇所に、上部を該容器の内周壁まで切り
   欠いた、幅の広い縦方向のはめ込み用の溝を有
   し、該溝の下端部と前記蓋の外周壁の下端部の１
   箇所とが、該溝と同じ幅及び該容器の外周壁と同
   じ高さをもち、かつ該溝内にはめ込みできる形状
   をした接続板の上下両端部における、繰り返し折
   り曲げ可能な薄肉部を介して一体に接続され、ま
   た前記溝の切り欠いた部分及び前記接続板に相対
   向する突起構造を有し、前記接続板を前記溝には
   め込んだとき、該突起構造により前記切り欠いた
   部分に、蝶番軸受用空間を形成できる構造であ
   り、前記の容器，蓋及び接続板が可撓性の熱可塑
   性合成樹脂の一体成形で作られており、また前記
   中皿はその外周壁の１箇所に、前記蝶番軸受用空
   間に挿入する蝶番軸を一体構造で有しており、前
   記中皿の蝶番軸を前記容器の切り欠いた部分に挿
   入後、前記接続板を前記溝にはめ込んで成ること
   を特徴とするコンパクト容器。