JPS6226906Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回路しや断器の組立工程を合理化する
ための部品構成の改良に関する。

配線などに使用する小形大量生産向けの回路し
や断器では、部品の種類を減少するための多種類
の定格電流に対してもなるべく同じ大きさのケー
スと統一した部品を用い、主に過電流引外し用電
磁コイルだけを定格毎にそれに合わせて装着して
いる。

第１図は従来の回路しや断器の一例を示すもの
である。第１図において、ケース１とカバー２に
収納される過電流引外し用電磁コイル３はオイル
ダツシユポツト４とその鉄蓋５、それらと共に磁
路を形成するＬ形継鉄６、オイルダツシユポツト
４に巻いたコイル７及び鉄蓋５に吸引される可動
鉄片８などからなり、ねじ９によりケース１に装
着されている。コイル７の一端７ａは端子板１０
に接続してケース１に固定され、他端７ｂはケー
ス１にかくれて見えない可動接触子に可撓導線１
１を介して接続部１２で接続されている。１３は
過電流引外し用電磁コイル３または手動により駆
動される操作釈放機構の一部であり、１４は裏蓋
である。

従来この部分の組立ては、電磁コイルの一端７
ｂと接触子の可撓導線１１との接続を狭いケース
内で行うことが困難であり、かつ、電源側に近い
可動接触子と負荷側に近い電磁コイル３とを接続
した主要部を工程の終期に装着することが困難の
ため、接続部１２をケース１外ではんだ付または
溶接などにより強固に接続した後、これらをまず
ケース１に装着し、この後で操作釈放機構などを
装着していた。即ち組立工程中早い時期に過電流
引外し用電磁コイル３を装着するため、その回路
しや断器の定格電流が早い時期に定まつてしま
い、その後の組立工程が長いため、需要動向の変
更に対する柔軟性に欠け、管理負担が重く、短納
期化のためには多くの製品在庫を必要とした。ま
た、接続部を接続した後の組立工程で該接続部に
外力が加わることが多くその信頼性に欠ける面も
あつた。

本考案は上述の欠点を解消するため、部品構成
を改良して組立工程の最終段階において定格電流
を決定する部品を装着できる工程とするとともに
接続部の信頼性を向上させることを目的とする。

この目的を達成するため本考案は、一端が端子
板に接続され他端が接触子に連なる可撓導線に接
続されるコイルと、このコイルを保持するＬ形継
鉄と、コイルによつて吸着される可動鉄片とを備
えた過電流引外し用電磁コイルをケース中に収納
した回路しや断器において、可撓導線のコイル側
端部に導電材製接続板を固着しこれをコイルの他
端に電気的に接続された第二の導電材製接続板と
重ねてＬ形継鉄の底面にねじ止めしたことを特徴
とする。

ケースには接続板の支持壁を設け、２つの接続
板をこの支持壁とＬ形継鉄の底面とで挾持するの
が好ましい。

つぎに本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第２図に示すようにケース１の両壁１ａに相対
してその深さ方向に中程まで達する溝１ｂと、負
荷側の壁１ｃから突き出して切欠き１５ａを有す
るる支持壁１５を設ける。１ｄは負荷側端子板の
引出口である。

本考案による回路しや断器の組立工程は、まず
固定・可動両接触子をケース１の所定の位置に取
付けた後、可動接触子に接続した可撓導線１１を
ケース底部に這わせて負荷側近くまで導き、可撓
導体の先端に第３図Ａに示すように抵抗溶接した
接続板１６を支持壁１５の切欠き１５ａの上に第
３図Ｂに示すように載置する。このとき、裏蓋１
４は開らかれている。つぎに操作釈放機構１３そ
の他を逐次装着する。最後に過電流引外し用電磁
コイル３をケース１に装着するのであるが、この
電磁コイル３は第４図Ａに示すようにダツシユポ
ツト４にコイル７を巻き鉄蓋５を被せた後、ダツ
シユポツト４の先端を継鉄６の孔６ｂに嵌合させ
て一体とし、コイル７の一端７ａを端子板１０の
孔１０ａに、他の一端を第４図Ｂに示す第二の導
電材製接続板１７の孔１７ａに挿入して電気的に
接続してある。この電磁コイル３の継鉄６の耳６
ａを第５図に示すように（第５図はコイル７など
を省き継鉄６だけを示してある）ケース両壁１ａ
の溝１ｂに嵌合させて、電磁コイル３をケースに
より支持する。継鉄６の底面６ｃと支持壁１５と
により、切欠き１５ａ上に載置した接続板１６と
コイル７の接続板１７とを挾持させ、ねじ９を接
続板１６の孔１６ｂと接続板１７の孔１７ｂを貫
通させて継鉄６のねじ孔６ｄに螺合させ、可動接
触子と過電流引外し用電磁コイル３とを接続す
る。接続板１７に接続したコイル７の端末７ａの
突起は接続板１６の孔１６ａで逃げる。端子板１
０はケース１に固着する。最後にケース１に裏蓋
１４を貼り付けてるとともにカバー２を被せれば
電磁コイル３はケース本体に固定される。かくし
て第６図に示す回路しや断器が完成する。

以上述べたように本考案による回路しや断器
は、接触子をはじめ、操作釈放機構などその定格
電流に関係ない部分を先にケース内に装着し、最
後に定格電流を決定する電磁コイルを装着する工
程とすることができるから、定格電流に関係ない
部分をケース内に装着した半製品を在庫しておけ
ば、要求される定格電流に従つて電磁コイルを装
着するだけで直ちに出荷することができるから、
管理負担が軽く、製品在庫数も低減できる利点が
ある。

また、接続板同志の接続に際してその一方にめ
ねじを設ける必要がないので、接続板は導電上許
される最小板厚でよく、経済的でさらに、継鉄は
一般に鉄板で形成されるため大きな締付力に耐え
るめねじを容易に穿つことができ、接続部の信頼
性も向上するという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回路しや断器のケースとカバー
とを一部破断した側面図、第２図〜第６図は本考
案による回路しや断器の実施例を示すもので、第
２図はケースの一部を示す斜視図、第３図Ａは可
撓導線と接続板の斜視図、Ｂは可撓導線を支持壁
とともに示す側面図、第４図Ａは電磁コイルの斜
視図、Ｂは継鉄とコイル接続板の斜視図、第５図
はケースに継鉄を装着した状態での部分平面図、
Ｂはその正断面図、第６図はケースとカバーを一
部破断して示す本考案による回路しや断器の側面
である。 １……ケース、１ａ……側壁、１ｂ……溝、３
……電磁コイル、６……継鉄、６ａ……継鉄の
耳、６ｂ，６ｅ，６′ｅ……継鉄の孔、６ｃ……
継鉄の底面、６ｄ……継鉄のねじ孔、７……コイ
ル、７ａ，７ｂ……コイル端末、９……ねじ、１
１……可撓導体、１３……操作釈放機構、１５…
…支持壁、１６，１７……接続板、１６ａ，１６
ｂ，１７ａ，１７ｂ……孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が端子板に接続され他端が接触子に連なる
   可撓導線に接続されるコイルと、このコイルを保
   持するＬ形継鉄と、コイルによつて吸着される可
   動鉄片とを備えた過電流引外し用電磁コイルをケ
   ース中に収納した回路しや断器において、可撓導
   線のコイル側端部に導電材製接続板を固着しこれ
   をケースに設けられた支持壁に載置し、前記Ｌ形
   継鉄の耳部を前記ケースの両側壁に設けた溝に嵌
   合することによつて前記電磁コイルをケースによ
   り支持するとともに前記コイルの他端に電気的に
   接続された第二の導電材製接続板を前記支持壁上
   の接続板の上に載置し、かつ前記両接続板を前記
   支持壁とＬ形継鉄の底面とで挾持したままＬ形継
   鉄の底面にねじ止めしたことを特徴とする回路し
   や断器。