JPS62267433A - チタン合金溶製用消耗電極 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、アルミニウム等の低融点金属を含むチタン合
金溶製用の消耗電極に関するものである。

［従来の技術］ チタンは極めて活性に富む金属であり、溶融状態におい
ては、殆んどの耐火物と反応し、耐火物を溶損させる。

チタンはまた融点も極めて高いのでその溶解にはエネル
ギー密度の高い熱源が必要とされる。この為、チタン合
金の溶解法としては、従来消耗電極式真空アーク溶解法
が最も一般的に使用されている。

この方法で用いられる従来の消耗電極の製造方法を説明
すると、第９図において金型１の内部に所要の合金成分
（例えばアルミニウム）２を配置すると共に、該合金成
分の上下両端部及び側辺部にはスポンジチタン３を配置
する。つまり合金成分２は、スポンジチタン３で隠蔽さ
れた状態にある。尚、４はシリンダである。この様な構
成体を軸方向にピストン５で冷間圧着することにより第
１０図に示す圧着成形物１即ちブリケット６が成形され
、このブリケット６を複数個長手方向に接続してこれら
の接合点６”を溶接することによリ、第１１図に示す消
耗電極７が製造される。

（特開昭５８−１６１７３５）。この様にして得られる
消耗電８ｉ７は、例えばＴｉ−６ＡＩ−４Ｖ等のチタン
合金の溶製に汎用されている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら上述した様な従来の技術では下記の様な問
題が指摘される。

■低融点金属はチタン層と融合することなく独立に存在
しているので、電極自体が偏析状態にある。従って電極
融解時に高融点のチタンより先に低融点金属が容易に溶
は出して不均一溶解を生ずるおそれがあり、特に低融点
金属の含有量が１０重量％を超えるような比較的多量の
場合は、その傾向が大である。その結果、溶製塊中にも
成分偏析が惹起される。

■個々のブリケットの容積が小さいので、チタン以外の
合金成分を中心部に適確に配置し、該合金成分の全外表
面をチタン層で完全且つ均一に覆うことは必らずしも容
易ではなく、合金成分が一部露出したり、或はチタン層
の外層部に片寄って配置されるおそれがある。この場合
、チタン以外の合金成分が例えばアルミニウム（融点６
６０℃）のような低融点金属である場合は、チタン融点
（１６６８℃）との温度差が非常に大きいので、一部露
出し、或はチタン外層部に片寄っている低融点金属がチ
タンより先に容易に溶は出し、それに伴ってし生じる気
孔等のために消耗電極を製造する際のブリケットの溶接
性を阻害するおそれがあると共に電極溶解時に不均一溶
解を生じその結果溶製塊にも成分偏析を生じるおそれが
ある。

■低融点金属をブリケット中心部に適確に配置し、その
全外表面をチタン層で完全に覆うことができたとしても
、低融点金属の含有量が比較的多い場合は、ピストン圧
によってチタン被覆層が薄くなる。従ってこの場合、低
融点金属は露出しないまでも上記■で述べた、チタン外
層部に低融点金属が片寄った状態となる。その結果チタ
ンより低融点金属が先に溶は出し■の場合と同様に消耗
電極を製造する際のブリケットの溶接性を阻害するおそ
れがあると共に電極溶解時に不均一溶解を生じその結果
溶製塊にも成分偏析を生ずるおそれがある。

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって
、その目的は、電極溶解時にチタン合金が不均一に溶解
することがなく、かつブリケットの溶接性が阻害される
ことのないチタン合金溶製用消耗電極を提供しようとす
るものである。

［問題点を解決する為の手段］ 本発明の構成は低融点金属を含むチタン合金溶製用の消
耗電極であって、チタン又はチタン合金（チタンと上記
低融点金属との合金を除く）よりなる中空体の中空部に
はチタン及び上記低融点金属の粉粒体を含む混合粉粒体
を収容し、且つ該中空体の両端面にチタン又はチタン合
金（チタンと上記低融点金属との合金を除く）の成形体
を配置してなるブリケットを長手方向に接合したもので
ある点に要旨を有するものである。

［作用コ 本発明は上述の様に構成されるが、要するに粉粒状の低
融点金属が粉粒状のチタン又はチタン合金中に分散して
存在するから、低融点金属が比較的多い場合でも電極溶
解時に不均一溶解を生ずることなく、合金成分が均一に
溶解されるので溶製塊中に偏析を生ずることがない。ま
た低融点金属層はチタン収容体及びチタンシール材で完
全に封じ込められ隠蔽された状態にあるから、低融点金
属が比較的多い場合でも低融点金属が露出し、或はチタ
ン外層に片寄ることがなくその結果ブリケットの溶接性
が阻害されることもなくこの点からも溶製塊には偏析を
生ずるおそれがない。

尚、本発明における低融点金属とは、アルミニウム、錫
或は銅等の様にチタンの融点より低い金属をいうが、融
点の範囲が特に限定されるものではない。以下本発明を
実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例に限定されるものではなく、前・後記の趣旨
に徴して適宜設計変更する場合もすべて本発明の技術範
囲に含まれる。

［実施例］ 第１図は、本発明の実施例における消耗電極を構成する
ブリケットの圧着成形前の構成を説明する図である。

８は金型１の内部に収容されたチタン板よりなる中空体
であり、該中空体８の中空部にはチタン及び低融点金属
を含む混合粉粒体９が収容され且つ中空体８の上下両端
部には、スポンジチタン３がそれぞれ配置されている。

この様な構成体をピストン５によって軸方向に冷間圧着
することにより第２図に示すブリケット６を成形した。

このブリケット６を複数個長手方向に接続して溶接する
ことにより第３図に示す消耗電極７を製造した。

尚、本実施例においては、中空体８の形成は次の様に行
なった。

まず、第４図に示すようにチタン板を円筒状に形成する
と共に該円筒の一端部には円周に沿って軸方向に複数の
切込み１０を設けた。次に第５図に示すように該切込み
１０を円筒の内側に折り曲げ折曲部８°を設けた。折曲
角度は９０度未満とした。ブリケット６の成形時におい
ては、この折曲部８°の存在により円筒の端部がシリン
ダ４とピストン５のピストンヘッド５′の間に侵入する
おそれが防止される。尚、切込み１０の折曲角は特に限
定されるものではないが、第６図に示すように折曲角を
直角にすれば混合粉粒体９の投入口１１の面積が小さく
なり、中空体８への混合粉粒体９の投入が円滑に行なえ
ないおそれがある。

従って前記のように折曲角を９０度未満とすることが好
ましく、その結果混合粉粒体９の没入口の面積が大きく
なり混合粉粒体９の没入が容易となる。但し、円筒の端
部がシリンダ４とピストンヘッド５°の間に入り込むの
を防止する方法は、上記の折曲部８°を設ける方法に限
定されるものではなく、適宜の方法を用いればよいので
あり、例えば円筒端部に切込みを入れることなく円筒内
径をピストンヘッド５′の外径より小さくする方法であ
ってもよい。

次に本実施例においては、円筒の両端部に対して端部外
方からスポンジチタン３を当接する方法により円ｆｆｌ
端部のシールを行なったが、円筒端部のシール方法は、
これに限定されるものではない。従って例えば、第７図
に示すように中空体８の上下両端部にそれぞれ設けられ
た切込み１０のうち下端部の切込み１０を直角に折り曲
げて折曲部８°°を設け、スポンジチタン３（図示せず
）を中空体８の中空内部側から折曲部８°゛に当接する
方法であってもよい。この方法においては折曲部８゛°
　はスポンジチタン３の支持部となる。この場合、中空
体８の上端部即ち、混合粉粒体９の没入口１１のシール
は、スポンジチタン３を中空体８の上端部外方から投入
口１１に当接する方法であってもよく、或はまたシール
材が柔軟なものである場合には、シール材を中空体８の
上端部内方から投入口１１に当接する方法であってもよ
い。

このように中空体８の下端部を内側に直角に折曲げ、折
曲部８°をスポンジチタン３の支持部とする方法にあっ
ては、円筒内径をピストンヘッド５°の外径より小さく
形成すれば第８図に示すように中空体８の上端部は折曲
部を形成することを要しないのはすでに述べたところで
ある。円筒端部のシール材は、上記スポンジチタンに限
定されるものではなく、その他のチタン成形体であって
もよいことは勿論である。尚、上記実施例では、中空体
８の形状を円筒状としたが、中空部を有する形状であれ
ば、円筒状に限らず、断面多角形状その他の形状のもの
であってもよい。

次に、ブリケット６の成形方法も特に限定されるもので
はないが、合金成分として低融点金属が含まれるので冷
間圧着を用いることが望ましい。

本実施例において混合粉粒体９として■スポンジチタン
粒＋アルミニウム粒を用いてＴｉ−３７Ａ１及び■スポ
ンジチタン粒＋アルミニウムーバナジウム母合金粒を用
いてＴ　ｉ　−３３，５Ａ　１−２．５ｖの真空溶解を
実施した。溶製塊を分析した結果、いずれの場合も成分
は均一で、偏析を生じるものではないことが確認された
。

実施例ｌ Ｔｉ−３７ＡＩの場合 スポンジチタン＋チタン板＝６３％（重量％以下同じ） アルミニウム粒　　　　　：３７％ でブリケットを製造した。

（分析結果） 分析位置インゴット頂部　　３６．９％　（ＡＩ）〃　
　中間部　３７，０％（ＡＩ） 〃　　底部　　３７．０％　（ＡＩ） 実施例２ Ｔ　ｉ　−３３，５Ａ　Ｉ　−２，５Ｖの場合スポンジ
チタン＋チタン板：６４％ アルミニウム粒　　　　　　：３１％ （ＡＩ−Ｖ）母合金　　　：　５％ でブリケットを製造した。

（分析結果） 分析位置インゴット頂部　３３．３％１（Ａｌ）、２．
５Ｘ（Ｖ）〃　　中間部３３．４６４（Ａｔ）、２．５
Ｘ（Ｖ）〃　　底部　３３．４％１（Ａｔ）、２．５ｋ
（Ｖ）［発明の効果］ 本発明は上述の様に構成されるから電極に低融点金属が
比較的多く含まれている場合でも、電極溶解時に合金成
分が均一に溶解されるので溶製塊中に偏析を生ずること
がない。

また、低融点金属層はチタン収容体及びチタンシール材
で完全に隠蔽されるから低融点金属がチタン外層側に片
寄ることがなく従ってブリケットの溶接性が阻害される
こともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における消耗電極を構成するブ
リケットの圧着成形前の構成を説明する図、第２図はプ
レスされたブリケットの断面図、第３図は　消耗電極、
第４図は円筒状中空体、第５図及び第６図は上端部を折
曲した円筒状中空体、第７図は上下両端部を折曲した円
筒状中空体、第８図は下端部を折曲した円筒状中空体、
第９図は従来例における消耗電極を構成するブリケット
の圧着成形前の構成を説明する図、第１０図は従来例に
おけるプレスされたブリケットの断面図、第１１図は従
来例における消耗電極である。 ３・・・スポンジチタン　６・・・ブリケット７・・・
消耗電極　　　　８・・・中空体９・・・混合粉粒体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）低融点金属を含むチタン合金溶製用の消耗電極で
   あって、チタン又はチタン合金（チタンと上記低融点金
   属との合金を除く）よりなる中空体の中空部にはチタン
   及び上記低融点金属の粉粒体を含む混合粉粒体を収容し
   、且つ該中空体の両端面にチタン又はチタン合金（チタ
   ンと上記低融点金属との合金を除く）の成形体を配置し
   てなるブリケットを長手方向に接合したものであること
   を特徴とするチタン合金溶製用消耗電極。
2. （２）特許請求の範囲第１項において低融点金属がアル
   ミニウムであるチタン合金溶製用消耗電極。