JPS6227164B2 - - Google Patents

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JPS6227164B2
JPS6227164B2 JP10193684A JP10193684A JPS6227164B2 JP S6227164 B2 JPS6227164 B2 JP S6227164B2 JP 10193684 A JP10193684 A JP 10193684A JP 10193684 A JP10193684 A JP 10193684A JP S6227164 B2 JPS6227164 B2 JP S6227164B2
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JP
Japan
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spinning
fibers
aluminum chloride
basic aluminum
solution
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JP10193684A
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JPS60246815A (ja
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Akira Yamane
Shizuo Tomyasu
Takeshi Nakamura
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Tosoh Finechem Corp
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Tosoh Finechem Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 A 産業上の利用分野 本発明は無機質酸化物繊維の製造方法に関す
る。更に詳しくは塩基性塩化アルミニウムを紡糸
原料とする無機質酸化物繊維の製造法の改良であ
つて塩基性塩化アルミニウムあるいはこれに焼成
酸化処理によりアルミナ以外の金属酸化物を与え
る繊維構成物質を加えたものに、脂肪族モノカル
ボン酸の主鎖にアルコキシル基を含む有機酸を加
えた混合液を、加熱濃縮して紡糸原液とした後、
これを紡糸して得られる前駆体繊維を焼成酸化処
理することにより、1500℃あるいはそれ以上の温
度においても、非常に高い機械的強度、並びに優
れた熱安定性を有する、無機質酸化物繊維の製造
方法に関するものである。
B 従来の技術 近年、引張り強度あるいはモジユラス等の機械
的強度および耐熱性のより優れた複合材料用強化
材の開発が各産業分野から要望されるようになつ
てきた。それら新規複合材料用強化材として各種
の強化用繊維が知られている。
例えばアルミナ、ジルコニア、チタニア、窒化
ホウ素繊維等のような多結晶繊維、タングステ
ン、モリブデン、鋼、ベリリウム繊維等の金属繊
維、更にホウ素、シリコンカーバイド、ボロンカ
ーバイド繊維の如くの多相繊維等が次々と開発さ
れている。
これらの中でアルミナ繊維は他の諸繊維と比較
して優れた特徴を有している。まず、アルミナ繊
維はその融点(2040℃)が高いことにより超高温
度域で使用可能であり、高温酸化雰囲気中でも安
定した機械的特性を保持することが出来るのに対
し、炭素繊維や金属繊維等は上記雰囲気中では酸
化を受け、脆化することにより著しく機械的強度
が低下する。またガラス繊維は引張り強度は高い
ものの軟化点が低いので高温では使用できないと
いう致命的欠点であることから、複合材料用強化
材として使用する場合、各種のウイスカーおよび
セラミツク耐火繊維のような短繊維状と異なり、
繊維径に対する繊維長の比(アスペクト比)が大
きくとれること、また望む方向に繊維を配向で
き、最適設計が可能である等の特徴を持つてい
る。アルミナ繊維はこのように他にあまり例のな
い優れた性質を具備しているので、各種の繊維強
化複合材料、例えば代表的なものとしてアルミナ
繊維を各種プラスチツクと混合してアルミナ繊維
強化プラスチツクとしたりあるいはアルミニウム
を初めとする各種金属と混合してアルミナ繊維強
化金属として使用され始めている。
C 発明が解決しようとする問題点 このように優れた性質を有するアルミナ繊維の
製造方法には従来より種々の方法が提案されてい
る。例えば塩基性塩化アルミニウムを水に溶解し
この溶液を紡糸して前駆体繊維とした後、焼成し
て多結晶アルミナ繊維とする方法があるが、この
方法は該塩基性塩化アルミニウム溶液を加熱濃縮
していく過程において、ある濃度から急激に粘度
の上昇を招くことから紡糸液の粘度を一定にたも
つことが非常に困難であるばかりか、加えて不溶
性塩を析出し、紡糸の際に紡糸口金の目詰り等の
トラブルを生ずる原因となるため作業を効率よく
進める上で問題点が多いことのほか、更にこの紡
糸液を紡糸することによつて得られた多結晶アル
ミナ繊維の機械的強度、可撓性は十分ではないと
いう欠点がある。また特開昭53―14832号公報で
は塩基性塩化アルミニウム溶液あるいはジルコニ
ウム化合物に乳酸を添加混合して紡糸液とし、こ
れを紡糸した後焼成して酸化物多結晶繊維を製造
する方法が開示されている。この提案では有機酸
として乳酸を限定して用いる理由は、紡糸液の粘
度を低減させるためであり、該塩基性塩化アルミ
ニウム溶液を加熱濃縮する過程において生ずる急
激な粘度の上昇を緩慢にする効果については何ら
言及していない。
更に特開昭54―23727号公報では塩基性塩化ア
ルミニウム溶液とコロイド状シリカとの混合液に
乳酸を添加混合後加熱濃縮して紡糸液を調製し、
ついで紡糸を行ない得られる前駆体繊維を乾燥、
熱処理して多結晶質酸化物繊維にする方法が提案
されている。
この方法において乳酸は前述の特開昭53―
14832号公報に記載されている理由とは異なる理
由で使用されているが、塩基性塩化アルミニウム
溶液のアルミニウムと塩素との原子数の比が比較
的狭い範囲に限られているうえに、紡糸に供する
紡糸液の室温における粘度が狭い範囲に限定され
る等の欠点があつた。
その上に、これらの従来の技術においては実際
に紡糸に供される紡糸液の粘度は概して低く数ポ
イズから高くても数百ポイズの狭い範囲であり繊
維化のための紡糸法は遠心紡糸法及びこれに類す
る紡糸法が好んで用いられることから最終的に得
られる酸化物繊維は短繊維に限定され、従つてそ
れが故に、用途も制約されるという致命的欠点を
持つている。
D 問題点を解決するための手段 本発明者らは、これらの諸問題を考え、従来の
製造方法の欠点を完全に解消するため、鋭意研究
を重ねた結果、驚くべきことには脂肪族モノカル
ボン酸の主鎖にアルコキシル基を含む有機酸を用
いれば、アルミニウムと塩素との原子数の比が公
知の方法に比較して広い範囲の塩基性塩化アルミ
ニウム溶液を利用出来るうえに該塩基性塩化アル
ミニウム溶液の加熱濃縮過程に不溶性塩を析出す
ることなしにまた、急激な粘度の上昇を生ずるこ
となく、しかも好都合には紡糸に供する紡糸液の
室温における粘度が1ポイズ以上と従来法には類
を見ない広い範囲において安定した紡糸作業が可
能になるばかりか、更に本発明に用いる有機酸は
従来法にもある酢酸に比較して悪臭を発生するこ
とがないので作業環境を汚染する心配がないこと
に加えて、該塩基性塩化アルミニウムと反応して
該塩基性塩化アルミニウムのアルミニウム原子が
6配位構造を有するようになることにより、安定
な無機ポリマーとなり、従つて紡糸により得られ
る前駆体繊維は室内環境においても十分に安定な
ものであり、該前駆体繊維を焼成酸化して優れた
耐火性、可撓性を有する無機質酸化物繊維が得ら
れることを発見し本発明を完成するに至つた。
また有機酸の他に焼成酸化処理によりアルミナ
以外の金属酸化物を与える繊維構成物質を一定量
加えた混合液から調製した紡糸液を紡糸して得た
無機質酸化物繊維は優れた耐火性、可撓性を有し
1500℃またはそれ以上の温度域で何ら脆化するこ
とがないことも見い出された。
すなわち本発明は塩基性塩化アルミニウムから
なる紡糸原料、あるいはこれに焼成酸化処理によ
りアルミナ以外の金属酸化物を与える繊維構成物
質を加えた紡糸原料に脂肪族モノカルボン酸の主
鎖にアルコキシル基を含む有機酸を添加混合し加
熱濃縮して室温における粘度が1ポイズ以上の紡
糸原液とし、常法の紡糸法により紡糸して得られ
た前駆体繊維を焼成酸化処理することを特徴とす
る無機質酸化物繊維の製造方法である。
また本発明で製造されるものは長繊維であり前
記従来技術による短繊維と比較して強度に於て数
段の偏差がある。
E 作 用 本発明において用いる塩基性塩化アルミニウム
溶液としては一般式、 Al2(OH)5Cl・xH2O で示される塩基性塩化アルミニウム溶液および/
また一般式Al4(OH)9Cl3で示される塩基性塩化
アルミニウム溶液をそのまま用いてもよいが、塩
化アルミニウム水溶液へアルミニウム粉を反応溶
解せしめ、所望の濃度まで加熱濃縮することによ
つて種々のアルミニウムと塩素との原子数比を有
する塩基性塩化アルミニウム溶液を調製して用い
ることも可能である。
本発明で使用する有機酸とは蟻酸を除く酢酸、
プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、オ
クタン酸、ラウリン酸などの各種の飽和脂肪族モ
ノカルボン酸類の主鎖にアルコキシル基としてメ
トキシル基、エトキシル基、ノルマルプロポキシ
ル基、イソプロポキシル基、ノルマルブトキシル
基およびその異性体類、ノルマルペントキシル基
およびその異性体類、ノルマルヘキサノキシル基
およびその異性体類等を含むもので具体的にはメ
トキシ酢酸、エトキシ酢酸、α―メトキシプロピ
オン酸、β―エトキシプロピオン酸、ノルマルブ
トキシクプロピオン酸等がよく知られ好ましい
が、特に好ましいのはβ―エトキシプロピオン酸
である。
塩基性塩化アルミニウム溶液に対する有機酸の
添加割合であるが該塩基性塩化アルミニウム溶液
の固体換算100重量部に対して5〜60重量部、更
に好ましくは5〜35重量部であることが望ましく
該有機酸の添加量が5重量部未満の場合は該塩基
性塩化アルミニウム溶液の加熱濃縮中において粘
度が急激に上昇し紡糸液粘度のコントロールが非
常に困難となる。また60重量部以上添加しても効
果は同程度であることから経済的に意味がなくな
と共に該有機酸の添加量が5重量部未満の時と同
様可撓性の優れた無機質酸化物繊維を得ることは
難しくなる。
また、本発明においては有機酸は一種または二
種以上の混合物の状態で用いても差支えない。
次に、本発明における紡糸液は塩基性塩化アル
ミニウム溶液、有機酸の他に焼成酸化処理により
アルミナ以外の金属酸化物へ転化しうる繊維構成
物質を該塩基性塩化アルミニウム溶液の固体換算
100重量部に対して40重量部以下、好ましくは25
重量部以下含有してもよい。ここで焼成酸化処理
とは前駆体繊維を電気炉、高周波炉等で加熱焼
成、焼結せしめることをさすが、この処理により
アルミナ以外の金属酸化物へ転化しうる繊維構成
物質とはケイ素を含む化合物としてシリカヒドロ
ゾル、Si(OR)4の構造を有するケイ酸エステル
(Rはアルキル基)、 の構造単位を有するポリオルガノシロキサン
(R1およびR2はそれぞれ同一または異なつたアル
キル基)、 の構造単位を有するポリケイ酸エステル(R1
よびR2はそれぞれ同一または異つたアルキル
基) 等の水溶性ケイ素化合物が、マグネシウムを含む
化合物としてはマグネシウムゾル、 Mg(OR)2の構造を有するマグネシウムアルコキ
シド(Rはアルキル基)、硝酸マグネシウム、
R2Mgの構造を有するアルキルマグネシウム化合
物(Rはアルキル基)を水で加水分解して得られ
るマグネシア水和物等が、また上記化合物以外の
ものとしてはM(OR)n(Mは金属、Rはアル
キル基、nは4以下の整数)の構造を有する各種
の金属アルコキシド、各種金属ゾル等があげら
れ、これらの化合物の一種あるいは二種以上の混
合物が用いられるが特に好ましいのは水溶性ケイ
素化合物である。
本発明において該繊維構成物質を用いる理由
は、紡糸液の曵糸性を改善することにもあるが、
前駆体繊維を焼成酸化処理することにより酸化物
繊維へ転化する過程で生成する中間アルミナ結晶
子の成長を抑えるためが主であり、これにより
1500℃、またはそれ以上の温度においても優れた
耐火性、可撓性を維持することが可能である。
一方、塩基性塩化アルミニウム、有機酸および
更に要すれば焼成酸化処理によりアルミナ以外の
金属酸化物を与える繊維構成物質を含む混合液、
すなわち紡糸液から紡糸を行なうには、いわゆる
乾式紡糸が最も好都合であるが、遠心力紡糸、噴
射ガス吹付式紡糸、ジエツト紡糸など他の適当な
紡糸方法に従つてもよい。また、紡糸液の室温に
おける粘度は1ポイズ以上、好ましくは60ポイズ
以上、更に好ましくは100ポイズ以上が適当であ
る。従つて、紡糸液はこの範囲の粘度を与えるよ
うに調整することが必要である。
紡糸液を脱泡後、紡糸、乾燥された前駆体繊維
は通常0.5μ〜400μの平均直径を有しているがこ
の範囲に限定されるものではない。
このようにして得られた前駆体繊維は張力下に
比較的低温、具体的には400℃以下の温度に昇温
して処理した後、更に酸化雰囲気下、場合によつ
ては還元雰囲気下に1000℃またはそれ以上の温度
で焼成酸化処理して前駆体繊維中の有機物、炭素
等を除去せしめ焼結させることにより純白で非常
に緻密かつ弾性と弾力性のある無機質酸化物繊維
となる。かくして本発明により得られる無機質酸
化物繊維は、安価であり入手が簡単な塩基性塩化
アルミニウムを出発原料としていることから容易
に大量生産が可能であつて、かつ優れた耐火性、
可撓性を具備していることから各種プラスチツク
あるいは金属と混合して各種の繊維強化複合材料
として使用することが可能である。
F 実施例 以下実施例によつて本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものでは
ない。
〔実施例 1〕 Al/Clの原子数の比が1.33の塩基性塩化アルミ
ニウム溶液〔Al4(OH)9Cl3,Al2O3=20.3%〕
700mlを13口丸底フラスコにとりフラスコを
50℃に昇温しながらβ―エトキシプロピオン酸
60.0mlを徐々に添加した。全量添加後フラスコを
65℃に保ち塩基性塩化アルミニウム溶液中に含ま
れる水の31.4%を減圧下に除去した。次にこの混
合液を撹拌装置を装備した耐圧容器に移液し混合
液の水含量が15.1%になるまで減圧下に濃縮を続
けた結果Al2O3=39.4%、室温における粘度が
5500ポイズの均一な紡糸液を得た。なお、濃縮中
において粘度の急激な上昇は全く認められなかつ
た。
この紡糸液を脱泡後、わずかの張力下に孔数
30、孔径0.08mmの紡糸口金により、長さ6.5mの紡
糸筒中に連続的に押し出し紡糸を行ない30m/分
の速度で巻き取つた。得られた前駆体繊維は透明
でありその平均直径は40μであつた。次いで前駆
体繊維を電気炉へ入れ張力下かつ窒素雰囲気下に
400℃まで昇温したのち窒素ガスを止め炉内を空
気で置換し300℃/Hrの昇温速度で1000℃まで焼
成して平均直径15μのアルミナ繊維を得た。また
更に1200℃まで焼成したものは透明な強度のある
α―アルミナ繊維であつた。
〔実施例 2〕 市販工業用塩基性塩化アルミニウム〔Al2
(OH)5Cl・2.4H2O〕の水溶液(Al2O3=23.5%、
Al/Clの原子数の比2.0)500mlを実施例1に用い
たフラスコにとりフラスコを50℃に昇温しながら
β―エトキシプロピオン酸33mlを徐々に添加し
た。添加終了後、減圧下にフラスコを回転させて
濃縮を開始し、水98mlを45分かけて除去した。次
にこの混合液を実施例1で使用した耐圧容器に移
液し撹拌を続けながらシリカヒドロゾルを
Al2O3:SiO2=85:15となる様に添加して後、容
器を50℃に加熱し濃縮を続け水246mlを除去し
た。なお、この操作中においては急激な粘度の上
昇は全く見受けられなかつた。次に水の蒸発口を
閉じ容器を40℃に保持したまま更に5時間撹拌を
続けAl2O3=33.3%、室温における粘度が2200ポ
イズの均一な紡糸液を得た。この紡糸液を真空脱
泡し実施例1で用いたものと同一の紡糸装置を使
つて紡糸し平均直径40μの透明な連続状前駆体繊
維を得た。フイラメント状の前駆体繊維を張力下
かつ窒素雰囲気下に400℃まで昇温し35分間保持
した。次いで窒素ガスを止め炉内を空気で置換し
300℃/Hrの昇温速度で1200℃まで焼成して直径
10μの強度のあるアルミナシリカ繊維を得た。
〔実施例 3〕 実施例2で用いたAl/Clの原子数の比が2.0の
塩基性塩化アルミニウム溶液500mlに有機酸とし
てプロポキシ酪酸31mlを加え65℃に加熱した。次
いで減圧下に濃縮を続け水100mlを除去した。混
合液を実施例1で用いたものと同一の容器に移液
し撹拌を続けながらエチルシリケートをAl2O3
SiO2=75:25となる様に添加した上で容器を65
℃に保持し減圧下に更に濃縮を続け水320mlを除
去した。得られた紡糸液はAl2O3=33.9%、室温
における粘度が3500ポイズであつた。
実施例1で用いた紡糸装置と同一の紡糸装置を
使つて50μの前駆体繊維を実施例2と同様にして
焼成したところ平均直径15μのアルミナシリカ繊
維が得られた。
〔比較例 1〕 β―エトキシプロピオン酸を添加する操作を除
いて実施例1と全く同一操作により紡糸液を調製
すべく試みたが、加熱濃縮中に不溶性塩を析出
し、しかも急激な粘度の上昇現象が認められ所望
の粘度を有する紡糸を得ることは出来なかつた。
〔実施例 4〕 Al/Clの原子数の比が2.5の塩基性塩化アルミ
ニウム溶液500mlにメトキシ酢酸46mlを加え50℃
に昇温し10分間その温度で保持したのち減圧下に
濃縮し水76mlを除去した。混合液を実施例1で用
いた容器に移し撹拌を続けながら容器を65℃に保
持し、減圧下に更に水を120ml除去しAl2O3=28.7
%、室温における粘度が270ポイズの紡糸液を得
た。この紡糸液を実施例1で用いたものと同一の
紡糸装置を使用して平均直径40μの前駆体繊維を
得た。次いで窒素雰囲気下に500℃まで昇温し20
分間保持したのち、炉内を空気で置換し1000℃ま
で300℃/Hrの昇温速度で昇温し平均直径20μの
強度のあるアルミナ繊維を得た。
G 発明の効果 本発明によれば、 (1) アルミニウムと塩素との原子数の比が公知の
方法に比較して広い範囲の塩基性塩化アルミニ
ウム溶液を利用出来る。
(2) 該塩基性塩化アルミニウム溶液の加熱濃縮過
程に不溶性塩を析出することがなくまた、急激
な粘度の上昇を生ずることもない。
(3) 紡糸に供する紡糸液の室温における粘度が、
1ポイズ以上と従来法には類を見ない広い範囲
において安定した紡糸作業が可能になる。
(4) 本発明に用いる有機酸は従来法にもある酢酸
に比較して悪臭を発生することがないので作業
環境を汚染する心配がないことに加えて、該塩
基性塩化アルミニウムと反応して該塩基性塩化
アルミニウムのアルミニウム原子が6配位構造
を有するようになることにより、安定な無機ポ
リマーとなり、従つて紡糸により得られる前駆
体繊維は室内環境においても十分に安定なもの
であり、該前駆体繊維を焼成酸化して優れた耐
火性、可撓性を有する無機質酸化物繊維が得ら
れる。
(5) 得られる無機質酸化物繊維は優れた耐火性、
可撓性を有し1500℃またはそれ以上の温度域で
何ら脆化することがない。
(6) 得られる無機質酸化物繊維は長繊維であり前
記従来技術による短繊維と比較して強度に於て
数段の隔差がある。
等の極めて優れた効果があり、工業的価値大なる
ものがある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 塩基性塩化アルミニウムあるいはこれに焼成
    酸化処理によりアルミナ以外の金属酸化物を与え
    る繊維構成物質を加えたものに、脂肪族モノカル
    ボン酸の主鎖にアルコキシル基を含む有機酸を添
    加混合し、加熱濃縮して室温における粘度が1ポ
    イズ以上の紡糸原液とし、常法の紡糸法により紡
    糸して得られた前駆体繊維を焼成酸化処理するこ
    とを特徴とする無機質酸化物繊維の製造方法。
JP10193684A 1984-05-21 1984-05-21 無機質酸化物繊維の製造方法 Granted JPS60246815A (ja)

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