JP2727738B2 - 配線用遮断器 - Google Patents

配線用遮断器

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JP2727738B2
JP2727738B2 JP2134483A JP13448390A JP2727738B2 JP 2727738 B2 JP2727738 B2 JP 2727738B2 JP 2134483 A JP2134483 A JP 2134483A JP 13448390 A JP13448390 A JP 13448390A JP 2727738 B2 JP2727738 B2 JP 2727738B2
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浩明 登坂
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は配線用遮断器に関し、特に引外し動作特性
の向上を図った配線用遮断器に関する。
【従来の技術】
配線用遮断器に組み込まれる過電流引外し装置には機
械式と電子式とがある。 機械式過電流引外し装置は、比較的小さな過電流が流
れた場合に所定の遅延時間で引外しを行う長限時引外し
特性を実現するために、電流を熱的に検出するバイメタ
ルを使用し、短絡電流などの大きな電流が流れた場合に
即座に引外しを行う瞬時引外し特性を実現するために、
電流による磁界を検出して可動鉄片を吸引する電磁石を
使用している。更に、他の過電流保護機器との動作協調
を容易とする短限時引外し特性を実現するために、歯車
機構を介在させた別の可動鉄片を使用している。 これに対して、電子式過電流引外し装置は、変流器に
より検出した電流信号を電子回路で常時監視し、過電流
状態と判断した場合にはその電流の大きさに対応した遅
延時間でトリップコイルに引外し信号を出力するもので
ある。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記機械式過電流引外し装置は動作電流や
遅延時間などの動作特性を調整可能に構成することが技
術的に困難であり、また短限時特性を得るための歯車機
構が大きな容積を必要とするために配線用遮断器の外形
寸法が大型化するという欠点がある。一方、電子式過電
流引外し装置は各種動作特性の可調整機能を容易に実現
できる反面、機械式に比べて瞬時引外しの動作時間が長
く、また定格遮断容量が小さいという問題がある。更
に、電子式過電流引外し装置は機械式よりも使用部品が
多いので動作信頼性が劣るという問題もある。したがっ
て、機械式あるいは電子式のいずれかの過電流引外し装
置を備えた配線用遮断器は、それぞれの方式に伴う問題
点をある程度包含せざるを得ない。 この発明は、機械式の過電流引外し装置を備えた配線
用遮断器(以下、機械式配線用遮断器という。)に電子
式の過電流引外し装置を組み合わせて、上記問題の解決
を図った配線用遮断器を提供することを目的とするもの
である。
【課題を解決するための手段】
この発明は機械式の過電流引外し装置を備えた配線用
遮断器をベースにして、これにユニット化した電子式の
過電流引外し装置を装着することにより上記目的を達成
するものである。すなわち、この発明は、過電流検出部
としてバイメタル及び電磁石を有する機械式過電流引外
し装置を備えた配線用遮断器の負荷側端子部に、前記機
械式過電流引外し装置と協調させる電子式過電流引外し
装置の変流器、電子回路及び貫通導体を専用ケースに収
納して装着し、この電子式過電流引外し装置のトリップ
コイル機構を前記機械式過電流引外し装置と共に前記配
線用遮断器の本体内に配置するとともに、定格遮断容量
以下の電流領域では前記電子式過電流引外し装置に引外
し動作を行わせ、定格遮断容量を超える電流領域では前
記機械式過電流引外し装置の電磁石に瞬時引外し動作を
行わせ、かつ前記機械式過電流引外し装置のバイメタル
には前記電子式過電流引外し装置よりも引外し時間の長
い長限時引外し特性を持たせるものとする。
【作 用】
電子式過電流引外し装置のトリップコイル機構を除く
部分、つまり変流器、電子回路及び貫通導体を専用ケー
スに収納してユニット化したものを機械式配線用遮断器
の負荷側端子部に装着し、トリップコイル機構は機械式
過電流引外し装置と一緒に遮断器ケース内に配置する。
これにより、機械式及び電子式の過電流引外し装置を併
用した配線用遮断器を機械式配線用遮断器を利用して容
易に生産できる。 そして、併用式の配線用遮断器では、短限時引外し特
性や動作特性の可調整機能は電子式過電流引外し装置で
得るようにし、瞬時引外し特性については機械式過電流
引外し装置により電子式の場合よりも高い定格遮断容量
を実現する。また、電子式過電流引外し装置よりも動作
時間の長い長限時引外し特性を有するバイメタルを機械
式過電流引外し装置に具備することにより、電子式過電
流引外し装置が故障し動作不能となった場合にも電線保
護を確保できる。
【実施例】
以下、第1図〜第3図に基づいてこの発明の実施例を
説明する。ここで、第1図(A)は配線用遮断器の要部
概略縦断面図、同(B)はその平面図、第2図は第1図
(A)におけるトリップコイル機構の拡大縦断面図、第
3図(A)は機械式過電流引外し装置の動作特性図、同
(B)は電子式過電流引外し装置の動作特性図、同
(C)は両者を併用した場合の動作特性図である。 まず、第1図において、1は単独では機械式配線用遮
断器として使用される遮断器本体で、モールド樹脂のケ
ース2とカバー3とからなる外箱内に各種構成部品が収
納されている。4は一端を負荷側の端子板とする負荷側
導体で、他端は可撓導体を介して図示しない可動接触子
に接続されている。5は機械式過電流引外し装置のバイ
メタル、6は同じく固定マグネットで、これらはリベッ
ト7により導体4に一緒に固定されている。8は固定マ
グネット6に対応して配置された可動鉄片、9はその復
帰ばねである。10は電子式過電流引外し装置の磁気保持
形のトリップコイル機構で、開閉機構部11の一部を構成
するトリップクロスバー11aを挟んで、機械式過電流引
外し装置のバイメタル5及び可動鉄片8の反対側に配置
されている。 ここで、トリップコイル機構10について、第2図の縦
断面図により構成を説明する。図において、12はコ字形
のヨーク、13はこれに固着された固定鉄心、14はシリン
ダ15を介して固定鉄心13の外側に嵌め込まれたトリップ
コイル、16はシリンダ15に嵌め込まれたシャント、17は
シャント16の外側にトリップコイル14と隣接して配置さ
れた上下一対の永久磁石、18はヨーク12の両脚に跨がっ
て結合され、シャント16及び永久磁石17を押さえるヨー
ク片、19はシリンダ15内に摺動自在に納められた可動鉄
心、20は可動鉄心19に固着され先端が固定鉄心13をゆる
く貫通してヨーク12の外に突出する可動ピン、21は可動
ピン20の頭部とヨーク12との間に装着された復帰ばねで
ある。 ヨーク12は樹脂成形品の箱状のベース22に図示の通り
保持され、ヨーク12から突出した可動ピン20は、一端で
ピン23を介してベース22に回動自在に支持されたレバー
24の中腹部24aと対向するようになっている。レバー24
はピン23に装着された捩じりばねからなる駆動ばね25に
より図の時計方向に常時回転力を受けている。そして、
トリップコイル14が励磁されない状態では、可動鉄心19
は永久磁石17の磁束により図示の通り固定鉄心13に吸着
され、可動ピン20は駆動ばね25に抗してレバー24を図示
位置に拘束している。 このような構成のトリップコイル機構10は、遮断器本
体1のケース2に設けられた図示しない取付溝とベース
22に設けられた図示しない取付脚との嵌合により、第1
図(A)に示すように、開閉機構部11の側方に着脱自在
に装着され、カバー3により上方から押さえられて固定
される。そして、ケース2に装着された状態で、可動ピ
ン20に拘束されたレバー24の先端は、トリップクロスバ
ー11aと所定の間隔を介して対向するようになってい
る。 一方、26はケース本体27及びカバー28からなる電子式
過電流引外し装置の専用ケースで、プリント板29に実装
された変流器30、これを貫通する貫通導体31、変流器30
を介して貫通導体31を流れる電流を監視する電子回路を
搭載したプリント板32及び33などを収容している。貫通
導体31はねじ34でケース本体27に裏面側から締め付けら
れ、一端31aは遮断器本体1の負荷側端子板4aとの接続
端となり、他端31bは新たな負荷側の端子板となってい
る。 ケース26の本体27は、第1図(B)に示すように、先
端に膨らみを持つ係合突起27aがケース2の相間に形成
された同形の溝2aに嵌め込まれることにより遮断器本体
1に装着され、貫通導体31の接続端31aはねじ35でケー
ス2の裏面側から端子板4aに締め付けられる。なお、溝
2aは相間バリヤ装着用として標準装備されたものが利用
されている。ケース26のカバー28は、その表面側からね
じ36で、またケース2の裏面側からねじ37でそれぞれケ
ース本体27に締め付けられている。そして、トリップコ
イル機構10から引き出されたリード線38と、ケース26内
の電子回路から引き出されたリード線39とは、雌雄一対
のコネクタ40及び41により互いに接続されている。 ここで、過電流の大きさと動作時間との関係を示す第
3図の動作特性について説明する。第3図(A)は機械
式過電流引外し装置の動作特性で、バイメタル9による
長限時引外し特性と、電磁石(固定マグネット6及び可
動鉄片8)による瞬時引外し特性とからなっている。同
(B)は電子式過電流引外し装置の動作特性で、長限時
引外し特性、短限時引外し特性及び瞬時引外し特性から
なり、×印点は定格遮断容量を示している。また、ΔI1
は短限時引外し電流の可調整範囲、ΔI2は瞬時引外し電
流の可調整範囲である。同(C)は機械式と電子式とを
併用した第1図の配線用遮断器の動作特性で、定格遮断
容量以下では電子式過電流引外し装置の引外し特性を利
用し、それ以上では機械式過電流引外し装置の瞬時引外
し特性を利用している。 このような動作特性において、導体4及び31を流れる
電流が過電流状態になると、変流器30を介してこれを検
知した電子回路は電流に応じた遅延時間でトリップコイ
ル機構10に引外し指令を送出しトリップコイル14を励磁
する。トリップコイル14は励磁されると永久磁石17と逆
方向の磁束を発生するので、可動鉄心19は駆動ばね25の
力により固定鉄心13から離反し、それに伴ってレバー24
は時計方向に回動する。このレバー24はトリップクロス
バー11aを図の左方向に引き寄せて開閉機構部11の鎖錠
機構を突き崩し、図示しない可動接触子を開離させる。 すでに述べたように、定格遮断容量以下では電子式過
電流引外し装置により引外しが行われるが、それを超え
る電流領域では機械式過電流引外し装置の可動鉄片8が
復帰ばね9に抗して瞬時に固定マグネット6に吸引さ
れ、トリップクロスバー11aを押して開閉機構部11を開
離動作させる。また、電子式過電流引外し装置が動作不
能となった場合には、ジュール熱による導体4の発熱で
加熱されたバイメタル5の湾曲によりトリップクロスバ
ー11aが押され、第3図(C)に破線で示した特性の引
外し動作が行われる。 以上の通り、図示構成によれば長限時及び短限時引外
し特性や各動作特性の可調整機能は電子式過電流引外し
装置で、また瞬時引外し特性は機械式過電流引外し装置
で得ることにより、優れた可調整機能を持ちながら遮断
容量の大きい配線用遮断器を構成することができ、また
電子式過電流引外し装置が故障して動作不能となった場
合にも長い動作時間特性を備えたバイメタルでカバーす
ることができる。しかも、両方式の過電流引外し装置を
備えた図示配線用遮断器は特別に生産する必要はなく、
機械式配線用遮断器を遮断器本体1としてケース2にト
リップコイル機構10を嵌め込み、負荷側端子部に専用ケ
ース26を装着するだけで簡単に構成できる。
【発明の効果】
この発明によれば、機械式と電子式の両方の過電流引
外し装置を併用し、それぞれの利点を活かした高機能で
高遮断容量の引外し動作特性を有する信頼性の高い配線
用遮断器を簡単に構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)はこの発明の実施例の要部縦断面図、第1
図(B)はその平面図、第2図は第1図(A)における
トリップコイル機構の拡大縦断面図、第3図(A)は機
械式過電流引外し装置の動作特性図、第3図(B)は電
子式過電流引外し装置の動作とぅせい図、第3図(C)
は第1図の配線用遮断器の動作特性図である。 1……遮断器本体、2……ケース、3……カバー、4…
…負荷側導体、5……バイメタル、6……固定マグネッ
ト、8……可動鉄片、10……トリップコイル機構、11…
…開閉機構部、11a……トリップクロスバー、26……専
用ケース、30……変流器、31……貫通導体。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過電流検出部としてバイメタル及び電磁石
    を有する機械式過電流引外し装置を備えた配線用遮断器
    の負荷側端子部に、前記機械式過電流引外し装置と協調
    させる電子式過電流引外し装置の変流器、電子回路及び
    貫通導体を専用ケースに収納して装着し、この電子式過
    電流引外し装置のトリップコイル機構を前記配線用遮断
    器の本体内に前記機械式過電流引外し装置と共に配置す
    るとともに、定格遮断容量以下の電流領域では前記電子
    式過電流引外し装置に引外し動作を行わせ、定格遮断容
    量を超える電流領域では前記機械式過電流引外し装置の
    電磁石に瞬時引外し動作を行わせ、かつ前記機械式過電
    流引外し装置のバイメタルには前記電子式過電流引外し
    装置よりも引外し時間の長い長限時引外し特性を持たせ
    るようにしたことを特徴とする配線用遮断器。
JP2134483A 1990-05-24 1990-05-24 配線用遮断器 Expired - Lifetime JP2727738B2 (ja)

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JP5274958B2 (ja) * 2008-09-24 2013-08-28 河村電器産業株式会社 瞬時遮断機構を備えたブレーカ
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