JPS6227779Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、冷風・温風発生機に関する。従
来、水を含んだベルトを回転させたり、停止する
ことにより、冷風と送風とを切替えるもの、また
その装置にヒーターを付加して、温風加湿と温風
とを切替えるものがあつたが、冷風通路とヒータ
ーを含む温風通路とを機械的に切替弁を操作して
切替えなければならないため、複数個のつまみを
順次動作させなければならず、面倒な欠点があつ
た。

この考案は、通風路の切替装置に、ベルトの停
動およびヒーターの入切を連動させ、単一の操作
で、送風、冷風、温風、温風加湿などの切替を行
なうことができるようにするものである。

以下この考案を具体化した図面にしたがつて詳
細に説明する。

冷風・温風発生機の外箱は、上面、底面、左右
両側面をなす箱枠１と、前面の前枠２と、後面の
後蓋３とからなる。後蓋３はフイルタ４で覆つた
吸気口５、外箱１の中へ突出する左右一対の壁６
をそれぞれ有し、その壁間の上下に一対のローラ
７，８を支持している。ローラ７，８には多孔質
フイルタ製のベルト９を掛け渡してある。

１０は箱枠１内の下部に設置したタンクで、水
を収容し、この中にベルト９の下端を挿入してい
る。タンク１０は前枠２の窓孔１１と対向する部
分を透明なキヤツプ１２とし、外部から水量を見
ることができるようにしてある。

１３は箱枠１内の上部に設置したクロスフロー
型のフアン、１４はそのフアンのフアンガイドで
ある。

１５は前枠２の上部に設けた上部吹出口で、フ
アンガイド１４の吐出口１４ａと間隔をおいて対
向して位置する。１６は前枠２の下部に設けた下
部吹出口である。１７は前枠２の内側に間隔をお
いて固定した仕切板で、前枠２との間に通風路１
８を形成しその上部にフアンガイド１４の吐出口
１４ａを開口させている。通風路１８はヒーター
１９を内蔵し、下端を下部吹出口１６に接続して
いる。ヒーター１９と前枠２との間は別の仕切板
２０によつて隔絶されている。

上部吹出口１５は、内部に上下風向変更ルーバ
ー２１を、さらにその後方に左右風向変更ルーバ
ー２２を備える。左右風向変更ルーバー２２はそ
の上下両端に突出した軸２２ａを、吹出口１５の
上下に固着した支持板２３に回転自在に支持して
いる。２４は支持板２３にネジ２５を長孔２４ａ
に挿入して摺動自在に取付けた摺動板で、左右風
向変更ルーバー２２より突出したピン２２ｂを上
面の長孔２４ｂに挿入させている。２６は減速装
置付きモータ２７の出力軸２７ａに連結した偏心
カムで、１個の従動板２８の両側折曲部２８ａ
を、その両側に接触させている。従動板２８の上
部水平折曲部２８ｂは、弾性ワツシヤ２９を介し
てネジ３０を長孔２８ｃに挿入して、摺動板２４
に常には一体的に動き、過大な外力が加わると摺
動板２４に対して摺動するように取付けられてい
る。したがつて減速装置付きモータ２７により偏
心カム２６を回転すると、従動板２８と摺動板２
４とを一体に左右に往復駆動し、左右風向変更ル
ーバー２２を左右に振ることができる。

３１は左右風向変更ルーバー２２を開閉操作す
るためのレバーで、前枠２の内面に固着された取
付板３２に軸３３により回転自在に支持され、突
出した腕部３１ａを摺動板２４の長孔２４ｃに挿
入している。この長孔２４ｃは、偏心カム２６に
よる摺動板２４の往復動を腕部３１ａが妨げない
程度の大きさをもつ。３４はレバー３１を手動操
作するためのクランク状の操作軸で、前枠２に回
転自在に支持され、前枠２の前面側の端部につま
み３５を支持している。この軸３４は90度ごとに
節動的に回転するように、取付板３２に支持した
板バネ３６に圧接する四角形カム部３４ａを有
し、また軸心に対して偏心した位置にクランクピ
ン３４ｂを有する。

レバー３１は、ルーバー２２を開放する位置
（第２図）において軸３４を中心とする円弧状長
孔３１ｂと、ルーバーを閉じる位置（第３図）に
おいて軸３４を中心とする円弧状長孔３１ｃとを
一端において連続して形成するとともにその両長
孔の接続端外方に切欠孔３１ｄを形成し、そこに
クランクピン３４ｂを摺動可能に挿入している。
またレバー３１と取付板３２との間にトグルバネ
３７を介挿し、レバー３１をルーバーの開放位置
と閉鎖位置とに選択的に付勢する。

３８はベルト駆動用のローラー７を回転する小
型モータ（図示せず）を停動制御するスイツチ
で、そのアクチユエーター３８ａをクランクピン
３４ｂの回転軌跡内に侵入させている。３９はヒ
ーター１９を入切制御するスイツチで、そのアク
チユエーター３９ａをレバー３１の移動軌跡内に
侵入させている。

クランクピン３４ｂが第２図に示すように、円
弧状長孔３１ｂの軸３３に近い端部に位置してい
るときには、左右風向変更ルーバー２２を開き、
偏心カム２６による首振り運動をする。この場合
スイツチ３８を閉じていないのでベルト９は駆動
されず、フアン１３の回転による送風のみを行な
う。

つまみ３５を操作してクランクピン３４ｂを、
第２図に二点鎖線で示すように、長孔３１ｂの他
の端部へ移動させると、レバー３１は長孔３１ｂ
が軸３４を中心とする円弧状をなしているので回
転しないが、スイツチ３８のアクチユエーター３
８ｂを押し、ベルト９を駆動することができる。
したがつて前述の運転に加え、ベルト９に含んだ
水が吸込空気から気化熱をうばうことによる冷風
が得られる。

つまみ３５をさらに操作してクランクピン３４
ｂを第２図に二点鎖線で示す位置から下方へ移動
させると、クランクピン３４ｂは切欠孔３１ｄに
侵入するとともレバー３１を軸３３を中心に回転
させる。途中からトグルバネ３７の作用も加わ
り、レバー３１の腕部３１ａで、第３図に示すよ
うに、長孔２４ｃの端部を押し、摺動板２４を、
通常の首振り運動範囲を越えて摺動させる。この
とき摺動板２４は、従動板２８を残したまま、弾
性ワツシヤ２９による摩擦に抗して単独で摺動す
る。この結果ルーバー２２は隣のルーバーと接触
するまで回転し、上部の吹出口１５を閉じる。ま
たスイツチ３８を閉じたまま、レバー３１でスイ
ツチ３９のアクチユエーター３９ａを押し、ヒー
ター１９に通電するので、湿気を含んだ空気を、
通風路１８を下降させてヒーター１９で加熱し、
下部の吹出口１６から送り出すことができる。

さらにつまみ３５を操作してクランクピン３４
ｂを第３図に二点鎖線で示すように、下側の円弧
状長孔３１ｃに沿つて軸３３寄りに移動させる
と、長孔３１ｃが軸３４を中心とする円弧状をな
しているのでレバー３１は停止したまま、スイツ
チ３８のみ開放される。したがつて、ベルト９を
停止させ、ヒーター１９を通して乾燥した温風を
送り出すことができる。

なお上記実施例では左右風向変更ルーバー２２
を、通風路の切替えに利用しているが、これとは
別に切替弁を設けてもさしつかえないものであ
る。

以上のようにこの考案は単一の操作で、送風、
冷風、温風、温風加湿などの切替えを行なうこと
ができ、従来の欠点を解消し、操作を容易にする
ことができるようになつたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した冷風・温風発生
機の縦断面図、第２図は第１図の要部をＡ−Ａ線
方向に視た一部破断拡大図、第３図は第２図の動
作状態説明図、第４図は第２図のＢ−Ｂ線断面
図、第５図は第４図の動作状態説明図、第６図は
第２図のＣ−Ｃ線断面図である。 符号の説明、９……ベルト、１３……フアン、
１５……吹出口、１６……吹出口、２２……風向
変更ルーバー、３１……レバー、３４……クラン
ク状の操作軸、３８……スイツチ、３９……スイ
ツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ２個の吹出口を有する外箱と、 その外箱の中に設置した送風機と、 その送風機による送風路を横切るように位置
   し、モータにより駆動されるフイルタ製のベル
   トと、 そのベルトの一部を水中に浸すための水を収
   容するタンクと、 前記送風機からの吐出空気を前記２個の吹出
   口のいずれか一方へ選択的に切替える切替装置
   と、 前記２個の吹出口のいずれか一方へ通じる通
   風路中に配置したヒーターと、 を備え、前記切替装置にベルト駆動用のモー
   タとヒーターとの通電制御用スイツチをそれぞ
   れ連動させたことを特徴とする冷風・温風発生
   機。 ２ 前記切替装置は、通路を切替えるレバーとそ
   のレバーを２位置に動作させる操作軸とよりな
   り、レバーを一方の位置に維持したまま操作軸
   の動作に連動してベルト駆動用のモータの通電
   制御用スイツチを開閉し、また操作軸によるレ
   バーの動作に連動してヒーターの通電制御用ス
   イツチを開閉するようにした実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の冷風・温風発生機。