JPS6227787B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、加工食品あるいは菓子等の食品を、
型を用いて所定の形状に連続的に成形する食品の
成形方法及びその装置に関する。

〔従来技術〕

従来、加工食品あるいは菓子等の如く、型に原
料を型打ちして所定の形状に成形する食品におい
ては、原料の型打ちを人手によつて行なうのが一
般的であつた。このように、人手によつて原料の
型打ちを行なう場合は、型打ち作業すなわち成形
工程に時間を要するとともに、原料の多層注入あ
るいは連続的な型打ち等を行なうことができない
という欠点があつた。

〔発明の目的〕

本発明の第１の目的は、型によつて所定の形状
に成形する菓子等の食品の型打ちを自動的に行な
えるようにして連続型打ちを可能ならしめ、成形
工程の時間を短縮化するとともに、原料の多層注
入をも容易化して食品の多層化及び多様化を可能
とした食品の成形方法とその装置の提供を目的と
する。

本発明の第２の目的は、成形工程の自動化によ
り、押出機による原料の混練、クロスダイによる
原料の供給及び型による成形の食品加工に必要な
一連の工程を完全に自動化するとともに、多数の
作業の集約化を可能ならしめた食品の成形方法と
その装置の提供にある。

〔発明の構成〕

本発明は、多数個の開閉可能な型を回動させ、
これら型のうち、クロスダイの先端部に移動して
きた型を閉じてクロスダイの先端部を包被すると
ともに、複層のクロスダイより食品の外皮と内包
物を型のキヤビテイに押出して食品の成形を行な
い、次いで、閉じた型が所定位置に移動してきた
ときに該型を開放して成形された食品を取出すこ
とにより食品の成形方法を構成し、また、食品の
外皮と内皮物を複層に押出すクロスダイと、リン
ク状の回動部材に多数個連続して取付けた開閉可
能な型と、上記回動部材によつて回動される型
を、上記クロスダイの先端部において閉じるとと
もに、型が所定の位置に移動してきたときに、該
型を開放させるガイド機構とにより食品の成形装
置を構成している。

〔実施例の説明〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照しつつ説
明する。ここで、第１図は成形装置の全体正面
図、第２図は第１図の側面図、第３図は第１図の
要部拡大図、第４図は型の一部切断拡大斜視図で
ある。

これら図面において、１は二軸押出機で、外皮
用の生地を強力に混練してクロスダイ２に送出す
る。３は定量吐出ポンプで、あんあるいはクリー
ム等の内包物をクロスダイ２に供給する。クロス
ダイ２は図示してないが二層構造となつており、
外層部を押出機１と連接し、内層内を吐出ポンプ
３と連接して先端部より生地と内包物をそれぞれ
押出す。本実施例の場合、クロスダイ２を垂直に
設けてあるので、クロスダイ先端部から押出され
た生地と内包物は自然落下する。

なお、内包物は上述のように定量吐出ポンプ３
によつて供給されるので、定量ずつ断続的にクロ
スダイ２の先端部より押出される。また、内部を
中空にして成形する菓子等においては、あんある
いはクリーム等に替えて空気等をクロスダイの内
層部に吐出させることになる。したがつて、本考
案における内包物とは、このような場合における
空気等をも含む広い概念のものをいう。

１０は成形装置、１１は成形装置１０を構成す
るリンク状チエーンからなる回動部材で、スプロ
ケツト１２によりクロスダイ２と搬送装置３０の
間に架設してある。この回動部材１１は図示せざ
るモータにより、クロスダイ２の原料押出し方向
に適宜な速度で回動され、且つスプロケツト１２
は基台１３に回転自在に支承されている。なお、
回動部材１１としては、チエーンのほかベルトコ
ンベア等を用いることもできる。

１４は左型１４ａと右型１４ｂからなる型で、
金具１５によつて回動部材１１に連続的に取付け
てある。この型１４は左右型１４ａ，１４ｂの接
合する一側をヒンジ１６で連結し、他側を開閉自
在にするとともに、ヒンジ１６側の左右型１４
ａ，１４ｂ接合部にスプリング１７を介在させ、
他側の接合部を常時開放させるべく付勢してい
る。また、左右型１４ａ，１４ｂの接合部中央に
は魚の形状をしたキヤビテイ１８ａ，１８ｂを設
けてある。そして、このうち左型１４ａのキヤビ
テイ１８ａ周縁部を突出させ、且つ右型１４ｂの
キヤビテイ１８ｂ周縁部を窪ませ、左右型１４
ａ，１４ｂが閉じた際これらが係合してずれない
ようにしてある。１８ｃは左右型１４ａ，１４ｂ
の上部に設けたクロスダイ２の包被孔で、それぞ
れのキヤビテイ１８ａ，１８ｃと連続して形成し
てある。１９ａ，１９ｂは左右型１４ａ，１４ｂ
の他側側面のほぼ中央に設けた回転ローラであ
る。

２０は成形装置１０を構成するガイド機構で、
クロスダイ２の先端部と対応する位置に型１４を
閉じるための閉カム部２１を設けるとともに、搬
送装置３０の上方に型１４を開くための開カム部
２２を設け、且つ閉カム部２１と開カム部２２の
間に型１４を閉じたままの状態で保持させるガイ
ド部２３を設けた構成としてある。なお、閉カム
部２１とガイド部２３は、型１４を閉じた際に左
右型１４ａ，１４ｂ間に適当な締め代をとれる程
度の幅をもつて形成してある。

２４は加工装置で、ガイド機構２０のガイド部
２３に取付けてある。この加工装置２４として
は、加熱、冷却あるいは加圧等を行なう装置を用
意してある。例えば加熱を行なう場合には、ガイ
ド部２３の内部に誘電加熱装置（図示せず）等を
設けて、型１４がガイド部２３を通過している間
に加熱を行なうことができる。また、冷却あるい
は加減圧を行なう場合には、ガイド部２３の内部
にガス等によつて型を冷却する室（図示せず）を
形成したり、あるいは圧力調整室（図示せず）を
形成したりして、型１４がガイド部２３を通過し
ている間に冷却あるいは加減圧を行なうようにす
ることができる。

このように、ガイド部２３において温度と圧力
の調整を行なうことにより安定化した製品、すな
わち良品質の食品を得ることができるとともに、
焼成加工等を成形と同時に行なうことが可能とな
る。なお、加工装置２４の具体的構成は、上述し
たものに限られないことは勿論である。

搬送装置３０は成形装置１０の下方に設けられ
ており、成形された食品を所定の場所まで搬送す
る。

上記の如き構成された成形装置１０は次のよう
に作動する。

回動部材１１が回動し、左右型１４ａ，１４ｂ
がスプリング１７によつて開かれた状態でクロス
ダイ２の先端部まで移動してくると、左右型１４
ａ，１４ｂの回転ローラ１９ａ，１９ｂが閉カム
部２１と衝合案内され、型１４はクロスダイ２の
先端部を包被した状態で閉じる。そして、型１４
が閉じると同時にクロスダイ２の先端部から生地
と内包物がキヤビテイ１８ａ，１８ｂ内に押出さ
れ所定の形状の菓子等を成形する。次いで、型１
４がガイド部２３を通過する間に、必要に応じて
加熱、冷却あるいは加圧等の加工を行ない、その
後、型１４がガイド部２３に到達すると回転ロー
ラ１９ａ，１９ｂが開カム部２３に衝合案内され
左右に開放される。これにより所定の形状に成形
された菓子等の食品が搬送装置３０の上に落下さ
れる。

なお、成形装置１０の下方には搬送装置３０に
替えて、次工程装置あるいは包装装置等を配備し
ておくことも可能である。

上記した実施例においては、成形装置１０を縦
方向に設けた例について説明したが、成形装置１
０を横方向あるいは斜め方向に設けることも可能
である。また、クロスダイ２は二層のものに限定
されず食品の種類に応じて三層以上のものを使用
してもよく、このようにすると、例えば外皮を異
なつた種類の原料で多層化した食品を得られる。
さらに、本発明成形装置の対象となる食品は菓子
に限定されるものではなく、他の食品も勿論含
み、広く水産練製品やペツトフードのようなもの
も含むものである。

〔発明の効果〕

以上の如く本発明によれば、食品の型打ちを自
動的に行なえるので成形工程の自動化及び短時間
化を図ることができるとともに、原料の多層注入
も容易に行なえ食品の多層化及び多様化を可能な
らしめる。また、成形加工の自動化により、押出
機による原料の混練、クロスダイによる原料の混
練及び成形の食品加工に必要な一連の工程を完全
に自動化するとともに、多数の作業の集約化を図
れるといつた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例装置の全体正面図、
第２図は第１図の側面図、第３図は第１図の一部
省略要部拡大図、第４図は型の一部切断拡大断面
図を示す。 １……押出機、２……クロスダイ、１０……成
形装置、１１……回動部材、１４，１４ａ，１４
ｂ……型、１９ａ，１９ｂ……回転ローラ、２０
……ガイド機構、２１……閉カム部、２２……開
カム部、２３……ガイド部、２４……加工装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多数個の開閉可能な型を回動させ、これら型
   のうち、クロスダイの先端部に移動してきた型を
   閉じてクロスダイの先端部を包被するとともに、
   複層のクロスダイより食品の外皮と内包物を型の
   キヤビテイに押出して食品の成形を行ない、次い
   で、閉じた型が所定位置に移動してきたときに該
   型を開放して成形された食品を取出すことを特徴
   とした食品の成形方法。 ２ 食品の外皮と内包物を複層に押出すクロスダ
   イと、リンク状の回動部材に多数個連続して取付
   けた開閉可能な型と、上記回動部材によつて回動
   される型を、上記クロスダイの先端部において閉
   じるとともに、型が所定の位置に移動してきたと
   きに、該型を開放させるガイド機構とからなるこ
   とを特徴とした食品の成形装置。 ３ ガイド機構が、加圧、加熱、冷却装置等のい
   ずれか一つ、もしくはこれらを二つ以上組合せて
   形成した加工装置を具備していることを特徴とす
   る特許請求の範囲第２項記載の食品の成形装置。