JPS6225284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスローアウエイチツプに係り、特に、
チツプの安定性がよく、しかも切削性能および切
屑処理有効範囲が拡大されるようにしたものであ
る。

従来、この種のスローアウエイチツプでは、そ
の切刃稜にインクリネーシヨンを付加した場合中
央ボス面が切刃稜から離れ、片面しか利用できな
いものである。

したがつて、スローアウエイチツプのチツプ座
へのすわりを良好にするとともに、両面使用可能
でしかも切削性能の向上したスローアウエイチツ
プの開発が要求される。

本考案は、上述の点に鑑みなされたもので、ク
ランプホルダのチツプ座内で敷金を介して載置さ
れ、しかもその上下面には、チツプブレーカ溝が
形成されるようにした改良されたスローアウエイ
チツプを提供するものである。

以下、本考案スローアウエイチツプの一実施例
について、図を参照しながら説明する。

第１図乃至第６図において、１は、多角形板状
をなすスローアウエイチツプであり、例えば、第
１図および第２図で示されるようなクランプホル
ダ２のチツプ座３内で敷金４を介して固定され
る。この場合スローアウエイチツプ１の固定は、
図示のようなねじ５によるだけでなく、偏心ピ
ン、Ｌ字形のレバーによる場合等適宜の手段が採
用されるが、本考案では敷金４は特に支持安定の
関係から必要なものである。

前記スローアウエイチツプ１は、第３図以下に
明示されているように、その上下面の周縁部分に
チツプブレーカ溝６が形成され、その切刃稜７に
はインクリネーシヨンαが付加される。そして、
この切刃稜７に沿つたチツプブレーカ溝６内には
長方形状の２つの凹部８が略ハの字を呈するよう
に左右対称位置に形成される。

この凹部８は、平面状の底面８ａを有しており
この底面８ａに切屑が強制的に接触することによ
り切屑処理が行なわれる。これは特に切屑拘速形
のチツプブレーカ溝６として意味をもつものであ
る。

また、この凹部８は、中央ボス面９が前記敷金
４に接するように載置されたときには、敷金４上
の凸部（図示せず）が嵌入することにより、スロ
ーアウエイチツプ１の支持を安定させているもの
である。

なお、本実施例では、中心取付け穴１０を有す
る平行四辺形板状のスローアウエイチツプ１に適
用しているが、特にこれに限定されることなく、
例えば切刃稜に沿つてランドを形成するとか全体
的な形状として三角形板状、正方形板状のものに
適用する等の変更が許容される。第５図は、本考
案品Ａおよび従来品Ｂにおける耐欠損性を比較し
たものである。すなわち、この比較試験は、切削
速度Ｖおよび切込みｄを一定として、送りの上昇
変化により、欠損したときに×印欠損しないとき
に〇印を付して比較したものである。この結果、
本考案品Ａは、切込みｄ＝２，４mmで従来品Ｂに
対して耐欠損性が高められていることが判る。な
お、本考案品Ａおよび従来品Ｂは、ともに第１図
にみられるような菱形板状のスローアウエイチツ
プを基本形状としたものである。その区別は、凹
部８を有するものが本考案品Ａ、凹部８を有しな
いものが従来品Ｂである。

このようにして構成された本考案のスローアウ
エイチツプ１は、以下のような技術的効果を有す
るものである。

第１に、スローアウエイチツプ１の安定性が良
いことである。それは中央ボス面９による支持の
ほか、下面に位置するチツプブレーカ溝６内に設
けられた前記凹部８が敷金４によつて支持される
ため、スローアウエイチツプ１のチツプ座３内へ
のすわりが良くなるからである。

第２に、切削性能が良好なことである。これは
切刃稜７にはインクリネーシヨンαが付加される
ことから、切削抵抗が減少すること、また、凹部
８の底面８ａに切屑が強制的に接触する際、切屑
擦過が部分的に途切れることから切削温度が減少
すること、さらに切削抵抗の減少、スローアウエ
イチツプ１の安定性に伴つて切削振動が減少する
ことからである。

第３に、切屑処理有効範囲が広いことである。
これは、前述したようにスローアウエイチツプ１
の安定性が良くなつたことに伴い、チツプブレー
カ溝６を大きく設定でき、重切削への適用が可能
になつたからである。

本考案は以上説明したように、チツプブレーカ
溝内に、切屑拘速用およびチツプ座への安定支持
用の凹部を存在させ、しかもその切刃稜には、イ
ンクリネーシヨンαを付加させチツプブレーカ溝
が大きく設けられるような構成を採つたものであ
るから、スローアウエイチツプの安定性が良くな
り、また切削性能の向上、重切削側への切屑処理
有効範囲の拡大等の具体的効果が得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案スローアウエイチツプを組込ん
だクランプホルダを示す平面図、第２図はその側
面図、第３図は本考案スローアウエイチツプの一
実施例を示す拡大した正面図、第４図はその一部
側面図、第５図は第３図中の−線に沿つて得
られる一部断面図、第６図は同じく第３図中の
−線に沿つて得られる一部断面図、第７図は同
じく第３図中の−線に沿つて得られる一部断
面図である。第８図は、本考案品Ａおよび従来品
Ｂにおける耐欠損性を比較した説明図である。 １……スローアウエイチツプ、２……クランプ
ホルダ、３……チツプ座、４……敷金、６……チ
ツプブレーカ溝、７……切刃稜、８……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 クランプホルダ２のチツプ座３内で、上面に凸
   部が形成された敷金４を介して載置され、しかも
   その上面および下面には、チツプブレーカ溝６が
   それぞれ等しく形成されるようにしたスローアウ
   エイチツプにおいて、 前記チツプブレーカ溝６内のノーズ付近には、
   インクリネーシヨンαが付加された切刃稜７に沿
   つて長方形状をなす２つの凹部８が略ハの字を呈
   するように設けられ、この凹部８は、平面的な底
   面８ａがそれぞれ形成されるとともに、下面側に
   位置する凹部８が前記敷金４の凸部に嵌入支持さ
   れ、また上面側に位置する凹部８の底面８ａが切
   屑と接触して切屑を拘束するようにしたことを特
   徴とするスローアウエイチツプ。