JPS6227979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動販売機等の硬貨処理装置の内部に
設けられ、投入された硬貨を一時保持する硬貨一
時保持装置の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

自動販売機等の硬貨処理装置においては、取引
が完了するまでは投入された硬貨を返却できるよ
うに硬貨を一時保持しておく必要がある。このた
め例えば特公昭55−48639号に示されているよう
に、硬貨処理装置には硬貨を一時保持する装置が
設けられている。このような硬貨処理装置では、
投入された硬貨は検銭部、仕分け部を通つて硬貨
の種類毎に円筒状の収容孔が設けられた一時保持
ブロツクを有する一時保持装置に積層して一時保
持される。この一時保持ブロツクは底面が本体に
接触し金種毎に貫通する収容孔を有し、投入され
た硬貨を夫々の収容孔に積層して一旦収容してお
り、取引が完了すれば一時保持ブロツクを移動さ
せることによつて投入された硬貨をホツパシユー
トを介して取込み、又は取引が完了しなければ一
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時保持ブロツクに積層して保持している硬貨を放
出するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、硬貨処理装置に従来の10円、50円、
100円硬貨に加えて500円硬貨が用いられるように
なる。500円硬貨が用いられると硬貨処理装置の
一時保持装置も投入された500円硬貨を取引が終
了するまで一時保持する必要がある。しかしなが
ら既存の硬貨処理装置を用いて一時保持装置を
500円硬貨に対応させるために、一時保持ブロツ
クに500円硬貨用の収容孔を設ける場合には、硬
貨の取込時に連通するホツパシユートを垂直に取
付ける余地のないことが多い。このように硬貨を
取込む際に硬貨が落下する余地なく単に一時保持
ブロツクに連通するホツパシユートを取付けただ
けでは硬貨づまりになるという恐れがある。その
ため収容孔に連通するホツパシユートには一定以
上の垂直落下の余地を設ける必要があり、一時保
持装置だけでなく硬貨処理装置自体にも大幅な設
計変更をする必要があるという問題点が生じてい
た。

本考案はこのような硬貨一時保持装置の問題点
に鑑みてなされたものであつて、硬貨処理装置の
内部に大幅な変更を加えることなく、取扱い硬貨
の種類を増やすようにすることを技術的課題とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は貫通する収容孔を金種毎に有し該収容
孔に投入金を積層して一時保持する一時保持ブロ
ツクと、一時保持ブロツクの各収容孔に対応して
金種毎に設けられたホツパシユートと、を具備
し、一時保持ブロツクの底面は本体に接触するよ
うに構成され、一時保持ブロツクを移動させるこ
とにより各収容孔に保持された硬貨を夫々の金種
のホツパシユート又は返却口に落下させる硬貨一
時保持装置であつて、ホツパシユートの少なくと
も一部は一時保持ブロツクの底面と接する垂直部
と垂直部に連通する傾斜部とを有し硬貨を所定経
路に導く傾斜型ホツパシユートであり、その垂直
部が積層する硬貨の高さに比べて短い傾斜型ホツ
パシユートに対する収容孔の下面の周囲に溝を設
けると共に、硬貨一時保持装置本体には、一時保
持ブロツクの該溝に当接するプールアンダープレ
ートを固定し、当該収容孔に収容される硬貨の保
持下面を一時保持ブロツクの底面より上昇させた
ことを特徴とするものである。

〔作 用〕

本考案による一時保持装置は垂直部が短い傾斜
型ホツパシユートに対応する収容孔には収容孔の
下面の周囲に溝を設け、その溝の下面に当接する
ように所定厚さのプールアンダープレートを本体
に固定している。従つてアンダープレートを設け
た収容孔では硬貨の保持下面が一時保持ブロツク
の底面に比べて上昇することとなる。そして一時
保持装置に保持した硬貨は一時保持ブロツクの移
動に伴つてホツパシユートより硬貨処理装置内に
取込まれる。このときこの収容孔の硬貨はプール
アンダープレートの厚さとホツパシユートの垂直
部の高さとの和だけ垂直に降下する。そのため積
層した硬貨がホツパシユートに入り込むときに傾
斜型ホツパシユートの入口部で硬貨がつまること
はなくすみやかに本体内に取込まれるように作用
する。

〔実施例の説明〕

（実施例の構成） 第１図は本考案の一実施例による硬貨の一時保
持装置を示すものである。本図において、一時保
持ブロツク１には硬貨の種類に応じた収容孔、例
えば100円硬貨用の収容孔１ａ、10円硬貨用の収
容孔１ｂ、及び500円硬貨用の収容孔１ｃが設け
られる。収容孔１ａ，１ｂ，１ｃは夫々一時保持
ブロツク１を貫通する貫通孔である。一時保持ブ
ロツク１は図示しないガイドによつて図の前後に
移動しうるよう構成されており、この移動によつ
て保持硬貨を返却し、又は釣銭放出機に投入す
る。第１図において各収容孔１ａ，１ｂ，１ｃに
対応して夫々ホツパシユート２ａ，２ｂ，２ｃが
設けられている。ホツパシユート２ａ，２ｂは
夫々100円硬貨及び10円硬貨の釣銭放出機３ａ，
３ｂに連結されている。500円硬貨は額が最も大
きいので釣銭として放出することはない。従つて
500円硬貨用の収容孔１ｃに対応するホツパシユ
ート２ｃは釣銭放出機に連結されず、硬貨収容部
（図示せず）に連結される。ところで硬貨処理装
置全体をなるべく小型化するため一時保持ブロツ
ク１も小型化することが好ましい。そこで釣銭放
出機に到るホツパシユートの形状は、ホツパシユ
ート２ａのように垂直としたものの他に、ホツパ
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シユート２ｂ，２ｃのように一時保持ブロツク１
と接する垂直部及び該垂直部と連通する傾斜部を
有するようにした傾斜型ホツパシユートを設けて
いる。しかるに第１図に示すようにホツパシユー
ト２ｂのように高さＨ１の十分な垂直部分を設け
てある場合には硬貨づまりは起こらない。しかし
500円硬貨が使用できるように、従来の一時保持
ブロツクを用い新たに一時保持ブロツク１に貫通
孔である収容孔１ｃを設け硬貨処理装置本体にも
ホツパシユート２ｃを設けた場合には、ホツパシ
ユート２ｃは傾斜型とせざるを得ず、又垂直部分
の高さＨ２も小さくなる。そのため、多数の硬貨
を保持していた場合には、一時保持ブロツク１が
駆動されても収容孔１ｃよりホツパシユート２ｃ
に硬貨は落下せず硬貨づまりが生じると考えられ
る。そこで本願考案では傾斜型ホツパシユート上
面の垂直部分の高さがわずかな収容孔では一時保
持ブロツク１に保持する硬貨の保持下面を上げる
ことによつて垂直部分の高さを大きくしている。

第２図は第１図の−線断面図を示すもので
ある。第１図及び第２図に示すように、一時保持
ブロツク１の収容孔１ｃの下部に収容孔１ｃを含
む溝１ｄが設けられており、その溝１ｄに当接す
る位置に収容孔１ｃの底板となるプールアンダー
プレート４が設けられる。プールアンダープレー
ト４の厚さＤは一時保持ブロツク１の溝１ｄに等
しく、従つて一時保持ブロツク１の底面は平坦な
面となる。プールアンダープレート４は第２図に
示すようにＬ型アングル５によつて本体に固定さ
れている。

（動 作） ここで投入された硬貨が一時保持ブロツク１で
保持されている場合に、一取引が終了すると、一
時保持ブロツク１は第２図に示す矢印６の方向に
移動する。この場合垂直方向の高さはホツパシユ
ート２ｃ自体の垂直部分の高さＨ２にプールアン
ダープレート４の厚さＤが加わる。そのためプー
ルアンダープレート４を十分厚くすれば実質的に
垂直方向の高さは十分な値となつて硬貨がつまる
ことはない。例えば収容孔１ｃに投入される可能
性のある硬貨が５枚とすると、５枚分の硬貨が積
層する厚さは例えば９mmとなる。従つてホツパシ
ユート２ｃの高さＨ２とプールアンダープレート
４の厚さＤとの和が９mm以上となるように、プー
ルアンダープレート４の厚さを定める。そうすれ
ば矢印６方向に一時保持ブロツク１が移動した場
合、硬貨が垂直に落下する十分な余地があるの
で、硬貨がつまることはない。尚保持していた硬
貨を返却する際には、一時保持ブロツク１を矢印
７の方向に移動させる。この場合も硬貨が垂直に
落下する十分な余地があるため、硬貨がつまる恐
れはない。

尚本実施例においては500円硬貨を新たに取扱
うための硬貨の一時保持装置について説明した
が、本考案は500円硬貨に限らず、新種の硬貨を
取扱う全ての場合に適用できることはいうまでも
ない。又始めからこのような構造として硬貨処理
装置を小型化するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

(a) 本考案によれば、一時保持装置に保持した硬
貨をホツパシユートに導く際には垂直部自体の
長さが短い傾斜型ホツパシユートについてもプ
ールアンダープレートによつて垂直方向の高さ
が維持されているため、硬貨づまりの恐れがな
く保持した硬貨を確実にホツパシユートに落下
させることができる。

(b) 又一時保持装置に新種の硬貨を一旦保持する
場合にも一時保持ブロツクに収納孔を設け本体
にプールアンダープレートを設けることによ
り、その収納孔に連結される傾斜型ホツパシユ
ートに垂直部分をほとんど要することなく硬貨
収納部に導くことができる。従つて従来の硬貨
処理装置を大幅に変更することなく処理硬貨の
種類を増加することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の硬貨一時保持装置の一実施例
を示す部分断面図、第２図は第１図の−線断
面図である。 １……一時保持ブロツク、１ａ，１ｂ，１ｃ…
…収容孔、２ａ，２ｂ，２ｃ……ホツパシユー
ト、３ａ，３ｂ……釣銭放出機、４……プールア
ンダープレート、Ｈ１，Ｈ２……ホツパシユート
の垂直部分の高さ、Ｄ……プールアンダープレー
ト４の厚さ。 〓〓〓〓〓

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 貫通する収容孔を金種毎に有し該収容孔に投
   入金を積層して一時保持する一時保持ブロツク
   と、 前記一時保持ブロツクの各収容孔に対応して
   金種毎に設けられたホツパシユートと、を具備
   し、 前記一時保持ブロツクの底面は本体に接触す
   るように構成され、前記一時保持ブロツクを移
   動させることにより前記各収容孔に保持された
   硬貨を夫々の金種のホツパシユート又は返却口
   に落下させる硬貨一時保持装置において、 前記ホツパシユートの少なくとも一部は前記
   一時保持ブロツクの底面と接する垂直部と垂直
   部に連通する傾斜部とを有し硬貨を所定経路に
   導く傾斜型ホツパシユートであり、 その垂直部が積層する硬貨の高さに比べて短
   い前記傾斜型ホツパシユートに対する前記収納
   孔の下面の周囲に溝を設けると共に、 前記硬貨一時保持装置本体には、前記一時保
   持ブロツクの該溝に当接するプールアンダープ
   レートを固定し、当該収容孔に収容される硬貨
   の保持下面を前記一時保持ブロツクの底面より
   上昇させたことを特徴とする硬貨一時保持装
   置。 (2) 前記プールアンダープレートの厚さとそのプ
   ールアンダープレートが設けられた収容孔に対
   応するホツパシユートの垂直の高さとの和が、
   当該収容孔に収納される金種の予想される最大
   積層時の厚さ以上になるように前記プールアン
   ダープレートの厚さを選択したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の硬貨一
   時保持装置。 (3) 前記一時保持ブロツクに設けられる溝の深さ
   を前記プールアンダープレートの厚さに等しく
   したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項又は第２項記載の硬貨一時保持装置。